鉄艸芳生さんの映画レビュー・感想・評価

鉄艸芳生

鉄艸芳生

映画(80)
ドラマ(0)
アニメ(0)

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

良すぎる。演出、脚本、雰囲気、舞台全部最高。
後半はだれるけれど、ここまで嫌なものを突き詰めて見せられる感覚は稀。とくにドアガンナーのシーンはヤコペッティぐらい嫌だ。
インドア派でオタクくんな自分は、
>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

3.8

良作。
軽いタッチで気楽に見れるが、そもそも題材の面白さやそれぞれの家族への思い、仕事への向き合い方が感じられるところがよい。
さかなのこよりもこっちのがいいじゃん。

キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

シスターフッドモノ大好き!
特に捻りのない王道ストーリーだけどやっぱり何かに挑戦する物語は素晴らしい。こう言うのでいいんだよって感じの映画で、ありつつも、ありかちなのとは正反対の方向で見た目で評価する
>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

いいと言う話は聞いていたので今更視聴。あれ、なんか微妙じゃねこれ。

自分はヤクザものは大好きで結構見ているけど全体的に善悪のラインがあやふやだった。
シャブ売らなきゃいいの?ぼったくりバーはいいの?
>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.8

ドキュメンタリーで一番好きな作品。
奥崎は明らかに異常者で、その時点で最高に面白いのだけれど、だんだんとその異常さを媒介に過去の戦場が浮かび上がる。
私は20代なので勿論戦争体験はないのだけれど、そん
>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃいい映画。
見ることの暴力性をジョーズを使って描くのは本当に上手い。
映画への愛と静かな憤りが全体を貫いている。
ストーリーラインが面白いB級映画まんまなのも最高すぎる。
見やすいのに深い
>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.0

2点はミレパの音楽と小気味いいテレビアニメ風演出に。
あとは0点のひどい映画。
ストーリーラインのメチャクチャさは勿論、一番残念なのはネット観のスカスカさ。
まず、デジモンからそのまま撮ってきた格闘ゲ
>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

批判もわかるが大好きな映画。
特にグランドエスケープのシーンは最高すぎて何度も劇場に足を運んだ。
きっとこれはセカイ系の否定だと思う。
0年代的な個人主義、心情主義でもなく、大人な全体主義でもなく、心
>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

官僚がかっこいい時点で高得点つけてしまう。サイコー!
日本で一番長い日ペースでゴジラに対処していくのが面白い。
米軍へのどこか信頼できないという日本人の心情をうまく描いているなぁという印象。
映画では
>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

アニメどころか戦後政治邦画の大傑作。
日本人の複雑な劣等感と暴力装置たる自衛隊のいじらしさがこれでもかと出ている。
色々とツッコミどころも多い(特にしのぶさん周り)けれど面白いアニメだと思う。

イノセンス(2004年製作の映画)

3.2

まあ映像はすごいけど怒涛の引用ラッシュで笑ってしまう。
結局人と人形の違いはみたいな話なんだろうけどまたそれかって感じ。
ストーリーはかなり薄い。

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

すごい映画を見てしまった…
勿論子供の頃見てたんだけどこんなやばい話だった記憶がない…
狸の化学とアニメの化学反応は最高で百鬼夜行の名シーンは勿論、動物の一つ一つの演技が凄まじく描かれている。
きっと
>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.4

もう最初の設定が最高。
どっちの気持ちもわかるのがまた辛い。
戦争が一番大きいけれど、人同士の諍いってこういうものだよね。

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.7

めちゃめちゃいい終わり方。
めんどくさいことになってくるトラブルもの大好きだし、一人一人の登場人物が存在感と多面性をもってるの最高。最後には普遍的なメッセージがある。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

1.9

予告以上の恐怖とか展開、要素はないかなと言う印象
弟周りが色々雑で気になってしまった
昔のmv見るところは良かった

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

とにかくのんの演技が最高だった。
ただ、他の部分は正直そこまで絶賛されるほどか?と疑問符がつく。
中盤のギャグシーンはよくあるメジャー邦画レベルだし、母親の主張がゆたぼんそっくりでちょっとノイズ。それ
>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

