あにおさんの映画レビュー・感想・評価

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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

3.5

仄暗く荒い画、押し殺したように抑揚のない時間の流れ、単調で奇を衒いつつも雑なカメラワーク。やってることは20世紀のフランス映画(※あんまり観たことない)と変わらないのに、なんでこう、イモっぽいというか>>続きを読む

ホテルローヤル(2020年製作の映画)

3.2

小説原作と言われてみれば、良書なんだろうなあという雰囲気がしっとり感じられる。が、映像作品としては地味。けっこう色々起きるのになぜだか地味。ラブホという、もうそれだけでドラマが湧き上がってきそうな場所>>続きを読む

これが私の人生設計(2014年製作の映画)

3.7

冒頭からテンションきついわーと思っていたが、奔放に見えて堅実な進行と重たいテーマ、雑で場違いのようでいて絶妙なスルーパスのように仕事するBGM、お堅いドイツ人のような保守的な画の構成。一見とてもアンバ>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.3

わざとらしいほどさりげないさりげなさの演出、カメラワークに凝らないことに凝りまくっている、編集前の生フィルムのような生々しさ、危うさ、安堵感。
周囲からダサいと思われていることに気づいている自分をカッ
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観察 永遠に君をみつめて(2007年製作の映画)

2.6

きもちわるい
純愛…?はぁ?愛が得てして第三者から見れば気持ち悪いものだとしてもだ、これは純粋に気持ち悪いぞ。あまりの不気味さに、執拗に流れる美しいメインのBGMまでもがだんだんと毒を孕んで響いてくる
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.8

古き佳き昭和の彩…ってバチバチの平成ど真ん中やないかい!平成が一昔前になったんだなと感じる令和5年残暑。
この監督が何者とか、PFFスカラシップとは何ぞやとか何も知らないが、稚拙な中にも光るものを感じ
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.5

軽いなあ。そして重すぎる。これをイイハナシダーでまとめようとするイギリス人(アメリカ人?)鬼畜すぎんだろ。
もしあなたが『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズを全く観てなくて、今から3作品観るのはダ
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さよなら歌舞伎町(2015年製作の映画)

3.4

最後まで前田敦子って気づかずに観てたレベルでザ無知オブ無知の視点として。
韓国から出稼ぎとかちゃんちゃらおかしい、いつの時代だよ…と思ったら10年経ってない。それだけでもう絶望なのに、韓国人役と日本人
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

3.6

作者も結末を知らず筆を進めていたら、書き出しと結びでまるで別物になっていたが、まあそれはそれで、みたいな開き直りを感じる作品。正直に言おう、197分は長い。エディターの怠慢である。途中で飽きてきて、観>>続きを読む

風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.3

シュールレアリスム…?エロの流儀も演劇も全く分からんが、なんか嫌いじゃない。ロマンポルノとは何ぞや?という認識レベルであれこれ言うこともできないが、演技はひどいが味があるし、創作料理のようなバランス感>>続きを読む

キャリー(2013年製作の映画)

2.7

もうほんと、びっくりするくらい薄っぺらい。中学生がグループワークで脚本書いたのか?すべての要素の背景的な厚みも感じなければ、それらのつながりもちぐはぐで希薄で唐突。なんか地味だけど構成上重要なシーンが>>続きを読む

夕方のおともだち(2022年製作の映画)

3.6

なるほどわからん。
コミック原作と一切知らずに観始めたが、映像からそこはかとなくよしもとよしともとか黒田硫黄を感じて、調べたら…。つまり原作が透けて見える良作かもしれないし、可能性としては原作の良さを
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目指せメタルロード(2022年製作の映画)

3.6

『ヘヴィ・トリップ』÷『スクール・オブ・ロック』?いや全然違うか。
例えばピアノでたった一音を奏でるのでも、チンパンジーが鍵盤を叩くのとピアニストが押すのとでは全く違った音がでるという。ってどこで見聞
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ヴァイブレータ(2003年製作の映画)

4.3

まーーいかにも評価が分かれそうな作品ではあるが。実録潜入ルポ・ドキュメンタリー風ロードムービーとして出色の出来。ふつうにトラックや無線の話が面白くてしっかり観入ってしまった。2003年とは思えない、昭>>続きを読む

ラブ・テンプテーション 愛とセックスは別物(2016年製作の映画)

3.3

なんの見せ場もない、どうってことない話だけど、このぶった切り方、なんとなく嫌いじゃない。…と一瞬思ったけど、余韻に浸るうちにだんだん解せなくなってきた。なんでそうなる?なんでこんな作品を作った?なんで>>続きを読む

うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.6

浅い、拙い、尊い。いっぱいで、軽い。なにも知らずに流しはじめて、前半は正直観るに堪えないので本当にただ流してたのだが、後半あたりから、もしこれに短編小説か中編コミックの原作があったら良作かもしれないな>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.4

紹介文と冒頭から、ダル重映画かと思って心が元気なときまで観るの延期してたが、そんなときは永久に来ないことに気づいて意を決して観てみたら……。
適度な脱力感がカメラ用スタビライザーのように感情の揺れを見
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

2.6

もし子供に「蛇足ってどういう意味?」って聞かれたら、原作に対する『青い車』『茄子 スーツケースの渡り鳥』の映画、『明け方の若者たち』に対する本作のこと。と伝えればだいたい理解してもらえると思う。
まあ
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.1

