小波norisukeさんの映画レビュー・感想・評価

小波norisuke

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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.5

カモン、カモン
前へ、前へ

互いに敬意を持ち、
愛したいと思い、
心の底では既に狂しいほどに愛している

だけど何故かぎくしゃくしてしまう
おじとおい
兄と妹
母と息子
妻と夫
父と息子

人と関わ
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家族はつらいよ(2016年製作の映画)

3.5

お母さんが本当に欲しかったのは、離婚届じゃない。離婚届の提出のためにかかる費用よりも、さらにお金がかからないもの。とても簡単なことだけど、お父さんは気づかない。一緒に暮らす家族も、嫁いだ娘夫婦も、突然>>続きを読む

清須会議(2013年製作の映画)

4.9

原作を読んだ時点ですでにキャストが発表されていたのであて読みして、楽しみにしていた作品。しかし、やっぱり映像で観ると期待を裏切らず、でーりゃ楽しくてかんわ。

羽柴秀吉のしたたかな感じ。
柴田勝家の脂
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海街diary(2015年製作の映画)

5.0

両親に捨てられた三姉妹。突然一緒に暮らすことになった異母妹を通して、父の生き様を知っていく。そんな姉たちに気を遣う、まだあどけなさの残る四女のすず。時に喧嘩もしながら、お互いを慮って暮らす姉妹たちの日>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

火星にひとりだけ残されてしまった、マット・デイモン演じる主人公マーク・ワトニーが、どんな状況でも諦めず、常に前向きで、ユーモアを忘れない。その姿にとても励まされる。

マークの言葉がいつも愉しい。NA
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タイピスト!(2012年製作の映画)

4.0

50'sのフランス。ファッションも小物も、とてもカラフルで、可愛らしい。音楽やダンスも楽しい。

田舎育ちの純朴なドジっ子が、年上で厳しいコーチにしごかれて、華やかに成長していく王道ラブストーリーだ。
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ヒッチコック(2012年製作の映画)

4.0

天才の奥さんは大変だ。
感性の鋭い人は、もちろん繊細で、感情の振り幅が大きいのだろう。わがままで、時々ヒステリックになる。のぞきが趣味で、映画製作の資金づくりのために、自宅まで抵当にいれてしまう。
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愛さえあれば(2012年製作の映画)

4.0

南イタリアの青い海と、レモン果樹園の緑とレモン色、赤いドレス、映像がとても色鮮やかで美しかった。

デンマーク語の原題は「坊主のヘアドレッサー」。

主人公のイーダはがんが再発する不安を抱え、信頼して
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おじいちゃんの里帰り(2011年製作の映画)

4.0

トルコからドイツに移住したイルマズ家が、おじいちゃんの一言で一家総出でトルコに里帰りすることに。その道中で、おじいちゃんが家族と共に移民としてドイツに来た経緯が物語として語られていく。

おじいちゃん
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

宇宙空間から地球に生還するための凄まじき戦い。正直、展開が早くて、何が起きているのか、ついていけていないのだが、それでも常時大興奮だった。

酸素がもうなくなる!!というぎりぎりの状態で、やっとのこと
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リヴ&イングマール ある愛の風景(2012年製作の映画)

4.0

巨匠と呼ばれる映画監督と女優の間ではぐくまれた痛いほどの絆。恋愛からはじまり、深い愛情へと変わり、時に激しい憎しみとなり、そしてかけがえのない、友情という言葉ではおさまりきらないほどの人間同士の強いつ>>続きを読む

恋するリベラーチェ(2013年製作の映画)

4.0

ゲイ・カップルの恋愛をこんなに真正面から取り上げた映画を観たのは初めて。覚悟せずに行ったら、あまりにも想像の及ばない非日常的な映像がつづいて、度肝を抜かされた。

繊細な心の動きがしっかりと描かれてい
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スーサイド・ショップ(2012年製作の映画)

3.5

街並みも人々の表情も暗ーい、灰色の画面に宝石屋さんのように光り輝く自殺用品専門店。カラフルな毒薬は香水のように美しく並べられていて、ふくよかで朗らかなマダムが楽しそうに自殺用品を勧めてくれる。自殺用品>>続きを読む

少年H(2012年製作の映画)

5.0

時流に流されて思想が一転してしまう大人を観て、「あいつら、水の中でふらふら揺れるわかめみたいや」と少年Hが憤る。信仰一筋の母と、物事の本質を見極めよと諭す、穏やかではあるが芯の通った父。思春期の多感な>>続きを読む

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

5.0

子どもの頃に夢中で読んだ「メリー・ポピンズ」を大人になってはじめて映画で観た時は、幸福感に包まれた。

「スーパーカリフラジェスティックエクスピアリドージャス」も「チムチムニー」も、「鳥おばさんの歌(
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椿姫ができるまで(2012年製作の映画)

5.0

本当に「椿姫ができるまで」を見せてくれる。舞台模型から舞台が出来、衣装がつくられ、オーケストラの音楽が完成していく。すべてが楽しく、心が踊る。とりわけ、肝として描かれているのは、オペラ歌手のナタリー・>>続きを読む

私が愛した大統領(2012年製作の映画)

