にしのさんの映画レビュー・感想・評価

にしの

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ブラック・ジャック(1996年製作の映画)

3.2

劇画にしたらピノコが浮いちゃう!
科学とヒューマニズムと説教臭さの融合だけど、うまく混ざっている。

Pearl パール(2022年製作の映画)

2.5

狂人の心理はウジの湧いた子豚くらい直視しがたい。

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.2

ロシアで上映禁止の作品。
戦争で生まれた英雄、子ども、友情は軒並み死に絶え、その傷をもとにひどく歪な形で戦後が始まる。戦争が生み出した傷に勝利も敗北もない。

対峙(2021年製作の映画)

4.0

殺された子どもの親にも、殺した子どもの親にもあるべき振る舞いというものがあって逸脱は許してもらえない。その制約を超えた心の対話はなんと難しいのだろう。果たして自分がそんな立場になったら事態にどう向き合>>続きを読む

戦火の馬(2011年製作の映画)

4.0

スピルバーグの映画って何食べてもおいしいレストランに似ているね。

赦し(2022年製作の映画)

3.8

法の話であるより、パワー系モラハラとメンタル系モラハラが女性の考えの自立を妨げる様子が描かれていた。藤森のモラハラ演技がリアルすぎる。笑

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.0

ゴブリンみたいな金正日やテンプレート悪役な課長など北朝鮮というよくわからん存在が割とめちゃくちゃな描き方だったけど、そんなのリアルに描写されたところで…という気もする。作られた時期によって政治的な風っ>>続きを読む

リボルバー(1988年製作の映画)

3.5

リボルバーの発射装置のようにまわる人間模様。みんな憎めなくて、なんか好き。

希望の灯り(2018年製作の映画)

4.5

資本主義がもたらした巨大スーパーという箱庭の中で働く人々の幸せと不幸せの話。
この箱庭は東ドイツのメタファーであって、どこへも行けない閉塞がひしひし感じられつつも、仲間と仕事がある幸せを噛み締める。そ
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ぼくの家族と祖国の戦争(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

善を語るが安いが、なすことがいかに困難かということをみっちり教えてくれる。
移り変わるセアン少年の視線がとてもよかった。
ラストの家族の誇らしげな顔はしばらく忘れられない。

反撥(1964年製作の映画)

4.0

フォビア〜。
当たり前として世間にまかり通っている蚊のような不快感でも、そいつ見つめ出したら心の調子を失うという教訓めいた話だった。腐っていくうさぎの丸焼きが全てだね。

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.0

セリフよりもドラマで彼の行為の危うさを描いている。
主人公の青年は神父ではなく咎人だったけれど、彼が村にもたらしたものは信仰そのものだった。

儀式(1971年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

爺さんの肥大化した自己をイエと申すのだね。この世の格式ばったお人形遊びはあの一人結婚式に集約されている。気味が悪い映画だった。

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.5

成人した男からすると気持ち悪いのオンパレードを見た気分でちょっと笑っちゃうけど、未成年を取り巻く状況とすれば笑えない。ネット空間は空気の酸素くらい変質者が溢れているのだね。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

憂鬱や孤独を吹っ飛ばすためのバカンスでそれらがより一層深まる気持ちがよくわかる。未来に進む娘と閉塞した父(父親ってイメージよりも老けた若者が近い)が同じ時間を過ごすのは残酷だ。

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.5

孤独者のための映画。集まりで知り合いとしか喋れない場面や、酔ってないと自分の心も欲も解放できないところや、立ち飲み屋に吸い寄せられるあたりのショットはめっちゃ共感する。

疎外に耐えかねた彼女は憎悪に
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

3.0

汚れなき祈りを観て、なんか既視感あったけど昔見たこの映画の監督だった!いつ見たのか忘れた。最愛の人に伝わらない気持ち、実らない献身、冷たく閉ざされた社会。実に嫌なもの見せてくれる。

汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.5

メンヘラvs限界教会の関わりたくないもの同士の戦いが描かれていた。神は誰にも微笑まない。

教誨師(2018年製作の映画)

3.5

主人公ととある死刑囚の対話がロシア文学みたいで好きだった。質の異なる対話を詰め込まれるとくたびれる…

テイキング・サイド/テイキング・サイド ヒトラーに翻弄された指揮者(2001年製作の映画)

4.0

ドイツの戦争犯罪は誰をナチにするかという問題に付きまとわれた。ベルリンフィルのトップ指揮者と彼を断罪しようとするアメリカ軍人のやり取りは個人を超えてドイツ人の姿勢に対する断罪のように聞こえる。

ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.0

1人のサイコパスが観客が予想していたお約束の展開を破壊してしまった。アナーキーな映画だ。

ソローキンの見た桜(2018年製作の映画)

3.0

日露関係がこじれるほんの少し前に作られた映画。これからはもうこういう合作は無いのだろう。
こういう映画はたぶん関係者のあーやこーやがあるから綺麗だけどすぐに忘れるものになってしまう。
ロシア人の手紙の
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海難1890(2015年製作の映画)

3.0

世界は悪に満ちているから、善の儚さについて感動を覚える。

NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE(2004年製作の映画)

1.5

劇場で観てもつまらない映画が存在することを分からせてくれた記念碑的な作品。

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.0

愚かものだらけだけど、仮に彼らが賢者だとしても詰んでいるのでは?と思う設定。環境問題と人間の現状に似ている。

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

あの塔のデザイン自体が恐怖で、夢にみそう。ただ、トップよりも真ん中の方が怖いと思うのは僕だけでしょうか。

テケテケ(2009年製作の映画)

2.0

いい映画が続いていたので、お口直しにコース料理のラストにうまい棒めんたい味を食べる気分での鑑賞でした。

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.5

こんな綺麗な映画が見られるなんて!
70年経ってもお役所仕事は同じようなことが続いているけど、課長の生きた姿は確かに日本のミスターゾンビに届いたよ。
いつも死を感じながら日々を生きたら少しすらっとなる
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

死者に囲まれた生活にありながらそれを存在しないように振る舞い、形式的でつまらない生活を取り繕う様子は見方によっては喜劇になり得る。
これがボルシェヴィキであれば自分を取り巻く大量殺戮をヘーゲル式に公共
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

羅生門みたいな話かと思ったら、全然違った。決闘を主軸にしつつも、マルグリートの視線を通じた男のプライドと所有によって都合よく作られている世界が見所だろう。決闘の結果はカルージュの名誉とル・グリの不名誉>>続きを読む

エリザベス(1998年製作の映画)

3.5

史劇に思わせたゴッドファーザーだった。
人が権力そのものになるには人を捨てねばならない。

学校の怪談4(1999年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんか松之助師匠が成仏を先送りにしてるシーンが泣けてくるの。共感なのかね!

湖の女たち(2023年製作の映画)

3.4

世界は美しくてもその中の人が美しいとは限らない。