marikabraunさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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ずっと日本での上映を待ち焦がれていたので公開初日に観たけれど、とにかく疲れ果てた。高速のメリーゴーランドに振り落とされた気分で、わけがわからないまま終いには少し泣いていた。母娘の壮大な殴り合いが行き着>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

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人の上に立つ者かくあるべしとでも言うような、海のように、大地のように、慈愛に満ちながらも力強く揺るぎない、まさに王になるために生まれてきた男バーフバリ。重力をも超え、弓矢の本数が無限に湧き出ても、バー>>続きを読む

バーフバリ 伝説誕生<完全版>(2015年製作の映画)

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公開当時は食指が動かなかったけれどRRRの流れでようやく。もうすんなり世界観が身体に入ってきてぶっ飛んだ展開も笑顔で見れる。
ただ、知らぬ間にタトゥー入れられるのも、そこから秒で恋するのも怖すぎるのよ
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RRR(2022年製作の映画)

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ずっと笑いと涙が止まらなかった。すべてが過剰で、リアリティなんて犬に食わせろと言わんばかりの数々に楽しく裏切られる。圧倒的なインドの愛国心、キメてくる画面がいちいち神話のよう。絶対に死なないふたりと同>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

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ブレッソンの美学の境地、削ぎ落とされて骨だけ残されたような映画。何かを得る手段であるはずの金によって、いとも簡単に仕事も家族も、人間らしい心も失う、人生が狂う。胸の内でなにを思っていても、ただただ行為>>続きを読む

ラヴ・アフェアズ(2020年製作の映画)

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ロメールの後継者だという触れ込みの映画を観るたびに本家の魅力が際立ってしまうのでやめたい。し、どちらかと言うとホンサンスを感じた。ジラールの模倣理論を引用しながら繰り広げられるのは、誰もが惚れやすくて>>続きを読む

東京の闇(1982年製作の映画)

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小っ恥ずかしくなる、いやあえてなのか?と思うほどに、小津あたりに心酔した外国人が日本を撮りたいピュアな気持ちだけで撮ったんだろうな、と思いながらクレジット見たら、アサイヤスで笑顔になった。

湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)

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ずっと気になっていたのがJAIHOで。監督の意向から無修正だとは聞いていたけど、斜め上をゆくポルノさながらの性行為も容赦なく、ただそこにあるものとして描かれる。美しい湖畔の底に、じっとりと細く長く流れ>>続きを読む

ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

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先に93年版を観ていたけどこちらの方が断然おもしろい。「愛、欲望、野心、信念などない方が人生を単純明快に生きられる」という安楽な誘惑。最初に発見された複製がゆっくりと目を開ける瞬間や、愛する人が姿かた>>続きを読む

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)

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怒りのアフガン然り、適当に変えた今のアカウント名の元ネタ。前作より筋肉もアクションも倍増。地獄は彼には故郷も同じ、戦闘マシンと呼ばれ、ランボー本人も消耗品だと自称しているのが悲しかったから、蛇足でしか>>続きを読む

ランボー(1982年製作の映画)

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小学生ぶりに見直した。当時はランボーがなぜ戦っているのか、ベトナム帰還兵という背景や動機を全く理解していなかったので、単なるアクション映画で片付けられない哀愁に驚いた。愛する国に身を捧げたにも関わらず>>続きを読む

沈黙(1962年製作の映画)

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沈黙は否定のしるし。誰かに嫉妬してしまうのも、見下さずにはいられないのも、満たされない何かを感じているから。知らないことばが行き交う異国の地で、ことばが通じても心は決して通じ合えないところに、翻訳家と>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

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例えば無差別殺人事件のニュースが流れるたびに、犯人がそこに至るまでの経緯をつい考えてしまう。頭のいかれた奴だと片付けてしまえばそれまでだけど、そんな風に切り捨ててきた社会こそが人を無敵にさせていくのだ>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

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パリで絶対運転したくなくなる。結婚記念日なのに一生帰宅できないかと思うほど矢継ぎ早に繰り広げられる笑いの手数に驚く。たったの13分をこんなにも鮮やかに感じた短編は初めて。

大恋愛(1969年製作の映画)

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走るベッド楽しすぎる。シームレスな繋ぎにハッとして、マダムたちの間を尾ひれ背ひれがついて泳いでいく噂話のいい加減さには笑えたけど、物語が進むにつれてエスカレートする中年男性の痛い妄想には興味を持てなく>>続きを読む

糧なき土地(1932年製作の映画)

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ずっと見たかったブニュエル唯一のドキュメンタリー。明らかに動物虐待な演出もありつつ、忘れられた土地で死がそこらじゅうに散らばった人々の暮らしは今まで見た彼の作品群のなかでもひときわ痛ましく、やたら立派>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

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homelessではなくhouseless。主人公は自分の大切なものを守るために望んで漂流しているわけで、他人から見ればボロ車でも自分で手を入れた「私の家」を決して手放すことはない。もちろん過酷ではあ>>続きを読む

