Nnさんの映画レビュー・感想・評価

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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.6

えっっっノーランの頭の中どないなっとるの…………?
人生で一番騙された映画かもしれない
構えて観るタイプの人間にとってはおもろすぎる
序盤、小説にありそうな筋書きだなーとか思ってたけど、ちゃんと映像に
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.4

映画として完璧すぎると思わされた作品だった。

覚えていることと、思い出すことは違う。
人は皆全てのことを覚えていて、でも、ただ思い出せないだけなんだ。

監督のミゼルと、編集のマックス、2人が映画の
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クリスチーネ・F(1981年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ラストの45分くらいのたたみかけまでは、正直、刹那的に生きる若者のドラッグが引き寄せた2人の恋愛ドラマって感じにしか思えなかった。
けど、他のドラッグ系が主題の映画と違って摂取してるとこじゃなくて、ど
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

あ〜!ノーランの「リアリスティックSF」だなぁっていう描写や演出多くて、ノーランファンとしては大満足。
というか、インターステラーファン(?)みたいなとこあるので、それを感じられる作品だった。
そして
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.5

私の人生はどこかへ辿り着いては、離れ、またどこかを目指しては、どこかを探し、そしてせめてこの世界に留まり続けるために、苦しみながら、行ける場所を探しては、走り続ける人生なんだと思います。あちらの世界に>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.3

"画力(えぢから)"がすごい……
光と影、構図、カットの移り変わりがそうきたかとなったり、どうやってこの役者の表情を引き出しているのか⁉︎と引き込まれたり、映すものと映さないものの取捨選択に唸らされる
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

超古典原作があるにも関わらず、
かなり低レベルな比喩の感想を残させていただくと
アニメ「カイバ」と進撃の巨人の要素をかなり感じた!
(逆なんだよ。こちらがDUNEに影響受けてるんだよ。)
というかこの
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ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)

4.1

いやこれが「映画」だよなあと思わされる作品だった。
4時間!?長いなぁ?!?と思ったけどイタリア語だから全然苦痛じゃなかった☺️

そしてヴィスコンティ、男の顔撮るのうますぎるー😭
生きてたら(?)好
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.1

自宅で勝手にアッバス・キアロスタミ特集の続き。
訳あって前半後半に分けて見てしまったけど、それが勿体なかったなと思うくらい。
2024年、新年いきなり能登半島を襲った地震からまだ記憶に新しい地震大国に
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

4.3

数少ない生きてる好きな監督ダーレン・アロノフスキーのデビュー作、見逃すところでした。危ない〜。
ホエールは見てたけど、written by ダーレン・アロノフスキーは久しぶりに観たので、「そうそうこれ
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パディントン(2014年製作の映画)

3.8

妹が好きな作品なのでみた。
ボーは恐れているを最近見た身としては安心感しかない作品だった☺️
確かにこれ見るとロンドンに行きたくなる。
小粋な演出なども好みだった。
他のレビュー見て思ったけど、CGの
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ホームワーク(1989年製作の映画)

4.2

自宅で勝手にアッバス・キアロスタミ3本立て企画の三本目。

主題を抜きにしてもとても好きな映像作品だと感じた。
子どもの話す時の目の動き、私たちと必死にまだ少ない知識と言葉で通じようとしている努力、純
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

自宅で勝手にアッバス・キアロスタミ3本立て企画の二本目。

やばい、途中までほぼダーレン・アロノフスキーの『マザー!』レベルの不条理・理不尽ストーリーだったので、結構青ざめてた。
けど、全く馴染みのな
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トラベラー(1974年製作の映画)

4.0

自宅で勝手にアッバス・キアロスタミ3本立て企画の一本目。
素晴らしすぎる長編デビュー作だなあ。

子どもだからダメ、という理由でさせてもらえなかったことっていっぱいあったよね。
でも、それを大人になっ
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女は女である(1961年製作の映画)

4.3

ゴダールが描く亭主関白だったり、どうしようもなかったりする男性陣が振り回される、天真爛漫な女性を見ていると、女として自信がなぜか出てくる、本当に!

