No.331
山中貞雄監督。
河内山宗俊と金子市之丞が弟の失態により身売りする事になってしまった姉のお浪の為に奮闘する。
原節子17歳デビュー作でお浪を演じる。弟の身勝手に苦しむ清らかな姉像。そんな>>続きを読む
山中貞雄監督。
片目と片手が無い異形の侍、丹下左膳が親を失った子供の面倒を見る。
丹下左膳といえば伊藤大輔監督が最初に撮った主君に裏切られ死ぬ悲劇のヒーローとしての姿のイメージが強い。しかし、山中貞>>続きを読む
木下恵介監督。
伊豆島の岬の学校に赴任してきた女教師と生徒達の戦前から16年に渡る物語。
木下恵介監督の代表作といえばこれ、というイメージはあった。そのイメージの通り大変な力作であり、監督自>>続きを読む
木下恵介監督。
レディーカルメンことおきんが前衛美術作家の須藤と出会い恋に落ちる。
『カルメン故郷に帰る』の続編。前作は日本初のカラーだったが、今作はモノクロで撮られている。都会でのロケ>>続きを読む
木下恵介監督。
やくざ家業の男に連れまわされる女性の自我の覚醒を描く。
今まで見てきた木下恵介監督の作品は割とハートフルな印象だったので、初期の頃にこんなセンセーショナルな作品を撮っていた事>>続きを読む
木下恵介監督。
家出をして東京でストリッパーになった娘が地元に帰ってくる。
日本初の総天然色で作られた映画。特に主人公おきんとその友の奇抜な衣装と、浅間山麓ののどかな風景の乖離が良く撮ら>>続きを読む
木下恵介監督。
修理工と令嬢の恋の物語。
黒澤が新時代の女性像として撮り、小津が古風で保守的な女性像として撮った原節子。今作はやや小津よりだが、明らかに違うのが西洋の匂いを感じる女性だという事。能や>>続きを読む
城定秀夫監督。
夏の甲子園一回戦の応援のアルプススタンドのはしの方で繰り広げられる群像劇。
兵庫の高校演劇の戯曲が原作になっている。登場人物も舞台版から引き続き登板というかなり珍しい作品。
甲子園>>続きを読む
小津安二郎監督。
鎌倉に住む家族の物語。
また笠智衆が出てきて原節子演じる紀子(『晩春』と同名の役)が結婚するまでの話かいっ!と思わせておいて、しっかりと別のベクトルの素晴らしい作品に仕上>>続きを読む
アルフレッド・ヒッチコック監督。
国家諜報員の作戦に巻き込まれたサラリーマンの逃亡。
ヒッチコック作品はサスペンス映画の雛形みたいなイメージがあるが、どの作品にも絶対にあるのが”ユーモ>>続きを読む
黒澤明監督。
満州事変前から戦後までの主人公の人生を描く。
黒澤が女性を主人公に据えて撮った、たった二本の中の一本。主人公は代表作『晩春』の3年前の原節子が演じる。
黒澤明戦後一発目、原節>>続きを読む
小津安二郎監督。
父子家庭で育った二女明子が自分の出生に翻弄されていく。
父親が笠智衆、長女孝子が原節子、とまるで『晩春』の続編のように始まるが、長女は夫と上手くいかず実家に戻ってくる>>続きを読む
大島渚監督。
親戚の死を知らせる電報を受け取り、子供の頃住んだ島へ帰る。
『サマーウォーズ』のモデルとも言われているのは聞いていたけど、一部内容がかなり似ている。日本の旧家、家父長制、冠婚>>続きを読む
小津安二郎監督。
結婚に葛藤する娘と彼女を送り出す父親を描く。
『東京物語』の四年前の作品で、小津×原節子の初タッグ作。
とんでもなく面白い映画だった。かなり好み。
小津の傾向として、一般>>続きを読む
大林宣彦監督。
田舎に遊びに来た7人の少女が家に喰われていく。
大林監督の長編デビュー作。アイドル映画でもありホラー映画でもあり、ファンタジーであり、反戦映画でもある。荒唐無稽だけ>>続きを読む
ジャン=リュック・ゴダール監督。
脚本家ポールと妻カミーユの心の断絶を描く。
今まで見たゴダールの作品の中で最も個人的な物語に見えた。実生活でのゴダールとアンナ・カリーナの結婚>>続きを読む
ブライアン・デ・パルマ監督。
キューバから反カストロ主義者として追放された男がアメリカ裏社会で成り上がっていく。
ハワード・ホークスの『暗黒街の顔役』のリメイク。1980年、アメリカンニューシネマブ>>続きを読む
小津安二郎監督。
東京に住む息子達に会うために、尾道から老夫婦が出てくる。
小津作品、いや日本映画といえばこれでしょってくらい代表的な作品。決定的に「小津調」と言われる撮り方が確立していた。>>続きを読む
アルフレッド・ヒッチコック監督。