冗長。だるい。切ない。でっていう。タイトルが微妙。異能バトルは日常系のなかで。
10年一昔とはよく言ったもので、今まで10年前は“最近”だと思ってたけど、大した演出もないのにすごく時代を感じた。これを
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ヒッチャー(2007年製作の映画)

3.3

リメイクだったのか…オリジナルを知らずに鑑賞。いろんな意味で期待を裏切ってくれる作品。たいていは悪い意味だが…。
そうはならんやろ感が適度で、呆れるのと笑うのと見入るのと、程よいバランスで楽しめる良B
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.6

異次元の少子化対策(違
観る人と観る時代によっていろんな存在価値を持ちそうな作品だが。この空気、ライティング、テンポ感、かなり好きなのだけど、残念なことに、この作品をじっくり味わうにはブラックユーモア
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ロスト・ボディ ~消失~(2020年製作の映画)

3.4

精巧に作り込まれた良作ではあるものの、いまいちインパクトが薄い。なぜなら、同じ系統・手法・空気感の作品が巷に溢れてしまっているから。比べるものではないにしても、それらをそんなにたくさん鑑賞していない私>>続きを読む

激突!2015(2015年製作の映画)

1.6

これはひどい…笑!笑撃のサイコ♀ドライバー映画。次々に発現する謎の後出し特殊能力、都合よく訪れるラッキースケベ展開の連発…(この映画の内容とは一切関係ありません)。
小学2年生が書いた、「ぼくのかんが
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

なんだこれ、かなりいいぞ…。例えるなら、6年後に歴史に残る名盤をリリースするバンドがインディーズ時代の集大成として出したアルバムくらい、いい。
時間の流れの描き方が薄いのが惜しい。いや敢えての演出かも
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リベンジ・スワップ(2022年製作の映画)

3.4

どす黒いそれをビビッドな絵の具で塗り固めたほのぼのストーリー…かと思いきや、大どんでんシーソーゲーム大会に。
かの国の高校の文化が(この手の映画で知識としては見てても)実感としてつかめてないせいか、入
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アンハサウェイ/裸の天使(2005年製作の映画)

3.7

全人類の51%がアン・ハサウェイの裸体目当てに観て、そのうち100%が己の浅はかさに懺悔する作品…かと思ったが、この低評価ぶりを見ると懺悔したのは5%程度か。
稚拙な感じは否めないけど、純粋で、嘘っぽ
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シニアイヤー(2022年製作の映画)

3.3

ハートフルコメディ…だと思うけど、ハートフルさ☆3つ、コメディとしては☆2つ。設定とかが雑すぎて(コメディにそういうのは必要ないにしても)内容に集中できない。
これはレベル・ウィルソンにとって「ウミ出
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ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.0

悪趣味な映画が好きな幼稚なオトナのための映画。まあ、こんな映画を作ろうと思い立っただけでもすごいのに、実現させてしまう人々に乾杯。いや、わりと好きですけどねこういうノリ。けども、手放しで楽しめるほどの>>続きを読む

パッケージ: オレたちの"珍"騒動(2018年製作の映画)

3.2

なんつうか…笑えないギャグという感じ。役者とか演出とかはなかなか、いやかなり良いんだけど。ジャンルはぜんぜん違うけど『タッカーとデイル』とかが生み出されるあたり、かの国の人と私ではエンタメに関する感性>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

4.3

クッソくだらないテンプレラブコメとクソダサい80'sサウンド、痛々しいカリオキミュージカルというかフラッシュモブ。けちょんけちょんにけなすことで溢れる愛を伝える。唐突にジャギュアFタイプ(※クルマ)が>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.7

画面を通り越して空間に充満する狂気と、白夜&白い衣装との対比。ホラー=夜、暗いという定型文を逆手に取った、ぜんぶ見えている恐怖。添えられる鮮やかな色彩は『シャイニング』のそれ。
…いやこれホラーなのか
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ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実(2018年製作の映画)

3.4

立川直樹×ピーター・バラカン@シネマシティ。
レノンの知られざる(コアなファンは知ってるのか?)生い立ちを見るにつれ、心の中にとても複雑な思いが渦巻く映画。非常に興味深い内容なのに少し退屈も感じたのは
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観察者(2021年製作の映画)

3.7

どんでん系映画としてはまずまずの出来。最初から匂わせ演出全開だが、「まあそうなるよね~」からの、「そうきたか…ふむふむ」からの、「えっまじで?」からの、「そうはならんやろ」と、バラエティに富んだ驚きを>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.6

立川の某映画館贔屓の私は、TOHOシネマズの音響(とあと椅子)が最悪すぎて映画に集中できんかった。。二度と行かねえ。
それは置いといて内容は…。韓国の世情には明るくないが、まんま『万引き家族』だよね(
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

3.7

どうってことない凡庸なシナリオを、見事な演者と演出と映像で飾った凡庸な秀作。『あの頃ペニー・レインと』『ピンポン』と並べると100歩劣るが、バレエという取っ付きづらい題材をポップに描いた構成は身震いす>>続きを読む

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)

3.8

天使の羽根を持つ悪魔か、悪魔の尻尾を持つ天使か。穏やかで、憂いを帯びつつ、狂気を秘めたようなトビー・マグワイアの瞳が、観る者をじりじりと深淵へと引きずり込む。
結局おまえ疫病神なんじゃね?と思いつつも
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