矢吹さんの映画レビュー・感想・評価

矢吹

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天使の恍惚(1972年製作の映画)

3.9

薔薇色ごっこはもう終わり。

革命を志す若者たちは、組織の中で、個人としての立場と覚悟と責任に翻弄される。
女と男の共闘なるか、逃走なるか。

恍惚とは、炎の奥か、火炎の中か。
若松孝二、彼の視点で描
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.0

見つめる。と、聞く、は同時に存在する。
過去と、現在も常に同時に存在している。
何かを待ちながら、探している。
はるさん。
心とは、重なっていく関係である。
人と人の間にあるもの。
傷つけるためとか、
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i ai(2022年製作の映画)

3.9

1つの命が、どこで誰に何を残すのか。
やってくれたなマヒトゥ。
彼らの生活は明石で営まれたが、
音と光と風を通して、
こうして世の中の全てを包括した。
その世の中って言うのは、世の中やから。
全てでえ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.9

3.27 destruction in 新宿 でございました。

あのちゃんと幾多さんを起用した方々にただただ頭が下がる。
確かに原作見てりゃ、まんまだなってなるんだろうなって、それ以外考えられないの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

Power over Timothée is power over all
ティモシーを制するものは全てを制する。

Watch a movie. Or be part of one.
もちろん、IM
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イディオッツ(1998年製作の映画)

3.9

ドグマ2

自らの愚者たることに誇りを持つ。
このスタンス、諸刃すぎるのは、今もなお。
人がしっかり前に進むには、テクノロジーの速度が速すぎる。ってのに胡座をかくのもいいけど、そろそろ痺れが切れそうだ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

それは、彼らが許されるために。
この作品は、誰が許されるために?
あの部屋の中の皺寄せは、空論だけの被害者数と、そこから生まれる悲劇を被るのは、誰だったよ。
誰も許されては行けないし、もう誰も同じ罪を
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カノン(1998年製作の映画)

3.8

死は出口ではない。
めちゃ親切な映画。
そして、出口に向かうことを薦める警告。
フランスのやばいおじさんの話ですけど、
どこの街も変わらんわな。
パリだって当たり前。
綺麗なだけなわけないから。
住め
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千年女優(2001年製作の映画)

4.2

例えば、君に会うために生まれてきた、のと、
君に会うために生きてきた、のは、ちと違う。
そう思うでしょう。

最後の一言。完璧の一言。
この愛の強さもあわや異常さも無敵っぷりも担保できる至上の一撃。
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デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

3.8

もうすぐPast がクール市を襲う。

これをファンタジーだと断言するのは、ロマンがないなら、これはロマンだと断言できる。
本物も偽物もありはしない、少し時代が離れているだけ、過去は今も隣にいる。
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エノケンの孫悟空 後編(1940年製作の映画)

3.8

これまた、夢のお告げから開催される后編。
運命を導く、夢の中のシーンで、とにかく綺麗な人たちが踊り狂う。まだ、悟空たちが歌って踊るのはわかるけど、序盤から、ひたすら妖艶な美女たちがわんさかダンスして、
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エノケンの孫悟空 前編(1940年製作の映画)

3.8

初エノケン、ミュージカルとは聞いていたものの、いきなりの、スーパーレビュウというか、
フットライトパレードばりの、人海芸術。
めちゃよかった。
女性がものすごい人数でフォーメーションダンスをするんです
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

4.0

世間は狭いって言うけどよお、
思いがけない場所で繋がるんだったら、
僕たちの世間は案外、こんなとこまで広がってるんですねってさ、
世間は広いって言うんじゃねえのかよお。
って順番みたいに思った。
仕方
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.1

至福の和音は、神の領分。
我々はもっと幸福だった、ピタゴラスの時代を思い出そう。あの時代に戻れ。
過去、理論家に形を押し付けられたオクターブを解放する時。

人々を扇動する謎のプリンスの声、
暗闇に閉
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

4.0

カメラオブスクラ
暗闇の中で、黒猫を探すのは難しい、いなけりゃ尚更。

カルネ、デパルマとは一線を画す最新作。とは、
こうして名前でるの、めっちゃいいね。
メルヴィル、海の沈黙のような輝きの方面でもも
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Here(2023年製作の映画)

4.2

そこにもここにも、わたしは存在していて、存在していない。全ての名前がわからなくなるように全ての境界線がぼやけていって、全てと溶け合う。
流動的に、万物とも一つになれる。
サイレン。が聞こえる。

どう
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.2

噂の、ライブ映像ですけど、
4Kですしね。ちゃんとそこにいましたよ。
デビッドバーンさんは、
アメリカンユートピアでちゃんとみて、
その前に映画の、This must be the place で
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.1

