チーボーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

チーボー

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恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜(2020年製作の映画)

4.2

インテリアすき…
賃貸ですか持ち家ですか、壁の色攻め過ぎやないですか

「潔癖完治チェック」に使ったあのかったいスーパーボール何、なんのための物ですか、情報番組のセットですか、意味もなく色とりどりのバ
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童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.3

アハの目から見える景色を束ねた、分厚いスケッチブックのような2時間。
叙事的でも、叙情的でもある。

マッチョイズムは男児の論理、半グレ少年の社会、理性の磨礪を拒んでフィジカルに生きるその延長線には軍
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ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)

4.5

だれかの人権を奪う政治があってはいけないのだけど、在ってしまう世界の現実。

たまたまある程度の合意がとれている、ように見えているだけで、
生存権に関わるあからさまなものが露見しづらい、というだけで、
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ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)

4.3

奇跡のような建物があったのですね。
理想郷というほか名状しがたい芸術、あるいは職人の現場。

生きる中の色々が、アレやったならコッチなしね、のトレードオフ。

魂などとつい表現してしまう、でもそれ以上
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

4.0

強烈さで引き込んだ、かと思いきや途中からあれ、もしや人情ある!?という。

だって、ねえ。初っ端の犯罪どえらいからねえ。
二家族あっさり破壊するしねえ。
すぐ捕まんなきゃいかん人物だよねえ。笑

まあ
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フラワーズ・オブ・シャンハイ 4K デジタルリマスター版(1998年製作の映画)

4.0

薄暗い空間。煌びやかな装い。
なんという耽美な映像、ワンシチュエーション。

当時の空気感がまさにこんな感じだったのか、確かめようは無いけど、
映画館はずっとタイムスリップしているよう。
アヘン、アヘ
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.5

トクマルシューゴの音楽を映画館の大画面で聴けたのがすごく嬉しいです。

連続ドラマなら良かったのかな…と思ったら元々連続ドラマだったんですね。知らなかったあ。
テンポの良さが流石。

しかし2時間の映
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よい子の殺人犯(2018年製作の映画)

4.2

このポスターとか紹介文はどうなんでしょうか。
ホラー映画ないし「パラサイト」みたいに提示するのは違うやん。

「アニメオタク」とか「甘い夢」とか、薄っぺらく要約、ラベリングした前情報を入れると作品の魅
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草の響き(2021年製作の映画)

4.0

走る画、滑走する画がとても素敵。
音も含めて引き込まれる。
すっと見てられる。

住みよさそうだし風光明媚という言葉がしっくりくる、街の風景も魅力的。

走る行為が治療、闘いそのものだけど、逃避でもあ
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大地と白い雲(2019年製作の映画)

4.0

モンゴルの言葉、興味湧いたなあ。
かなり短い発音で非常に豊かな意味を伝えているような印象。

そしてあの環境での暮らし。
草原、動物たち、そして気候との共生。
想像を絶するスケールであることが画面いっ
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

4.0

抜けるような青空、天高く馬肥ゆる秋の日に、
その対極にある空間を大画面で…
部屋の造形、色調の不気味さ音の重たさ。没入しました。

謎解きやスリラー的要素よりも寓話的なところに比重があるように観ました
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

4.0

優しい優しい画面。
自分の中の、夢とか「おぼろげな記憶」をたどりたくなります。
サンカヨウのように透き通ったものを感じるお話。

子どもというポジションは保たれつつ
個人としても家族と対峙し始めるふた
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冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

4.4

何においても子供たちがチャーミング。
演技に見えないイキイキした姿。
そりゃ冬冬も裸足になりますわ。

ああいう風に笑うよなあ。
靴下で床滑って遊ぶよなあ。

日本の唱歌、童謡は台湾でやはり歌われてい
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.8

音響賞…うん、音響賞ですよね…私からも音響賞です…
映画館さまさま。
くぐもってしまったりジャミってしまったりする聴覚体験の生々しさ。

観ているこちらまで動揺してうまく呼吸できなくなる。
通常の音、
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.0

やりとり、醸し出す空気、若くして単独行動が体に染みついた感じ、ぽつぽつと語る声、そういう若い人が外で声を交わす時のちょっと気張る感じ。
主演のお二人素敵です。

この人たちのことをもっと知りたい!とい
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風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.3

雑踏が映し出されても、血気盛んな若者が映し出されても静かなんですよね。
なんとなくでしか捉えられない憂鬱さがずっと流れてて。

期間限定の若い時間。
いや、いつ何時も期間限定の、一回性の時間を生きるわ
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達人 THE MASTER(2021年製作の映画)

3.7

いろいろな映像作品が「映画」という括りで作られるのだなあ。
どれも同じ1400円…笑
好きなように作る楽しさ、だよなあ。

アキラ100%は画になる出で立ち、表情をされていて、
何らかの達人、という立
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

並外れた胆力、観察眼、正義感、他者へ向けられる熱量、思いやり。
あんぱんを机に置かず手渡しにこだわるような「人たらし」でもある。
そしてここに至るまでの地道な生活、塗炭の苦しみ…
明示はされないが恐ら
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.8

