xoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

3.3

ナウシカやもののけ姫以降の諸作と同様、運命と呪いの話。
結局はトトロと同様、脚本というより"魔法"によって物語は解決する。そこに合理性はないしご都合主義的。

オチは変に"ちゃんちゃん"な感じに収束さ
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

1.6

ちょっとどうしようもない。巨匠になった宮崎駿に誰も何も言えなかった結果、こんなヘンテコなものになったとしか思えない。

物語は合理性も辻褄もあったもんじゃない。ファンタジーに徹したとしても、その世界で
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

1.6

物語にしても各所の演出にしても、後半にいけばいくほどかなり飲み込みづらい。後出しじゃんけん的に、後から「そんなことできたの?」な描写が出てくる。次作「ポニョ」にも通ずるところだけど。。

伏線回収とか
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

1.8

これが日本人から好かれるのはよくわかるが、ゲーッて感じだ。グリーンブックにも通ずるものを感じる。

結局のところ"フリークス"、あるいは黒人の扱いは差別的に映る。
「虐げられてきたけど家族をくれた」「
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.8

ふたりの恋愛とそれぞれの家庭の行方だけに焦点を絞っている。言葉で説明しすぎず、かといって詩情や感情の機微みたいなものに物語を委ねることもしないバランス。劇的にドラマを盛り上げる演出はなくとも、十分にス>>続きを読む

となりのトトロ(1988年製作の映画)

3.5

この頃の宮崎駿の作品群にみられる牧歌的な美しさは唯一無二だと思う。生まれながらにしてすでに古典的な佇まい。

今となっては、ここで描かれる人間模様がフィクショナルなものにしか思えないのは悲しいところ。
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リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

3.0

物語はぎっしりと実が詰め込まれていて、前へと進み続けるし、余韻や余白を残すタイプの作品ではない。そのうえで、物語やそれが伝えるメッセージがしっかり届くものになっているかというと。。

まず、主人公の
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.3

久田将義氏がベスト映画として挙げていたこともあり、このたび観賞。
133分というランニングタイムゆえ尻込みしてたものの、蓋を開けてみると、極めて軽く、良い意味での底の浅さが光る作品だった。辻褄合わせを
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スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993年製作の映画)

2.3

実際のところ、マリオはほとんど関係ない。設定の一部だけを拝借して作ったB級アクション映画。
足し算の発想で作られていて、物語はどんどん前へ前へと進んでいく。

この世界のルール設定はいまいち判然としな
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.3

誰の目にも異常に手の込んだ作画、1カットごとに静止したくなるくらいの密度の濃さ、情報量の多さ。それだけでも入場料ぶんの価値は十二分にあると思う。

物語のテーマは、前作が運命を受け入れることであれば、
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サヴェージ・ウーマン 美しき制裁(2019年製作の映画)

3.8

三宅隆太氏推薦により鑑賞。本作の評点がこんなに低いのは、このタイトルやアートワーク含めた、日本ローカライズ版の見せ方の悪さにあると思う。

少なくともドキドキハラハラさせられるよくできた作品、っていう
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

3.5

見やすいルック、単純明快な物語をもちながら、見るときによって感じ方が変わりそうなだけの深みもある映画。

ファンシー、メルヘンチックな世界観のもと、かくも残酷な人間の振る舞いが、その映し鏡であるシザー
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渇水(2023年製作の映画)

1.8

社会に対する問題意識には大いに共感するものの、それを表現するための具体的な描写だったり設定だったりがとにかく安っぽい。
これ見よがし、わざとらしいセリフや演出の数々。テレビドラマを見ているかのようだっ
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

2時間の中にいろんな種類の面白さがある。
ミステリー仕立ての序盤から中盤にかけてはエンタメとしての訴求力十分。視点が変わる第2幕はジェットコースターに乗っているかのような怒涛の展開。事態の真相が立体的
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.3

単なる馬鹿映画ではなく、娯楽作品としての強度がありながら、ダークコメディ〜ディストピア物としての魅力もある。
目で見て楽しい小気味良い映像編集、丁寧に伏線回収に勤しむ脚本、クライマックスには大銃撃戦も
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カリギュラ(1980年製作の映画)

2.5

酒池肉林の祝宴。裸でいることは当たり前。乱交は当たり前。別な男、別な女とセックスに耽ることにパートナーは何も言わない。むしろ奨励していたりする。そういう世界が舞台。

物語は極めてシンプル。若き皇帝と
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オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

3.8

静的で美しい暴力映画。ポップさを抜いた「ドライヴ」って感じ。

全ての場面、ショットが考え抜かれた構図、色彩、色調から成っている。眼福というか、絵画を見るような感覚。画面に絶えず緊張感がある。

アー
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.3

SHE SAIDで描かれるワインスタインの件とも、ジャニーズ問題ともかなり重なるところがあるのがわかる。

巨大権力と強大な権力者。ターゲットはみな未成熟な"新人"たち。神と信者という関係性。
洗脳や
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大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