ラストのあっけなさがとにかく良かった。
全部等身大に描かれていて、詳しくないけれどフィルムの感触がそれにマッチしていた。
ただ、退屈に感じる人もいるだろうなぁ…とは思う。

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.8

たけしが良すぎる。
当時の日本人らしい維持の貼り方、声のデカさとそれが崩れた時の演技。
戦争っていう異常事態は色々なものを覆い隠して踏み躙ってしまう一方で、その極限状態が人間の根底にあるものを純粋に映
>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.4

胡散臭い早口の有能が出てくる映画はもう評価するしかないんですよ…!!
男ってのはどうしようもなくこういうのに惹かれちまうんだ…
映画の構造自体も非常に巧妙で唸るしかない面白さ……!!

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

テーマからワンアイデア映画かと思っていたが細かい演出が傑出しており、今回長編デビューの監督の力量を感じさせる丁寧な作りの映画だった。
冒頭の襲撃の部分は、1発で障害者施設の事件のことを想起させ、また敢
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

バチバチに良かった。
それぞれがウソンのことを想ってバラバラの行動を取り別々の道を歩くけれど、あの瞬間は確実に家族だった訳で。
いい人なのに一線超えてしまう難しい役は、ソンガンホ以外に考えられない。ソ
>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

粗もあるけど普通にいい映画だった。
とにかく芦田愛菜の演技がいい。
オタクものにありがちな嫌な陽キャが出てこないところが素晴らしい。
オタク趣味が一般化したことのなんとなくの寂しさは死ぬほど共感したし
>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

坂本裕二脚本作品ということで鑑賞。
すごい映画だった。
恋愛の始まりから終わりを丁寧に描く様は圧巻。坂本らしい楽しい会話は感じられるものの、ドラマとは違いきちんと映画向けにチューンナップされていること
>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ドライブマイカーの監督ということで無条件で劇場へ。やっぱり、めっちゃ面白い!
この監督の特徴は会話劇の面白さとその会話を通じて観客を巻き込み何か、を起こすことだと思う。
第一話とにかく面白い。浮気して
>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

今年ベスト級
美術、演技、脚本、演出全てがハイレベル
最後のハッピーエンド風絶望感マシマシ展開が印象的だった
ラストシーンの表情は果たして絶望か希望か…
姑もかつての性被害を話すシーンは虐げられたもの
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

公開当時、劇場で視聴したが、最近見直した。
当時はキンコメまんまじゃん?と思っていたが福祉の重要性や、弱者の叫びがより鋭くなっていることに気づき認識を改めた。
勿論、ホアキン・フェニックスの演技は最高
>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.3

重いテーマなのに爽快感がすごい!
エンタメも抜群で楽しく見れるのに、ちゃんとテーマを軽薄化させずに描いているのはさすがスパイク・リー

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.7

最高すぎる!
女の子!殺陣!ギャグ!
アクションシーンはもちろん日常の会話も楽しくて、画面にずっと高級感のある作り。正直邦画でこんなアクションを見られるとは思っていなかった。
監督が若い方なのもあって
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

DUNEに触れたのは今回初めて、結論から言うとめっちゃ好きな設定だった。
原作版ナウシカ+スターウォーズと言った感じで皇帝が支配する封建主義社会と一領主の後継者のSF政治戦争、スケール感がすごい良い。
>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.9

現代版火垂るの墓。
普段見ないようにしてるイヤーなものを全部煮詰めたみたいな映画だった。
よしおが働けばいいじゃんって感想は清太が我慢しろよ!と同じような気がする
貧乏人が自由に生きるためには色々なも
>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

これは一言で言うとポスト青春映画。
馬鹿馬鹿しくて、美しい可能性に溢れた青春の日々と、その象徴である佐々木。
そして、現実のどうしようもなさも現実の佐々木が象徴している。
我々は過去に耽溺してはいけな
>>続きを読む

>|