ツクツクボーシさんの映画レビュー・感想・評価

ツクツクボーシ

ツクツクボーシ

国宝(2025年製作の映画)

4.0

間違いなく力作だが、ちょっと長いとも感じた。寧ろエピソードマシマシでドラマでやるべきかも…でもそれだとなかなか芸の仕上がり的に問題がでそう。歌舞伎界の協力なしに成し得ない成果でもあるわけで…。

身体
>>続きを読む

小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜(2025年製作の映画)

4.1

原作既読。(うろおぼえ)それほど綾もなくウェットで父子愛なカンナ・カムイのバックストーリーの映像化は終始シリアスでなかなか難しいだろうなと思ってたら、そこは目端の利いた上手い脚色。反則モノの愛くるしい>>続きを読む

メガロポリス(2024年製作の映画)

4.1

個人的にヒットしてしまった…全く誰にもオススメできないが。黒澤明の「夢」やフェリーニの後期作品並みにどういうことやねん?な話がグズグズ映画。それを言うと宮﨑駿の「君たちはどう生きるか」とどう違うかとい>>続きを読む

JUNK WORLD(2025年製作の映画)

3.8

舞台挨拶付き日本語吹き替え版観賞。

色々「不思議惑星キン・ザ・ザ」のクーみたいなやつとか、クレしんのオカマみたいな敵などオマージュが見られる安心安定のキモカワ世界は色々言っても楽しい。キャラも魅力的
>>続きを読む

赤い鳥逃げた?(1973年製作の映画)

3.5

ニューシネマ的で、即興的で場当たりすぎる展開描写は若さと時代故か。話とか展開はかなり無理矢理でチンケな尻すぼみ感。冒頭の屋上での絵作りや奥さんの素行調査はなかなかの鮮烈さ。フーテンな桃井かおりと原田、>>続きを読む

燈台守(1929年製作の映画)

4.0

自然は厳しいが、映像は美しく揺蕩うような夢幻的映像。冒頭から画面が揺れる…キャメラが恐らく船上にあるから。ハッとさせられるショットやアングルも多く、大変決まったアップの映像は息を呑むほどカッコ良い。主>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025年製作の映画)

4.1

良くも悪くも近年のトム(特に「トップガン」)とこのシリーズの集大成。「フォールアウト」もそうだがクリストファー・ノーラン作品の影響が端々に。実物主義、リアルスタント、ほぼクリーンスレート(「ダークナイ>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

3.8

「永遠に美しく…」「エ〇ファントマン」「キ〇リー」など色々既視感は感じつつ、鮮烈な映像表現は大変見事な一作。まあ、結末なんて土台分かりきっているんですけどね。ショービジネスの華やかさと軽薄さ。協力して>>続きを読む

サンダーボルツ*(2025年製作の映画)

4.0

子供の頃1勝もできなかったサッカーチーム名に由来する「サンダーボルツ」で別に良くないか?態々ニュー✕✕✕✕✕✕✕とか名乗らなくても。ここになだれ込む都合故か悪役がのうのうと生き残る展開はかなり好みが別>>続きを読む

ふしだらな結婚(1933年製作の映画)

3.3

あんま言いたくないが、ベティ・デイヴィス演じるイラストレーターの絵が凄い下ネタ感。(二、三度見せてくる)かなりワガママで嫌な女のはずが、結構そういった面はソフトにされてる感。

ブロンド・クレージー/腕の男(1931年製作の映画)

3.8

プレコードというだけあってこれアリ?な描写がチラホラ。禁酒法は33年まで存在していたらしいので、いやぁ本当に悪い(なんでもありな)時代ですね。暴力系ブロンドヒロインとの腐れ縁な応酬。やったらやりかえす>>続きを読む

It’s Not Me イッツ・ノット・ミー(2024年製作の映画)

3.6

何点でもありだし、分かるとか分からないとかそういった基準も問題外。自作と名作映画とニュース映像などのコラージュで贈る混濁した思考を辿るふらついたエッセイ。ファンのためのボーナスコンテンツみたいな扱い。>>続きを読む

表か裏か(1995年製作の映画)

3.8

最初から最後まで空回りする主人公は美男子でお調子者だけど結婚した元カノへの執着がずっとトホホな感じ。行き当たりばったり感強いのが、ダネリヤ監督らしい。あまり凹まないしバイタリティはあるのであまり悲惨に>>続きを読む

ナースチャ(1994年製作の映画)

4.0

傑作とまでは言わないがソ連崩壊後の社会への風刺がかなり効いたガールミーツボーイで少しファンタジーな佳作。どうしても「僕はモスクワを歩く」を想起する。格差に賄賂、空き巣、マンホールの窃盗そして貧困…など>>続きを読む

ミッキー17(2024年製作の映画)

3.5

ナウシカでもののけ姫で地獄の黙示録みたいな歴史修正版アメリカ建国史?使い捨てワーカーな部分の設定が大分惜しいと感じる。この辺コメディとしてまあまあだけれど、実際の「歴史」を思うともっとハチャメチャに出>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

4.2

現在の規制だらけで教条的、社会主義リアリズムに接近するハリウッドではおよそ奇跡としかいいようのない出来。君はどのオッサンが推し?という感じな「教皇選挙」ことコンクラーベ。レイフ・ファインズの仕事だから>>続きを読む

這いよれ!ニャル子さんF(2015年製作の映画)

3.7

OVA?作画は安定。OPもEDも新規という気合の入りよう。(いつもどおり)なかなか面白い。

ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.0

こんな話だったんだな。「オズの魔法使」はみているので、なんとなくそういえば(!)と展開を思い起こすのだが。ミュージカルパートの歌唱力と物量がもたらす圧と高揚と多彩なアイデアは色々言ってもハリウッドが娯>>続きを読む

