映像、演出、展開すべてにおいて洗練された映画で、想像してたより全然良い映画だった。令和版「チャイルドプレイ」というか、ミーガンの魅力が素晴らしく、ぜひ続編を期待したいな、と思ったら続編決定とのことで嬉>>続きを読む
わざわざ映画館で観るほどの作品ではなかった。「くまのプーさんが残虐なスプラッターホラーに!?」というアイデアは素晴らしいが、それを超えてくるほどのアイデアが作品になかった。スプラッターホラーとしてはそ>>続きを読む
内戦中のタジキスタンの山中ののどかな街で、その日暮らしの博徒として暮らす青年と、博打で大負けした父親に会いに来た娘が出会い、およそ最低な形の歪な形で始まる、最高に狂っていてイノセントな恋愛映画。ロープ>>続きを読む
一生忘れられない、一瞬の夏物語。
父親と娘の物語がもう卑怯ではあるんだけど、余韻がすごい。
幾度となく明滅したダンスフロアのシーンがインサートされ、物語は11歳の頃のソフィと30歳を迎えたソフィが>>続きを読む
ちょっとラストのモンハンシーンはやり過ぎな気もするが、天才女性指揮者の栄光と転落を淡々と克明に描き出す展開は良かった。
多才で素晴らしい経歴を持ち合わせ、レズビアンで有色人種の養女とパートナーと暮ら>>続きを読む
結構入り組んだ構成だった。ある事件の謎を追いかける探偵と、犯罪計画を企てる夫婦と、その妻との関係ある悪党。さらに物語をまるで語るような作中小説や、随所に挿入される映画内におけるメタフィクショナルな言及>>続きを読む
正直、何を言わんとしているのかはほとんど理解できないのだが、当時のゴダールにとってキリスト教的な信仰と現代社会の諸課題をソニマージュという形で表現しなければならなかったことは理解出来るし、とにかくここ>>続きを読む
オープニングのアダマン号のショットから、「人間爆弾」のセッションシーンからまず掴まれる。ドキュメンタリーでありながら、非常に映画的な入りがなされる。この「人間爆弾」というブルーハーツの楽曲で歌い上げら>>続きを読む
本作は「翌年に起こる五月革命を予期した作品」と言われているそうだが、むしろそれ以降に起こる枢軸国側の極左暴力セクトの過激化とその自己論理の徹底による内ゲバの必然、先進国による急進的革命運動の理論と実践>>続きを読む
初期ゴダールの隠れた名作。大島渚で例えるなら太陽の墓場的な渋い逸品。
アルジェ独立戦争中の中立地域ジュネーブで、フランス保守陣営のスパイである主人公が、運命的な女性との出会いを果たす。実はその女はア>>続きを読む
映画館で観るのは初めてな気がするんだが、以前に観た時も思ったけど主人公格の男の情けなさが印象的ではあるんだけど、雰囲気の割に内容はそこまでの作品かな。おおよその筋は60年代ゴダールに通ずる駄目男の悲恋>>続きを読む
ゴダール映画祭二本目。原作も最近邦訳されて読んでいたので、それも含めて楽しみだった。おそらく15年ぶりぐらいに再見した。
蓮實重彦が本作を「男二人と女一人の単なる三角関係が、どうしてこんなにも愛おし>>続きを読む
ゴダール映画祭一本目。60年代ゴダールの最高到達点の一つであり、本作以降、しばらくの間ゴダールは商業映画を離れた、というのが確か正史のはず。
映画館で観たのは三回目ぐらいで、最初はまず伝説的な渋滞シ>>続きを読む
ゴダール映画祭三本目。戦争の不条理をひたすら轟音と強奪と理解不能な権力により振り回されていく様をひたすら映像化した作品。公開当時、フランスで恐ろしいほど客が入らず、監督のゴダールはその観客と対話がした>>続きを読む
中国女のアメリカ公開に合わせて訪米したと思わしきゴダールが、おそらくプロモーションの一環としてNY大学の学生たちと中国女に関する議論を行った様子を記録した貴重なドキュメンタリー。
NY大学の映画学科>>続きを読む
良くも悪くもゴダール映画の出来損ないの作品だなといった感想。こういう映画が歿後に観られることの喜びと、本作の内容の是非は水準が異なる話で、どうもそこをごっちゃにしてそうな評価もあり得るだろう。
あと>>続きを読む
DCハードコアの歴史。エモやグランジの、その後のラウドミュージックのムーブメントの基盤となったシーンのドキュメンタリー。誰になに言われても、自分たちがやりたいことを自分たちでやってきた人たちのカッコ良>>続きを読む
なんかセカイ系的な話なのかと思いきや、黙示録的な世界感に基づく選択の物語で、基本はヒッチコック的なサスペンス。何かあるのか、本当はなんなのか的なところも曖昧なマクガフィン感も含めて。
