Takanoさんの映画レビュー・感想・評価

Takano

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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がなんだか苦手だ。この世界において私達は同じ条件で人生のスタートを切れるわけではない。先天的なアドバンテージの違いがあることを踏まえたうえでの言葉かもしれないけど>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

最近、自分の人生を生きていくだけで精一杯に感じることがある。生活費を稼がないといけないし、家の掃除や洗濯もしないといけない。昔と同じ24時間を過ごしているのに余裕が少しずつ少しずつ無くなっている気がし>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

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心配ごとが後を絶たない。例えば取引先からのメールが数日経っても帰ってこない状況とか。リマインドするけど、それも回答が無かったら為す術もないし、と心配に心配が積もる。それと、好きだった漫画の実写化も心配>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

時代は髪の毛のようだ。1日単位で見れば違いに気づかないが月単位で比べると、髪の毛が伸びたり、減ったり、白髪になったり大きな変化を観測できる。現代人として生活していると、その変化に対して手入れをすること>>続きを読む

無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語(2024年製作の映画)

4.0

私はプロレスが好きで長年見続けているが、おもちゃ箱のようなエンターテインメントだと思う。キャラの立ったプロレスラーが華麗な技を繰り広げたり、レスラー同士でドロドロな人間ドラマが見られたり、若いレスラー>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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安心したい気持ちはいつだってある。定食屋に食べ慣れているメニューがあるだけで不思議と安心するものだ。そんな感覚は映画館にもあるような気がする。たとえば新宿TOHOシネマには、いつだってゴジラ作品を上映>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

制作時からちょこちょこニュースになっていた「ヴィム・ヴェンダースが役所広司を主役に、渋谷のトイレを舞台にした映画を撮っている」という情報。一体どういう映画なんだ?とニュースを咀嚼できずにいたが、ようや>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.5

穏やかにお行儀よく生活をしていても不条理な瞬間は訪れる。突然の大声や暴言だったり体当たりだったり、小さいけれど確実に日常に存在する外部からの脅威にノーガードでいると、あっという間に心を乱されてしまうし>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

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エンタメや芸術において全く予想外の角度から刺激をくらうのが好きだ。もちろん好きなアーティストや俳優の出ている作品に触れて満足するのも楽しいが、全く知らない人物の全く知らない作品に心をグラグラされる喜び>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

家族は小さな呪いだ。子供の頃から、環境や教育による呪いを常識として押しつけられ、社会に出るとそれが呪いだったと気づく。家族によっては弱い呪い、強い呪いがあると思うけど、その呪いの解き方や付き合い方がわ>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

なにかのウェブサイトで見た情報だが、日本人が1分間に読める文字数はだいたい400文字〜600文字らしい。文章を読んでいるときに時間を意識したことなんて国語のテスト以降めっきりないのだけど、そう言われた>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.7

子供の頃は記録されるのが嫌だった。運動会当日の朝、私の両親が祖父母のために思ってか、出発前の意気込みを撮らされることになった。めんどくさく接する私に対して怒りながら「じいちゃん、ばあちゃんがんばるよ!>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

クズにはなりたくない。でも1日だけクズになれるとしたらなってみたい、と思うのはなぜだろう。それは少なからずクズに憧れを持っているからだと思う。一度しか無い人生で、先の暮らしのことを考えずに自分の欲望の>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.1

今までに何本もマリオが出てくるゲームをやってきたことがあるけども、最初に彼を操作したのは64のマリオだったと思う。ボムキングを投げ、ウツボから逃げ、ペンギンとスライダー競走をして、クッパをジャイアント>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.1

生活の中で「世界にこの二人だけしか共有できない瞬間」に出会う時がある。部屋で過ごしているときに水道が壊れるハプニングとか、初めて打ち明けた秘密に急激に共感してくれたときとか、海沿いのカフェで見た笑って>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.8

インターネットの予約サイトを観ているときに「予約しますか?」の最終ページの「はい/いいえ」でだいぶ緊張する。本当にこのお店でいいのか、この時間でいいのか、とともに、このボタンを押すかどうかでその後の人>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

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時の流れに身を任せていたら2023年になっていた。日本ではテレビ放送が始まってから70年の節目になるらしい。もうひとつのオールドメディアであるラジオはもうすぐ100年。まだまだ先鋭的なものだと思ってき>>続きを読む

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.8

一生に一度のお願いを使うことは難しい。なんせ一生に一度しか使えないのだから。お願いする人との関係性やお願いしたいことの無謀さを考えて、お願いを引き受けてくるれる可能性を考慮して、いつか「一生に一度のお>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

映像の歴史は偉大である。これは本当の話か知らないけど、映画の生みの親であるリュミエール兄弟が、駅に到着する列車のフィルムを会場で流したところ、観客が本当に列車が突っ込んでくると勘違いして、逃げ惑ったと>>続きを読む

Zolaゾラ(2021年製作の映画)

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小学生のときだったと思う。夏休みに入る直前の日のホームルームで、あるプリントが配られた。そこには夏休みを迎えるにあたっての注意事項が書かれていて、たとえば水辺の事故に気をつけることであったり、変な人に>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

青春が遠くなってきた。青春が遠くなるほどに、青春を求めてしまう。大人になって1日のサイクルも決まると、きゅんきゅんが少なくなる。生活で摂取できないからサプリメントみたいに、きゅんきゅんを外側から摂取す>>続きを読む

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