なやらさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

なやら

なやら

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(1997年製作の映画)

3.8

後半のハッテンサウナ彷徨シーンが最高。ごく狭い空間のはずなのにあの得体の知れない迷宮感は何なんだ……あそこだけずっと見ていたい。D.A.FとかミニマルなEBMをデカ音で流しながら見たらきっと空も飛べる>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.8

ラストの泣き演技モニタリングがめっちゃしんどいが後は最高。
前半の食堂みたいなとこの雰囲気とかヤバい。

川の流れに草は青々(1982年製作の映画)

4.0

初期の3つの中では一番好き。
清々しい川、綺麗な夕陽、いつもわちゃわちゃ走ってる子ども、、、
どこまでも果てなく続いているかのように見える線路×電車ラストのエモさ。ボックスシート。
あと村の映画館が下
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坊やの人形(1983年製作の映画)

3.5

ほっこり沁みる侯孝賢、ラストにたまげる圧力鍋、ブラック/皮肉の押し売りがウザいワンレン。

最愛の夏(1999年製作の映画)

4.0

これは面白かった!
都市部に下宿してる高校生の娘が、夏休みと言うことで基隆の実家に帰ってひと夏を過ごす話。と言っても田舎礼賛のノホホン系ではなく、娘の実家はヤクザマンションだし、恋のお相手も根無し草の
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花蓮の夏(2006年製作の映画)

2.0

説明セリフ・説明音楽への偏重が度を越していて辛い。特に音楽。シーンの喜怒哀楽にバカ正直に対応し過ぎててダサいのだけど、安いアイドルのIVでもこれは使わないだろうってほど個々のトラックの質が酷い。切ない>>続きを読む

深海 Blue Cha-Cha(2005年製作の映画)

2.5

高雄が舞台。狙い過ぎなローキー画調とフリー素材の寄せ集めの様な劇伴がノイズになってあんまり。ラストの港の感じは良かった。ちょっとキザだけど。

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.0

OPは苦手だしEDは嫌いだがそれ以外は超気持ち良い。音楽サイコー。サントラ買わねば。
真夜中の逃亡シークエンスで、極力照明は使わない(明度を最小限に留める)スタイルで進むのが良い。ザラついた画面と併せ
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夕暮れのとき(1957年製作の映画)

3.8

面白い!
OPのネオン点灯シーンからテンション上がる。その直前に主人公がパトカーへピクッとするカットを入れ、彼が追われる立場である事をさり気なく示す感じも良い。冒頭からさすがの語り口である。
夜の都会
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ファンさん(2017年製作の映画)

3.3

微妙……死にゆくファンさんにフォーカスしたメインパートが結構つまらない。それまで散々顔を映しておきながら、臨終間際のファンさんをあえて撮らない(親族の女が被っちゃってて見えない)のもまあ敢えてなのだろ>>続きを読む

馬を放つ(2017年製作の映画)

3.5

事前の危惧通りエキゾチズムにすがり出す中盤以降がノレなかった。
映画を通して異文化を学びたい人に応えようとするの自体は別に良いんだが、それにより視覚的充実への関心が薄れる=運動を撮らなくなるのが問題。
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時はどこへ?(2017年製作の映画)

3.0

ブリックスの各国によるオムニバス。一応「時」がテーマらしいがテイストは超バラバラであった。

一話目は大規模災害に遭ったブラジルの村を舞台に、父を失った少年の避難所生活を描いたもの。災害後の惨劇図はミ
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.5

侯孝賢っぽいという意見が目立つがよく分からない。ホットパンツ×胡座スタイルがキマってる主演女優+インコが凄く良かった。特にインコ。可愛いコンパニオンバードぶりをこれでもかって堪能出来るし、ソファーの縁>>続きを読む

サムイの歌(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

視点が殺し屋に飛んでから以降ガクンとつまらなくなった気がする。

主人公の夫による謎の皮オナ(未遂だが)シーン有り。しかもけっこうなロングテイクで。この夫は不能という設定なのだが、ほんとうに擦れど擦れ
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氷の下(2017年製作の映画)

3.3

ハバロフスクの極寒スラムロケの物珍しさは確かに魅せるが、街の生態には興味がない感じが残念。あといかんせん話法が錯綜しており、120分強付いて行くのに激しく疲れた。
ラスト10分における絵面の大反転がイ
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私はゾンビと歩いた!(1943年製作の映画)

4.0

主人公がゾンビ(ではないのか?)妻の手を引いてススキ林を縫う夜中のシーンがやはり素晴らしい。一本道に差し掛かった二人を背後から撮るローアングルが超いいし、その後十字路の所でヌーっとフレームインする黒人>>続きを読む

マルリナの明日/殺人者マルリナ(2017年製作の映画)

3.3

インドネシアの荒野の景色はけっこう楽しかったけど、あまりに静的なフィックス長回しの連続がキツ過ぎる。米粒サイズの人がフレームアウトするまでひたすら回し続ける移動シーンに見入る体力は無かった……。
アク
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天使は白をまとう(2017年製作の映画)

