naocoさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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機内で見られそうだなーと思ったもののでっかい画面で見てよかった。人間ドラマでありながら映像美。
構成が難しくて序盤はついていくのが大変だったけど、後半はだいぶ引き込まれた。

科学はひたすらに突き詰め
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成功したオタク(2021年製作の映画)

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率直で誠実な自分語りの記録。当事者が語ることの力強さ。

アイドル=偶像とはよく名付けたものである。「推し活」の対象であると思っていた「推し」本人の圧倒的な不在。そこにあるのは投影された自身の理想だっ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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自分の身体をどうにかしていいのは自分だけというのは人権の基本であり、そういう話なのかと思っていると、最後の最後でどえらいモノが出てきて、内なる狂暴さを飼いならす知性、みたいなことも考えてしまったりする>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

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予告編(と、ポスタービジュアル)で「あ〜、親子モノね〜」とスルーしようかと思っていたが、それだけではないというレビューを見かけていざ鑑賞。

同じ空間にいる他者とコミュニケートする態度のお話で、乱暴に
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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青春譚。少年の成長物語にしたわけか。
和山先生の中でこれは未読なので元ネタと比べてみたい。
芳根京子がいい感じにズレててよかったなあ。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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いや、ちょっとこれ……誰かが「見たら情緒をかき乱される」と言っていたけどまさに。

尊厳を奪われ虐げられた者たちの悲しみと怨念、狂気と滅びの危険な耽美、そんでもってブロマンス。ツボが多すぎるよ。

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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エキゾチックなジャパン。

ヒラヤマさんがあのぼろアパート含めた一帯の土地持ちであれもこれも道楽なのだとしたら……それはそれは羨ましい生き方だ。

代々木八幡宮は凶暴なカラスとたぬきがいてゆっくりお弁
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

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作画が大変にユニークだというウワサを聞いて。うーん、なるほど。
子ども視点の物語であるものの、大人と子ども(いや、知識のある人とない人か)どちらが観てもそれぞれのストーリーラインができあがる点はすごい
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ファッション・リイマジン(2022年製作の映画)

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エンドロール終わって席を立とうとしたらスクリーンにどどーんとMOPポップアップショップのお知らせが映し出されてなんの悪い冗談かと思った。

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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ロマコメとしてのやりとりのファニーさもクィアな雰囲気があるところもよかったが、『獨立時代』という原題を深読みしたくなる。

自分を支配しようとするものからの解放がひとつのモチーフなのかな。それが恋愛関
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バービー(2023年製作の映画)

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幾重にも批判的で皮肉が効いていて最高に好きだ。Dolby Atmosのいいスクリーンで観てよかった。モブの何気ないセリフまで一言一言にちゃんと意思が込められていてすごい。

児童向け玩具がモチーフなの
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

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どえらいもんを観たな…(と、圧倒される稀有な大作。鑑賞というより体験)

顔立ちこそ幼さが残るものの張震の佇まいにはこの時点で既に主演俳優としての輝きがある。明星の風格。

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)

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許光漢のポテンシャルの高さをまた見せつけられる…本当に恐ろしい子だ。

林柏宏はこの上なくチャーミング。これは観客みんな毛毛を好きになる。憎めない可愛らしさみたいなのは他の作品でも出ていて気になる俳優
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

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不朽の名作を何かと話題の劇場で初鑑賞。ドロドロでぐちゃぐちゃでやるせなくて、この上なく美しい。

本作と類似点が指摘されていた2020年の中国ドラマ『君、花海棠の紅にあらず』は上手に本歌取りをしたのだ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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性癖大全開。少年性とフェティッシュが衒うことなく全面に押しだされている。

“少女”との出会いが〆になっているあたりはなんかもうある種の業なのかもしれない。

産む性としての「女」に対する憧憬と畏怖。
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Pearl パール(2022年製作の映画)

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音効と編集でホラーっぽくしているけれど、ホラーなのかこれは。何かもっと大きな哀しみの物語のよう。ラストカットの表情が秀逸。

3部作らしいので過去作も気になってはいるものの、ホラージャンルあんまり好み
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怪物(2023年製作の映画)

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クィア映画として評価された理由もクィア当事者からネガな感想がチラホラ出てくる理由もなんだか納得がいく。
おそらく物語が想定していた主題と演出・制作の設定が少〜しズレていて、やはり仕上がり的に演出のほう
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暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー(2023年製作の映画)

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ゼンカイが陽のトンチキだとすると、ドンブラは陰のトンチキなのかもしれん。

ジロウは最初から最後までやべー奴だし、マスターは結局ナゾの人のままだし、とーちゃん親指回して変身するの笑うし、いやはや、どち
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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愛犬家と毒母持ちにはいささかキツイんじゃないですかねこれ。

