なやらさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

なやら

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ミュージック・オブ・チャンス(1993年製作の映画)

3.0

原作が好きな人による、原作が好きな人への慰みモノのような映画である。自分は何年か前に読んで、しかも所々覚えていたおかげで少しは楽しめたが……。
上映後の柴田元幸さんトークショーに満足。前回のミルハウザ
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Barefoot(原題)(2014年製作の映画)

3.6

奇異な設定のせいでツッコミ所が溢れ返ってるのだが、二人のボーイミーツガール+ロードムービーぶり自体は楽しく観れた。あとエヴァンレイチェルウッドがかつてなく可愛いので大抵の事はまあ良い。ただし、『キャリ>>続きを読む

呼吸 友情と破壊(2014年製作の映画)

4.0

転校生との親密な関係が残酷に裏返り……というプロットは『わたしたち』と酷似しているが、コチラは女の子二人が18歳という事で、問題の層の厚さと対立の根深さが段違いである。ズシンと食らった。
「呼吸」とい
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サマーズ・タウン(2008年製作の映画)

3.0

別に目くじら立てるほどではないが、何もかもどうってことない映画だった。
ひたすら無工夫な画面(特に長回しの誤用ぶり)、寛容な大人たちの「お膳立て」に依存してる成長物語。こういうモノが多いから、この手の
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.7

「全員悪人」のノリで元気にイキってたヤクザたちの姿はもうない。年齢的にも立場的にも右肩下がって行くしかない男たちの群像として見た。哀愁!
中盤、たけしが腹をくくり死神と化してから俄然面白くなる。寂れた
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(1948年製作の映画)

3.2

腐りきったジゴロ男×そいつに裏切られながらも別れられない女のロードムービー。1948年の制作だが、両者の関係性はロマンポルノっぽい。
だが舞台は都市ではなく熱海の野山(オールロケ?)であり、大自然をバ
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夜明け前の子どもたち(1968年製作の映画)

3.8

現場で生起する音や少年たちの声をマスクする劇伴使い、ナレーションによる「代弁」への依存など気に入らない点はあるものの、まあ面白かった。
病院の施設内の禍々しさがどえらい事になっている。何度か映る、施設
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.5

面白い。死神のような武の存在感が印象的である。特に終盤のパチンコ店でのフレームイン、その後の葬儀会場で坂道を登り接近してくるシーンが◎
主に高橋克典による銃撃シーンにおける鳥瞰構図も心地良い。
俳優陣
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.0

よかった。正直物語は面白くなかったけど構わない。キヨシ印てんこ盛りの画面で魅せる。
序盤、高杉の初登場シーンの影の用法(とそれにより映し出される高杉のツルツル過ぎる肌)と、中盤、長澤が松田を探し回るシ
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

5.0

ド傑作!たまげた!
喧騒に憑かれたように騒ぎ立てる人間たち×異様な寂寥感漂う集落(村?)の風景のコンボが妙にエモい。溢れ出るエネルギーを覆う得体の知れぬ虚無感……考えたら、これはブラックメタルを聴いて
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ポルト(2016年製作の映画)

2.5

それが肝なのだと思われる構成の妙的な所が自分にはことごとく煩わしかった。
終盤のセックス連発シークエンスには辟易。どうでもいいのだがアレ、避妊とかどう考えてるんすかね。あんなに何発も許しといてその夜限
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

4.5

面白い。ブラックやシニカルに逃げず真っ向勝負でブチ切れ続けてくれるので気分が良い。脚本書くの楽しそう。。。
劇中とにかく暑そうなのが印象的。自分も夏は冬の100倍イライラするので感情移入。ラストは堪え
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厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

3.0

イマイチ……童貞の煩悶と戦争やレジスタンス活動という極私/公的な反対要素をシームレスに描こうみたいな意図は分かるのだが、いかにもなシニカル・ブラック・オフビート的描写の続出に辟易とさせられる。戦地の状>>続きを読む

ハリウッド★ホンコン(2001年製作の映画)

4.5

これはよかった! なんと言っても舞台となる香港スラムのロケーションが超眼福。路地!
クーロン城やチョンキンマンションといい、香港のこの種の猥雑さはツボすぎる。
見せ方もけっこう頑張ってて、ブランコで向
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ドリアン ドリアン(2000年製作の映画)

3.0

主人公が香港で娼婦として働く前半と、中国へ帰郷してからの後半でまったく別の映画のようになる。香港パートにおける情緒不安定なカメラワークと手ブレ癖から一転、後半は軽薄さが消えて沈静化。主人公もノーメイク>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

3.8

ダイヤルアップ接続の音、フロッピーディスク、Windows95のアイコン……年代のせいもあるのか、世紀末あたりのまだITが未知のモノであった頃のパソコン描写にはやたらと恐怖を煽られてしまうのだが、今作>>続きを読む

ミラクル・マイル(1988年製作の映画)

-

期待を裏切らず超超超好みの映画で大満足。自分のフェチ心を満たす要素で溢れている!
まず深夜のロス徘徊(車だけど)がGTAやってるみたいでめっちゃ気持ち良い! しかもほぼ無人って事で全能感がほんとヤバい
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わたしたち(2016年製作の映画)

