ムチコさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

ムチコ

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切られ与三郎(1960年製作の映画)

4.0

宮川一夫撮影で目が喜ぶ。横移動よりも奥行きの移動が印象に残った。
ぶんぶん自由に端折って、展開も歌舞伎と違うので違う話みたい。

色彩設計もよくて、淡路恵子の衣装はことにすばらしい。黒の羽二重?に水色
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.0

ゴア描写には特段なんとも思わなかったが、とにかくつまらなくて唖然とした。長いし。

カルトに対する軽薄な描き方(ダークツーリズム的な? これは登場人物がではなくて、映画の態度として)も好みではなかった
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

5.0

赤と黒と白。生と死と聖性(それは善でもあり、悪でもある)。

凝りに凝った美術と衣装。姉妹の軋むやりとり。人は死んでからが本番。最高。

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.2

(それがなぜなのかはわからないけどジュディ・ガーランドがゲイに熱狂的に愛されていたことは知識としてあったので)ロンドン公演で彼女を出待ちしていたゲイカップルと過ごすシーンは温かくて泣けてしまった。「ス>>続きを読む

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

-

遠隔操作型スパイ映画。
それを言ったら映画にならないんだけど、ブラピに降りかかるいろいろな災難をよくよく振り返ると、ロバート・レッドフォードはあまり優秀な上司ではなかったのでは?という疑念が拭えないの
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METライブビューイング2019-20 ベルク「ヴォツェック」(2019年製作の映画)

3.6

プロジェクションマッピングを用いた舞台芸術が見どころなんですが、逆にそれ以外の印象がない…何もかも装置に飲み込まれてしまった。

METライブビューイング2019-20 フィリップ・グラス「アクナーテン」(2019年製作の映画)

5.0

堪能した!

古代ヘブライ語など5つの言語が使われているがほとんどは発声練習のようなha音の応酬(演者はすごく大変そう)。美しさと同時に限界性を感じさせる。能のような抑制された動き、玉座への階段をすべ
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ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

3.7

なんでデンマークなんだ?と思ったけど北欧ミステリをやりたかったのね。そしてヒッチコックが大好きなんですね。
いなたい屋根アクションに萌える。

ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

4.5

あーん楽しい。オペラ座でファウストで。序盤の展開の速さに「もう顔つぶれるのか!」と驚く。
色もきれいだし。ポール・ウィリアムズがかなり徹底してやな人の役なのもいい。ヒロイン、サスペリアの子だ〜!

スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.2

粗野で激情型の男がけなげな妹に抱くインセストタブー的執着。「暗黒街の顔役』が元ネタだが、勝新の『やくざ絶唱』を思い出す。
ラストの真っ赤な大階段はデパルマ〜! って感じ。派手であればあるほど良い。撮影
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

撮影班がんばりました…

後半のゲーム感、ラグビー感、メロス感。1秒とも休めない戦地の緊迫感よりも、どうにかしてワンカットに見せたいということが優先してしまっている。

序盤の、地面だか壁だかに手をつ
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ニッポン国 古屋敷村(1982年製作の映画)

4.2

たしかに小川紳介はよく喋ってたしちょっと障る声質だったけど、なんかもうとにかくいろいろ言いたいことがある! という感じでわたしは嫌な気はしなかった。CGがない時代の精巧なジオラマ。

そうは言っても花
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性の劇薬(2020年製作の映画)

3.6

(BL経験値の少ない人間の感想です)

いわゆるノンケの青年が「開発」されていくところから始まるんだけど、そのように描かれているにもかかわらず男性の苦悶の表情に「性的な喜悦が混ざっている」と感じ取るこ
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ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」(2019年製作の映画)

4.0

ガラスの箱のような舞台装置(リーマンブラザーズ社のオフィスを念頭に置いているらしい)が見事。ほぼピアノ一本の音楽も素晴らしかった。

移民の兄弟が3代にわたってのし上がったあとには、それを呑み込む新し
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デニス・ホッパー/アメリカン・ドリーマー(1971年製作の映画)

4.0

デニス・ホッパーをデニス・ホッパーが演じる(?)ドキュメンタリー(?)
終始ニヤニヤしながら見た。女の子いっぱいと温泉行きたいな〜むにゃむにゃ…って本当に実現しちゃってとりあえずお風呂。
このようなス
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

5.0

この映画について異様にアツくなる種類の人たちが苦手でなんと今まで見ないで過ごしてきたのだった。すごくないかわたし。

いい映画でした。おもしろくやがて悲しき。このあとに続く作品たちの礎がちゃんとあった
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アントニー・ガウディー(1984年製作の映画)

3.7

ゴシック→バロック(→ウルトラバロック)→のあとを引き継ぐ形、異端ではなく繋がりとしてのガウディ建築。
特に目新しい画面ではないようにも思うが(しかし既に建っているものを目新しく撮れるものだろうか)建
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汚れた手をした無実の人々(1975年製作の映画)

