ナチスSSとして加害者側にあった者たちのアーカイブ。かつては恐怖の象徴だった彼らも老いぼれてしまい、逃避の世界と青春を捧げた良い思い出の世界に浸るしかない。加害者はすぐに忘れたり偽りを信じこんだりしや>>続きを読む
映画よりかサスペンスドラマ。沸き立つものが人を不幸にするのはたぶんわかっちゃいるけど、仕方ないよ。沸き立ってるのだから。
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見よう見ようと思って15年以上放置していた作品。伝説の割には一人相撲が多いし、よくあるヒロイズムに終わったラストはあまり好きでない。
サリンジャーの作家性にスポットした作品。彼が生きていた時には許されなかっただろうね。
必ずしも決めることが幸せとは限らない。
何者でもないということは何者かになることができるということであり、それはシンデレラストーリーみたいな幻想的なものでなくグロテスクだ。
2人が通じ合った関係性と周辺から浴びせらる不快の目の数々、両方わかる。単純じゃない。美しい2人の世界とそれを阻む醜い世界って型にハマった感動だけど、それじゃありきたりだ。美化が除かれているぶぶんがとて>>続きを読む
ナチ犯罪のきりのなさへの法の無力を感じながらも、それのできる範囲での最良を見た。
今の自分から逃げたいし、逃げた先の新しい自分からも逃げたいかもしれない。人間にはいろんな顔とそれに紐づく何かがあるけど、本当のところは何者にもなれない。
つまらない世界に中指立てた先の世界もつまらないのではないか?
ARATAのこういう役好き。
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人の心には誰しもザンパノみたいな酷いやつがいてさ、そいつがせいでよかったものがダメになったり大切な人が去ったりしてしまう。だから、ラストシーンの打ちひしがれたザンパノの涙は彼のものである以上に、観客の>>続きを読む
傷ついた女性にはクソみたいな男が寄ってくるとはよく聞く話だけど、その極み。
「どしたん話きこか?」の解釈としての映画であろう。
白熱を脇汗でわからせてくるのすごい。INTJってたぶん8番の男みたいな人なんだろうね。
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久々に満点の映画を見たようだ。
対ナチ闘争の緊張、社会主義下の暮らしでも、いついかなる時も陽気な音楽と踊りと宴会は味方してくれる。しかし、隣人同士が敵味方になって殺し合う内戦だけは血と殺しの音しかない>>続きを読む
それなりにおもしろい…??ひっくり返したらびっくりした。映像以上にセリフが全部チープなのもみどころ。
空白と虚無の中をただ死んでいく中の世界に人を爆発させるタネは散りばめられている。偶然と偶然と偶然がコラージュされたら、こういうものになる。
NHKが作りそうなドラマと黒沢清が歪にくっついていて、とても変なものを見た気分になった。
構築が過ぎるって思うけど、サスペンスってそんなもんかなとも思う。この映画を観て「生活保護について考える機会になりました」なんて感想を吐く人間にはなりたくない。
この手の映画はめちゃくちゃ期待値低いから、終わって嘆くのが楽しみなのもあって観るのだけど、予想を裏切ってかなり良かった。今まで観た〇〇犯の中でいちばん良かったのではなかろうか。
虚無の支配下でルサンチ>>続きを読む
戦争のもたらす破壊に感動やドラマはいらないって思っているからこういう構築された物語はどうも合わない。
砲撃と狂ったイデオロギーと敵が誰なのかわからない無秩序の中での不条理で無意味な死、いきがり、人間の>>続きを読む
脈絡のない笑顔は未来世紀ブラジルのラストみたく怖いもんだけど、これが主人公の精神の病が見せている光景だというのが一般的によくあることだ。
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途中で眠くなったのは宇宙線を浴びたからなのか…!
ラストシーンがニューヨークだとするなら、彼らは地球を目指す宇宙人ということになる。すごい叙述トリックだ。あっぱれ。
彼らが別の星を目指す理由が明らかで>>続きを読む
どこでもスパスパタバコ吸ってた時代の話。アニメにはあるまじき邪悪な敵を見てしまった!劇場で観てよかったと思います。
タバコと雪と写真にまみれた人間を描いた作品。観光地にはしゃぐ旅行は嫌いだけど、旅はいいもんだね。
戦争映画は愛国映画か反戦映画のどちらかに振れてしまうから、それを乗り越えるような作品が観たい。