YuukiImazuさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

YuukiImazu

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ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.7

「映画は芸術である」

観客の感性に訴えかけるアーティスティックな作品やリアリズム溢れる作品なんかどうでもよい、儲け主義のハリウッドのプロデューサー・グリフィンの嘘っぱちの台詞。
ヒット作を生み出す定
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捜索者(1956年製作の映画)

4.2

真っ暗な屋内から、開け放たれたドアの向こうに眺めるモニュメント・バレーの風景。光と影のコントラストに心を奪われるオープニングシーンだ。
その陽光の中に現れる、ジョン・ウェイン演じる流れ者・イーサン。西
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.7

理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士と妻・ジェーンの物語。

ALSという難病を発症したホーキング博士は身体の自由を奪われても、宇宙への探究を深める。ジェーンも、彼の介護に疲弊しながらも献身的な愛
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

豊かな創造力から構築された現実逃避の物語だ。

本作はコーエン兄弟が「ミラーズ・クロッシング」の製作中に脚本執筆で苦労した体験を基にしているらしい。本作の主人公バートン・フィンクは、当時の監督の苦悩が
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.0

愛する女・フロランスと結ばれる為にターゲットの殺害を成功させた男・ジュリアンの1つのミスと完全犯罪の破綻。
エレベーターに閉じ込められたジュリアンを待つフロランスの一途な愛と男への疑念。
ジュリアンの
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.9

時空を超えて、連続爆弾魔を追いかける男を描くSF作品。

1970年代のバーで、爆弾魔を捕らえようとするバーテンダーと1人の男が長尺の会話をする。男の数奇な人生が回想され、驚愕の出来事や意味深な台詞の
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.0

ある家族を通し、先の見えない庶民の生活の中に宿る光を見出し、暖かい眼差しを向けている。第二次世界大戦後の貧困にあえぐイタリアの現実を直視したネオリアリズモ(新写実主義)代表作。

仕事を求める人々で溢
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.9

ブロークバック・マウンテンへの追憶。アメリカ・ワイオミングに始まる愛の物語は、60年代初頭の同性愛が許されない時代で展開。

イニスとジャック、2人のカウボーイが羊番として山にこもり時間を共にする。何
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君が生きた証(2014年製作の映画)

3.8

ウィリアム・H・メイシー初監督作品。大学の銃乱射事件で愛する息子を失った父親の喪失と成長のドラマ。「えーーっ!(◎_◎;)」となる映画。

原題の「Rudderless」は舵を失ったという意味で、父親
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.7

マイケル・ファスベンダー演じるセックス依存症のハンサムなプレイボーイは、優雅な生活を送る成功者。ただ彼に纏わりつく青や白の冷たく寒々しい色彩が、感情の欠如、セックス以外で他者との関係を保てず虚ろな日々>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

4.6

70年代当時のアメリカの空気を刻み込んだドキュメンタリーのよう。アメリカのシンガーソングライターのジェイムズ・テイラーとビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンを主演に迎えたアメリカン・ニューシネマ。>>続きを読む

マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014年製作の映画)

3.5

ハリウッドセレブ達の低俗な会話と痴態が横行。本作のドロドロとした人間模様が、クローネンバーグ映画にある悪趣味的要素かぁ。

過去の作品には、血肉踊る過剰な演出で、人間や現実を破壊し、人間の内面をグロテ
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.3

神映画。人生を後押ししてくれるような
優しくて、暖かい素敵な映画。

失恋により落ち込むシンガーソングライターのグレタ。彼女の歌声に惚れ込んだ落ち目の音楽プロデューサー・ダンの誘いでアルバム制作を開始
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.5

うだるような暑さの密室と12人の陪審員の白熱の議論の相乗効果で、ヒリヒリとした緊張と熱が画面に迸っている。限られた舞台で展開する物語だけに、構図や空間の使い方がうまいなぁと思った。

被告人の少年を1
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プリシラ(1994年製作の映画)

4.0

砂漠の道を行く3人のドラァグクィーン。ショーに出演する為、《プリシラ》と名付けられたバスで旅に出るロード・ムービー。人生を自分色に染めれば良いのやな。

旅の舞台となる、果てしなく続く砂漠と青い空。大
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

3.3

ヴァンパイアのライフスタイルに密着したモキュメンタリー調ホラーコメディ。チープ感がたまらない。

新人ヴァンパイアと人間との奇妙な生活により、ヴァンパイアの掟が破られてしまい…。

トイストーリーのウ
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.3

60年代のアート界で起きたスキャンダラスな実話を元にした作品。内容自体はまぁ、普通かなって感じだが、クリストフ・ヴァルツの芸達者っぷりが強烈でしたね。
おいしいところを全部持っていく彼の憎たらしさはこ
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ロード・トゥ・パーディション(2002年製作の映画)

3.5

サム・メンデス監督のクラシカルなマフィア映画。ある秘密を握ってしまったマフィアの幹部マイケル・サリヴァンと息子。殺し屋からの逃亡を図るが…。

バイオレンス描写も極力抑えられており、派手な演出は排され
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ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)

