xoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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(2023年製作の映画)

3.0

信長に振り回される人々の群像劇。「アウトレイジ」とはかなり印象は違くて、それぞれの登場人物間の駆け引きや裏切る/裏切られるスリルみたいなものにはそれほど焦点が当たっていない。各登場人物のキャラクターの>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

予告編から感じられた悪い意味での軽さがなく、地に足付いたリアリスティックな描写が一貫していて良かった。顔やら衣服やら戦車やらちゃんと汚してくれている。序盤は淡々としたタッチで進む。過度に説明しないし、>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

「ゴジラ」を期待して観に行ったら、山崎貴の映画だった。
自身が言いたいことのためにゴジラを利用している。特攻を礼賛、戦意高揚、プロパガンダ的。「戦争」や「敵国」とは違い、ゴジラを退治されて然るべき害獣
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理想郷(2022年製作の映画)

3.5

日本に住む人間にとっても親和性を感じやすい内容だと思う。
本作で表現される人間同士の対立は、どこの社会においても多かれ少なかれある普遍的な争いごと。自分の身に置き換えて考えやすい。アートハウス系らしい
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.5

映画の始まりと終わりとでぜんぜん違うところまで連れて行かれる。その楽しさだけでも見る価値はあると思う。

色んな種類の楽しさが詰め込まれている。クライムサスペンス調で始まったと思ったらSFっぽい展開に
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アルゴ(2012年製作の映画)

4.0

社会派のようでいて、実際は軽快なエンタメ作品。
基本的な構造は後の「AIR」と同じ。最終目的がはっきりとあって、チーム一同知恵を働かせ奔走し、成果を積み上げていき、一世一代の大勝負に挑むという展開。
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.3

淡々とした地味な映画。音楽含め抑制されたトーンが貫かれている。それでいて3時間26分の長さを感じさせない。低温調理でずっと煮込んでいるような感じ。静かな緊張感が持続。
残り1時間になると物語の起伏が大
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.5

良くも悪くも軽い、2時間の娯楽作品。眉間に皺寄せて「AIと人類の行く末が〜」とか論じるようなものでは決してない。爆発起こりまくり、罪のない人死にまくりなエンタメ。

とにかく突っ込みどころ満載。言い出
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.8

良くできた脚本、わずか92分に面白さを凝縮したサスペンス。
エレベーターに閉じ込められた男を中心にしながらも、殺人の共謀者である女、捜索する警察、逃避行に出る若き二人と、群像劇と言わないまでも複数視点
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パパ/ずれてるゥ!(1971年製作の映画)

3.0

1970年代、家出する少女たちとそれを捜索する親たちの相剋を描いている。冒頭から謎の歌のオーディション、相次ぐジャンプカットと、やや面食らいながらも次第に物語の輪郭がはっきり見えてくる。

良くも悪く
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成功の甘き香り(1957年製作の映画)

3.8

66年前の映画にして、作品が描いている人間のありようには今に通ずる普遍性がある。メディア界における帝王のような男。あったこともなかったことに、なかったこともあったことにやりたい放題。まさに権力の権化。>>続きを読む

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

2.8

落ち目のUKハードロックバンドのアメリカ巡業を捉えたモキュメンタリー。
終始コメディで、くすっと笑えるようなところが多数。楽しい映画ではある。

笑いの質としてはあからさまなギャグとかってよりは、やや
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

すごく小さな物語の中に普遍的なテーマ、人間同士の関係性やコミュニケーションの本質というものが表現されていると思った。
最初はまったくわかり合えない、同じ空気を吸うのも嫌だった相手。共通点なんかひとつも
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あのこと(2021年製作の映画)

3.5

誰にも言えない秘密、不安や葛藤、深まる孤独感とやり場のない感情。生活も人間関係も身体も破滅に向かう負のスパイラル。孤立無援のなか迫りくるタイムリミット。
物語の構造としては定型的だし、わかりづらいとこ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.5

104分のほとんどは会話劇。絵面は地味でありながら、会話がエキサイティングというか、気の抜けたやり取りがないため退屈させられない。信仰心をめぐる箇所などやや観念的に感じられるところがありつつ、言葉が強>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

2.0

一発撮り90分のガッツは素晴らしいと思うものの、色々と粗が目立つ。特に終盤は出たとこ勝負でやっている感が強く、結局のところ、まだまともな映画の撮り方がわからないからこそ、"逃げ"としてとった戦法に思え>>続きを読む

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)

2.5

とにかくスラップスティック。次々と何かが起こり続け、停滞することなく画面は動き続ける。
辻褄合わせとか伏線とかメタファーとかはなから考えていないように思われる。
意味を考え出すとキリがないというか。。
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さいはて(2023年製作の映画)

1.6

いろいろ言い出したら切りがない駄作。一番の問題は作品通してのトーンやリアリティラインが統一されていないことだと思う。この監督の他作にも言えることだけど。

現実から遊離した世界のように演出したいのだろ
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(1954年製作の映画)

