nicol96さんの映画レビュー・感想・評価

nicol96

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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

4.1

びっくり界王星わくわく探検アドベンチャーの皮を被った全然へっちゃらじゃないコスパ最強SFスリラー。

映画のパッケージを見た時点で我々観る側は明らかに何かがおかしい世界観を察しているのだけど、その強す
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.3

声を失った女性と異形なる怪物のダークラブロマンス。
移民系&唖者、(キング牧師が夢を語った頃の)黒人女性、同性愛初老おじさんという、なんというかまぁ属性オンパレードな一団と、典型的アングロサクソニアン
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.9

湿地で暮らす一人の少女の物語。近現代アメリカ版もののけ姫。

1960年代末の東海岸と言えば、キング牧師が夢を語り公民権法が制定されて数年後の世界。
社会は均質的な現代化と牧歌的な多様性の狭間にあり、
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Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼(2007年製作の映画)

3.3

敏腕経営者とシリアルキラー人格の共存に苦悩するあるお父さんの話。
用意周到なくせになぜかリスク管理ガバガバな感じがどうにも違和感あったし、それを追う刑事の善悪問わないやり方も現実味なく、全般的に引き込
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パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)

3.4

新進気鋭スタートアップ×多元宇宙論ていう掛け合わせが面白いぶっ飛び設定SF。

のび太君よろしく今この世界に無いトンデモテクノロジーで無双する感じをもうちょっと掘るか、あるいは多元宇宙設定を活かしたす
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サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

3.0

サン・ラその人のPV的作品。
これはなかなか普通の映画作品として観るには厳しいというか、コンテンポラリアート好きなら、、。
でも音楽は尽く中毒性にまみれてて頭にこびりつくメロディと歌詞。

コンティニュー(2021年製作の映画)

3.7

理不尽な殺し屋たちに嫐られ続けながら、謎の失踪を遂げた元嫁を追うループ系SF。

見る側にも分かりやすいテレビゲームライクなループ設定と、ハードボイルドかと思いきや良い具合に肩の抜けたB級感あるテイス
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見えざる手のある風景(2023年製作の映画)

4.0

コーヒーテーブルライクなエイリアンと暮らす日常系ジュブナイルドラマ。

「個々人の利を優先すれば見えざる手によって自ずと全体最適になるよ」っていう自由放任主義を謳った、かの有名な『国富論』を強烈にパロ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

ビジュアル的に言えば数十年に渡るジブリ作品群の集大成だし、コンセプト的にもおそらく宮崎監督の根幹にあるメッセージが詰め込まれてて、これは多分に失礼な言い方だけど、遺書したためるような気持ちで作られたん>>続きを読む

誰がハマーショルドを殺したか(2019年製作の映画)

3.6

ポスト帝国主義の闇を垣間見るサスペンスタッチなドキュメンタリー。
第二代国連事務総長の命を奪った1961年の飛行機墜落事故、その背景に迫るデンマーク人とスウェーデン人ジャーナリストの物語。

監督のマ
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光の旅人 K-PAX(2001年製作の映画)

3.7

自称エイリアン不思議系おじさんと精神科医の絆を巡るヒューマンドラマでサスペンス要素ありつつのSF。
いろいろなジャンルを詰めすぎて結局変に矛盾点が気になったり、内容分けわからないことになる作品も多いけ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.3

伊坂幸太郎原作『マリアビートル』のハリウッド版。原作よろしく個性的なキャラ達のコミカルな台詞回しをテンポよく感じられるアクションコメディ快作。
原作よりコメディ強めな気もするが、まぁ好きな人は外さない
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リピーテッド(2014年製作の映画)

3.5

1日完結サザエさん時空に立ち向かうニコール・キッドマンとその周辺を描いた記憶喪失系サスペンス。

直近10数年分の記憶が毎朝リセットされるヒロインに対し、それを支える夫、ドクター、旧友がそれぞれの距離
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ジオストーム(2017年製作の映画)

3.0

災害パニックアクション&SF&サスペンスに家族愛というジャンル渋滞系ごった煮ムービー。ドラマの尺で作り込めば或いは良作だったのでは、、。

全編的にリアリティは欠片もないしご都合主義も極まりきってるけ
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MERU/メルー(2014年製作の映画)

4.4

未踏峰であるヒマラヤ山脈メルー峰の登頂に駆られた3人の登山家を描くドキュメンタリームービー。

映像、音楽、ストーリーの全てが圧倒的に美しく、かつだらだらと伸ばさずに緊張感を保って約90分に凝縮した点
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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.2

第二次大戦下のチェコスロバキア・プラハにて、ナチスドイツとロンドン亡命政府の間で翻弄された工作員たちの孤軍奮闘を描いた作品。

史実であるエンスラポイド作戦が元となっており、作中では統治者ハイドリヒの
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦下のフランスで実際にオペレーションされたダイナモ作戦を元にした作品。

陸海空の3視点を、それぞれ一週間、一日、一時間と異なるタイムスケールで描いていて、それぞれの視点から見えた画が徐々
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ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