「わたしなんて、ただの女よ」と言いながら、私自身の
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自分の事ばかりで情けなくなるよ(2013年製作の映画)

3.0

アカデミー賞の速報見てて肩に力入りすぎてたので弛緩できそうな映画をチョイス。
クリープハイプが好きな人は見るべきだし、知らない人はむしろ見るべきでない、まで言えちゃうくらいの映像作品だった。
一つのバ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「あ、そうだった、アリアスターは解決策を何一つ教えてはくれないのだった。」というのを、この映画を見て思い出した。
エブエブ見て、何か引っ掛かるものがあった人は一回見といた方がいい作品。
親に精神科に通
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.7

アキ・カウリスマキは映像でしかできない表現を徹底して突き詰めていると感じさせるような作品だった。
マッチを作る側から、彼女が使う側になったとき。それが全てだと思う。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.7

私にとっての奇跡みたいな映画だった。
映る東京の風景全てが、私に関わりのある"東京"ばかりで、それが本当に運命的に思えて、奇跡みたいに嬉しい映画だった。

私が見てきた、そして見ている景色が、好きな監
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

ノリで年始に、籠の中の乙女を妹と観たのだけど、1/26に本作が公開され、そして色々あり2月。
まじで全てに導かれて生きてる〜
今の私が観るべき映画すぎる〜🧘
そういえばこの作品観に行けてないなと思い出
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初恋(1997年製作の映画)

3.8

ウォンカーウァイの映画って、もうこのままこの映像に閉じ込めてくれないか、ってくらい酔いしれる時があるのに、本当にどうでもいい時はどうでもいいなーと思ってしまう他人事MAXの時もどっちもちゃんとある。>>続きを読む

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.1

世にものフォーマットみたいになってて面白かった。
なんで今の高齢者が全然免許返納しないのかとか、年齢も上でかつ男性であれば恐怖の対象になるということの無自覚さとか、今の時代でボロボロ出てくる問題に直結
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卒業(1967年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

わけもわからず大人の仲間入りをしたときの初期衝動のようなものが詰め込まれていてとても良かった。
最後ハッピーエンドなんかーいと不穏な映画好きとしては思ってしまったけど、いやあれはハッピーエンドではない
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.7

人間とは元来孤独な生き物で、だけどその孤独感を誤魔化すために人間はこれまで必死になってきた歴史があるのかなと思わされた。
その必死になって作ってきた文明の一部として資本主義経済だったり、今の生活様式が
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.5

笑っていいのか悪いのか絶妙なラインの、不謹慎な笑いとも取れるような空気感が続くのは割と好きだった。
質感も景色や風景の綺麗さが際立つ感じで飽きが来ず、割とすぐ観終わった感じ。
『聖なる鹿殺し』より好み
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バービー(2023年製作の映画)

3.8

バービーの実写映画というよりは、バービー平和記念資料映画、みたいなノリだった。
けど、思っていたよりは良かったー!

バービー人形が産んでしまった悲劇、まだ自我を持つ前の年齢の(主に)女の子のおもちゃ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

作り込まれた世界観、シュールなやりとりはいつもの通りって感じだけど、
他の作品とは違って、ウェス・アンダーソン自身のクリエイターとしての主張が垣間見える感じがした。

この作品に限らずだけど、ウェス・
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.5

エブエブやらこの作品やら、昨今の(特にアメリカなどの諸外国の)親子の姿や絆のかたちが変わりつつあるんだな〜っていうのを強く感じた
ただ今の時代における別角度のロミジュリをやってるだけで、構造としては前
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.6

枯れ葉公開を機に、アキ・カウリスマキの波が来てるので鑑賞。

ピクサー映画って子供に飽きさせないために、短時間の起承転結のサイクルで落とすっていうのを構成に組み込んでるって聞いたことあるけど、そんな感
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

エンドロールの曲が良すぎたのと
あとアキが言いたかったことの随所随所に共感してしまったので点が高くなったかも。
個人的には監督の試みよりも純粋な本の良さがずばーんと心にきている。早くハッピーアワー観た
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

こういうユーモアを持った大人でいたいと思える人物像を描いてくれてありがとう
平凡な日常はクソだけどこういう小さな喜びがあればやっていけるかもね、みたいな温度は好きだった

一応事前にARIELだけ見て
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

よすぎるー!おもしろいー!
まず見ててずっと目が飽きない、バランスの取れたショット
なんとなくちょっとシュールな芝居
あと音楽がどれもいい
作品というか小道具などの色合いがなんか好きだったな
どのシー
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.7

『左様なら』が当時、ぶっ刺さったのでちらほら短編をU-NEXTで観てきた、石橋夕帆監督。
そこから3,4年経ち、新作を劇場で観る機会が生まれ、今観なきゃ!!という焦燥感のような気持ちに駆られて劇場まで
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