※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
一見すると冷徹なビジネスモデルに身を置く人間であっても、その実は強力かつ純粋な動機の基で行動していたりする。
そういった見え辛い熱意を、あらゆる角度>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
(3/10 大幅に加筆しました。書けていないと感じていた事を1100字程度)
作り手がキャラクターをエヴァに乗せると決めた事で産まれた、TVシリーズ〜旧劇場版の世界。
その世界を、キャラクター>>続きを読む
※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
いつ命を落としてもおかしくない極限の状況下でも、人と人が関わる限りは営みがあり、営みがある限りは心の交流がそこに在る。
人質同士の連帯感から生まれる>>続きを読む
2020年の激流を潜り抜け、辿り着いた2021年。
その初めに観る新作映画を、Zoomを用いたリモート制作であるこの作品に出来た事には、色々と感慨があった。
昨年の緊急事態宣言下、国産のリモート制>>続きを読む
想像以上に政治的で難解。
だが、劇中で書き上げられた『市民ケーン』に宿る感情が、積み重なる回想により時差をもって打ち寄せる。
名を伏せて『ローマの休日』を執筆する姿を描いた「トランボ ハリウッ>>続きを読む
クリスマスイブを恋人と過ごす全ての人を焼き払う気持ちでわざとこの日に合わせて観たけど、全く逆の気持ちになった。
登場人物たちには確かに悪い部分もあるけど、ここまで悲惨な目に遭う道理はないし、それを楽>>続きを読む
自分はまだこの物語の始まり、永田が沙希に出会う前の段階で彷徨っているようなものだから、上手く言葉になんて出来るわけがないのだけど
今の自分、これからの自分が絶対に目を背けてはいけないものが、いや、背>>続きを読む
こんなに肩の力を抜いて観れるボクシングを扱った映画は、今のところ他には知らない。
開始から約15分間試合や練習風景を映したシーンが無かったり、クライマックスの試合シークエンスの淡白さを見る限り、そも>>続きを読む
この映画を観終えてすぐ、怒りのままにこの文を走らせている。
主人公に、こういうタイプの人間に、思いっきり唾を吐きたい。
心底そういう気分。
ヒロインの現在における振る舞いと、ビデオ映像等で挿入され>>続きを読む
最も縁の切り辛い(絶対に切れない訳ではない)親子の関係性を通して、簡単には善悪によって断罪し切れない人間関係の複雑さを、鋭さとユーモアを用いて軽妙に説く。
娘が見せる父への憎しみと憧れのコントラ>>続きを読む
高校生までにセックスを経験できた人間が『人生クソだわ』みたいなこと言ってんの見ると虫唾が走るんですよね。舐めてんのかコイツって。
こちら側から言わせてもらえばお前どんだけ恵まれてんだよって話で。>>続きを読む
「どうしても口に出せない大きすぎる想い」vs「主張しない人間が消費され続ける社会」な構図の映画だった。
言いたいことを割とすぐに言えてしまう自分は、日本人でもなければ、人間ですらないのかもしれな>>続きを読む
※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
試写会での鑑賞という便宜上、普段はあまり好まない吹き替え版での鑑賞となったが、『ハイジ』や『フランダース』の文脈を幼少期から肌で感じてきた日本人にとっ>>続きを読む
一人から家族へ、また一人になって、二人になり、家族へと還っていく。
主人公が写真家になる以前、以後の変遷を形作る、様々な人や家族との撮影、震災を通じた出会い。
そこで主人公が体験した喪失と再生への>>続きを読む
なんて職人気質な映画なんだろう…と言えばIMAX全開の映像技術やアクション、演出についてだと初めは思うだろうが、それじゃない。
無論それらもだが、言いたいのは脚本のことだ。
会話(説明)シークエンス>>続きを読む
夫婦の呼吸を観察する映画だった。
不快感を敢えて前面に出す事で、多かれ少なかれ家庭では誰しもがこんな感じに、夫婦なりのバランスの取り方で営んでいるんだろうなと、こちらに感じさせる。
夫が一方的にク>>続きを読む
※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
逃走劇としての緊張の糸が終始張り詰める中を、掠めては消えていく愛のような何か。
決め決めなカットの連続の中に点在するユーモア(結構笑える)が作品とキ>>続きを読む
最高の「懐古主義」映画と言えば皮肉と解釈されそうだけど、決してそうじゃない。