5.0

全裸うつ伏せのロミーシュナイダーにファサリと落ちかかる凧!!!もうその導入だけで★5。
裸でぶどう食べるのも変な太陽のネックレスもサンローラン(だっけ?)の見事なドレスも堪能。妙に勘のいいイチャイチャ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

5.0

普通の人が(ある種の)ヒーローになってしまうシリーズ。いつもだけど。
「おろかなデブ」に対する予断から起こるあれこれは悲劇でありつつももちろん笑ってしまうのだけど、なんで笑ってしまうかというと「そいつ
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

クリスチャンベールが細ぉぉい。
時計とかボルトのとこは楽しい。ドアが開かなくなるとこ絶対伏線だと思ってハラハラしたんだけどそこじゃなかった。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

きれいにまとめてあったし泣けるように作られててまぁほろりとしたんだけど、自分にとってはあまり残るものがなかった。ラストあれでよかったんか。

肉屋(1969年製作の映画)

5.0

ものすごく久しぶりに見た。
オードランが学校に住んでるというのがまずこわい。仔羊ブーケ💐
終盤の高まりが本当に良くて、オードランがナイフを引き抜くところ、そのまま刺し返しそうだし、車に乗せてからは歌舞
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血の婚礼(1973年製作の映画)

5.0

おなじみの疾走。
ミシェル・ピコリが車に乗り込んでニヤっとするとこから、待ち合わせ場所のオードランにへんな声出して抱きつく、そして笑っちゃうほど激しいキス、この流れでもう最高が保証される。
もうすぐそ
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

5.0

ダゲール=ダゲレオタイプのダゲレオ。その名がつくモンマルトル近くの一隅。自身が住む通りの商店での営みを愛情豊かに写しとる。
手の連続。
小間物店du chardon bleu の寡黙な奥さまが客の上着
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

4.2

ひらめき、創造、共有。
アニエスの輝くような人柄に圧倒される。エネルギーと愛情、その出しどころを自分で決められる賢さ、たっぷりのユーモア。

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.9

2つの話が並行して描かれる。
画面がとにかく決まっていて、どの瞬間もバッチバチ。
洗濯物をとりこむおばちゃんの手。いつまでも見ていたくなる田舎の港町の風景。お祭りのライトの美しさ。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.7

計算され尽くした隙のない画面が続いて「見せる」んだけど、その遊びのなさに少々疲れてしまった。
『下女』を彷彿とさせる上下動と格差を直結させた構成にはへばりつくような面の表現が効いている。
三家族のトッ
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夏時間の庭(2008年製作の映画)

4.2

カタストロフのないデプレシャンみたいな小品。けっこう好き。

houseとしての家、homeとしての家が失われ、別の形で再生していく。ブラックモンの花器、ルドンの装飾画、ちらりと映るオルセー美術館のバ
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冬時間のパリ(2018年製作の映画)

4.0

喫煙のたびに屋外へ出るフランス人!デジュネをワインなしですませるフランス人! 変化への対応の映画。
作家と編集者が登場する都合上、メディアの変化によって紙媒体の書物は衰退するかという話が延々語られるの
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冷たい水(1994年製作の映画)

4.0

切迫したティーンの恋。妙にスムーズに運営されているパーティー。身を切るような水の冷たさと炎、炎。

音楽の使い方とかもわりと好きな感じで、なんとなく『EDEN』連想するなー(逆だけど)と思ってたらmo
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スーパーティーチャー 熱血格闘(2018年製作の映画)

-

3つくらいある大掛かりなアクションシーン以外は、ドニーさんにとっては小指をちらっと動かしたほどの。

香港に「総合教養」という科目は本当にあるんだろうか。

香港パラダイス(1990年製作の映画)

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公開時はめちゃコケだったみたいだけど…しょうもなくて結構好き。
いくらバブル期といっても、斉藤由貴の謎のお色気衣装はなんだったんだろう(まだスキャンダル前だし)。パンツ見えてますよー

CHECKERS in TANTAN たぬき(1985年製作の映画)

3.8

堀越絹衣のチェッカーズ衣装、当時も相当奇抜だったんだろうけど今見てもすごい。
あとチェッカーズのメンバーがかなり「普通」で、この人たちで100分もたせるにはこういうメタな設定は必要だったんだなと思った
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妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

4.2

なんとも言えない。全然楽しい話ではない。自分の気持ちに正直に生きてるはずのお母さんは最後の最後に自分の気持ちを言えなくて、ほんともうそこがんばってよ!となじりたくなるが、そうなってしまうこともわかるん>>続きを読む

噂の娘(1935年製作の映画)

4.0

初めて見たんだけど、どのシーンも切り替えが早くて、わたしが思うタイミングより1秒くらいずつ早く次のシーンになるのでなんだこれは…と興奮した。
妹とデートする男を橋の下から見つけるシーン。妹のモガファッ
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