3.5

半魚人が襲ってきて人間が対峙する話。
だけど、明らかにそういう風には描いていない。

ヒロイン女性のふるまいを真似るよう遊泳する半魚人。そこでの切ない様子や表情、つぶらな瞳。あれで印象が反転する。以降
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

2.3

雰囲気にノレるか否かが大きい映画だと思う。
これといったドラマは描かれない。父親である主人公と11歳の娘とのひとときのバカンス。交流の様子が写実的なタッチで描かれる。
いかにもA24って感じな"日常を
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ソドムの市(1975年製作の映画)

3.5

センセーショナルな内容であるものの作風はいたってB級。良い意味で見やすい。ダークコメディ。

嗜虐的なシーンが続くものの、痛みがリアルに伝わってくるかというと、露悪的な趣向のほうが強め。ジョン・ウォー
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.5

次々と刺激が足されていくジェットコースターのような面白さ。
前半の展開がとりわけ楽しい。ひとつ嘘をつくとそれを誤魔化すため別の嘘をつき、事態が雪だるま式に悪化していく。
トイレでの攻防のとことか、韓国
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ネットワーク(1976年製作の映画)

2.5

問題意識は今の世の中とも大いに通ずるもの。メディアの商業性と公益性のバランス。倫理的な問題。興味深い視点がある。

映画作品としての面白味には欠ける印象。ディストピア物としてもコメディとしても弱い。
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.0

ものすごく好み。徹底的にドライなムード。北野武の初期作品群や「ブルータル・ジャスティス」を想起したり。
物語はいたってシンプル。追う者と追われる者、そこに絡んでくる第三者。
主人公も敵も口数少なく、武
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女王陛下の戦士(1977年製作の映画)

2.0

若者たちがそれぞれの形で戦場に巻き込まれていく様子を描いている。英国に逃げドイツに対抗しようとする者、ナチスに傾倒する者、仲間を裏切る者。群像劇風ではあるものの、彼らの友情や葛藤や孤独等内面にフォーカ>>続きを読む

はりぼて(2020年製作の映画)

3.5

人間の愚かさを描いた作品。政治に興味があろうがなかろうが、どういった思想を持っていようがいなかろうが関係なく面白く見れるし、考えさせられるだけの材料を残してくれる。

腐敗ここに極まれりといった感じ。
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

見ている間や見た直後は困惑が強い。でも、考えれば考えるほどにすごい映画だと思わされる。

映画全体を貫いているテーマは権力の勾配、強者と弱者の対比。そこにアーティストとアートの関係性、キャンセルカルチ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.8

最初から最後まで、一欠片の甘さもカタルシスもない。胸糞悪さでいうと屈指。でも、心から見て良かった。
去年の「ニューオーダー」に通ずるものを感じた。

いわゆるシリアルキラー物。犯人である男の殺害の様子
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.3

人間関係におけるコミュニケーションの機微を愉しむ映画。
全体を通して面白いというよりは、部分部分のシーンの味わいが魅力的。

この監督はささいな言動、仕草、表情の中に不穏なニュアンスを潜ませるのがうま
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

スリリングでありながらとても味わい深さのある映画。
2023年においても切実に響く問題意識と視点の数々。複雑さに複雑さが重なっていき頭を抱えたくなる。
登場人物たちはみな善人でもなければ悪人でもない。
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

2.0

良くも悪くも中学生が考えて作ったような無邪気さが感じられる。チャカチャカした編集といい、各シーンの情報密度の濃さといい、今までに見たことのないようなものが見れるし、ユニークではある。
ミュージックビデ
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

「理想の世界」を描こうとしているんだと思った。
つくづく思うのは、子どもは地域が育てるってこと。社会性と無縁でいられるのは子どもの頃だけ。社会を意識しだしたとき、本来あった無限の可能性に蓋がされてしま
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.0

凄惨な描写の有無を除けば、「別れる決心」と通ずるところが多いと感じた。心象風景、超現実的な映像、省略表現。

タコの踊り食いや、ペンチでの抜歯など、これまで見たことのないような類のショッキングな描写が
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チャンス(1979年製作の映画)

2.5

ピーター・セラーズ演じる主人公が、生涯を暮らしていた住処を飛び出し、娑婆に出てひとつひとつの新しいことを経験していく。レニー・エイブラハムソン「ルーム」を想起したり。
生まれてこの方、情報源といったら
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

3.5

「カッコーの巣の上で」「ショーシャンクの空に」は苦手だけど、本作はとても好き。
物語の展開は両作と重なる。でも、表現されているフィーリングが全然違う。
まったく甘くなければ、偽善的なところもない。
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へんしんっ!(2020年製作の映画)

2.0

うーん、、単にざっと撮って出しただけなように見える。
ドキュメンタリーとしては散漫で、焦点がぼけている印象。
障害者に対する理解が進むような内容かというと、それにしては新たな気づきが少ない。

映画的
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