1957年の成瀬巳喜男監督作品。
勝気ながら繊細な一面を持つ、ある意味、劇中で一番男らしい高峰秀子の演技力に恐れ入る。男に何度裏切られてもたくましく生きていくエネルギーに満ちあふれた映像にくぎ付け。男>>続きを読む
1960年の成瀬巳喜男監督作品。
つらい、つら過ぎる・・・。ひでえ親だ。ほほ笑ましいシーンも多々あるのだが、それ以上に子どもの世界に大人の嫌な論理が入り込むのがとても残酷に映る。1人の子どもを包容する>>続きを読む
1956年の成瀬巳喜男監督作品。
倦怠期の夫婦をユーモラスで軽快に描く。やっぱり小津映画の原節子とは違う。男女の価値観の違い、男の見栄は、いつの世もやっかいだね。ささいな会話でけんかになってしまうのが>>続きを読む
1954年の成瀬巳喜男監督作品。原作・川端康成。
堕落の一言。悪びれもせず愛人をつくる息子のくずさもやばいが、家庭内で半ば周知の事実なのが薄気味悪い。日本人の倫理観の欠如。原節子と義父のプラトニックラ>>続きを読む
1954年の成瀬巳喜男監督作品。
元芸者4人の生活を描く。杉村春子が主演の珍しい一品。昔好きだった男への期待と失望をにじませながらも1人たくましく生きる金貸しきんと、子離れできない2人の貧しい母を対照>>続きを読む
1952年の成瀬巳喜男監督作品。
貧しいクリーニング屋の家族の移ろいゆく時を淡々と描く。田中絹代の温かく包容力のある母親像が素晴らしい。悲嘆に暮れるシーンを極力排除しながらも妥協のない優しさが胸にしみ>>続きを読む
1935年の成瀬巳喜男監督作品。うだつが上がらない父親と妾の情を正妻の娘の視点で描く。
これは面白い! 当時の風俗や帝都の町並みが拝めるのも興味深い。全く違う2人の母親像と、実は妾が自分を支えていたと>>続きを読む
2019年のエイドリアン・グランバーグ監督作品。
まさかの復讐劇。ランボーをここまで追い込む必要ある? どうしても戦場へと駆り立てる運命を呪うしかない。慈悲の欠片もない殺戮ショーに拍手。ハートをわしず>>続きを読む
2016年のラーフル・ジャイン監督作品。
インドの繊維工場で搾取される人々を撮ったドキュメンタリー。劣悪な環境の中、低賃金で1日12時間労働を強いられる闇深い話。睡魔と戦いながら働く子どもの姿があまり>>続きを読む
2019年のJ・J・エイブラムス監督作品。
相変わらず主役2人の葛藤が長過ぎて、もういいよって思ってしまう。まさかのキャラとレイの出生の伏線がなかったのは残念だし、フォースのインフレ状態が半端なくてど>>続きを読む
2018年のフィンランドのコメディー映画。
フィンランドが世界一のメタル王国ということは、メタラー以外には、あまり知られていないかもね。メタル好きにはたまらないし、笑いが止まらない。まさかの展開でも湿>>続きを読む
2016年のフェデ・アルバレス監督作品。盲目の退役軍人の家に3人の泥棒が入るが・・・。
このじいさん強い! あの風貌と声には勝てないね。目に頼らず異様に発達した聴覚で戦うのかと思ったら特にそういうこ>>続きを読む
1973年の舛田利雄監督・橋本忍脚本作品。
全編にわたる丹波哲郎の独演会は圧巻の一言。治安維持法による創価教育学会の崩壊、仏教・日蓮正宗の在り方、十界を説く場面は、うなずくことも多くて結構興味深い。で>>続きを読む
1962年の戦争映画。2度目の鑑賞。
ノルマンディー上陸作戦の米英独のシークエンスを3人の監督が撮影した超意欲作。
それぞれ独立したエピソードだが、ちぐはぐにならず、きちんとまとまった構成は見事。有>>続きを読む
1943年のエルンスト・ルビッチ監督作品。テクニカラーのコメディー映画。なんて羨ましい人生だろう。駄目男だけど、男の生き方としては申し分ない。温かく見守ってしまう。序盤の地獄の場面でボタンを押すとボッ>>続きを読む
1956年のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品。ピカソがカメラの前で絵をひたすら描いていく様子を収めたドキュメンタリー。
完成したと思ったら、今まで描いてた絵を幾重にも塗りつぶして全く別物に仕上>>続きを読む
2009年のロス・カッツ監督作品。HBOのテレビ映画。
イラク戦争の戦死者を遺族の元に届ける護衛の中佐をケヴィン・ベーコンが演じる。血で汚れた遺品と遺体を丁寧に洗う描写はあまりにも荘厳。終始、敬意と尊>>続きを読む
2019年のトッド・ダグラス・ミラー監督作品。
アポロ11号の打ち上げから帰還までを未公開の資料映像で描いたドキュメンタリー。50年前とはとても思えないデジタル化された美しい映像の圧倒的説得力よ。>>続きを読む
