さいとうさんの映画レビュー・感想・評価

さいとう

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Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN(2019年製作の映画)

4.5

Documentary of GEZANというサブタイトルがまさかのミスリードで、実際には勢いでツアーに同行しカメラを回すうちに表現すべき葛藤と巡り合い苦悩する神谷監督のドキュメンタリー。だからこそ、>>続きを読む

成功したオタク(2021年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ良かった。自分は日本のいわゆる地下アイドルの元オタクであり(この映画の中で語られる定義で言えば、十分に「成功したオタク」だったと思う)、K-POPのライトなリスナーでもあるのだが、その立場>>続きを読む

19歳(2018年製作の映画)

4.0

めっちゃ良!
語っていることはなんの変哲もない19歳らしい悩みだけど、それをこの虚実入り混じる形式で、19歳の自身が主演して作ったということが素晴らしすぎるし、それが他のどの映画にも替え難い眩しさにな
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ほなまた明日(2024年製作の映画)

4.0

良かった。『道草』に続き、田中真琴さんの演技は彼女の人柄が表れまくってる気がして(役に真摯に向き合っているからこそ滲み出ているんだと思う)大好き。暗くはないが近寄りがたくて、人が好きだけど人と向き合え>>続きを読む

i ai(2022年製作の映画)

5.0

観て良かった。映画の主題とはズレるかもしれないけど思ったこと書く。
Million Wish Collectiveを迎えてからのGEZAN、ひいてはマヒトゥ・ザ・ピーポーの活動って、人と人が交わること
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.5

素晴らしかった。我々は戦争がどこかで起きてるのにのうのうと過ごしていて、必ず死ぬのに生きていて、いつか別れるのに誰かと出会うんだけど、その現実に生真面目に向き合いすぎても目を逸らし続けても行先は孤独で>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

長かったような、あっという間だったような...という鑑賞後感が、まさにクライマックスでの二人の感覚とリンクするところがめちゃくちゃ鮮やかだと思った。
終盤の、芝居を観に行くことを忘れてた、と語った時の
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

ポップなシスターフッドものかと勝手に思い込んでたらサッドでロンリーな映画でビックリした。
特別だと思ってた自分の何者でもなさ、イカれてると思ってた自分の想像力のなさ、を知る物語という点で、「『花束みた
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SUNRISE TO SUNSET(2023年製作の映画)

5.0

まず、語り口を見出し辛い日本のラウドロックシーンの勃興、および言葉で説明し辛いPay money To my Painというバンドのインパクトを、こうして映像に残したことの意義は大きいと思う。そして、>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

さまざまな人種の人魚が突如海から顔を出し、「みんなが味方だ」とアリエルに語りかけるクライマックスからして、多文化主義や反人種差別を大きな主題の一つにした映画であることはまあ間違いないと思う。その上で非>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

めっちゃ食らった。
理解できたかできなかったか、とか、「考察」とか、心底どうでもいいと思う。文字で説明できたら映画にする必要ないし、ただ自分と共に生きてきた、あるいはこれからも共に生きていく恋人や家族
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暁闇(2018年製作の映画)

3.5

上映前のロビーにて、ここに居る人の多くがLOWPOPLTD.の音楽好きなんだろうな〜と考えると不思議とみんな他人じゃないように思えたけど、この映画はまさにそういう、些細で不確かで脆いけど何よりも深くて>>続きを読む

ウェディング・シンガー(1998年製作の映画)

3.5

僕が世界一好きなハードコアバンド・CounterpartsのボーカルBrendan Murphyがフェイバリットとしている映画なのですが、確かにこれは叙情ハードコアな内容だと思う。彼らもカバーしてる劇>>続きを読む

ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.6

映画のプロットポイントが「映画を観て心を動かされること」なの凄いな

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

感動してご機嫌でビールをがぶ飲みし、酔っ払ったまま書いてますが...

大は人というよりも、もはや神に近いというか「春そのもの」みたいな存在で、マンガや映画という枠組みの中では彼に主人公という役回りが
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.1

めちゃくちゃ良かった。国民的アニメの枠組みの中でここまで自由にやりたいことやって、そのチャレンジ精神が凄いし、純粋に画が、動画がカッコよすぎる。サイケなパートの凄まじさはもちろんのこと、授業中のクラス>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.0

こんなにテンポの良い映像作品は観たことない(とりわけ前半45分)。アニメじゃないとできないスピード感と凄まじい編集の連打。
実写映画はそこに在る時間を切り取るものだと思って観てるけど、アニメは本来なか
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

俺は村上春樹が大好きなので、村上春樹感が(原作とは大いに異なる物語ながら)言葉にも空気にも込められてて嬉しかった。
自分を差し出すのを恐れていては舞台に立てない。そして舞台は、それを観られることによっ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

シン・ウルトラマンやシン・仮面ライダーの描いてることって結局エヴァと被るんだけど、それってつまりエヴァだけが特別な物語ではなかったということを示していて、それをわざわざ自分で撮ってしまう庵野秀明の先達>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.6

ウソみたいなホントの話なんだけど、クライマックスで過呼吸になって、ぶっ倒れかけた。27年生きてきて、映像作品でこんな体験をしたことはないし(てか映像作品に限らず緊張と興奮で過呼吸になったことは一度もな>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.1

切ねぇ〜。経済のシステムの中で競争の上でしか達成し得ない夢とか成功とかって、それ故に引き裂かれる本来幸せになれた人間同士の名前のない関係って、一体なんなんでしょうね

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

生活音、環境音、強くミットを叩く音、縄跳びの度にシューズと床が摩擦する音、ケイコの弟・聖司が鳴らすギターと歌声...とにかく色々な音が気になる映画で、その美しさにコメントしたくなる。けど一方で、この映>>続きを読む

道草(2022年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃ良かった...。
ぎこちない会話が重なった笑い声をきっかけに一気に砕けたり、笑いながら人と離れたあと1人になってもしばらく笑ってたり、やましいことしてる現場を他人に見られた時に全く意味のな
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

トラウマに向き合う物語を描くために全日本国民のトラウマを掘り起こす必要があると理解しそれを実行した思い切りすごいし、それっていまの新海誠の規模感だから意味あることなので、そういう役割を自分が担おうと思>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.5

00年代の邦画が大好き、という趣味が一般化する未来はそう遠くないと思う

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

社会が人をつまらなくするのではなく、人がもともとつまらないことを社会が暴く!!!!!!
=別に麦くんは最初から特別な人間でもなんでもなかった
でも麦くんは出会った時からずっと優しかったし、絹ちゃんがそ
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