ムチコさんの映画レビュー・感想・評価

ムチコ

ムチコ

2015年11月からの記録。手持ちカメラゆれゆれには点がからいです。

貴族の階段(1959年製作の映画)

4.0

華族(アッパークラス)と軍人(ミドルアッパークラス)の軋轢。誰もが目の前にあるものしか見ていない、見ようとしない。

原作ではかなり突き放して書いてて、それを若き令嬢の日記体にする面白さがあるんだけど
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夜の蝶(1957年製作の映画)

5.0

好きで何回かみている映画(実在のモデルがあるんだよね)。富士子とマチ子が関西弁で丁々発止するというだけでワクワクする。芥川比呂志のズルさも最高。

衣装にもセットにも翡翠色〜灰緑〜深緑を凝らしてる。そ
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細雪(1959年製作の映画)

4.0

お腹も痛くならないし顔にシミもできない雪子なんて! と思うけどキレイだから許す…

4人姉妹のうち3人がガチの関西人だから、上方言葉の美しいこと。原作の「ふん」のニュアンスがよく伝わる。その点関東人且
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女の坂(1960年製作の映画)

4.0

このキスはなんとまあエロい…

茉莉子の衣装がかわいい。サブリナパンツに赤いスカーフ。デートの時の水色のワンピース。

新藤兼人脚本の乙羽信子はホントに女のいやな感じを出してて素晴らしい。

鍵善のく
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京化粧(1961年製作の映画)

5.0

あまりにも物分かりが悪い佐田啓二…

一見メロドラマ調でありながら、一目惚れした相手(芸者)にいきなり「こんな仕事やめて俺んとこ来い」的なことを言い放つところからずっと、「女を(売買可能な)所有物とし
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氷壁(1958年製作の映画)

-

山で家族を亡くした人を山デート(雪山現地集合)に誘う狂気!
菅原謙次の地味さと生真面目(に見せかけた傲慢)を最大に生かしている。
珍しくシリアスな山茶花究のツンデレ上司ぶりにも満足。

雪山で亡くなっ
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夜はいじわる(1961年製作の映画)

4.0

この時代の、大店のお嬢さんロマコメ大好き。(丸の鰹節をあんなに贈答に使ってたんだな〜という、映画と関係ない感想)

川崎敬三はいつも恋が実らないけど、今回もかわいそうだった。

METライブビューイング2017-18 トーマス・アデス「皆殺しの天使」(2018年製作の映画)

5.0

ブニュエルの映画はモノクロだったのに、演者のドレスに「あ、同じ色だ」と思うのはなんでなんだろう。

舞台という空間で演者が出入りをしない点では映画よりも閉塞感があったと言えるし、上下動はないんだけど高
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ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

3.6

初ジェームズ・グレイ。「ほかの映画もみんなこんなテンポなの?」と一緒にみた人に聞いてしまった。

リーダーシップや不屈の闘志は別の角度から見たら独善的だったり傍迷惑だったりする。彼と争うことになるあの
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ナタリー・グランジェ(女の館)(1972年製作の映画)

4.0

うとうとしたけど素晴らしかった。
時間が止まったみたいな屋敷と庭、動かない女たち、外から訪れるだけの男。ピアノと猫。

アフター・アース(2013年製作の映画)

-

ポカーンとしちゃった。
「お父さん」とか「恐怖」って、克服しないといけないもんなんだろうか。

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

3.8

ヤン・イクチュンの恋も2代目の恋も切ない。目の色だけで恋に落ちたことが伝わる。菅田将暉と山田裕貴が会うところも機微が丁寧で印象的だった。
それに比べて女性陣は全員都合が良すぎるし、後編のモロ師岡エピも
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

4.5

のしかかるような孤独とエロスが満ちている。
ヤン・イクチュンがユースケ・サンタマリアの前で涙を見せるところではわたしも一緒に涙ぐんだし、深夜のスケッチは切なすぎた。

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

-

お庭と花。カラフル上等!
作品作りに対する謙虚で力強い姿勢、振り返り、パートナーをはじめとするスタッフとの信頼関係やそれを維持するための努力、など、作品はもちろんだけどその基底をなすものにこそ美学を感
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季節の記憶(仮)(2014年製作の映画)

-

日頃映画でみている「それらしい画面・それらしい音」が全然ない。
では今見ているこの映画は「それらしくなく」作られたものであって、そこにはやっぱり作為や意図がある。
去年「夏篇」だけイベントでみていたん
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.0

わたしは3部作で赤がいちばん好き。
矢野顕子の「電話線」を歌い出しそうになるオープニングと、イレーヌジャコブのあまりにも完璧な横顔。見とれてしまう。

電話の話なんだけど、窃視の話でもある。特に上から
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トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.8

ジュリーデルピーの白さよ。
白は平等。白いジュリーデルピーは火の赤と喪服の黒も隠し持ってる。凍った川を滑るシーンが好き。
ラスト、わたしなりにこうだよねというのはあるんだけどここには書かない。

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.7

3部作の中でいちばん色を強調してるような。でも音楽は微妙…

自由とは独立のこと。自由になるためには水に浸かり、水から出ないといけない。洗礼のイメージ。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アダムドライヴァーのぬめっとした感じ、とても役に合ってていいなあ!