テロリストの濡れ衣を着せられた男が無実を晴らそうとする。
ヒッチコックお得意の”巻き込まれ型主人公”の話だった。巻き込まれるのは正義感の強い青年で出会う女性>>続きを読む
クリストファー・ノーラン監督。
“テネット”という手段を用いて、世界の破滅を防ぐために奔走する。
いつも通りのノーラン節を全く崩さずに爆発させた難解な映画だった。それでいて分からなくても本当>>続きを読む
ジョナ・ヒル監督。
90年代を舞台に少年の”興味”の行先を描く。
大作ではかなり珍しい、16mmフィルムカメラで撮影された画面の粗さが90年代の姿、匂いの再現に一役買っていた。まるで全編か>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
田崎竜太監督。
『仮面ライダー龍騎』もう一つの最終回。
『仮面ライダー龍騎』の劇場版として最高完成度の作品。小林靖子が生み出した”命の物語”のもう一つの結末を井上敏樹が描く。
仮面ライダ>>続きを読む
長石多可男監督。
大学院生・本郷猛がショッカーに拉致され改造人間になってしまう。
13年ぶりくらいに見た。懐かしすぎる。
何故こうなってしまったのか。一言で表すと、「何がしたいのか分からな>>続きを読む
福田雄一監督。
ドラマ版のその後の話。
福田雄一監督との対戦という事で震えていたけど、ちゃんと面白かった。
ドラマSPじゃなくて、きちんと”劇場版”に成り立たせていたのが柳楽優弥と栄信>>続きを読む
古厩智之監督。
登り続ける「小寺さん」とその姿に惹かれていく人間達を描いた作品。
端的にこの映画を表すと、純青春映画版『ディストラクションベイビーズ』。登る事以外は頭に無く、感情もあまり出さ>>続きを読む
大林宣彦監督作であり、遺作。
広島県尾道市の海辺の映画館で戦争映画の中に入り込んでしまった若者達が様々な経験をしていく。
もの凄かった。まさに玉手箱のような映画。近年の大林監督に見られた戦争>>続きを読む
アイラ・サックス監督。
死期を悟った大女優フランソワ・クレモントが、ポルトガルのシントラにファミリーと友人を呼び寄せる。
第一に見て良かったと思ったのが、シントラの美しさがとてもよく撮ら>>続きを読む
ビクトル・エリセ監督。
1940年のスペインの小さな村に住む姉妹を機敏豊かに描く。
後の『となりのトトロ』の元ネタとしての今作はスペインの広大な野原や、子供達の想像力豊かな姿など”原風景”か>>続きを読む
マキノ正博監督。1939年。
江戸時代を舞台にしたラブコメディミュージカル。
映画は古くならないのが分かる一作だった。最初のシーンの初々しさで映画に取り込まれる。ここまで底抜けに明るい>>続きを読む
クリント・イーストウッド監督、主演。
南北戦争末期、北軍のゲリラに妻子を無残に殺された男の復讐劇。
“贖罪”と”再生”を60年間撮り続けてる彼らしく、南北戦争の中で苦しんだ民衆やインディア>>続きを読む
クリント・イーストウッド監督。
実際に起きた、タリス銃乱射事件の場に居合わせた青年3人の人生を描く。
かなり奇抜な作品で、事件の当事者3人が本人役を演じるというまるで実験のようなキャスティ>>続きを読む
真利子哲也監督作。
主人公、芦原泰良を中心に巻き起こる暴力青春エンターテインメント。
『宮本から君へ』に見られるように、真利子監督は暴力をとにかく粗く、リアルにそれでいて象徴的に撮る。それは全体像>>続きを読む
ジョージ・ロイ・ヒル監督。
西部開拓時代終盤の強盗団が破滅していく姿を描く。実話を元にした作品。
アメリカン・ニューシネマの中でも有名な作品。男男女のトリオが気ままに動く様子からはゴダ>>続きを読む
ジェームズ・マンゴールド監督。
凶悪な男ベン・ウェイドを3時10分ユマ行きの列車乗せるために主人公ダン達が護送する。
巧みな人間ドラマを構成するのが上手すぎるジェームズ・マ>>続きを読む
フランク・マーシャル監督。
1972年に起こったウルグアイ空軍機571便遭難事故を描く。
凄まじい映画だった。
ドキュメンタリーではなく”劇映画”として実話を描く事の意義とは何か、それをしっか>>続きを読む
セルジオ・レオーネ監督。クリント・イーストウッド主演。
2人の賞金稼ぎと殺人犯一味の対決を描く。
マカロニ・ウエスタンの代表例、いやセルジオ・レオーネの演出の顔のクローズアップのカットを>>続きを読む