3.9

戦禍のバルカン半島に位置するとある山岳地帯での日常系ドラマ。

いわゆる戦争モノのように派手な戦闘シーンやエンタメライクな盛り上がりは一切なく、あらゆる登場人物たちの一挙手一投足から生々しい現実感を突
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.3

テリー・ギリアムがいつも通りにテリー・ギリアムしてる作品。

この人の作る世界観、近未来風ソフトウェアが空想的レトロなハードウェアに乗っかって絶妙に不安感を駆られる感じがすごい好き。
多分、光の感じと
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(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

2.8

記憶喪失系SFサスペンス。
主人公が舞台ルールを無言で解明するくだりとか、ペアになってからの四苦八苦、それからラストは良かった。

ただせっかくの綺麗なラストを致命的にぶち壊す設定が、ちょっと気に食わ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.9

スペイン発・不条理密室系スリラー。
目が覚めればそこはど質素なベッドに寝具、汚いシンク。一見するとよくある監獄だけど、上にも下にも果ての無い空洞だけがただただ異質。

序盤から中盤にかけてはドン・キホ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.5

ディストピアな世界で異形の人工生命体とそれに「神」と崇められた存在が繰り広げるドタバタ人形劇SFコメディ。

、、と書いても属性多すぎってか、字面じゃ意味不明過ぎるので、無理やりに例えて言えば、BUM
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コンタクト(1997年製作の映画)

4.0

1997年制作SF大作。2020年代に至ってテクノロジーや映像技術はものすごく進歩はしてるけど、それでも今観て真に心が揺さぶられる。
『ゼロ・グラビティ』や『インターステラー』がアリなら高確率でアリ。
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.9

デンマーク発・事件が起こってるのは現場なんだけどバックスの奴がやたら奮闘するアンチ『踊る』み全快サスペンス。

全編通じて閉鎖空間(緊急通報のコールセンター)の映像のみで事件が展開していき、主人公が顔
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アンノウン(2011年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

不運な事故で記憶を失ったいぶし銀リーアムニーソンにベルリンの街が巻き込まれまくる不条理サスペンス。

性善説は否定しないけど、日本的には仁義ってあるよねーと思うし、バスストップで懺悔した彼を神が許しち
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ザ・ドア 交差する世界(2009年製作の映画)

2.8

偶然のタイムリープに端を発したSFサスペンス。
親殺しのパラドクスならぬ自分殺しのパラドクスをどう描くの、と思ってたものの、どうやらこの作品はパラレルワールドの世界観を採用してるみたいで、世界線Bの自
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第9地区(2009年製作の映画)

3.6

地球に飛来したエイリアンとの共生と排他の間で揺れる社会を描いたSF作品。
触手系エイリアンががっつり出てきて、誰彼構わず爆散するシーンもあるのでややグロ注意。

ご丁寧にニューヨークやらLA、ワシント
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オブリビオン(2013年製作の映画)

3.6

惑星移住、異星人との戦争、記憶操作、クローンなどなど、設定から展開のいたるとこにいろんなSFっぽさをぎちっと詰め込んだ作品。

海水の核エネルギー化なんて訳分からん話から始まり、放射能汚染が広がる地上
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インサイド・マン(2006年製作の映画)

3.8

ミステリ色強めの銀行強盗モノ。冒頭や
ラストで主犯の一人が語る様がカッコいい。伊坂幸太郎の『陽気な〜』シリーズを思い出した。

銀行強盗を扱う作品って大抵は刑事側か犯人グループのどちらかに肩入れさせる
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.7

※細田監督のファンでもアンチでもない、「時をかける少女」と「サマーウォーズ」くらいしか観たことないライト層の感想です。

事前情報をほぼ入れずに行って観た感想を一言で言えば、劣化版サマーウォーズ、です
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.3

未知との遭遇、をとても奇妙でこの上なく静かに描き、それでいて、ものっそいリアリティのある示唆に富んだSF。

人類が未知なる文明と出会ったら。
そもそも同じ人類の間であっても、未接触文明の原住民たちと
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.7

ノーランがぶち上げたハードルをちゃんとノーランしてきた作品。
とりあえず初見ではそう表現するしか出来ないくらい難解だった。ただただ初めてメメントを観たときのクールな感動を2021年になって思い出せた。
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イーオン・フラックス(2005年製作の映画)

4.1

ウィルスの脅威から逃れた理想郷で生命の価値を問う、どことなくオリエンタルな雰囲気漂うSFアクション。
SFとしてのリアリティや、事象の因果性は正直ガバガバで、ご都合主義だらけな点は納得感低い。★で言え
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ミケランジェロの暗号(2010年製作の映画)

3.7

WW2戦下、ユダヤ系オーストリア人の画廊一家がナチス・ドイツの侵攻に抵抗を試みるコミカルタッチのドラマ。

国が狂気に巻き込まれながらも市民レベルでは意外と普通の生活がある、のかと思ってたらそんなこと
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ANON アノン(2018年製作の映画)

3.4

AR技術に全振りした世界が舞台の近未来SFサスペンス。

これだけ技術が普及しても、一方では酒に紙タバコ、粉末のドラッグに生身のセックスを嗜み、そして少なくともぱっと見普通の乗用車に軋む地下鉄が街を走
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