前情報無し、あらすじも読まずに観てよかった、意味合いがくるくる回りだす。
そして画。チャーミングな顔顔、透明感さえ覚える手足。

なんであれで成立していたのか、大人になってから思うと本当に不思議。
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ミス・マルクス(2020年製作の映画)

4.1

音楽が観客をやっつけます。
ショパンがペカペカしとる。
アレンジによって旋律の持つ力が浮き彫られる。

そうよね、ロックは本来カウンターの音楽、闘争。
いろんな「ロック」に分類される音楽を思いうかべ、
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.8

音楽すごい、感情が音に動かされて泣きました。

「音楽の力」って言葉を頭に浮かべるたび、
ドラえもんの「ムードもりあげ楽団」を「いやいやいや…」って思って観てた少年の日を思い出します。

大人になれて
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犬は歌わない(2019年製作の映画)

4.0

自分の肉眼では絶対に見れないものをずーっと見せてくれます。
これどうやって撮ってるんだい…野良犬の自然体。

手塚治虫が最も軽蔑する類いの営みが列をなしてます。
ワンちゃんタイムショック!

「閉じ込
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名も無い日(2020年製作の映画)

4.1

あの時ああしていれば失わなかったのに。を背負う日々の苦しみを激しく搔き立てられました。
手を出して、取り合うことを怖がりがちな自分…

兄弟模様も感じ入るものがあります。
1人と2人、てのが大きく違う
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わたしは元気(2020年製作の映画)

4.4

このような映画は初めて見ました。
会話はほとんどアドリブなんだそうで。
世間話の芽生え。
観られる、撮られる、演じる、という行為についての閾値を考えざるを得ません。

あの世界で誰にとっても特別なもの
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SHIBUYA TOKYO 16:30(2020年製作の映画)

4.4

ともすれば評価軸が不確かな場合も多い芸術の業界で、自分の力を詳らかに晒す。
まっすぐな意志のある人であればあるほど、不安な状況。

権力構造が簡単に、ぬるりと牙を剥く。
自信満々な評価者の一言一句は、
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サクリファイス(2019年製作の映画)

4.0

漠然とした閉塞感を抱え続けて育った20代の私たち。
誰かに、ここではないどこかへ、境界を越えた先へわたしも連れて行ってほしい、と願う。

物語を携えてつけ込む邪教。
良い焚火を囲んでいたいとはそれぞれ
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

監督の方にあった急なご不幸によって作品の方向性が急転したとのこと。
フィクションだということを踏まえても、作中の女性たちを思うとキツいお話だったなあ。

イター、っていう気持ちを十分すぎるくらい味わえ
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

4.2

謎解き的な、事実はどこに!?という要素がとてもエキサイティング。
と思ったので、このポスターとかあらすじとか、予告編とか見なくて正解でした。

基本静かな邦画なんだけど、エンタメ。
音楽少なめ、ヒリヒ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

4.2

「これは君の物語ではない。」

消せない。諦められない。
忘れられない。過去にできない。
無理だ。離れられない。現実?受け入れられない。
すべきことなんて当然知っている。
何百回も聞いた。

幻想を愛
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ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)

4.3

ああこんなものを生み出す人々がいるのね、同じ世の中に。
一体何がこの創造を可能にするんでしょうか、どうしてできるんでしょうか。

この作品に限って思うことではないんだけども。

ずっと絵画を観ていたよ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.4

予想のできない展開(結末)。
5カウントの構成に、わあ…となりました。

当事者でない人はいなくて。
有史以来男性という集団が持ち続けている加害性。
無自覚に形成され続けるホモソーシャル。

…要素を
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

4.0

世には物語が無限にあるものよ…
原作は未読です。とても忠実に再現されているとか。

思春期の話だけれど普遍的。
好きを自覚した時というか、観念したときにはもう遅い。
それまでにグッチャグチャにしてしま
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

なんてったって細かく、精緻な作画。VR大普及の世界観。
そして中村佳穂さんの歌。

ため息が漏れるようなものが目の前に広がり続ける時間でした。

内容はもったいない気がしちゃったなあ…魅力的な設定と絵
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

かなり漫画的な、キャラクターが記号化されたエンタメ!って感じ。
個人的には「学園」「部活」という枠組みを当然のものとした創作は段々減っていくと良いなーなんて思ってますが…

伊藤万理華の魅力がもう、も
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

原作通りの半リアリズム。
それでこそ、というより他ない、衝撃すら与えるオープニング。
執拗に繰り返されるドライブが全体のテンションと展開を支配する軸。
ハンドルを任せ続ける時間。

多言語劇を通して伝
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明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

4.3

経済危機への便乗、等身大の詐取に次ぐ詐取、
香ばしき極悪マンシー許すまじ、皆で懲らしめよ!
といった筋のゴキゲン映画。

揃いもそろって発声がたいへんよい。
恰幅がよい。無防備由来の安心感。

話の展
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