メインキャストはほぼアジア系で台詞も三分の一くらいは中国語なんだけど、アジアっぽさはあまりない。“移民”と呼ばれる立場の人たちの存在感がそ
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別れる決心(2022年製作の映画)

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なんとまあ。考察しがいのある映画だこと(しないけど)そしてこの上なくロマンチック。
「まなざす」という行為の淫靡さと暴力性。

迷宮のような汤唯老师がとてつもなく魅惑的。何度も観たくなるあるいは観てし
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RRR(2022年製作の映画)

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大好物なトンチキブロマンス。ではあるものの、単純にきゃっきゃウフフと楽しめないのは悲しいかな私が大日本帝国臣民の子孫だからなんだよなあ。帝国支配残酷物語じゃん、これ。よくヒットしてるよ。イギリス系の人>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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わたしとしてはりょーちんのあの過去は知らないままでいたかったよ。

1話で10秒分くらいしか話が進まなかった連載の世界観は見事に映し出されていて、クレジットからみるとモーションキャプチャーを使ったと思
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正直政治家 チュ・サンスク(2019年製作の映画)

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最高最高。設定もストーリーもいいし、何よりキャストがいい。
ミランお姉さんは相変わらず痛快で、脇を固めるキャストも皆いい。中でもナ・ムニ先生! 国の宝だよ!

続編も日本の劇場に早く来ますように〜(윤
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

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21世紀に蘇る家父長的ヒッピーファミリー物語。捕鯨がいかに憎まれているかもよーくわかるネイチャー&スピリチュアルムービー。

はじめて3D映画を観たのは前作アバターだったような気がするなあと思いながら
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

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料理を作る所作に比べると食べるシーンが粗野な雰囲気で、生への執着をもっと意地汚く描いていく感じになるのでは…と期待していたけどそんなことなかった。残念。

音楽はとてもよい。大友さんの劇伴はハズレがな
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

・おばあさまは最期までおばあさまだった。ELIZABETHⅡ逝去直後という鑑賞のタイミングもエモかった。
・メアリーもイーディスも年をとって角がとれたなあ。
・おとうさまは相変わらずである。器が小さい
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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何者かになりたいとじたばたしているうちはまだまだで、何者でもないと自覚してから人生は何かが始まるのかもしれない。

三十〜四十女が生きるのにじたばたする映画・ドラマはアジア作品でもあれこれ見たけれど、
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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是枝さんが撮ると釜山の街が日本のどっかに見える不思議。

これまで幾度も血ではない関係性でつながった家族を描いていたのが、今回は血でつながった親子の情と業を描いたんだなあ。
また、是枝さんの作品も韓国
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PLAN 75(2022年製作の映画)

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「優しさ」とは何であるのか。
磯村勇斗演じる公務員は役場を訪れた弱った人や炊出しを孤独に見つめる老女には手を差し伸べる真面目で優しい人物だけど、制度に内包された残忍さにはなかなか気づけない。いわゆる排
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犬王(2021年製作の映画)

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ロックンロール琵琶法師ミュージカル!
ときに絵巻物のように、ときにスペクタクルに描かれるアニメーションと心躍るビート。権力に翻弄される人々、そしてブロマンス。

美しさも醜さも残酷さもすべてそこにある
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

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ニュー・シネマ・パラダイス in 文革。

オリエンタルな劇伴が好み。クレジットを見るに青海地方のもののようだ。(自国の領土内でオリエンタルをやるってのが流行っているのだろうか)

食堂でびゃんびゃん
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パイナップル ツアーズ デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

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出会いから20数年の時を経て初めて劇場で鑑賞。(記憶はデジタルリマスターより鮮やかだった)

たしかこの作品当時、中江さんは「自分は外地の人間だから外から来た人物の視点で描くことしかできない」とかなん
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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憧れの昭和ノスタルジーを僕ちんがリメイクしちゃった、ヒャッハー! って感じじゃないか? 「わかる人にはわかると思うんだけどさぁ〜」という講釈が聞こえてくる気がする。

こうだったら嫌だなと事前に思って
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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美しいシーンはいくつもあったし、設定や脚本の面白さにも唸った。役者陣、特に岡田将生はよかった。そして犬かわいかったね。

が。しかし。全然好きじゃなかったなあ。
若い女に“よしよし"されて立ち直ってん
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花椒の味(2019年製作の映画)

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家族とは。
なんとなく生計を共にする、あるいは、血縁で繋がった集団だと思っていたけど、個と個の一対一のつながりの集合体にすぎないのかもしれない。そして、帰ることができる家族は1つだけでなくてもよい。
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

役者はチャーミングだし、ファンタジックな世界観は悪くないし、ストーリーテリングは巧みだと思うけども……この話、ホラーですよね。

時間が止まっている間に幼少期の一時期に会っただけの相手にあんな風にされ
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