Naaaさんの映画レビュー・感想・評価

Naaa

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貴公子(2023年製作の映画)

3.9

「THE WITCH 魔女」シリーズの監督による巨額な遺産をめぐるノワール作品。

ただ単純なアクションノワールではなくフィリピンと韓国間で問題になっている「コピノ」を扱っている。


観終わった感想
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成功したオタク(2021年製作の映画)

3.2

ある日、自分の応援している芸能人が逮捕された。


共にファンであった友人へのインタビューを通して好きな芸能人が芸能人でなくなってしまった事実を受容していく流れ。


罪を犯してもファンであり続ける側
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

韓国とNY間の長い年月を描いたラブストーリー。
これは初恋に別れを告げる物語でもあるのかな。

大人になった今だからこそ、感情移入して観ることも出来る作品。

ハッピーエンドを運命として描くのでなく、
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.3

夫が転落死し、被告人である妻の裁判で関係性が明らかになっていく。


裁判で様々な角度から夫婦が語られることで、夫婦の関係性が転落していった様が分かる。


転落する直前の口論をきくと、まるで精神的D
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

親子感の憎しみ愛情の二律背反な感情を描いた作品。

母の息子の男性部分の否定は、何だったのか。
無垢な可愛いベイビーからなのか。
父親の不在は母の愛に対しての自信のなさからなのか。


アリアスター版
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

幼児の脳を移植された女性の冒険譚。
自分の意志で外に出て、様々な人と接することで世界を知る。

エマ・ストーンの演技がとても素晴らしいものだった。
世界を知らない子供のときのベラと自由と平等を謳うベラ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.3

同じ木漏れ日がないように、同じ日々はない。

単調に見える日々も、木漏れ日のようにその日その日で微妙な変化はある。
彼はその日々も見つめつづける木々のようにも感じた。


時折、現れた影の表現は内包し
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(2023年製作の映画)

3.6

自分の中に内包している見たくない感情を言語化、映像化されたような映画だった。

彼からの問いかけに倫理的な回答は出来るが自分の答えは出せるのか不安になった。

1人の大人として、産まれくる命の重みへの
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.1

苦味しかない青春映画。

彼は一体、なんだったのだろうか。
最初、彼はサラのイマジナリーフレンドかと思ったがどうやら違うようだった。

最後、彼にかけたサラの言葉は彼に対して親近感やもう1人の自分的な
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

一度、流れ始めた水はとめることは出来ないのだろうか。

関東大震災をきっかけに悪い方向へ流れは、止めようとする人達がいたにも関わらず止まることはなかった。

襲われた側からのアングルは、「鬼」と泣き叫
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.3

自分が自分であることを求められていないと感じたら、正気でいられるだろうか。


常に美しく気品がある姿を求められ、常にコルセットで締め上げられる姿は自分を押し殺す意味にも感じた。

皇帝だけではなく娘
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.4

誰かの雑な仕事が誰かを苦しめる。
大人の無関心な行いが、大人が守るべき子供を苦しめる。

食堂から貯水池に向かうカメラワークと光の使い方がとても素晴らしいものだった。

自分の仕事への向かい合い方、誰
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

少年が母の死を異世界に迷い込んだことをきっかけに母の死を乗り越える物語。

異世界の描き方や、様々な世界の描き方はスタジオジブリはやっぱり巧み。
冒頭の少年のトラウマになるような「火」を異世界を通して
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

彼らにとっての「怪物」とは…


1つの事象について色々な視点からみせていくのかと思いきや。
ある意味で前半は彼らにとっての「怪物」からの都合が良い主観のパートだった。

大人からみたら、不誠実に見え
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波紋(2023年製作の映画)

3.4

生きていると悩みは尽きない。
他人を理解し分かり合えうことは難しい。


不安や不満が多くあると心の支えが欲しくなるときがある。
そんな時に欲しい言葉をくれる人がいたら、傾倒してしまうのも分かる。
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.7

