ラグナロクの足音さんの映画レビュー・感想・評価

ラグナロクの足音

ラグナロクの足音

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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.0

お手本みたいな構成で参った。基本的にはボーイミーツガールだが、ペドフィリアから脱却しようとする青年の心の動きが凄く丁寧に描かれている。ベルムト監督らしく内容も相変わらず東京愛に溢れていたが、今回は小児>>続きを読む

GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

4.1

子連れの豚。片足の鶏。不揃いな牛。家畜の眼が物語る。段々と人間に見えてくる。得体の知れない罪悪が湧いてくる。ここまで動物眼線な作品は観たことがない。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.0

ふつーの初恋もの。青春時代に故郷の韓国で両想いだった幼馴染がfacebookを通じて連絡をかけてきた。ライターのユダヤ人と結婚してニューヨークに暮らしてる彼女はやがて彼と再会する。見切りをつける女と未>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

小難しい話をよくこんなに手際よくハイテンポで描けたもんだ。いかにジーザスは預言者たり得るか。その過程がポールと大衆との関係性で緻密に説明されている。正直、3時間弱でも物足りないくらい、圧倒的な映像美と>>続きを読む

夢見るシングルズ(1982年製作の映画)

3.5

29歳という設定にショックしたが調べたら本当に実年齢でびっくりした。ミシェル・ブランのファンになった作品。アパートの隣同士で暮らす、女房と離婚したばかりの冴えない中年医師と、恋人と別れて過食と絶食を繰>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

羅生門や最後の決闘裁判の更にもっと内側。なるほどそう来たかとゆう感じ。最後まで全員容疑者という可能性は残したまま絶妙に主観の交錯が組んである。近づけば近づくほど遠のく真理とそれに翻弄される愚かな人間た>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

いやー実写版風立ちぬですな。豪華絢爛、THE科学者オールスター大感謝祭。いろいろ説明端折りまくってたが数十人にものぼるマンハッタン計画の関係者それぞれの立ち位置と個性が明確に描かれポツダムまでの歴史認>>続きを読む

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.4

そうそうこのカオスさですよ我々が欲しているのは。歌のシーンはほとんどビートルズ笑 幸せとは「夢を叶えることか?」と問う物語。売れない画家のお姉さんは絵で結果を残せず、彼と結婚し、北海道へ行く。お姉さん>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.4

画質くそキレイーーーーーーーそしてこの画の構成力、比類ない。ヨーロッパの中央の地にあって、周囲の大国<太陽>の影響下で激動の歴史を重ねてきたタル・ベーラの母国ハンガリーを地球の衛星<月>に見立てた、複>>続きを読む

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(2018年製作の映画)

3.9

ロサンゼルス郊外にある東京ドーム約17個分のやせた土地を、自然と共存した豊かな農場に変えていく8年間のドキュメンタリー。夫婦が里親となった黒いワンちゃんを筆頭にどんどん「新たな家族」が増える一方でトラ>>続きを読む

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)

4.0

ティルとパンだけでここまで魅せられる。脱帽して敬礼ですよ実に。00年代という破滅的で微熱を有したアジアの雰囲気が完全にフィルムに焼きついている。ほんと死にたくなるくらいにみんなごみ人間なのにみんな愛お>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

1.1

さすがに酷すぎる。2時間延々と説明台詞をタラタラ。多様性題材にしてんだから少しはマイノリティーの気持ち考えたらどうだ。感動ポルノここに極めりという感じ。このタイトルの割には性描写が無さすぎて、誰一人と>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

4.1

作品の出来栄えも去ることながら70年代フランスの性へのアプローチの仕方に驚いた。なんて性愛に満ち溢れた人間的な世界なんだろうと。携帯も何もない社会では身だしなみを整え、言葉を巧みに使ってアプローチする>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.4

ひたすらイーストウッドっぽいなあ。だだ恐ろしく地味な映画だなあ。クラシックファン以外に誰が好んで観るだろうという感じ。キャリーはこの役柄極端に多いよね。レナード・バーンスタインのスキャンダラスな側面を>>続きを読む

時の支配者(1982年製作の映画)

3.4

救難信号をキャッチした宇宙船の船長ジャバールは、森へ避難した幼い少年ピエールを救うべく、惑星へ降り立った。「ファンタスティック・プラネット」のルネ・ラルー監督作品。あの作品と同様、他の作品では真似でき>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.7

パルムドールはパラサイトよりもこっちでしょ。”悪い草も悪い人間もない、育てる人間が悪いだけだ" レミゼラブルの舞台となった場所で移民問題を描いた作品。ユゴー版のレミゼラブルが「人の善から生まれる愛の連>>続きを読む

