ナガノヤスユ記さんの映画レビュー・感想・評価

ナガノヤスユ記

ナガノヤスユ記

人に厳しく、映画に甘い。基本的にだらしのない、てきとうな人間です。内容のほとんどは見たそばから忘れていきます。しまいには見たということさえ忘れてしまうのです。

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.8

意外と良識あるパンク映画。しかし「ありがとう」というラストシーンではなかった。
多少ふざけ倒したくらいで気を病まなきゃいけないようなものは、仕事にせよなんにせよクソくらえというのは間違いないけれど、ユ
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.5

誰かに与えられた名前を捨て、本当の自分(そんなものがあるとして)になれる瞬間など、長く険しい人生の中に一体何分間訪れるというのだろうか。僕はそんなもの必要ないと思ってしまうタイプではあるけど、それもま>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.2

カウリスマキ映画で純粋にコメディ的なフックとして機能するのは、市井の人々の人間性(社会性)がふとした瞬間に失われる部分だと思っていて、下手な監督がそれで振り切っちゃうと、ユーモアとは呼べない悪辣なドタ>>続きを読む

ミラノ、愛に生きる(2009年製作の映画)

4.3

風の力か人の力か、とにかく何者かに開け放たれてしまった窓(扉)のあの爽やかさを、愛だとか欲望だとかそういう定義のままならない文言さまざまによって説明する必要は最早なく、ただ目を閉じ静かに、じっとりと感>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.2

ダニエル・ブレイクの憤りには心底共感するし、あまり粗探ししたいわけでもないのだけど、セックスワーカーの尊厳云々に踏みこんだあたりの甘さでケン・ローチもやはりジジイだなあと言わざるをえない。

モールス(2010年製作の映画)

3.5

刑事の視点を残し、父親のパートを削ったわけだけど、結果オーウェンのキャラクターが薄くなり、結末に至る動機が弱くなってる、という。

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.2

不可知の圧倒的他者、1人では生きていけないという呪い、孤独への絶対拒否。たとえそれが生きのびるための契約だったとしても。
これを見る限り、愛という言葉の生成においてスウェーデンは某国の少なくとも20年
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シングルマン(2009年製作の映画)

4.0

「人生は自殺の延期」映画。
2本目のタバコもらってしまうところが、絶妙に情けなくて良い。トム・フォード御仁にああいうの見せられると、だらしない人生もまた肯定されるかのようだが、そもそもの時間の生き方が
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早春(1970年製作の映画)

4.9

明らかに、誰かを求めることとは、与えることでなく奪うこと、なのだ。
キャット・スティーブンスの「言われるがままに働きたくはない〜」から始まり、「今夜僕は死ぬかもしれない〜」まで、鮮やかな色彩をすべて塗
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

2.5

『ブレードランナー2049』の後にレンタルして見たけど、もはや化石。

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.2

あまり物忘れなどしない方だけど、先頃の外出中、ふとした拍子ガスコンロの火を消し忘れたのではないかという不安に襲われた。コンロのつまみをひねる自分の手元はありありと思い出されるのだけど、それがいつの記憶>>続きを読む

世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶(2010年製作の映画)

4.4

ほとんどの壁画は1人によって描かれたことまで分かってるらしい。もちろん残ってるものはってことだから、感化された周囲が多少描いてた可能性は否めない。しかし、農耕革命以前の人類に壁画アーティストなんて職業>>続きを読む

キンスキー、我が最愛の敵(1999年製作の映画)

5.0

人類の記憶を追い求めるヘルツォークの極私的追憶映画。今は亡き盟友の姿を鏡にして、ヘルツォーク自身の姿もまた浮かびあがる。
個の力が強くなり、家族や小さなコミュニティの繋がりよりも、個人と社会の契約関係
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問いかける焦土(1992年製作の映画)

4.5

さしずめ人類(と巻き添えを食らったその他多くの生物)滅亡後の地球に生まれし新文明が発見した旧文明崩壊の記録映像。辛くも鎮めた焦土に再び火種を投げ込まずにいられないおっさん達。その様を抗しがたく美しいと>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

4.5

ヘルツォークの親は生粋の不定職者で、ヘルツォーク自身幼少期は居を転々とし、音楽や映画は勿論、水洗トイレさえ知らない極貧生活を味わっていたらしい。

少々鈍いが善良な小市民ブルーノをバラバラに引き裂いた
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