政治的正しさもあるんだろうけど、いろんな訛りの英語を聞くのが、まあ宇宙にいったら言語もどんどん変わるよね、と思って楽しかった。
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美しい星(2017年製作の映画)

4.0

原作未読。
終盤、切り返しごとに善と悪が入れ替わるところにワクワクした。

ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

4.2

落ち着いた、いい映画だった。
ただ好きな相手と結婚したということを、自ら「guirty」と言うことの苦しみ。それを静かに受け容れる様子に、彼らがその場にくる以前にもどれだけのことを呑み込んできたのかを
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スミス夫妻(1941年製作の映画)

3.7

ハワードホークスとかのスクリューボールコメディは速すぎるだろ〜と思うのに、ヒッチコックがそれをやろうとしたのを見ると「もちょっと速くできるのでは?」と思う不思議。でもかわいい。

リッチ・アンド・ストレンジ(1931年製作の映画)

3.2

さすがにちょっと差別的でどうも。当時のナチュラルはこれなのかなあ。コメディ担当のメガネちゃんの扱いもバカにしてる感じの方が強かった。

奥さんがすぐよろめいちゃうのは良い。

早春(1970年製作の映画)

3.8

仮にわたしがヒロインで水を抜いたプールであんなんされたら急所を白いエナメルブーツで踏みつけるところだけど、リアルに考えるのも野暮だな。

あれこれきれいすぎませんか、と思いながらもあのラストの美しさは
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

ジェーン・フォンテインの猫背、まるで似合わない黒のドレス。
お屋敷の調度と光すばらしい。
メイドはもっともっと怖い顔だったような記憶だったけど久しぶりに見返したらそうでもなかった。レベッカ本人が映らな
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パラダイン夫人の恋(1947年製作の映画)

3.5

長すぎるし、面白いかと言われると微妙だけどけっこう好き。
ハンサムすぎて意味がわからないくらいのグレゴリー・ペックが、節度を失うにつれどんどんへんな顔に見えてくる。

室内の調度は見ごたえあるー

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

原作とはストーリー、というかサスペンスとして見せる部分が違う。

あの回転木馬のシーンがほんとに好きだー。馬(象徴)に踏みつぶされる(ように見える)擬似同性愛の男2人。テニスコートのところといい、ヒッ
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エル ELLE(2016年製作の映画)

5.0

顔! 脚! 顔! 脚! (開くもの、露わになるもの)
窓! ブラインド! 雨戸!(閉じるもの、遮るもの)

・息子の「人柄は悪くないが順序立てて考えたり話したりするのが苦手」ぽいせりふ廻し、
・息子と
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.6

いやいややっぱり地に足のついた恋とか逃げるでしょ無理でしょ(『ハッピーマニア』の時代)から、お互いキモいとこあるから歩み寄ろう? (本作)への変化が、これがテン年代の恋愛か、と思いました。

とにかく
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.2

悪趣味だな〜〜

「次は俺の番だろ」の絶望感はちょっとそこまでやりますか、と思いましたが。
救いのないラスト。負けが決まってるカードゲーム。

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.2

枠組みだけでディテールはぜんぜん違う話なんだけど、退廃と暑さと息苦しさにドノソ『別荘』を思い出す。

ハンドバッグにはシルクのストールと鳥の足。

ブニュエルはいじわるだなあ! お金持ちを揶揄してる時
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

-

大学の頃以来でみた。イメージの羅列、スラップスティックコメディ。

砂漠のシモン(1965年製作の映画)

4.2

開始2分でブニュエルの宗教観があらわになり、ストレートでちょっと笑ってしまう。

(柱頭行者ってトイレどうしてたんだろうと昔からの疑問)

否定と肯定(2016年製作の映画)

4.4

感情をなんのためにどこに使うか、を真摯に見せる映画。訴えられたのは自分だが、自分の名誉のためではなく、声を発することのできないまま亡くなった人の尊厳のために闘う。

過去を見据えるときは水平のライン(
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