順さんの映画レビュー・感想・評価

順

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透明人間(2019年製作の映画)

3.6

透明人間の個人的な執着が主人公セシリアの私的な範囲を荒らす物語で、こう書くとスケールが小さい…。
息遣いさえ聞こえない透明人間はしばらく得体が知れず、その間は緊張感が維持され、後半になるとアクション展
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.6

政権の汚れを暴こうとするサスペンス。
忖度なしに政治絡みの腐敗を糾弾するという点において画期的だけど、あくまでもフィクション。人物描写やストーリーは明快で、政権に与している人間は常に立場を守る悪人だし
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.8

実話ベースの虐待告発映画。
見ているだけでつらく、虐待シーンは目を覆いたくなる。事件の犯人はただ悪者として描かれていて、本作ではその背景にまで配慮はされない。親に守られぬ恐ろしさ。被害者の友人ジャンホ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.6

寓話のようで現実的な人間ドラマ。引き込まれる映像とホアキン・フェニックスの怪演によって、悪行さえも美しいまでに気高い。

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.5

古典。フランケンシュタインの作った「怪物」によるパニックを映す。
一方、欲望のままに生み出した心ある生物の命を勝手に奪う行いについて、人間至上の倫理観への警鐘も読み取れる。
怪物を製造する過程や初登場
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.9

常に危うい少年少女の「遊び」を見守りながら、やがて迎えるラストシーンはとてもやるせない。
戦争孤児のその後を想像させる。

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.1

リメイクされ続ける名作を丁寧に更新した、古典作品映画化の一到達点。
ボストンにパリにニューヨークに、19世紀アメリカ社会を通して見た越境のダイナミズムを優れた衣装や美術とともに描く。舞台の広さに対して
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.9

抑鬱と幸福を目的に開発中の植物「リトル・ジョー」をめぐる不気味な怪作。色彩のデザインが印象的。
リトル・ジョーの花粉に脳への悪影響が疑われる。それに「感染」してもむしろハッピーになってしまうだけで外見
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.3

高校演劇の最優秀賞作品を映画化した、青春物語の新たな傑作。
野球観戦を描くのにグラウンドの高校球児たちは一切撮らず、球場スタンド席と外側通路の様子だけで物語が展開される。その新鮮さがあっぱれ。もちろん
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ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)

4.0

ブラジル南部が舞台の愛の物語。
視力の衰えた偏屈老人エルネストと、若い女性ビアのめぐりあい。いくつになっても人は新しい物に喜びを得られるし、人生は楽しそうだ。そして年の差があっても分かち合える。手紙と
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放課後ソーダ日和-特別版-(2018年製作の映画)

3.9

『少女邂逅』のスピンオフ。
大人との狭間に揺らぐ少女たちというエッセンスを引き継ぎながら、爽やかな青春の一瞬がすべて眩しい。夏の特別感のなかで主人公たち三者三様のキャラクターが生き生きと画面で踊る。『
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オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

3.7

名作ミステリーの映画化作品。終盤の推理シーンからは凄みがあらわれて静寂すら気高い。

ポワロの偏屈そうな役作りが丁寧。
それに約5分間を1カットでもたせるイングリッド・バーグマンの名演もさることながら
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.1

美術と撮影が綺麗だけど支離滅裂で意味の分からない映画だった。
目を凝らしながら見つつも、意匠や会話がほとんど意味を持たないという構成に気付いてからは単発シーンのスライドショーにしか見えなくなってしまい
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.5

問答無用の名作。
気持ちよく粋なハッピーエンドに無上を幸福の得られた。すべての人生への讃歌。

クリスマス時期にまた見たい。
戦勝のムードが漂う1946年の作品。

震える舌(1980年製作の映画)

4.1

見ていてつらい映画だった。日本のあらゆるホラー映画を凌ぐ恐ろしさ。破傷風の闘病と感染への恐怖。
没入により鑑賞後の疲労感がすごい。

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

4.0

新たな青春映画の傑作。
進路希望未提出や定型的キャラクター像などあるある設定を土台にしつつ、一人の頑張り屋に周囲がそれぞれの距離感で刺激されるという新機軸の青春ドラマを描いている。一致団結して共通のゴ
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遥かなる大地へ(1992年製作の映画)

3.7

19世紀末、アイルランドから夢の大地アメリカへ。
オクラホマの土地を無数の馬が駆けるランドラッシュのシーンは圧巻。

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.9

自殺入門付き映画。
前作は一応サスペンススリラー、スラッシャー映画の趣きがあったけれど、本作は一転してSFヒューマンラブストーリーの感が強い。という意味で全くの別作品と捉えると座りがよい。とはいえ第1
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デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

4.2

少年たちの真っ直ぐさ、夏休みの特別感、デジタル社会への夢が詰まっている。すばらしいテンポで紡がれる地球規模の冒険。思い出補正込みだけど傑作。吉田玲子脚本への信頼はあつい。

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.3

着信音楽が耳に残る。
同じ殺人鬼が引き起こす同じ一日の繰り返しなのに、丁寧に緩急がつけられてテンポがよい。恐怖とユーモア、サスペンスとハートフルのバランスが見事。カメラワークやカットの構成も飽きさせな
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.1

長尺映画の面白さと、ゴーカン、ヒロシマ、ナガサキを笑いのネタにする倫理観が強く印象に残っている。主役ランチョーを演じたアーミル・カーンは当時44歳というから驚き。

少女邂逅(2017年製作の映画)

3.7

映像や台詞に不安定な趣きがあった。
穂志もえかとモトーラ世理奈が魅力的になってゆく。

少林サッカー(2001年製作の映画)

4.0

何度見てもスカッと面白い。キャラクター全員が個性的で、みんなが帰ってくるシーンが最高。

岸辺のふたり(2000年製作の映画)

4.5

たった8分間のアニメーションに、長い長い人生の味わいが詰まっている。

アイアンマン(2008年製作の映画)

3.5

明快な勧善懲悪ヒーローもので夢とロマンがある。
主人公アイアンマンは誇りある天才科学者にして色男だけど人間味と愛嬌も備えていて、一方の敵はスーツの造形も言動も悪役そのもの。
ブラック・サバスを使ったエ
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はちどり(2018年製作の映画)

4.5

一切無駄のない傑作。
すべての映像や間が美しかった。
主人公ウニの心の機微をあれこれ想像しながら見守る時間。と同時に、周りの友人や家族たちにも同様に内面の揺らぎがあることが示唆される。けど全員の物語が
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精神0(2020年製作の映画)

3.4

精神医療を退く山本昌知氏と妻を撮った観察映画。引退にまつわる患者たちとの関係性、夫婦の関係性。
前半はひたすら、山本先生を訪ねる患者たちとの診療所の場面。カットもなくひたすら長回しだった。そのなかで印
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ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.7

北マケドニアの自然共存ドキュメンタリー傑作。

メインキャストの養蜂家女性は、首都スコピエから遠く離れた土地の、粗野な石積みと土壁の住居で、目と身体が不自由な老母と暮らす。多くを求めすぎず自然の動植物
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春を告げる町(2019年製作の映画)

4.0

原発事故の影響を受けた福島県広野町を舞台に、住民の日常を撮ったドキュメンタリー。
楽しげに暮らす人たちの姿をずーっと見ていたくなる素敵な映画だった。大災害の理不尽さや苦しみ、被災地の惨状ばかりをピック
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.4

淡々と描かれる連続殺人鬼の日常。
フィクション、ノンフィクションにかかわらず、文芸の世界におけるシリアルキラーはしばしば英雄的に、あるいは一種の美学をともなって表現される。ところが、本作で見せられるの
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