WillowMarraisさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

WillowMarrais

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ドンバス(2018年製作の映画)

4.3

ポストトゥルース時代の映画。
もはやメタフィクションは本当の意味で現実に作用する。
何を演出するか、どこをどう切り取るか、誰が何のために作るのか。
プロパガンダなのか、ドキュメントなのか。
曖昧に引っ
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デュエル(1976年製作の映画)

4.7

唐突に始まる「デュエル」にワクワク。
セーラームーンやおジャ魔女どれみ?
なんだこれ感すごいけど
その切り返しが鳥肌モノだった。
石っていいよね。それも透明なクリスタルだったし。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

1よりは俄然面白く、伏線回収もしっかりしてて、撮影も音もよかった。
言ってしまえば人を納得させることのできる「完璧な」エンタメ映画なのだろう。


だが、数年前にマンマミーア2を見た時に覚えた強烈な感
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.5

この視点移動や白昼夢(ほぼ夜だけど)を可能にしてるのはなんなんだろう。すごい。
ジョイスを読んだかのような、はたまた、ピンチョンなのか。
とにかく熱に浮かされていた。
ロシアの熱に。

犬王(2021年製作の映画)

4.0

湯浅監督の作家性はもちろんだけど
原作未読でも楽しめた。

このアニメーションを推し進めるようなクリエイター陣に圧倒される。
どのカットをとっても素晴らしい。

音楽によって解放されていく。
それは今
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

実相寺アングルを悪用したショットはキメを欠いている。全くもって効果的とは思えない。

PS2並みのゲームCGみたいなバトルシーンはCG側からの特撮への接近なのかもしれないが、実際は予算少なかったからと
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

-

この辺は門外漢なので、含蓄はありません(測定も不能です)が
ロバートパティソンがボコボコに殴ることで
『ライトハウス』での鬱憤晴らしになっていればいいな、なんて。

湖のランスロ(1974年製作の映画)

4.3

音が浮いてくる。すごい。
円卓の騎士かっこいいけど、こうも違う質感の物語に見えてくるのはブレッソンだからか。
静謐だけどなぜか熱い。

荘園の貴族たち(2020年製作の映画)

3.8

めっちゃ喋るけど画面は静か。
会話内容は小説か、はたまた演劇かって具合。
こののっぺり感をぶち壊してほしさあった。

にしても何度寝落ちしたことか、、

流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

台詞なしのアヴァン素晴らしかった。
濁流からのタイトル。この映画の隠喩。

今の邦画界(海外向けに制作している監督を除く)ではかなりハイレベルな演者と原作映像化ではないだろうか。

広瀬すずや松坂桃李
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怒り(2016年製作の映画)

4.1

これほどの役者を揃え高レベルの演技で高レベルの絶望感。
三話が交差することはないけれど
主軸の指名手配に似てる人ってので設定として締め付けがある。

カット割とモンタージュと編集が見やすくなってて、あ
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

回数を重ねてみるごとに発見が多い。
自分の幸せと誰かの幸せを重ねながら。
時間の経過と共に、顔が変化していく。
映画のなかで歳を取っていく。
登場人物たちも、わたしたちも。
複数性を生きるとはなんなの
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三度目の、正直(2021年製作の映画)

4.5

ファーストショットから不気味すぎる。
暴力に関する映画。
言葉にならない感情。わからなさ。
実存的に生きていて、そこから逃れるには逃避していくしかないんだけど、それもできない。CUREさせられる。理解
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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

4.7

なるほど、ドクメンタよろしくベルリンではこういった作品が評価されたのか。
ポストトゥルースの時代をいかに生きるか。
ポストフェミニズム。コロナ。

三部構成だからか、強度がそれなりにあって特に三部目の
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.5

確かに、ビルや団地がにょきにょきと生えているのが見えたのはパリの郊外だった。
今作はアジア街のある13区のお話。

現代の若者のリアルタイムな恋愛模様の変奏劇。ネット空間(弱いつながり)を介しながら、
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.8

素晴らしい映画だと思う。

物語を俯瞰する視点に主人公がいるところ
そして主人公らしく自分の物語に変えていくところ。他者を通して自分を見つめる。
それが深く深く潜るようだ。

演劇を使ったメタ手法も最
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

明大前の「花束みたいな恋をした」
下北の「街の上で」
高円寺の「ちょっと思い出しただけ」

飽和状態の「エモ」映画世代。
松居大悟はずっとクリープハイプとやってるイメージですが、ひとつの集大成ではない
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宝島(2018年製作の映画)