見終わった後の疲労感が凄まじい作品だった。
90分がとても長く感じた。

ワンショットだからこそ、自分もエミリー達の共犯としているような視点になってくる。

多様性や他文化に否定的になるのは、日頃の生
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

自分の人生が様々な人にモニタリングされ、他人よって用意されたもだとしたら…

勇気をだして踏み出した世界が行き止まりの世界なんて辛すぎる

そしてラストのいつも通りの彼の挨拶なのが余計に辛さが増す。
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.1

前作ほど驚きは少なかった。
だけど前作で分からなかった部分が今作で描かれる。

割りかし、早々に家族についての種明かしがある。
母とエスターのバトルは面白かった。

蛍光塗料で変わる絵は、子供のような
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

早くも今年のベストムービーが決まるかもしれない。

アクション×SFのカオスな設定だか、描いている内容はシンプルな「愛」の物語。


時折、回想で出てくるエヴリンの「こんなはずじゃなかった」「あの時、
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.6

信じる者は救われる??


ベネデッタは果たして「聖女」だったのか?
本当にキリストの言葉が聴こえていたのか?


ベネデッタとバルトロメアの関係を紛糾する修道院長のフェリシタはお金に執着し、教皇は妻
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.4

誰かと心通わせる喜びを感じることの出来る映画。

「同じ特性」が同じだからといって、必ずしも心を通わせることが出来るとは限らないことも描く。


ロードムービーなので、大きな起伏が少ないがだからこそ途
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.6

容疑者と警官だからこそ出会えて、容疑者と警官だからこそ結ばれることがない。

過去のパクチャヌク作品と比べるとエログロ描写は全くなし。

肉体関係を連想する描写は全くないからこそ、2人が心から惹かれる
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

サイレント映画からトーキー映画への移ろいでいく中の栄枯盛衰を描いた内容。

冒頭でジャックがマニーに映画の「進化」と「孤独」ついて語っていたシーンがこの映画ほ内容を凝縮していると感じた。

途中のパテ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

「生」への渇望を描いた映画だと思う。

戸締りを通して、その場所であった生活や人生を覗くシーンは心にくるものがあった。

災害によって廃墟になってしまった場所を見ているとフィクション作品だか、今の日本
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.9

新年から、めちゃくちゃヘビーな映画だった…
ヒューマンドラマ、アクション、ミステリー様々な要素があり、最後の最後までハラハラする展開。



飛行機が制御不能となるシーンでの音響とカメラワークがとても
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ気持ち悪い内容だった。

ビジュアルの美しさと内容の気持ちのギャップが凄まじい。
夫であるジェームズから開放されるストーリーなのかなとも感じた。

性を感じさせるシーンがちらほらあり、夫婦
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.4

黒人の人が感じているであろう黒人への偏見的な態度や言葉を感じる作品だった。

差別主義者ではないと装っている人々の悪意のない差別的な言葉の気持ち悪さ。

催眠術後の恐怖体験は現代における子宮移植や代理
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

タイトルの「あのこは貴族」は美紀に対して華子が思った言葉なのか、美紀が華子に対して思った言葉なのか。

ちょっとしたお茶に4000円をためらいなく払えることを美紀は貴族と感じたり、自分で選んで買ったも
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君だけが知らない(2021年製作の映画)

3.7

記憶とは曖昧で残酷なものだということを実感した。

前半はスジンの記憶の混乱を描き、後半は怒涛の展開だった。
デジャブなのか記憶なのか現実なのか分かりにくくする演出によって飽きずにハラハラしながら観る
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.3

人間を人間たらしめるものとは何だろうか。

テクノと呼ばれるロボットが壊れてしまった家族の喪失を描いた作品。


ヤンが動かなくなってしまった後に修理かかる金額や新しい機械の購入を勧められている様を観
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.0

規律や伝統がその人らしさを奪い時にはその人を壊す。

生まれながらにその役目を真っ当する運命にあったら、ゆっくりと覚悟を固めることが出来るだろう。

覚悟を固めた人達から見たら、彼女の行動は訳の分から
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