超面白い
朴正煕暗殺事件から始まった「ソウルの春」終焉となった粛軍クーデターを、『日本のいちばん長い日』形式に則りつつ、軍側と反乱側両者の一進一退の攻防をスリリングに見せる
韓国のポリティカルサスペン>>続きを読む
(少なくとも)今まで観てきた濱口作品は、「自己」と「他者」は別世界であり、そこで他者を受け入れるか拒絶するかという話をフレーミングと併せてやってきたと思うが、今作は拒絶に比重が寄った作り
毎度ある濱口>>続きを読む
54年版とは異なり、軍法会議一点に絞った純法廷劇
取り沙汰される艦長と組員の軋轢を、回想等挟まずあくまで答弁の中でのみ回収し、フリードキン得意の緊迫感あるドキュメントタッチで終始展開していく
54年版>>続きを読む
面白い
話自体に特に捻りはないが、前半のロードムービーとネイチャードキュメンタリー風の撮影が噛み合っており、過去作に独自性がある
アクションシーンの各カットごとの間の取り方も画面構成も完璧で、撮影と編>>続きを読む
面白い
掃海艦ケイン号の新艦長が、劣等感と偏執病から自身の失敗を部下に着せるようになり、やがて乗組員と対立し軍法会議へと発展していく
艦長の理不尽なしごきからスペクタクル溢れる海戦、終始劣勢な法廷劇、>>続きを読む
ラオール・ウォルシュ印の無駄無くスピーディーな作劇で、ケイパーものから監獄もの、ニューロティックスリラー、潜入捜査もの、逃走劇、ピカレスクと複数のジャンルを駆け抜けていく
ギャングのボスである主人公が>>続きを読む
田舎町で起きた日本人差別の末の殺人、事件の真実を探る来訪者を排斥しようとする町人、二重のゼノフォビアを描く初期のポスト西部劇
今観ると善悪観のバランスがどうしても甘く感じるが、社会派要素を取り込んだノ>>続きを読む
序盤のコングとミニコングのロードムービー的展開が意外に面白い
人間パートはほぼ要らないし、ゴジラの強化イベントはワンシーンで十分なのに無駄に長いが、vs怪獣ものとしては概ね満足(もっと見せても良いが)>>続きを読む
頭は人間、身体は獣の怪物マンティコアに準えた主人公のキャラクタースタディ
中盤のロマンスが単調で退屈だが、ここが主人公にとって心地の良い現実逃避であり、否応でも現実に向き合わなければならなくなる終盤に>>続きを読む
面白い
前作『ポゼッサー』同様、ゲーム的な構造の作劇
『ポゼッサー』が自我と他我の混濁の話とするなら、今作は現実と仮想現実の混濁か
さながらGTAOの如く、ゲーム感覚でブルジョワジーが暴力性を発散して>>続きを読む
『レイジング・ブル』風のオープニングと最初の兄弟の死から次々と降りかかる悲劇を淡々と描いていくのは良かったが、親子間の確執や個々人のドラマが少なく物足りない
経験こそ最も長いが、主体性が無く才能も他の>>続きを読む
ストーリー自体は典型的な西部劇だが、敢えてドラマ部分が緩く進行していくのが良かった
結局主人公は性を変えられず去り行くしかないが、そこをカッコよく描かない上に周りに受けいられてしまうという辺り、現代に>>続きを読む
変な映画だが面白い
ユペール演じる田舎娘が、実業家との奇妙な縁でバブル前夜の東京へ訪れ、最終的に成り上がっていく話
どこに居たって結局は同じ、ヘテロもホモセクシャルもどうだって良い、という退廃的な台詞>>続きを読む
スランプに陥った作家がメイドを誤って殺害し、弟を巻き込み屍体遺棄
幻視に苛まれつつも、弟に濡れ衣を着せ執筆活動は順調に進んでいく…という倫理観の欠片も無い主人公像と死体を巡るサスペンスが面白い
メタフ>>続きを読む
同じジョゼフ・ロージーの『召使』に似た密室劇の、娘を亡くした娼婦と母を亡くした娘による同性愛的な擬似親子関係を描くサイコサスペンス
徐々に共依存に陥っていく2人が近親相姦関係にある実の父親に仲を引き裂>>続きを読む
007の亜流という意味で『カジノ・ロワイヤル(1966)』的かと想像してたが、それほどコメディに振り切ってるわけではない
ただ、敵も味方もおバカだから牧歌的にも感じられて、これはこれで好き
元々ゆるゆ>>続きを読む
面白かったが、終盤に至るまでの各々の視点のすれ違いを楽しむ展開は、それに終始するにしては間延びを感じてしまった
アビジャンパートからのマジック・リアリズムに絡めた怒涛のテンポが良かっただけに、もう少し>>続きを読む
鈴木清順作品的な美術・衣装が統一された色彩設計と、ウェルズ作品(特に『市民ケーン』)的なパンフォーカスを活かした構図と長回しで全編構成されていて眼福