時代が違ったって、肌の色が違ったって、根っこにあるものは変わったりしない。
だったら、一番好きなあの頃をあの頃のまま描>>続きを読む
※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
劇場に通うほど映画を観始めて5年目になる今年、ようやくスクリーンに「自分」を見つけた。
そんな感覚を初めて本気で感じて嬉しいけど、正直おぞましい気持>>続きを読む
近いようで遠く、遠いようで近い。
この映画を観ている時も、観終えた今も、そんな事を思う。
彼女達、彼達が感じている「淀み」と同じものを、自分もあの頃散々感じてきたのは間違いないのに、自分は彼女達>>続きを読む
幕が下りるのは、人生が先か、この映画が先か。
この映画の幕を下ろす、そのための命だ。
あの頃、たくさんの人たちが為す術もなく、救えなかった命。
その命と全く同じ魂を持つたくさんの命が、今私た>>続きを読む
「お祭り」は始まるまでの期待に満ちた期間が一番楽しいとよく言われるけど、この映画は正にその通り。
一度始まってしまえば、轟音と絶叫の波に取り込まれ、あっという間に過ぎ去った。
この年の、この日に、>>続きを読む
※Filmarksオンライン試写会にて鑑賞
渡り鳥を人が飛行機に乗って扇動し、飛行ルートを教える…おとぎ話の様にも思える主人公のプロジェクトは信頼されず幾つもの障壁に直面するが、人が自然に寄り添う事>>続きを読む
肌の色による差別なんて遠い国の出来事だと少しでも考えてしまったら、この映画を思い出す事にしている。
心の奥へ潜在的に棲み着いた差別意識は、自分が当事者となるまでその姿を見せてはくれない。
だから、>>続きを読む
明かりの戻った館内に拍手が起こらない事を不思議に思うほど、極上の構成に唸って笑って驚いて楽しんだ。溢れる批評に違わぬ傑作。
…だが、観客がラストを上手く咀嚼出来ないと、現代を生きる人々が考えるべき事>>続きを読む
サクセス、ロマンス、コミカル、クライムといった物語の要素を面白いまま的確に省略してごちゃ混ぜにした、飽きの来ない総天然色ドタバタ娯楽映画。
非常に愉快な作品でありながら、映画史の文脈の一部を題>>続きを読む
※TOHOシネマズ梅田にて開催、Filmarks主催の大阪試写会で鑑賞
人の多面性に踏み込んだ作品が多様な昨今で「村社会」による原始的縮図を敢えて描いた物語が、驚くほど精悍に現代とその先を捉>>続きを読む
※大阪試写会にて鑑賞
この映画は今の自分にとって心の拠り所だ。
そう感じるのは少し怖いが、現にとても気分が良い。救われている。
観客は大抵、主人公の感情に寄り添おうと努めるものだ。
普段は大多>>続きを読む
作品が生まれる瞬間をエルトン・ジョンの感情の流れに噛み合うピークへと配置する静かな演出は、強いられた高揚を現すミュージカルかつドラッギーな進行の中で何かを灯す様な暖かさを宿す。
それは彼の心が久方振>>続きを読む
女3人を誑かす男の孤独になど寄り添えるのだろうかと構えていたが、血を吐く自身を見つめる他者を見て「良い眺めだ」と言い放つ太宰には、意外かつ強烈な共感を覚えた。
他者に自身の内側を目撃された瞬間にある>>続きを読む
※青山シアター レビュアーオンライン試写会にて鑑賞
王道的プロットである「犯罪組織への潜入」を、狂人達との対峙によって深化する凄味。
それは作品が持つ「エンターテインメント」性への強い意識であ>>続きを読む
※青山シアター レビュアーオンライン試写会にて鑑賞
思春期で等身大に思い悩む少年を掠めるスリルと血の匂い。
純粋と好奇心の暴走、その矛先が社会の秩序や他者の無理解の窮屈によって少しずつ捻れた先>>続きを読む
(2019.8/21)
コメント欄にネタバレ有りの考察を追加しました。
三度の鑑賞を経た時点でようやくレビューなんてものが書けるまでに整理できた。
誰の為に生きるか。
自分か、大切な人か、社会>>続きを読む
見えている事にうんざりしながら異国の地で仕事をこなす主人公が、見ようともせず見過ごしている中にある温情にようやく触れる事で視界が開ける、つまり「世界」がはじまる。
繋がりそうで繋がらない情感の点と点>>続きを読む
出会いと別れと再会の顛末全てを冷戦による悲劇としては片付けず、二人の業も絡めながら描く事が、シンプルな物語の中にある心の惹き合いを際立たせる。
映画において、単純な意味でのカラー化、デジタル化が決し>>続きを読む
退屈にネガティブが重なるとこうも悲惨な心持ちになるという、平和の渦中に閉じ込められた「THE 私たち 僕たち」を殴り書きする27分。
ギリギリ明日も生きようと思える最低限の幸福を毒の様に盛られて、ゾ>>続きを読む