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.3

ドラキュラにリアリズムもくそもないが、や惰性でドラキュラやらせてる感じがなんともムッシュリズム。現代の吸血鬼の生活描写が、例えば障害を持つ人々が生活する上で常にある不便さや、社会にまるでないものとして>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.1

まずはヤヤ役チャールビ・ディーンのご冥福を。
人が本性を露わにしていく姿を見るのは実に愉快だな。権力についての鋭い洞察を見せてくれる作品だった。豪華客船が沈没して無人島と思しき場所で漂流生活をすること
>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

超絶美青年がADHDフル開放して音に狂う姿にこちらも踊らざる負えなくなってくる。ヘッズはいつ聞いてもいいね。音楽の脱構築というか当時はやってた直接的でパンクな社会風刺が詩にないからいい。彼にとって初め>>続きを読む

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

5.0

このラストの括り方は涙なくしてみられん。We Are the Worldのドキュメンタリーは既に存在しているけども、今回はライオネルリッチーを筆頭とした参加者たちのインタビューを通して過去を振り返ると>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

この会話演出の自然体は本物だからなせる技ですわ。派手なことは何もおきない。映されるのも日常目にするものだけ。だけど片時もスクリーンから目が離せない。すべてのショットが確信に満ち力強い。なぜ藤沢はブチ切>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.9

言葉を失くすほど酷い記憶。人の脳内は直接カメラで撮影できないからこそ、アニメーション・ドキュメンタリーというジャンルが重要なのは、カメラで今現在、撮影可能なものだけが事実ではないということを言えるとこ>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.0

最高すぎる。日本アニメあるようなデフォルメが一切削られ、数ある漫画の実写が悉く失敗してるなか、独自路線でアニメリメイクとして成功してると思う。谷口ジローの絵に対する理解、リスペクトが半端なかった。余計>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

2.2

所謂16ミリっぽさの寄せ集めというか、終始アケルマンのエピゴーネン感が最後まで拭えなかったか(ライカートさなんか1mmも感じられなかった)また、全体的に音の使い方が下品だったね。最初と最初の使い古され>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

1.2

ダメダメだ。ただのゲームかユニバーサルスタジオののプロモーション動画かってくらい既視感溢れる映像表現やストーリー展開にいら立ちが抑えきれなかった笑 まあニンテンドーのキャラクターに対するブランディング>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

1.4

「苔って生命力に溢れた小さな森なのよ」mossが浮き足立つ居場所のない主人公のカウンターパートになってるのは分かるが、話の強度が極端に弱いからか、画の力に反して映画としての奥行きを感じられなかった点、>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

エマ氏オスカー受賞おめでとう。納得。結構原作に寄せてきたなという第一印象。実はこっちが本物のリトルマーメイド実写版であり(嘘)、センター試験直前に絶対欠かせないフランケンデフォー校長&エマストーン又の>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

3.5

やはりSF映画監督なんだなと。宇宙人(喪失したひと)が社会に溶け込もうとする話にしか見えんのだ。シークエンスの繋ぎ目に深い深いキャズムがあることによって鑑賞者はその谷間に潜む可能性に頭を巡らざる負えな>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

1.0

もうこの手のジャンルはシャマランに譲っとけって。製作オバマ夫妻による共和党批判したいだけの演説垂れ流しの2時間。想像の域をでないSFほど見るに耐えないものはない。NHKの災害再現VTRかというレベルで>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

新年初映画。やはり着眼点が違うね。挿入歌のセンスも素晴らしい。ケリーライカートにしては珍しい時代劇もの。しかし西部開拓時代だからといってカーボーイは描かず貧乏な料理人と移民中国人との静かな友情を描いた>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.8

スカルプチャーの学科ほんとこういう感じよな。個展のためアトリエで創作に打ち込む彫刻家と、務めている美術学校の自由な生徒たちとの関わり合いをユーモラスに描く。彫刻に集中したいだけなのに、家主のせいでシャ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.6

「スカイツリーと呼ばれる人工巨木を中心に据えた日の出るキャピタリズムギャラクシー浅草にて、銀河の界隈に取り残された精霊=自然=かつての人間(主人公)が、なす術なくシャンタルアケルマン的に繰り返される反>>続きを読む

エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.5

サスペリアとメモリアの続編かよ、と思うくらい雰囲気が似通っててティルダの最近の趣味が分かった気がした。一卵性母娘がテーマの精神的な話であり、共依存された亡き母に苦しめられてきたら娘が母の亡霊に悩まされ>>続きを読む

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