生半可な気持ちじゃ対峙できないと構えていたこちらをようやく観た。冷たい熱帯魚のカラッとした残酷描写は全然平気だった私にとって初めてスクリーンから目を背けた映画。虐待する義父、現実から逃れるように新興宗>>続きを読む
あちこち気持ちを持っていかれる、でたらめな遊具みたいな。女の子ふたりに男が言い放つ、色恋の話ばっかりうんざりなんだよ、という台詞がよい。船を見送るシーンは、さらによい。
ひんやりとした浮遊感あふれる画面から孤独が伝わってくる。これぞ岩井俊二って感じの、生々しく悪趣味なのに綺麗だと思わせてしまう映像美。白い風船くくりつけられてみたい。
アイヒマンは悪か。淡々と裁判の映像が流れるようでいて製作者の意図が汲み取れる編集、勝者の裁判。死刑になったのは当然と言えるんだけど、犯罪が国家によって正当化された時代に生まれた自覚なき殺戮者は、愛国心>>続きを読む
イケイケな雰囲気がしんどいのは、私が根が暗い人間だからでしょうか。ハリウッドで実際に起こった窃盗事件を元にしたアホな若者の虚栄心やSNSの欺瞞性、罪悪感の無さに呆れる他ない。星ふたつ半はエマワトソンの>>続きを読む
デヴィッドボウイの無駄遣い
ドラマ観てても意味が分からなくて最高
ただただスローに流れていく中で些細な会話にクスッと笑う。ワニを窒息させるんだ。
ついてない男三人が同じ牢獄にぶち込まれる。ダウンバイローとは刑務所のスラングで親しい兄弟のような間柄という意味らしく、どうしたって絵になる渋い男達のおかしな会話と白黒の濃淡をゆるく楽しむだけの映画なん>>続きを読む
「わたし、こんな悪い夜が好きよ」と少女のような笑顔で車を飛ばす加賀まりこにやられる。男ばかりの賭博場で女一匹凛とした佇まいは百合の花のようで、白黒だからこそ際立つ陶器のような肌に影を落とす長い睫毛が印>>続きを読む
どうしようもない美男美女ジャンキーたち。人生は辛い、先が見えない。大抵の人は一瞬の過ごし方に苦しんでる。だがヤク中は賢い。ヤクをやって楽しんでるから。クリーンな私には何も分からないが、後半ヤク中の神父>>続きを読む
落ちこぼれ高校生アリーの埋まらない孤独、漂流、終わりなき休暇。
『バードマン』『21グラム』『レヴェナント』のイリャリトゥ監督。題名は聖書のバベルの塔から来ているであろう、ひとつの銃弾が生む悲劇で交わるモロッコ、メキシコ、東京からなる物語。言葉が通じない、心が通じ>>続きを読む
初めて観た高校時代の感想は何やこれ、だったけど今観ても全然何やこれ、だった。木から生まれた白塗りグランマ。
身体を捧げてファンタジーを見せるという点で女優と娼婦は良く似ている。ラブシーンを演じた役者同士が実際に恋に落ちてしまうように、女優である主人公ニッキーも役にのめり込むににつれ、夢か現か、同じ顔をした別>>続きを読む
初めて観たのはかなり前だけど、これはナオミワッツ演じる主人公の理想と現実で、頭が変になった女の悲しいラブストーリーなのだと解釈。黒塗りの浮浪者とカウボーイの意味は最後まで分からない。まさに夢を見ている>>続きを読む
男を知らず、母親に縛られ、圧迫されて歪んだ性癖が純情恋愛ぶち壊し。美しい調べが不協和音に。ラストシーン、ずっと無表情だった彼女のあの表情。
「地獄でも、天国でもいい、未知の世界が見たいの 悪の楽しさにしびれ 罪を生きがいにし 15才の少女ふたりは 身体に火をつけた」
黒髪のアンヌとブロンドのロール、厳しいカトリック系寄宿学校に通う少女ふ>>続きを読む
戦争がもたらすもの。死の概念すら曖昧な子供の無垢さは時に残酷であるが、ただ、大切な娘を喜ばせたいという気持ちだけで作りあげられた墓はあまりに純粋で悲しく美しい。ミシェル、ミシェルと届かない名前を繰り返>>続きを読む
夢の、目覚めた瞬間に身体からするすると逃げていき数分後にはすっかり自分のものでは無くなってしまう感覚。どんなに大切な夢でも書き留めなくては忘れてしまう、切ないあの感覚。アニメーションの枠を超えた繊細か>>続きを読む
潜在意識の隠喩である森の中、死の香り漂うイザベルの存在感に惹き寄せられるも彼女の持ち物は混沌のみであり、嘘を暴く為の小説は「妄想と混乱の産物でただの模倣」と貶されインダストリアルミュージックの爆音が男>>続きを読む
「君を離したくはないけれど 愛はもうたくさんなんだ 一緒にいると もっと孤独になる」わかるよベルナール。デッドケネディーズのレコードで頭を振り回す彼女に10代の私は自己を投影した。大きな窓のある部屋に>>続きを読む
もし君とすれ違ってしまったら、世界全体とすれ違うことになる。生き物の様に自由自在なカメラが映す黒に浮かぶ赤、若かりしビノシュとジュリーデルピーの白く透けるような肌、前髪をふうっと吹き上げるキュートな仕>>続きを読む
初めて生で観る窪塚洋介の身体のバランスがすげー。中村達也が怪獣。という感想だけがある。
2016/09/24
ぶっ飛んでて大好きな映画。だけど狂ってはいない。観客の共感を一切受け付けず見たことのないものを見せてくれる映画に私は弱いのだなと思う。目に焼き付いて離れないピンクの靴下。取り憑かれたようにイザベルアジ>>続きを読む
高校生ぶりに再見。障害を持つ者の心の美しさと健常者のあさましさ、果たしてどちらがフリークスか。