なやらさんの映画レビュー・感想・評価

なやら

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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

2.5

アイロニーにもユーモアにもイマイチ振り切れぬ居心地の悪いエピソードが積み重なっていく。1シークエンスが長くなり過ぎる傾向にあり少し退屈してしまったものの、主人公の自宅マンションにおける、粘着質な少年と>>続きを読む

犯す!(1976年製作の映画)

3.0

蟹江敬三にレイプされ性規範を破壊されたOLが、蟹江をレイプで殺し返すリベンジムービー。
強姦魔蟹江の手付きがやたらとスタイリッシュでカッコよかったり、「2つのクルミ=睾丸!」クラスのおバカなメタファー
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.5

ラジオ=昼間のFM、映画=カサブランカというチョイスが象徴する屈託知らずの世界観には最後まで馴染み切れなかったが、朝倉あきの素晴らしさはとても素晴らしい。三浦貴大による告白的朝倉評がまさに言い得て妙で>>続きを読む

パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.5

深川麻衣の衣装がどのシーンもとてもかわいく、服を見ているだけで退屈しなかった。衣装の良さでは「勝手にふるえてろ」の松岡茉優に匹敵!

深川の「3時半出勤」という設定も良い。もうちょっとじっくり撮ってく
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

2.5

孤独な殺し屋・ホアキンが娼館に囚われた少女を奪還するって言うタクシードライバーみたいな話なんだが、全体尺の3分の1が謎のトラウマ断片を小出しにするフラッシュバック、もう3分の1がホアキンの虚ろな顔演技>>続きを読む

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

3.5

ヤバすぎる奇作!
最後まで核の見えぬストーリー、気の抜けたサスペンス、凝った所と手抜きな所が露骨に入り混じった美術/視覚効果、そして超絶謎ポジションのマーク・ウォールバーグ。活躍ポイントが子守だけじゃ
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地獄の逃避行(1973年製作の映画)

3.0

美しい逃避行もの。
マーティンシーンが超然とし過ぎているため今一つ盛り上がらない。
イメージショットにリリカルな回想モノローグを乗っける語りも苦手。
犯罪逃避行もので一番大事なのは「いま・ここ」の切実
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ジーンズブルース 明日なき無頼派(1974年製作の映画)

3.5

聖子と書いて「ひじりこ」と読ませるカッコいい梶芽衣子と渡瀬恒彦のボニー&クライド。深夜の追突事故から生まれるアウトロー・ロマンス。
コンテナ内における二人のやり取りがよい。己の運命を呪い、弱音を吐き続
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.5

子どもを取り返したい犯罪者夫婦が警官を人質にロードムービーする。
ニューシネマっぽいのかと思いきや、警官側の事情にも目配せしたりしてて反体制ムードは弱め。
ドライブインシアターで束の間の一夜を過ごすシ
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ガンクレイジー(1992年製作の映画)

3.0

虐待養父を銃殺したドリューバリモアが、刑務所から出て来たペンフレンドと逃げる話。
土地だけはだだっ広いが人も街も荒み切った感じのアメリカ中西部的な景色がなかなか良かった。ペキンパーっぽくて。ペンフレン
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ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身(1998年製作の映画)

3.0

ラブホテル火事から生まれる男女3人もの。
川瀬陽太と田中要次のバディ感が見どころ。床上手でネコのようなフーテン川瀬とド真面目消防士の田中。川瀬の進言で田中がユメカにプラネタリウムあげるシーン好き。

歓びの喘ぎ 処女を襲う(1981年製作の映画)

4.0

虚無に憑かれた男の緩慢な自殺劇。男を演じる下元史朗がとてもよい。出口の見えぬ己の人生への抵抗として為されるセックス、禁忌侵犯、坊主頭。しかし何をやってもどん詰まり、行き場の無い怒りと哀しみ……「襲られ>>続きを読む

接吻(2006年製作の映画)

3.5

石鹸の接見シーンが最高!
石鹸の匂いを嗅がせた後、板越しに重なる小池の右手と豊川の左手……。それまで画面に頻出して意識付けられてる方(小池の左手→文字書く手、豊川の右手→刺し殺した手)とは逆の手=まっ
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ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

3.0

努力はきっちり報われ、愛はしっかり伝わるピースフルな世界観に安心する。ナショナルコーチの悪玉ぶりはちょっと軽薄過ぎるし、アミール・カーンが試合前の娘にジェンダーロールについて説く所は違和感(そもそも人>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.5