3.8

中盤まではわりと古典的な、単線的な物語展開。粗野で横暴な男と純粋無垢な女。時に衝突しつつも付かず離れず、どこかで愛情を互いに感じているんだ的な、ウェルメイドな展開に向かっているように思えた。
それがひ
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

2.0

半径数メートル以内で展開される若者たちの交流と成長という点では、A24らしいとは言えるんだけど「Waves」「mid90s」「アフターサン」なんかと比べると、深みが足りない。。。

ひたすら「若気の至
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デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー(2017年製作の映画)

4.0

「プリズン」に辿り着くのは開始47分後。この監督の作品はどれも物語展開はスローペースだけど、ひたすら膠着状態が続くがゆえの緊張感だったり、リアリズム演出だったりがあって、ちっとも長いとは思わされない。>>続きを読む

トマホーク ガンマンvs食人族(2015年製作の映画)

4.0

淡々とした話運び、ドライな演出、最小限の劇伴。この監督は作風が一貫している。
まったく設定は違えど「ブルータル・ジャスティス」と同じフィーリングを感じるし、「ノー・カントリー」を想起したりも。
無駄な
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仁義(1970年製作の映画)

4.2

「サムライ」もそうだけど、映画においてもっとも重要なのはストーリーじゃなく、雰囲気やフィーリングなんだろうなって思わされる。

ひたすらに心地良い。無骨だけど洗練されたスタイリング、佇まい、振る舞いを
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福田村事件(2023年製作の映画)

2.8

間違いなく多くの人に見られるべき作品だとは思うけど、映画の質という意味ではどうかと思う。
序盤からテレビドラマかってくらい、"伝えたいこと"をセリフで演説させまくっていて、かなり白けちゃった。
他方で
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.2

90分間ワンカット、高級レストランの一夜の人間模様を描いた作品。そう聞くと演劇性が強いものを想像されるかもしれないけど、実際はいい意味でエンタメ然としていないというか、わざとらしい展開を入れるでもなく>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.0

色んな意味でちょうど良いサイズの作品だなと思う。映画を見慣れていない人にも薦めやすい。前半はゲーム感覚で見られるし、後半は予想外に少年ジャンプ的なエモーショナルな展開に。

作品がもつメッセージは多く
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.0

塚本晋也の脳内世界が妥協なしに大展開された作品。ショックバリューというか、トラウマ映画としての価値がある。そこに全振りしているかのようでもある。

この監督らしい生々しさ、リアリズムあふれる描写に引き
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BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

2.0

大人が見るようなものではないね。。
わりとよくある話ではある。キラキラした若者たちの集団。表面上は「最高の仲間」と認め合いつつ、ひとたび不信感が生じると互いに罵り合うように。歯止めが効かないまま最悪の
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カラミティ(2020年製作の映画)

3.0

絵のタッチには唯一無二な魅力があって、童話かなにかの世界にいるような気持ちにさせられる。必要最小限の要素だけで構成された夜空が、見惚れちゃいそうなほど美しい。

物語はいたってシンプル。カラミティ・ジ
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殺しの分け前/ポイント・ブランク(1967年製作の映画)

2.5

「ゲッタウェイ」や初期のたけし映画にも通ずるフィーリングを感じるし、個人的に好きになれそうな要素は色々あるものの、あまりグッとこない。
物語を展開することに重きが置かれていて、わりとサクサク進むんだけ
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シックス・センス(1999年製作の映画)

2.5

観ている間ずっと、謎に謎が重ねられていくものの回収されないことの浮遊感がある。
物語がある一つの方向に収斂されるよう進んでいっている感じもしない。

最終的にオチがつけられることで、その違和感の理由の
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狩人の夜(1955年製作の映画)

4.0

レベルの高い映画だなと思う。表面上の物語や展開を追っていてもサスペンスフルで十分面白い。それだけにとどまらず、各所で宗教的な寓意であったり象徴性であったりが強く感じられる作り。

中心にあるテーマは信
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

2.0

ボディホラーの要素はありつつも、作品のトーンは初期の感じというより近作のが近い。良くも悪くも静的で、ぶっ飛んだところがない。
実際のところ会話劇。観念的な会話に加え、話の設定やリアリティの置きどころが
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憎しみ(1995年製作の映画)

2.5

パリ郊外のスラムを舞台に、若者3人の地べたを這うような暮らしをひたすら描いている。
ただただ淡々としていて、ドキュメンタリーを思わせるような生々しさがある。彼らの日常的な振る舞いをそのまま活写している
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

1.8

戦時下におけるささやかな享楽。そこから浮かびあがる生きることの価値や活力。そんなようなことを表現したいんだろうとは思う。でも、全体的に白々しいというか浅ましいという印象が強い。

現実に絶望したから病
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ザ・ヤクザ(1974年製作の映画)

3.7

紛うことなき任侠映画。謀略と裏切りの連続。愛する者のための敵討ち。自己犠牲は厭わない。

日本文化へのリスペクトの表明ぶりがすごい。
新幹線、日本刀、剣道、茶道、温泉(鯉が泳いでいる)、神社、虚無僧、
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