1964年のシドニー・ルメット監督作品。
『博士の異常な愛情』と双璧をなす、とんでもない傑作! 人間の制御力を超えた兵器を持ってしまった悲劇。さまざまな立場の人間を同時並行で描いた極上のサスペンス。大>>続きを読む
2016年のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
突如謎の巨大物体が地球に降臨する。モノリスと映画『コンタクト』を思い出した。互いの尊重の大切さがテーマだね。断片的なカットを挿入する映像編集がとてもいい。ラ>>続きを読む
1970年のフランクリン・J・シャフナー監督作品。2度目の鑑賞。
「戦争は人間の成し得る最高のもの」と豪語する猛将にして戦争狂のパットンを演じたジョージ・C・スコットの存在感に終始圧倒される。歯に衣着>>続きを読む
2017年のギレルモ・デル・トロ監督作品。
孤独な者同士が引かれ合う奇妙なファンタジー映画。『サムソンとデリラ』の引用は、以前に見たセシル・B・デミル監督の映画のおかげで頭にすっと入ってきた。そしてイ>>続きを読む
1942年の溝口健二監督作品。
討ち入りの場面が全くないのが特徴。そこを楽しみにしてたんだけどなあ。唐人にあらず日本人であり、日本の侍としての心を第一に考える徳川綱豊の会話は原作どおりなんだけど、また>>続きを読む
1941年の溝口健二監督作品。真珠湾攻撃の一週間前に公開。きょう12月14日が、吉良上野介邸に討ち入りした日と知って急遽鑑賞。
ほぼカットなしの長回し構成が非常に格調高い。建築監督新藤兼人による松の>>続きを読む
1990年のスティーヴン・ホプキンス監督作品。約20年ぶりの鑑賞。
子供心にも微妙と感じてた今作はやっぱり微妙だった。ロサンゼルスが舞台なのに、それが全く生かされていない。どうでもいい描写に時間かけ過>>続きを読む
1987年のジョン・マクティアナン監督作品。字幕では初鑑賞。
このマッチョイズムがいい! ジャングルでゲリラ戦を挑まれる様は、まさにベトナム戦争。消耗品の意地を見せるシュワちゃんがかっこいいね。あの>>続きを読む
1997年のジャン=ピエール・ジュネ監督作品。一体何年ぶりの鑑賞だろう。これまた前作を否定した作りだけど、むしろシリーズで一番面白い。将軍の手榴弾投げ、キャラの濃いクルーたち、美しいウィノナ・ライダー>>続きを読む
1992年のデヴィット・フィンチャー監督のデビュー作品。
冒頭から2を否定するような衝撃過ぎる展開にあぜん。全編画作りが地味なのが結構きつい。リプリーには生き方を、仲間には死に方を示すディロンが一番主>>続きを読む
2001年のキム・ギドク監督作品。
無口なやくざが女子大生に一目惚れする話。果たしてこれを恋愛と呼んでいいのだろうか。ひたすら女をのぞき見るハンギがなぜか絵になる。とにかく構図がうまい。後半、一気に全>>続きを読む
1986年のジェームズ・キャメロン監督作品。
やっぱりホラーからアクションになったのが一番の特徴。どうせ最後は大爆発するのに、なぜかクイーンと戦い始めて怒りを買い墓穴を掘るという謎展開はあれなんだけど>>続きを読む
2001年のキム・ギドク監督作品。
1970年代、米軍基地に翻弄される3人の若者を軸にした物語。朝鮮戦争の爪痕が色濃く残る背景が印象的。一人一人のアイデンティティーが否定されていくのがやるせないし、そ>>続きを読む
1979年のリドリー・スコット監督作品。8年ぶりの鑑賞。
劇場公開版より短いのが特徴。この閉鎖空間の張り詰めた静寂がたまらない。でも、あらためて見てみると結構細かい粗が気になった。特にリプリーが猫を探>>続きを読む
2000年のキム・ギドク監督作品。
湖に浮かぶ幾つものカラフルな釣り小屋が幻想的。説明ぜりふは存在せず叙情的な音楽に乗せた映像で表現していくのだが、これが、まあエグい。執拗な排泄描写に、カエル、犬、魚>>続きを読む
2000年の北久保弘之監督作品。2度目の鑑賞。1966年の横田基地のアメリカンスクールを舞台に日本刀を携えたセーラー服の少女が鬼と対峙する。
48分の短編だから最小限の説明とアクションのみに費やした>>続きを読む
2006年のケヴィン・マクドナルド監督作品。
ウガンダの独裁者イディ・アミンを若い白人医師の視点で描く。まず独裁者を演じたフォレスト・ウィテカーの怪演が際立つ。特にぎらぎらした目の輝きがすごいね。あれ>>続きを読む
2018年のデヴィッド・リーチ監督作品。
前作より好きかも。序盤から信じられない展開で大丈夫かよと心配したけど、期待以上のばかをやってくれたので大満足。あと、ターミネーターとラッキーマンは反則でしょ。>>続きを読む