5.0

何か記憶から薄れてしまっているものを
取り出してくれるかのような映画だった。
お金のなかった子供時代に同じような悪さ(禁止されていることを破ること)をした気もする。それが一つの冒険だった。

いろんな
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LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.9

ロックが生を肯定する手段のひとつだった時代。
音楽史的にもソ連って特異なんだろうな。
静かなるアナキズム。
誰かにとっては平凡な歌でも、自分にとってロックならそれはロックかもしれない。
映像もよかった
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アネット(2021年製作の映画)

4.3

あのアヴァンは鳥肌ものだった。
これからこの人の映画が始まるんだ、と。

物語は古典的なテーマではあるが
キャラクターの極端な味付けと、ミュージカルとオペラを問うものになっている。
その点だけでも、カ
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ビヨンド 4K レストア版(1981年製作の映画)

3.8

色々めちゃくちゃだけど
視覚的に楽しい。
みんなモタモタしすぎて笑ってしまう。

随所に光る素晴らしい画。
ラストシーンが最高。
『ストーカー』かと思った。

光りの墓(2015年製作の映画)

5.0

究極の映画体験のひとつ。
非現前の現前。幽霊。眠りと瞑想。
時間と記憶。オカルト。

ハイデガーの退隠。
見えない何かを引き出すこと。


円盤で数回見たが完全に睡眠薬として服用していた。
今回劇場で
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.4

どの画作りもびっくりするくらい斬新でかっこいい。
郊外の生活の歪さを画面いっぱいに焼き付けていたと思う。

松田優作のもごもご話す感じが好き。

コスモス(2015年製作の映画)

5.0

そう、これがディオニュソスだ。
全てに詩情を覚え
全てを発散させる。
ゴンブローヴィッチと共振する認知の爆発を最後にしてこの世を去ったズラウスキーに感服。

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.7

外部の偶然性によって変化することを肯定(?)する映画。
空中浮遊とラストが素晴らしい。

やっぱりあの時代に形成された
ドゥルーズ的思考は必然だと
パゾリーニを見て思う。

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.5

前作『RAW』よりはグロ要素が後退し
暴力性がマシマシ。音楽もバキバキ。

SEXの否定。男性社会の否定。複数性。
擬似家族。クライマッチョ。
そしてポストヒューマン。
これだけコンテンポラリーだとパ
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ひかりの歌(2017年製作の映画)

4.7

隙間のような言語感覚。
どれも本質的な部分を映像に任せている。
その力を信頼している。

「不在」(あるいは再生)という主題のまわりを旋回しており、その不在をどう扱うかが四様に現れる。その作家性が『春
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

感情の、心の、奥底にある不確かな、不安定な蠢く何か。
言葉にすること、行動すること。
そして閉ざしたもの。
三話三様の偶然と想像が
すっと手を差し伸べてくれる。

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

4.1

陰鬱な空気が終始支配している。
交通事故と性交。破壊と破戒の結婚。
壊れたものへのコンプレックスから
そこにエクスタシーを感じるのはわかる。
車はわからないけれど。
バラードのあの時期の作品を原作とし
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涙の塩(2020年製作の映画)

3.8

熟練の技で異様に画面が見やすかった。

ホンサンスもそうだけれど、ガレルもこういう現代的テーマ(マッチョの否定)を取り入れた作風なのか。
それでもやはり世間はもっとラディカルさを求めてしまうんだろうな
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.9

松坂桃李の闇堕ち。
鈴木亮平の怪演。これは映画史に残りそう。
どちらも外道と思っていない外道。
警察組織の腐敗も白石和彌のお得意テーマ。
血も涙もない。

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

-

記録漏れ

これ見た後、友達としんどなってたの思い出した。バンドが壊れていく瞬間、その果て。
誰が悪いわけでもないのに、別れがやってくる。



ドアの外で思ったんだ
あと10年たったら
なんでもでき
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.9

かねてから石、苔、家具(木)には記憶が宿ると考えていたものだから
エルナン、彼が、石には記憶があるといって、石から物語を紡ぐシーンは物凄く感銘を受けた。

植物と菌類。このタイムリーなワードを自然に取
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.3

チタンのために復習。
1回目見た時はあまりの吐き気に途中でやめた記憶がある。

カニバル百合映画。
今回も吐き気がやばかったが貫徹。
食事中に見たからだろうな(?)

ポーラX(1999年製作の映画)

5.0

堕ちていくところまで堕ちていく。
そのデカダンスは美しい。

彼の書いた小説は、紙屑のように撒かれていく。
これが作家であり、作家の矜持である。
爆裂するノイズバンド。
これをカッコいいと思ってしまう
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