(2007年製作の映画)

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15歳のドラン、頭ぶあぶあで可愛い。窓が多すぎる家でのバカンス、夏にまかせて奔放になる友人たちや異性愛への違和感。何かを探すように水中を潜り続けた彼がようやく呼吸するとき。見つけた、と思ったんだろうな>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

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ノベンバーにインスピレーションを与えた映画として挙げられていて、ニールヤングとロビーミューラーの名前も手伝ってようやく観るタイミングがきた。この世で一番美しい色は白と黒という誰かの言葉を思い出したり、>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

予告を見て抱いていた耽美的なイメージは奇天烈なユーモアに楽しく裏切られ、序盤のシークエンスからこの映画に恋する予感がした。こんな寓話的な散文詩、シュヴァンクマイエルやズラウスキーで育った私は大好物なの>>続きを読む

The Skywalk Is Gone(英題)(2002年製作の映画)

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初ツァイミンリャン。失われた歩道橋がふたつの悲劇を招き、男女はすれ違うのみ。ぽっかりと空いた晴天が無情。映画の中で何かを探す表情で当て所なくペタペタ歩く成人女性、好きだな。

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

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軽い気持ちで見始めたら何度か泣いていて意味が分からなかった。私、ハリーポッター好きなんだな…
映画だとシリウスとベラトリックスが特に好きなので「殺しちゃってごめんね」のやり取り可愛かった。

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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ジャームッシュのオールスター大集結。身内ネタやオマージュがひたすらに続き、キルビルさながらの日本刀さばきが美しいティルダ様、ノスフェラトゥのTシャツを着た映画オタクなケイレブ君などキャラクターに喜んで>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

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自分のものではない笑顔でひとり鏡に映る華子は、まるで額におさめられた絵画のようだったから、自分のもので埋め尽くされた美紀の部屋を訪れて、落ち着く、と呟いたときの表情が心に残る。格差を描きながらも女同士>>続きを読む

ボディ・スナッチャーズ(1993年製作の映画)

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近しいテーマとして遊星からの物体Xの素晴らしさをつい反芻してしまうくらい、侵略者の造形や展開に魅力を感じられず。美少女の裸見せとけばいいやとか思ってそう。ときめきがない。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

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メガネかけるかけないの悶着に永遠を感じてよかった。行き過ぎた資本主義、そこらじゅうに溢れる広告とマーケティングに洗脳されていないか。むやみに消費させられていないか。その欲望は知らず知らずのうちに刷り込>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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ヤバいやつは1分でいいから‼︎を連呼するの、世界共通なのだな。性的な自由を奪われ人としての威厳を踏みにじられる痛みも、口を塞がれる憤りも十分に知っている、知っているからこそ、驕り高ぶって脳をチンポに支>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

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レイプ神話はいただけない。中世を忠実に再現するために衣装や小道具を当時と同じ素材や製法でつくり、極寒の山奥で生活しながら548日間に渡って撮影された、とあるけれどそれだけで、素晴らしいロケーションの割>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.0

タルベーラ製作総指揮に釣られて。最近観た中で一番どうしようもなかった。配給宣伝が優秀だなあ、としか。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

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無音になった瞬間、耳が聞こえないというのはどういうことなのか、頭で理解していた「つもり」だったのだと思い知らされる。そしてろう者と聴者の世界はきっと想像以上にかけ離れていて、想像以上に共通しているのだ>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

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アダルトビデオと現実の区別がつかないのか、女性を自分の都合の良いようにしか捉えない、復讐にも気付けない、実に無自覚で腹立たしく、哀れで滑稽なファンタジーチンポ野郎は現実にも溢れかえっている。
「私の人
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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2022年を締め括る一本だった。16mmフィルムに焼き付けられた、ひとりの女性のざわめき。荒川区の何処かでほんとうにそこに生きて、派手ではなくともうつくしく、温度をもって営んでいる人間たちの時間を奇跡>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

あまりに良すぎて語彙力を失くしていたら年が明けてた。連なる線から湘北の五人が浮かび上がり、ベース、ドラム…とひとつひとつのパートが重なっていくThe BirthdayのLOVE ROCKETSが流れる>>続きを読む

武器人間(2013年製作の映画)

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数年ぶりに観た。何かの間違いでハロウィン仮装する機会があるとしたらモスキートかプロペラヘッドかでかなり迷うな。

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

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気付いたけどスコセッシあんまり好きじゃないな。
都合が悪ければすぐに消す、軽快に楽しそうにとどめを刺す。さっきまで笑顔かと思えば急にぶち切れるジョーペシはじめ破綻した人間たちを見るのはいつだって楽しい
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重力の光 : 祈りの記録篇(2022年製作の映画)

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今までみた海ちゃんの作品で一番好きだった。
個人的にも今年は病気をして人生最悪のタイミングだったせいか、シンパシーを強く感じすぎてしまうところがあって、発光する人々の痛みが身体にのしかかるように伝わっ
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