周囲の腐ったミカンどもに侵されていくアメリカン・ドリーム。育ちの悪い者が、表舞台で真っ当に成り上がることの不可能性。厭なディテールのオンパレードに世を呪いながら観ていたが、全てを失ってなお、フィールド>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.0

画面もストーリーも音楽も全部きれい。出てくる人の心もきれい。

俳優の運動を敢えて断ち切るようなカッティング、ラストに代表される顔(表情)芝居への偏重ぶりはあんまり好きじゃない。
しかし例外として、「
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チャンブラにて(2017年製作の映画)

2.5

マイノリティの現実を描き出すリアル志向を装いながら、友人役の黒人のキャラが非常に紋切り型であり、彼に推進力を依っているストーリー構成に疑問が湧く。
主人公が大人になる物語として、筋を通そうとしているの
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ザ・プレイス 運命の交差点(2017年製作の映画)

1.5

ひどすぎ。
舞台となるカフェに場の魅力が全くない。ただ清潔なだけの安っぽいチェーン店で訳の分からないオッサンの会話を二時間見せられる。勘弁してくれ。ナイトホークスみたいな抽象的な場を期待してたんだけど
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きみへの距離、1万キロ(2017年製作の映画)

2.0

人生ままならない男の不気味な騎士道精神が都合良くうまく行きまくり、「運命」の名の下に全肯定される話。気持ち悪かった。

話の内容にも増して、映像もかなりのガッカリ。主人公が同僚を欺くシーン、ヒロインの
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

めっちゃ面白い。
自分はゲームあまり好きでないしオタクでもないのであくまで他人様の話として割り切って見れた。
ラストは一瞬えっ?て思ったがまあ幸せそうだし、よかったねって感じでそこまで気にならず。

身をかわして(2003年製作の映画)

5.0

どうかしてるほど面白い。今後も上映される度に観に行くと心に決めた。

途中降板した劇の本番を会場外から覗くクリモに、ぎこちなく手持ちで寄っていくショットが大好き。基本的に肌色以外に色がない映画だが、あ
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ガチ星(2018年製作の映画)

3.5

主人公のろくでなしオーラがとても良く、溜息つきつつ涙チョチョ切らしながら観た。
骨の髄まで染み込んだ半端者精神。不貞腐れた態度、声色、死んだ目。他人からの好意や、降ってきたチャンスを自分から反故にして
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白い崖(1960年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

小悪党・木村功のピカレスク。大富豪の家に入り込んで3人の女たちを籠絡していく、という筋書きで「死の接吻」っぽい。
セリフでも言及されるが、女と相対する時の木村功のまなざし+ニヤケ面が卑しくて最高である
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.0

スローモーション連発がちゃんとエモく機能してて凄いなーと思う。編集に静/動のメリハリが効いてて、かるた競技の特有の呼吸を追体験できる。

昔福井に住んでたんだけど、新くんの福井弁が忌まわしくも懐かしい
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友罪(2017年製作の映画)

2.0

割と酷いと思う。下手な話に間抜けな画。ラストは力抜けた。
薬丸岳って読んだこと無かったがガッカリ。

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

ド級。ヤバかった。
自信も所在もないメリルストリープが、迷いまくった末に決断を下す話。泣く。
挙句の果ての印刷シーンがアツい。「想いを形にする」表象として最強のエモさ。活版組から輪転機稼働、結束まで丹
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.0

面白かった。
終盤の電車アクションがアツい。想像以上の迫力で揺れて・跳ねて・爆発してくれる。線路が画面を縦断する縦構図/横断する横構図、どちらのスペクタクルもよくキマっているのも良い。お昼間の光が夕や
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雌が雄を喰い殺す 三匹のかまきり(1967年製作の映画)

3.0

女も仕事もヤリ手な根上淳を操り、自分の意のままにのし上がろうとする女たちの話。
前作(?)と岡田茉莉子と香山美子が被っているが話はぜんぜん別。
男を騙す話から、女同士の出し抜き合いへとエスカレートして
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雌が雄を喰い殺す かまきり(1967年製作の映画)

3.0

愛人のハシゴが日課の絶倫社長・加東大介の遺産を巡る女たちの争い。面白いが、裏のかき合いのアイデアがちょっと頭悪くて残念。岡田茉莉子が意外に弱い。あそこからの逆襲の策を期待していたのに。
純情娘・香山美
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