映画には食事とセックスと暴力があれば十分だと思って>>続きを読む
話は王道の復讐ものマカロニウエスタンだが、クラウス・キンスキーが過剰なまでの暴力装置で、スラッシャー映画の殺人鬼みたいな殺し方をするので、思わず笑ってしまった
劇伴もジャーロっぽくてカッコいい
面白い
脱走兵を軍法会議にかける様を、ドブネズミを捕え裁判にかける戦場の兵士たちと交互に見せていく反戦映画
ダーク・ボガードが珍しく劇中唯一の良心で、体制が抱える矛盾と杜撰さを雄弁に暴くも、士気を上げ>>続きを読む
タイトル通りの”事故”が起きるオープニングとラストの対になる演出は面白かったが、大筋は文芸メロドラマかつ、主人公があまり能動的に関わってこないので、中年男2人が女学生1人を取り合う構造があまり活きてお>>続きを読む
『サタンタンゴ』と同じく、謎の訪問者によりコミュニティの調和が崩壊させられる話
『サタンタンゴ』での訪問者は共産圏の使いだったが、今作では鯨を引き連れたサーカス団
実態の無い”何か”に人々が振り回され>>続きを読む
ヒデオを知らない人向けのドキュメンタリーと言う感じだったが、ゲームそのものと業界への批評、監督本人をテクノロジーの発展と近代化の恩恵に預かった存在として描いていたのは面白かった(もっと掘り下げて欲しか>>続きを読む
主人公と襲撃者のどちらにも共感し辛いのと、無関係の一般人が無差別に巻き込まれる暴力描写は良かったが、中盤以降話が殆ど停滞しているのと、襲撃者側に動機や因縁をベラベラ喋らせるのがチープで残念
ラストにあ>>続きを読む
傑作
オーソン・ウェルズのデビュー作にして、既に次作『市民ケーン』でのエッセンスが見られる
ウェルズらしい極端に奥行きのある構図を用いたスラップスティックコメディから、静謐で退廃的な転調が実に劇映画的>>続きを読む
ブレッソンは好きだが、これに関しては『裁かるゝジャンヌ』の方に軍配が上がる
人物の表情をカットバックで映す会話劇は『たぶん悪魔が』『白夜』同様、ブレッソンとは相性が悪い
ただ、弁護人のハンドサインなん>>続きを読む
英国の階級社会批判を伴った主従逆転ものとしても当然面白かったが、相手の性生活を支配してから取り上げ、去勢された同性愛的な支配関係に帰着する終盤の方がより興味深かった
『パラサイト/半地下の家族』より『>>続きを読む
『たぶん悪魔が』もそうだが、素人の役者しか使わないブレッソン作品において、表情の演技と会話の抑揚が重視される会話劇はとても相性が悪い
ブレッソンが会話劇を面白く見せようとしてないというのもあるが…>>続きを読む
面白い
記憶喪失の大富豪アーカディンの記憶を辿る依頼を受けた男が陰謀に巻き込まれていくサスペンス
他監督作同様、中盤から冗長でやたら回りくどい展開にはなるが、トランジションのスマートさとロケーションの>>続きを読む
異なる生理的な苦しみによる生きづらさを抱える二人の人生が緩やかに交差し、そして離れていくまでの話
共感ベースというよりは体験ベースの構造で、対話による相互コミュニケーションでなく相手の立場や習慣から相>>続きを読む
朝鮮王朝時代実録もの×夜間に僅かに目が見える主人公による盲人サスペンスとしてよく出来ていたが、導入が長すぎるのと、終盤のどんでん返しに次ぐどんでん返しで少し醒めてしまった
昼夜での撮影の使い分けと、「>>続きを読む
ロシア革命後の帝政ロシアの凋落を、前半は息苦しい密室劇、後半は老将軍の地獄巡り的放浪記で展開していく
アレクセイ・ゲルマンらしいカオティックさはないものの、安易な旧体制批判やプロレタリア革命礼賛に陥ら>>続きを読む
変に捻った脚本で正直そこまで面白くはないが私は好き
北野武とかレフンみたいな暴力とユーモアの中間を往くスタイルを恥ずかしげもなくやってて好感が持てる
アート性を押し出しつつ娯楽映画にしようとしてるとこ>>続きを読む
同じNetflixの『デイ・シフト』くらいの丁度良い面白さのポストアポカリプスアクション
体技的なアクションはアン・ジヘが最も頑張ってた(スタントダブルの使い分けが上手い)が、一番の見せ場は終盤のマ・>>続きを読む
なかなか良かった
二律背反に塗れたオッペンハイマーの評伝であり、平和をもたらすはずの原爆が、結果新たな戦争の火種をもたらしたに過ぎなかったと、はっきり表明しているのが良かった
(この手の映画にしては)かなり練られたツイストが入ったサスペンス展開と群像劇的脚本で意外と楽しめたが、最終的に主役2人が結ばれるのには疑問
そんなことより、高橋文哉には家に女性を連れ込んで扼殺する連>>続きを読む