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サルトルの「地獄とは他人のことだ」という言葉を思い浮かべながら、他者の他者、すなわち自己の他者性も再認識させられた。
人と人の関係性は、火(依里)と水(湊)のそれと同じように、揺らぎ傷つきやすいものだ>>続きを読む
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"相補性のある世界を望む"
人間はピュシス(自然≒神)とロゴス(理性≒エヴァ)のはざまに生きる、不完全な存在ゆえに自然や他者を必要とし、愛することができる。神との同化を拒み、エヴァに乗らない生き方>>続きを読む
フロムの『自由からの逃走』を思い出した。他者や自己の存在に対する不安や恐怖と向き合いながら、排外主義や全体主義に陥ることなく、ちゃんとバラバラなまま共にあることはいかにして可能なのか、ずっと考えている>>続きを読む
「あの日 私は彼に"声"を奪われた」
その声を奪っているのは、もしかしたら私かもしれない。構造自体が歪んでいる時、無知や無関心もまた差別の原因となりうるから。あるいはもっと直接的に、無意識の思い込>>続きを読む
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ユンヒは、社会の構造的暴力によって、精神障害者にされ、大学進学を諦め、妻になり、母になり、シングルマザーになった。セボムは問いかける。「何のために生きてるの?」ジュンは、一見すると社会的地位のある存在>>続きを読む
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日本のジャーナリズムおよびデモクラシーと比較せずにはいられませんでした。
まず前者について、国境なき記者団が毎年発表している世界報道自由度ランキングによると、最新(2020年)のデータではルーマニアが>>続きを読む
私は水俣病の当事者ではありません。ユージン・スミスも非当事者でした。しかし、彼は闘い続けました。そこで、私の責任について考えました。
責任をとるためには主体が必要です。では主体とは何か。言い換えれば、>>続きを読む
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山水景石が象徴的でした。
冒頭、ミニョクがキム家に手土産として石を贈った際に、チュンスクは「食べ物がよかった」と言いました。ここには価値(交換価値)を重視する富裕層と、使用価値(有用性)を求める貧困層>>続きを読む
湯浅誠さんが「すべり台社会」と表現したように、ネオリベ化した現代社会では経済的排除≒社会的排除を意味します。企業からも行政からも見捨てられ、家族や知人とも分かり合えないファーンが辿り着いたのがノマドと>>続きを読む