4.0

よかった。
イイ奴は傷付けられ、普通の奴は悩まされ、結局性悪ばかりがノビノビ羽根を伸ばしてる、みたいな学校のクソなリアルが詰まってる。
ホント小学校高学年って、そこにいるだけで逆人格教育になっちゃう様
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.8

レクターのヤバさで魅せる。「セブン」みたいなしょうもない理屈は抜きでちゃんと、あの存在自体を禍々しく見せようとしてるのがミソ。例の轡など訳は分からないがとりあえずかなり怖い。バッファロービルの描写は弱>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

2.0

ずいぶん前に観た時は楽しんだ気がするが、改めて観ると酷かった。ナンダコレ。深刻ぶる作劇が滑り倒している。モーガンが図書館で古文書調べるシーンとラストで発砲を悩みまくるブラピがアホ過ぎてあんぐり。あんな>>続きを読む

ギャング(1966年製作の映画)

-

何年かぶりの再見。初スクリーンのメルヴィルだったので楽しみにしていたが、朝からの自主映画つるべ打ちの疲労が思ったより大きかったのかイマイチ集中し切れず……燃える画は散見される(きっちり冒頭、中盤、終盤>>続きを読む

さようなら、ごくろうさん(2016年製作の映画)

2.5

ショット単位では良い箇所がある(廊下が怖すぎ)が、キメどころを無音にする演出の多用とラストの監視カメラがとにかく好きじゃない。

風船(2017年製作の映画)

-

自分にはどこをどう楽しめばいいのか分からない種の映画だった。
アニメの画風とタイトルロゴやスタッフの書体がすごく可愛かったけど、そんくらい。

子どものおもちゃ(2017年製作の映画)

1.5

全然ダメだった。語り自体が大分鈍重だし、イマイチ学校空間を活かそうとしてくれないアクション演出にもイライラ。コンセプト負けだと思う。
関係ないが、エンドロールで出てきた子役キャストの名前が難読過ぎて誰
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あみこ(2017年製作の映画)

2.5

非凡(であると思い込んでる)な所に惚れた異性が、凡庸でルックスが良いだけ(であると思い込んでる)の同性と付き合い始めた時の絶望感自体はよく分かるのだが、主人公の発狂ぶりがトビ過ぎてて東京パートからは付>>続きを読む

キュスタース小母さんの昇天(1975年製作の映画)

3.5

ド直球過ぎる左翼貶しの短絡さにちょっと萎える。特に共産党リーダー風の演説シーンは、延々トラックバックしていく画作り含めてダサい気が。
しかし、テーマ性を膝カックンするが如くブラックに急加速するラストの
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何故R氏は発作的に人を殺したか?(1970年製作の映画)

4.0

面白かった。相変わらずキッツい話だが、ラストの長回しにおける来るぞ来るぞ感は悶えつつ楽しむ。タバコの使い方上手い。
クルトラープはレコード屋のシーンからとても気持ち悪い(良い!)。

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

4.5

時間が空いたからフラっと観てみたら思わぬ衝撃。今年イチの感動だった。
周囲の理解ある大人やハイソな環境によって庇護・お膳立てされたお気楽な通過儀礼ではなく、主人公が己一匹、傷付きながら自らの意志で掴む
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.5

記名性の濃いイメージの連続で魅せるが、過去作に比べて独特の突拍子の無さに遠慮が見え、ヌルく映るシーンが散見された。雑なCG使いも、たとえば『アンダーグラウンド』くらいの躁エネルギーを保って観ればその勢>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.5

毎日の生活をたたえる暮らし映画。緩慢な心地良さがたまらん。終わってからもしばらく陶然!
イチイチ素晴らしく丹念に作られてると思うのだが、特に主人公と奥さんの夫婦像の愛らしさと実存感には恐れ入った。変な
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白い粉の恐怖(1960年製作の映画)

3.5

逮捕した麻薬中毒者たちを拠り所にしながら捜査を行うマトリ・三國連太郎の日常。物語は予想した通りの悲劇をなぞるに留まるが、おどろおどろしいセットや新宿ロケによるアングラ世界描写は迫力アリ。バックは主にモ>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

2.0

つまらん。上っ面だけの「変態」描写ほどサムいものはない。あのレイプ魔のフェチズムの設定自体ブレブレでよく分からんし、変態を適当に描くなと言いたい。
あと無駄というか、イマイチ効いてないサブエピソードの
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

2.0

ぜんぜん。分かり易さ志向でデフォルメされたキャラ造形+説明セリフが、重々しい雰囲気と合っておらずキツい。序盤はニヒルな思想や仕事哲学を散々吐きながら、あっけなく役所に影響受けてすんなり軟化する福山に違>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.5

仁義なき内ゲバ・バトルロイヤル。笑わせつつ慄かせる暴力描写に冴えがある。石橋蓮司のアレも忘れ難いがその後、三枚舌の國村隼の舌をホントに三枚に裂く武が相当怖い。
脚本で言えば、大使館の治外法権を悪用した
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