サンヨンイチさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

サンヨンイチ

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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.6

シンメトリーで鮮やかな世界は
想像よりも苛酷で嗜虐的だ。

単純明快なストーリーだが
唯一、バシットバットのルールには
頭を抱えて目がぐるぐる。
心を落ち着かせるにはヨガがいいだろう。

閉店後のスー
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.6

ヨーロッパ企画発の
ハートフルコメディ。

演劇の枠組みに留まる
誇大な演技や台詞、説明過多な描写に
疲れてしまう人も一定数いるだろうが
とにかく笑えて温まるハートウォーミングな世界観。
“このまま、
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.8

マイクミルズでしか獲られない
日常の栄養素がある。

大人と子どもを描きつつ
親子の型にははまらない
友情に近いような関係性をさらけ出す。

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

3.8

クライムサスペンスであり
バイオレンスアクションでもあり
韓国ノワールでもある
いいとこ取り映画。

ジェームズワンぽいカメラワークが見れるのは貴重。
アクションシーンは決して多くはなく
やや物足りな
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.7

ヒトラーが帰ってきた。
ドキュメンタリーシーンを見る限り
ドイツ国内でも
ヒトラーの物真似に対する意見が様々に分かれている。
笑いのネタとして消費する者もいれば
過去の過ちとして怒りを表明する者もいる
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.1

最近スコセッシが好きになってきた。
60、70年代のマチズモなマフィアの
特殊な人間関係と絆の結び付きは格別な嗜好品として
定期的に摂取したい味わい深さがある。

ジョーペシのおしゃべりクソ野郎役には
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今年のワクワク映画はもう終わりか…?
散々言及され尽くした
コロナ禍以降のマルチバースブームも
今月の超大作丸被り事変で一段落。
アクションばっちり、
見たいものの要点はすべて押さえつつ、
マルチバー
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キャリー(1976年製作の映画)

3.5

赤が印象的なホラー映画の金字塔。
シシースペイセクが
敬虔だがミステリアスな美女を巧みに演じる。

パッと見が陰険で化粧っ気もなく
家柄も怪しく、無知
疎外される要素を多面的に扱いながら
学園ものに不
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.5

1つ1つのシーンがこびりつく
屈指のアトラクションムービー。
当時の特撮とはいえ、
こんなことが果たして本当に出来たのか?
と猜疑するハイレベルなアクション。

エンターテイメントを濾過し尽くした結晶
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

3.3

これくらいのアニメーションではもう驚かないが
格段に見易い整然とした画とテンポがよい。

子供だましではあるが騙されてみるのも悪くない。

ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.4

ナウでヤングなジェレミーレナーを見れるのはこの映画だけだぜ。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

CGアニメーションが限界突破。
前作のカオスクオリティを
誰も越えられていないのに
本作がそれを凌駕してくるとんでもない寡占状態。

140分ギチギチにテクニックを詰め込んだ挙げ句
遂には実写を飲み込
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EXIT(2019年製作の映画)

3.7

韓国アクションお得意の
科学考察ぶち抜き全無視映画。
これを面白くできるのがすごい。
骨を切らせて肉を断つ。
悪役はまさかの数分でフェードアウト。
主人公以外のストーリーを描かず
枝分かれのないスッキ
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.5

ヨルゴスランティモスによる狂喜の演舞。
終末世界を舞台に
豪華絢爛な役者陣がクスリとも笑わず
生真面目に不真面目を踊り通す。

れっきとしたコメディであり
歪なアニマルホラーでもある
外連味たっぷりな
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.7

奇想天外摩訶不思議
ホドロフスキーの無限の夢想世界に
ベットした人々の回顧録。

SF映画の道筋を確実に変えた
幻の作品『ホドロフスキーのDUNE』。
たとえその夢が叶わなくとも
培われた財産が
後世
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海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

4.0

完全版170分
勿体ぶった惹句と独特な語り口で
あれよあれよと引き込まれる回想録。

不可思議だが魅力的な1900とともに
波乱の20世紀を渡航する。
既に世界一の国となった自由の象徴・アメリカを目指
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.0

不穏不快の局地。
スケアジャンプのない
ひたすら地続きの闇に引きずり込まれる。

ご丁寧に脳裏に刻み込まれた
サブリミナル映像が甦るたび
胃液が上がるような不快感に襲われる。

怪物(2023年製作の映画)

4.3

羅生門形式に紡ぐ加害性の物語。
社会において誰もが加害者足り得るという
当たり前のことを
さらに細部まで覗き込んだ先を
私たちは見逃していないだろうか。
見て見ぬふりをしていないだろうか。
突きつけら
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ぜんぶ売女よりマシ(2017年製作の映画)

3.3

スウェーデンモデルにおけるセックスワーカーの扱いについて勉強。

性風俗が規制される(買い手が犯罪者とされる)ことによって
一般的な客層の減少→リスクを背負ってもよいと考える少数の危険な買い手だけが残
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.7

二人の女性の視点から
日本の階層社会を見る。

有害で、かつ圧倒的な地位の象徴として描かれる
高良健吾のルックスの整い具合は皮肉なものだが
美紀の評による“決して悪い人間ではないのだが”という無邪気な
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ヒート(1995年製作の映画)

3.8

人物関係図など状況把握に時間を要するが
どうか焦らず見てほしい。

中盤の銃撃戦は
緊迫感をこれでもかと凝縮する圧巻のシークエンス。

ラストの対峙においても
決着の付け方が苛烈にハードボイルド。
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.5

ろくでなしクルーズ。
ディザスタームービーとして遜色ない出来だが
デジカメやガラスの反射で
トライポッドを魅せるなど
地に足ついた演出が光る。

生きる(1952年製作の映画)

4.0

モノクロだが
目の濁りが輝きへと移り行く様が
はっきりと分かる。

はっきりしない物言い、
責任を背負わないよう思案する様など
むず痒い表現が続くのはなかなか鑑賞に体力が必要だが必見。
唯一ズバッと通
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インシディアス 第2章(2013年製作の映画)

3.8

まさかの伏線回収に膝を打つ。

独自固有なカメラワークやスケアジャンプなど
適材適所にテクニックを活用するワンの腕がなる。

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.3

『ロッキー』シリーズから遡って
前作までが出来すぎていた、のが最大の難関だったが、
恐らくその壁を乗り越えられていない。

後付け感満載で急に現れた宿敵は
母親だけが服役中の姿を知る所に留まり、
結局
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.7

トキシックマスキュリニティの皮を剥げば
時代に翻弄された本質が露になる。

時代が違えば、
理解しあうこともできたのではないか、と
泡沫の期待をよせつつ
ラストの衝撃に唖然としたままエンドロールを迎え
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

つくづく話題の提供に熱心なシリーズである。
最終作(さらにもう1作続くことも示唆されているが)が2025年だと…。
それまで待てと言うのだから酷だ。
『エンドゲーム』ですら1年だったのに…。


とに
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

上質この上ない傑作。
満足と物足りなさが同居したような観賞後感が味わえ、
何度も映画の場面を思い出したくなる。

今日の梨園、某アイドル事務所の問題と重ね合わせてしまう、
権力者の暴走と、周囲の黙認。
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