4.2

懐古ドラマは普遍的に愛される作品だろう。親子の物語なら尚更。ロバート・ダウニー・Jr、ロバート・デュバルの演技が素晴らしいストレートに胸を打つ感動作。

拝金主義でやり手弁護士のハンク。人々の厚い信頼
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馬々と人間たち(2013年製作の映画)

3.8

人間の業への冷ややかな視線。でも暖かくも、優しい気持ちが存在している。不思議な魅力があるアイスランド産の馬ムービー。

オムニバス形式で綴られる本作は、エピソードの変転時に馬の瞳を捉え、《馬視点》で見
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

3.8

ローリング・ストーンズの“Jumpin' Jack Flash”をバックに、スローモーションでデニーロ演じるジョニーボーイが女をつれて登場。この場面で感情の高ぶりを禁じ得ず、ガッツポーズ‼︎カッコイイ>>続きを読む

シン・シティ 復讐の女神(2014年製作の映画)

3.0

最新作は新キャストの1人、エヴァ・グリーンのえげつない魔性っぷりと大迫力の裸体を楽しむ映画だったかな。

相変わらずのモノクロ映像による独特なヴィジュアルとモノローグ調で進む構成、ジョシュ・ブローリン
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シン・シティ(2005年製作の映画)

3.5

パート2の前に久々に鑑賞。

フランク・ミラー原作コミックの映画化作品。

悪が蔓延る街シン・シティで、
3つの異なるエピソードがモノローグと共に展開する群像劇。ブルース・ウィリス、ミッキー・ロークな
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.5

アナ雪の次はまさかのヒーローもの‼︎
予告編のイメージを良い意味で裏切るアクションエンターテイメントでした。最愛の兄を亡くし、
大きな心の痛手を負った少年。彼の悩める姿、力を持った故に少しばかり暴走ぎ
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.5

オープニングの見開かれた目に心の暗部を覗き見られる。ある意味、この目が本作の恐怖。殺される人間の断末魔の表情を撮影する男のサイコスリラー。

人間の恐怖に対する反応を研究する父親の被験者として過ごした
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.8

生理的に拒絶したくなるほどに癖になる気持ち悪さ。クローネンバーグ監督「ヴィデオドローム」。殺人や拷問映像を流す過激なテレビ番組「ヴィデオドローム」。その存在を知った男が、残酷な映像にのめり込む内に幻覚>>続きを読む

エンド・オブ・ウォッチ(2012年製作の映画)

3.5

人種のるつぼ・アメリカ。L.Aの重犯罪多発地区を舞台にした2人の警官のバディムービー。徐々にメキシコ人のヤバい連中に目をつけられ…。

ファウンドフッテージ形式による生々しい犯罪現場の映像は、息苦しい
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トイレット(2010年製作の映画)

3.0

バラバラだった3兄弟が日本人の祖母と暮らすことで、家族の絆を取り戻し、成長していく過程を描くドラマ。

脱力感が心地よい。人生を達観したかのような無口で超落ち着いた“ばーちゃん”と、猫の“せんせー”を
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

3.6

妖艶で美しい悪夢であって喜劇。「マゾヒズム」の語源となったザッヘル=マゾッホの自伝的小説「毛皮のヴィーナス」に着想を得た戯曲をロマン・ポランスキーが監督した作品。

ストーリーとしては薄いけど、傲慢な
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.0

これはブラックコメディや。恐ろしい感情が180度方向転換して笑いに変わったわ。
恐怖と笑いは紙一重。

うっとりするロマンチックな出会いを嘲笑するように、結婚5年目の夫婦の背筋も凍るような、ぶっ飛びの
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リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

3.8

人生は矛盾に満ちていて、儚い。そんなことを感じる束の間のラブ•ストーリー。

夜のネオン煌めくラスベガスに響くジャジーなサウンド。何とも大人な、渋い色気がゆらめく作風に、酒を煽って死を望む退廃的な男と
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未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)

3.5

デンマークとアフリカ。2つの国を舞台に2組の家族が苦難に直面しながらも力強く生きる姿を描く人間ドラマ。

暴力の応酬は愚の骨頂。理不尽な暴力に晒された時、どう対処すべきなのか。いかに赦しを与えるのか。
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神は死んだのか(2014年製作の映画)

1.4

「神は死んだのか」というなんとも挑戦的なタイトル。クリスチャンの大学生が、「神の存在を証明する」という難題に挑むお話。

「神は死んだ」と強引に認めさせる無神論者の大学教授をいかにして論破するかが見所
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フューリー(2014年製作の映画)

3.7

第二次世界大戦最中の1945年4月の時の断片を切り取った本作。

ブラピ演じるウォーダディー率いる米兵達を決してヒロイックには描かず、凄惨をきわめる戦場の惨たらしさを写実的に映し出していく。

神の存
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.5

何とも言えない複雑な感情を与えてくれる不思議な一本‼︎切なく、美しく、優しい。
額縁職人ヨナタンが、家族のために巨額の報奨金のかかった殺しの依頼をうけて•••なお話。

平凡な男が危険な世界に足を踏み
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.5

人類の未来が託された究極のミッションに挑む主人公達の宇宙の旅。足を踏み入れる神の領域は時に沈黙を守り、時に荒々しい。

未知の宇宙へのイマジネーションが見事に昇華された圧巻の映像。崇高さ漂う宇宙空間ば
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