4.0

フランクリン・D・ルーズベルト大統領(FDR)の人となりを描写した作品。

物語の中心となるのは、欧州が第二次世界大戦の開戦へと向かうさなかに、英国王夫妻がアメリカに戦争への協力を依頼しに歴史上初めて
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

4.0

黒人で初めてメジャーリーグ入りした実在の選手の物語。差別と闘う重厚なヒューマンドラマを期待したが、ところどころに笑いも散りばめられ、悪い奴は罰せられ、いかにもわかりやすいアメリカ映画だった。もちろん主>>続きを読む

大統領の料理人(2012年製作の映画)

4.1

大統領官邸の厨房と南極観測基地の光景が交差して、心踊った。主人公の服装もがらりとかわる。どちらもとても似合っていて魅力的だ。

料理がどれもおいしそうで心惹かれる。フランス料理というとやや気取ったイメ
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スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.5

Stay Hungry, Stay Foolish.ジョブズという人は、まさにその通りに生きた人だったのだと思い知らされた。

未来を見つめる天才の発想と、そのビジョンを実現させようとするすさまじき執
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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.0

第1話「バーテンダー」カウリスマキ監督。短い無言劇。表情だけで心情を語る俳優が素晴らしい。あっという間に終了した。音楽と映像の色彩が好きだ。

第2話「スウィート・エクソシスト」ペドロ・コスタ監督。エ
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麦子さんと(2013年製作の映画)

4.0

突然現れた母親との関係がぎくしゃくしたまま、突然その母親が他界してしまった麦子さん。思い出すのは、母親につらく当たってしまったことばかり。

共感した。私は麦子さんよりもはるかに多く母親との思い出があ
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キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)

4.5

ソマリア沖の海賊がニュースになったときはイメージが出来なかったのだが、映像で観て驚いた。あんな小さな船で、若い少年たちが武器を使って、巨大なコンテナ船を襲うのかと。

ソマリアという国が経験してきた辛
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ソウルガールズ(2012年製作の映画)

4.0

「カントリーは失ったものを嘆く歌だが、ソウルは失ったものを取り戻す歌なんだ」

ちょっとあやしげなマネジャーを名乗り出た男が女の子たちに言う。白人による土地の支配、理不尽な人種差別に屈しない女の子たち
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ザ・イースト(2013年製作の映画)

4.0

「組織の病理」という言葉を聞いたことがある。組織に属していると、組織固有の倫理観に染まってしまって、個人の倫理観が麻痺してきてしまうことを意味した言葉だったと思う。この映画を観ていて、その言葉を思い出>>続きを読む

メイジーの瞳(2012年製作の映画)

4.0

メイジーを取り巻く不器用な大人たち。激しく罵り合う両親。メイジーのことを心から愛していて、メイジーと親しくなる大人たちに嫉妬してしまうほどなのに、仕事と重なるとどうしようもなくなって、嫉妬した相手にメ>>続きを読む

アメリカン・ハッスル(2013年製作の映画)

4.5

「人は信じたいものを信じる」の言葉通り、騙しているつもりが騙されているコンゲーム。

詐欺師たちは皆、どこか弱さを抱えている。本当の自分を偽り、違う自分になることを夢見て、身体を張って闘っている。だけ
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大統領の執事の涙(2013年製作の映画)

4.0

「闇は、闇で追い払うことはできない。光だけがそれを可能にする。」というキング牧師の言葉で始まるこの映画。ホワイトハウスの裏側から観たアメリカ政治史の物語かと思ったが、アフリカ系アメリカ人にとっては激動>>続きを読む

スペシャリスト 自覚なき殺戮者(1999年製作の映画)

3.0

「アイヒマン裁判」の映像をハンナ・アーレントの著作「イェルサレムのアイヒマン」に従って編集したドキュメンタリー作品。映画「ハンナ・アーレント」の公開を記念しての特別上映。「ハンナ」を見てなければ決して>>続きを読む

小さいおうち(2013年製作の映画)

4.0

赤いとんがり屋根の小さいおうちに閉じ込められた秘密が戦後60年以上を経て、平成を生きる青年・健史くんによって紐解かれていく。

この健史くん、なぜか日本の近代史に詳しい。天真爛漫そうな笑顔。終盤、あら
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.0

ウォール街のウルフと呼ばれた男は、豪胆な生き方の陰に依存症を抱えている。最初に足を踏み入れた証券会社の上司の教えの通り、クスリと酒と性的刺激。ウォール街で金を稼ぐためには、これらを手放せない。金を稼い>>続きを読む

ドストエフスキーと愛に生きる(2009年製作の映画)

4.0

ドストエフスキーの小説のドイツ語新訳に、長い歳月をかけて取り組んだスヴェトラーナさん。ウクライナから戦時中にドイツに移住して、65年。背中はまがっているけれどきれいな白髪で、服装もお洒落で素敵な84歳>>続きを読む

WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

4.3

木霊という言葉があるように、木にはなんだか神聖な雰囲気がある。樹齢100年もの大木ともなれば尚更だ。土にしっかりと根をはり、空に向かって枝を伸ばし、厳しい自然の変化にさらされて、長い歳月を生きてきてい>>続きを読む

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