この素晴らしい世界に祝福を!3ーBONUS STAGEー(2025年製作の映画)

3.9

OVA2話を2週間限定上映でもこの手のコメディで滑って劇場がお通夜はシリーズの沽券に関わることではないかと思っていたが、しっかり面白くてワラタ。たった52分の特別料金(特典付き)で満足感あるってそう簡>>続きを読む

Flow(2024年製作の映画)

3.6

草や森の植生、水の表現は大層素晴らしくリアリスティック。これ全部Blenderで作ったのか!逆に水面下やワンちゃんたちがアップになるとゲーム画面ぽいレベルに落ちる…。なまじこう表現がリアルになると却っ>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.0

面白かったし良くできているけど、人にはあまり勧めにくいニューシネマな挫折の物語。カンヌは分かってもアカデミー賞??R18指定もあり年齢高めな客層もちょっと厳しい。

正直、前半のアノーラ(アニー)が金
>>続きを読む

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.0

良くも悪くも自分の心に忠実という意味で一本筋が通っている。たとえそれがjerk(自己中で最低)と言われようとも。wシャラメ演じるボブ・ディランは伏し目がちでちょっとふらついた後ろ姿が良く似合う。飲酒喫>>続きを読む

野生の島のロズ(2024年製作の映画)

3.7

自然の表現、その暖かみ手触りに全振りしたような作風。(逆にチラッと登場する人間パートがしょぼい。)プログラム=本能=仕事の図式を打ち破るストーリー。狩るもの狩られるものといった自然の掟は所与のものとし>>続きを読む

どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.2

万感が押し寄せる。本当に「どうすればよかったのか?」。当初のデジカメ映像の解像度的粗さからほぼ現在の画質に至るまで、統合失調症の姉と父母を映像でとらえた記録。本題もそりゃ痛々しく苦しいが、当時の映像と>>続きを読む

ストップモーション(2023年製作の映画)

3.5

創作活動の魔に取り込まれる女の話。ラストは何やねんこれ?肉アニメならシュヴァンクマイエルで間に合ってるよ。

アニメーション作家の母の手足となり作品を「共同制作」するも母が脳卒中で入院のち他界。一人で
>>続きを読む

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.5

貴種流離譚で任侠映画のパターンを踏襲した九龍城塞再現映画。護られるべき普通の人々と場をきちんと作中で描いたアクション映画の大傑作。ほとんど終盤なんてジャンプのバトル系マンガみたいな駆け引き。✕✕の呼吸>>続きを読む

白蛇伝(1958年製作の映画)

3.8

日本初の長編カラーアニメ映画。芸術的作風でありながら漫画映画という呼称の方が割としっくりくる。基本に忠実というか、精緻でなめらかによく動くアニメーション。森繁さんのナレーションはちょっと蛇足だが。

人生劇場 飛車角(1963年製作の映画)

3.9

冒頭台詞が聞き取りづらい。画角の決まったカッコよく陰影の強い画面で、ぱっと見これほんと東映?とも思ったが任侠映画なのでこんなものか。(実録に近い画面の任侠映画もある)逆光でシルエットを見せる出入りシー>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.2

なんというマルチバース展開。これってアリなのか!冒頭30分はこれからやる話の前段にあたるためスキップ不可。人によっては激怒するであろう、存命する神(富野)をも恐れぬ宇宙世紀の冒涜をまさかの公式がやって>>続きを読む

奇蹟(1951年製作の映画)

3.6

短時間で多くの人物を捌いていく手腕はさすがと思うが、中盤あたりからやや失速感。シャルル・ボワイエはいつも通り素晴らしいが。

心のともしび(1954年製作の映画)

4.2

贖罪の物語にハズレなし。「奇蹟」といい冒頭から乗り物ぶん回すんだな。勿論本作の場合は医者志望だった金持ちのクズ(ボブ)がボートで暴走して、事故ったあげく呼吸機先有して持ち主の医者の方が心臓発作で死去と>>続きを読む

トムとジェリー 夢のチョコレート工場(2017年製作の映画)

3.2

トムとジェリーが何故か「夢のチョコレート工場」とコラボみたいな作品。ただしトムとジェリーは脇役。それなりに力入れているミュージカルパートはそこそこ魅せるが圧倒的高揚感というほどのものでもなく、別にない>>続きを読む

ソニック × シャドウ TOKYO MISSION(2024年製作の映画)

4.0

一応ゲーム原作で「子ども向け」であることを頭の片隅に入れておくと、とびきり面白い109分になる!ゲームとしての「ソニック」は友人の家で少しやった位の知識なので、まあほとんどゼロに近い。尚、このシリーズ>>続きを読む

堕靡泥の星 美少女狩り(1979年製作の映画)

3.3

まさかの日活ロマンポルノに「トラック野郎」菅原文太兄が友情出演。

話は出自を呪って悪いことしまくる主人公の、当時は鮮烈だったろう変態金持ちピカレスクモノ。どうかすると佐藤慶ぽい顔なんだよな。耽美と俗
>>続きを読む

アラクノフォビア(1990年製作の映画)

3.2

大体予想通りの流れで進む蜘蛛パニック映画。いきなり数増えすぎだろ!

なんということもない作品だけど、来る来る来ない…やっぱ来る…ホラーモンスタームービーの定番セオリーそのもの。一見何の変哲もなさそう
>>続きを読む

雲のように風のように(1990年製作の映画)

3.8

公式がYouTube無料公開中。

キャラデザが凄くジブリ。どうもドロドロした大人向け作風をつい想像してしまうのだが、皇帝の妃になり三食昼寝付きを夢見る主人公のとぼけた感じが色彩の美しさと相まって爽や
>>続きを読む