白人のゲイカッ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今年のアカデミー賞の主演男優賞受賞作。ブレンダンフレイザーの怪演がその誉れを得ることが当然であるが、それ以上に作品自体がもっと認められても良いと思えた。
本作は演劇作品の映画化ということで、舞台設定>>続きを読む
言われているほど悪くもなかったけど、じゃあわざわざ今リメイクする意味あったか?と言われればという感じ。平成仮面ライダーという新たな文化の中で、あえて昭和の仮面ライダーをやる意味を、ノスタルジー以外で何>>続きを読む
オールナイト3本目。下北沢の街を舞台にした群像劇。人を好きになることの難しさだったり、ただの憧れと好きの違いを「居心地の良さ、悪さ」に求めたり、今泉作品が追求するものは基本的に変わらず、そこに大橋裕之>>続きを読む
オールナイト1本目。これはほぼほぼ主人公の様子含めて、今泉力哉版「ドライブマイカー」と言っても過言ではない内容。妻の不実を知った際に、それに対し動じない自分をどう思うか、という内容を徹底的に描き続けて>>続きを読む
マルチバースの中心でアイを叫んだ獣、って感じの話で、とにかく時空も映像も時間軸も飛びまくり、なんなら有機物である人間の前提も飛び越え、無機物の岩にさえなる。多層空間、複数世界において主人公は何度も殺さ>>続きを読む
出ている俳優陣が良い以外は、基本的にシナリオも破茶滅茶な馬鹿映画だった。ラストも悲劇を描きたいのか、喜劇を描きたいのか、よく分からなかった。ハムで殴られて死ぬって。その乱れ切った人間関係と性生活含め、>>続きを読む
徹底的に男と女の情欲を描きたかった、みたいな大島監督のコメントを以前に見たことがあるが、まさにその通りの作品だった。徹頭徹尾、ひたすら男女の野生じみた交わりと、密室空間でどんどん充満していく愛憎により>>続きを読む
モスクワからムルマンスクというロシア北端の地までの寝台列車での移動で偶然居合わせた男女のラブロマンスとロードムービーもの。ロシアの凍てつく街の風景が見ているだけで凍ってきたり、寒々としていて、こっちの>>続きを読む
日本最終上映ということで観に行ってきた。内戦後のフランコ政権下のスペインの森の中の田舎町を舞台にした哀しきダークファンタジー。母親の再婚相手である大尉がいる田舎に引っ越してきた主人公オフィリアは、読書>>続きを読む
これはスピルバーグ自身の「私映画」なのだろうか?それとも彼の思春期や映画への憧憬を投影した創作なのか?いずれにしても、こんなに瑞々しく、青い画面構成を76歳のユダヤ人監督は撮ってしまったのだろうか。ア>>続きを読む
冬に旅して死んだ女の子のロードムービー。旅で女が関わっていく人々の語りをもとに、彼女の軌跡を追いかけていくようなストーリー。おそらく色々な背景であったりが存在するんだろう物語なのだが、まぁ淡々としてい>>続きを読む
アーサー王伝説をベースとしたダークファンタジーらしいが、まぁ何となく最初で「これは自分の敵は自分だ!」的なオチでは、という予測が出来たけど、案の定だった。
クリスマスに王を継承すべき男が、一族の戯れ>>続きを読む
音が、映像がスイングしていた。話はわりあいにありきたりだし、ツッコミどころも色々あるんだけど、そういうのを吹き飛ばす勢いがあった。トリオの声をやった俳優たちの熱演が光っていた。
ペンと空白の紙と、世界を見つめる視線さえあれば誰でも詩人になれるし、例えそこでほとんど変わり映えのしないと思われる日常を過ごしていると思われようと、別に仕事をしていようと、紛れもない本物の詩人になり得>>続きを読む
「不老不死で死ぬこと」という不可能性を追求することがゴダールにとって生きることであり、映画だったり、恋愛だったりの人生のすべてだったのではないだろうかと思わせてくれる作品。当然、凡人の私がゴダールの考>>続きを読む
サイコパスの女が旦那殺して、子供も殺して葬式を開いて…みたいなのがあって、その答えが「また好きな人に会えるから」みたいな思考回路で、サイコパスって怖いですねぇ、というエピソードがあるんだが、どこかそん>>続きを読む
トムクルーズの怪演や、いつものポールトーマスアンダーソン組の安定した演技と、それぞれ人生(特に家族との関係性)に後悔を抱えながらもよりよく生きよう、何とか上手くやろう、みたいに生きながら、その物語が複>>続きを読む
昔DVDで見た時は、恋の酩酊感のみで押し切ってくる感じの作風に痺れたけど、今回十数年ぶりに改めて観て、それだけでなく、抑圧されて神経症気味な主人公が、リサという運命の女性に出会うことで救われていく、と>>続きを読む