よかった。

ベルギーブリュッセル。

時間を移す。
私の見ている景色と聞こえている音。
ここに他人が入る。
最も骨を折る仕事。語り手。

すごくいいシーンがあって、好きなね。
警察に伝えた後の、彼女
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アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

3.8

ユダヤ人女性の気を引くための三つの話題。
食べ物、家族、哲学。
わかるんだけど、
僕の知ってるアメリカではなくて、
これもアメリカの一面であるってことですよね。とても大切な、移民についての歴史の一つだ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

フランケンシュタイン。
悪い子バビー。
良識ある社会から、熱烈ジャンピング。
人生で大切なのは、飽くなき冒険心でございますよ。
「精神的に向上心のない奴は馬鹿だ」
この言葉はいつだって正しいのだ。
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

3.9

ファンタジー寄りな2人と、リアル寄りな2人の、4人の交感がたまらないっすのよ
そういう意味でだと思うんだけど、
見れば見るほど、すげえ変な映画に感じたっす。
それぞれ違う映画のキャラクターが、
クロス
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鮫肌男と桃尻女(1998年製作の映画)

3.8

ほんとにリズミカルで、スマート。
オープニングもかっこいい。
ファンキーヤクザのゴタゴタに、1人立ち向かい、逃げるワイルド忠信。
スピーディーな展開に合わせて、コロコロ動くガンショットガンショット。
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この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)

4.3

ラジオでおっしゃっていた。
「正義」ではなく、「正気」で判断すること。
正気の私であれば、ここはどう生きるべきか。
アートとは、正気を問うことなのよね。
って。それだけであってくれと。
また、思っちま
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野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

3.8

速報段階の評価の高さ、その高止まりと落ち着き。テーマとタイトル、上映時間。
ざっと見たレビューの感じ。
もう見るしかないと、
確認してきました。
玉砕。悪ふざけ。真面目に不真面目。Mr.Childre
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.2

こんなにも、違うのか。

ゴジラが、しっかりと神に見えた。
ゴジラ様が、カッコ良すぎる。
モノクロと夜のせいで、なんだかよく見えないのもすげえ怖い。
けど、街でも海でも、確かな質感。
超ハイレベルな1
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

なんやこの、変な動画、おもろ。

せぶひろこさん。締め方も完璧。
出てくる曲とか、エンディングの紅、合唱込みのリトグリ版も素敵だったけど、
劇中のBGMがとにかく、めっちゃいい。
ポップで、ちょっと不
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引っ越してきました麻美です。(2023年製作の映画)

3.9

この世は、喜劇なんて言うけれど、
結局、現実は映画じゃないし、ドラマじゃないんだよ。
2時間で終わらないし、死ぬまでっていう永遠に基づくし、多々、自分のためにすらならない。
でも、この世は、
ピンク映
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無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語(2024年製作の映画)

4.2

まじで、人助け。
これだけが人生かも知れない。
なんと、ここに答えがあったか。
パーフェクトデイズとボルテックスで、
良くも悪くもな諸行無常に、ほんのりと寂しさを感じて生活していたところに、まさかの、
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.2

人生は、夢の夢の中。
短い夢より、さらに短い夢。悪夢。

過去とは、再現ではなく、描写されたものにすぎない。
悲嘆とは、生きるために必要な防衛である。
ラジオがかっこいい。
俺みたいな年頃の人間は、ま
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

Perfect days がある
Perfect days には、+1の日と -1の日が
あったりする。
これだけが人生だったりする。
完璧な日々は続くけど、
日常の中に、毎日の中に、
何万日過ごして
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

4.4

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」34

あわててまとめたくはないんだけど、
結局この作品、というか、
田中泯さん。
すごすぎて、辿り着きすぎていて、
意味わかんないから

こんな
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.4

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」33

今年のうちに、感謝を申し上げます。
見せてくれて、たのしくしてくれて、
修復してくれてありがとう

悪戯兄さん

写真よりも前、絵だった時
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いとみち(2020年製作の映画)

4.1

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」32

コピペ、オリジナルはこの世にないらしい。
編集のやり方だから、人間は、
概ね同意しますよね。
基本的に、オリジナルはなくても、
個性はある
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.9

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」31

無意識から呼ぶ声がした。
やはり本当は死にたくなかったのね。

そしてわたしのゆめは現実に。

感情型の人間には危険な、太陰年
七年おきに
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シンプルメン(1992年製作の映画)

3.9

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」30

メンデス。

人生は悲しいもの。
欲望とトラブルの矛盾。
情熱と欲望の地獄に閉じ込められるだけさ。
ペシだなあ。ずっと。

科学に意味はな
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.0

年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」29

音楽が印象的な作品
対位法的でもあり、そうでしかあり得ないようでもある。
塞ぎ込んでしまった人たちがたくさん出てくる。
みんな下向いてて、
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