3.3

物語の語りは過不足なく丁寧だし、衣装の色彩やモチーフとしてのモンローの彫像といった細部も分かり易い形で機能しているものの、どうも真面目過ぎて刺激に欠ける印象。人物の描き分けや配置もことごとく類型的で物>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

3.5

ヒロインのポニーテール(超絶!)とエリート恋敵の現状(哀愁!)が忘れられない。

7月14日の娘(2013年製作の映画)

4.0

衝撃のテイスト。小ギャグの洗練に気持ち良く酔う。ラストのロマンチシズムが結構お気に入り。ソリのシークエンスも。
もとよりヨーロッパにおける「バカンス」の概念が超羨ましい

ジャングルの掟(2016年製作の映画)

4.5

面白すぎてショックを受けた。ガチ過ぎるジャングルロケ×やり過ぎるナンセンスギャグ。常軌を逸している。
ゾンビみたいな原住民と闘うカンフー的アクション→立ち枯れた木が並ぶ川をカヌーで往く男女をロングで捉
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Wise Blood(原題)(1979年製作の映画)

4.0

超ヘンテコで面白かった。特に終盤。
中でもオバサンが布団に血痕発見→眼帯のドゥーリフが有刺鉄線ぐる巻き姿で登場、のシーンが超ブッ飛んでてて笑える。まさかすぎる繋ぎであった。
ゴリラ着ぐるみ男の挙動と彼
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

1.5

つまらない。くどいトラウマ説明+ルーザー設定の念押しに浪費される前半1時間15分はあからさまに酷いし、その後の団結シーンで一瞬アガるものの、トラウマの回収にばかり奔走する終盤の闘争がカタルシスに欠ける>>続きを読む

風が踊る(1981年製作の映画)

3.5

台湾の田舎きれい。絵葉書的でない素朴な味わいが相変わらずよい。
冬冬と共通点が多い。仰げば尊しの歌唱シーンもある。日本のような厳かさがカケラもない台湾版の歌詞に笑った。
作りは『ステキな彼女』と基本的
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死んでもいい経験(1995年製作の映画)

4.5

頭から尻まで心地良い違和感の塊。めちゃくちゃ面白かった。
男のトレンディな(町山広美さん談)挙動によるほのぼのエンディングの奇矯さは多分一生忘れない。エンディングといえば、物語の好転に真っ向対立する後
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スーパーシチズン 超級大国民(1995年製作の映画)

3.0

何もかもノロすぎてイライラ。ノロくすれば重厚感が出る訳ではない。
モノローグ偏重ぶりと再現ドラマクオリティのフラッシュバックパートもいただけない。
でも台湾の景色がキレイなので別に良い。キツい映画でも
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.0

大きな音ドーンや寄りの顔芸頼みの恐怖演出を苦手に思いつつも、前半は厭な不気味を楽しんで観れた。
しかし、ネタが割れてしまってからの後半が全然良くない。
屋敷からの脱出劇で盛り上げようとしてるけど、アク
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.0

めっちゃ面白い。話が面白く画面も充実してる。アメリカすごい。
主人公の勢いが削がれるキッカケとなってしまう中盤の「名指し」シーンのポジティブな変奏のようにして現れるクライマックスに超アガる。演出!

レット・ザ・サンシャイン・イン(2017年製作の映画)

3.5

困惑している……なんなんだこのフワフワした映画は……ドニ……

どうでもいいが、今映画祭では素人(?)俳優の顔面接近ロングテイクのオンパレードにムカムカしていた分、ビノシュの豊かな顔面演技を見ていて溜
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スヴェタ(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

艱難辛苦をサバイブして来た副作用で倫理観が歪み固まってしまった女が、生活苦から脱するために大胆な悪を重ねる話。
女の非道な行動様式に安易に肩入れする語り口に賛否はあろうが、その無邪気さこそがブラックコ
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アケラット-ロヒンギャの祈り(2017年製作の映画)

2.5

的確な演出で魅せる前半の一方、抽象度が上がりポエミーに様変わりする後半がキツい。
終盤の疾走シーンにおける度を越した手ブレがしんどかった。

ナポリ、輝きの陰で(2017年製作の映画)

1.0

無理である。「ドキュメンタリータッチ」の惹句で括られるこの種のテイストの凶悪さを改めて思い知った。
パンフの作品紹介には「リアリズム」とあるが、リアルでは本作みたいに周辺景色をぼかしまくって人間身体だ
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セクシー・ドゥルガ(2017年製作の映画)

3.5

駅に行こうとして真夜中ヒッチハイクする男女が、親切に乗せてくれたはずのチンピラ軍団の車内でイヤ〜な圧を掛けられいたぶられ続ける話。胃が痛い。
都度都度車から降ろしてもらおうとするカップルなのだが、降り
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ペット安楽死請負人(2017年製作の映画)

2.5

ペット安楽死の問題どうこうに切り込むと言うよりは、特異なPTSDに引き摺られて安楽死稼業をやってる変態オヤジのパーソナルな話。
しかし、設定ばかりがしゃしゃり出て話が面白くない。あのヘタレな半グレの日
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タイニー・ファニチャー(2010年製作の映画)

3.0

特権的なモラトリアム。これを「リアル」と見做す感性にはまるっきり付いて行けない。トコトンいけ好かない。