このレビューはネタバレを含みます
ゴーリキーのどん底に出てくるような人の話かと思っていたらそんなことなかった。
おそらく自由意思でなく疎外されたものたちのお話で、夢を持ちながら日々を支えあって暮らしている。みんな満たされない自己がある>>続きを読む
時代を描くのと人を描くのの秤は難しいと思う。悪役のアイツは、負の要素を詰め込んでいて良かった。
好きの最中に嫌いになっていくこともあって、でも寂しいから一緒にいるだけで、たぶんそれは恋でなくって。身近な人間にテルちゃんとマモちゃんとスミレさんとヨーコとナカハラくんを当てはめてにやけている僕は少し>>続きを読む
美しさと惨さが交錯する。僕は惨さの側にあるはずだ。自然科学も戦争の力学で道具になる。
水の中から見たシンクロが滑稽なように、きらびやかな人間関係の裏には滑稽な動きがある。
よくわかってないことをわかってるふうに書こうとするからこんな酷いもんができる。
映画が人生うまくいかねーよなーって漠然とした気持ちに寄り添ってくれた。明日からもたぶんうまくいかんけど、がんばろ。
こういう作品好きだけど、どっぷり浸かると失われたもの、存在しないものを追い続ける幽霊のようになってしまう。割と早いとこ成仏します。
現代の社会病理として描かれているけど、周辺によって作り上げられた虚像によって自身が食べられてしまう恐怖は普遍的だと思うよ。
最後のお星さまの現代人への警句は1番のホラーだと思うよ。
キリスト教道徳の古めかしい話の中に、ハリーというサイコキラーが光る。こいつだけ古めかしさがない分、不思議な印象だ。性的不能者は性行為の代替にナイフを使うと聞いたが、ハリーもおそらくそうだろう。彼の精神>>続きを読む
どこかで見たようなホラー作品を不思議な劇場をメインにオムニバスにしている映画。金太郎飴みたいなホラー作品への風刺を感じればいいのかなぁ
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サイコな自分より社会がサイコだった。サイコな自分が優しい無関心で社会に迎えられたとき、パトリックはそれに調和するのか、それとも嫌悪し破壊するのか、ラストシーンが印象的。
主人公の共感のない孤独に共感し>>続きを読む
ダンテの神曲なんだと思うけど、主題が難解すぎる気がする。無心論者には天国の門なんざ不要さ。
メトロポリスちいかわ世界説を推します。
ヒューマニズムに含みを持たせた終わりが良い。
ナチ収容所をユダヤ人のホロコーストとしてではなく、スペイン共和派の収容者(スペイン共和派の捕虜は無国籍者として扱われた)の視点で扱った珍しい映画。政治犯、刑事犯、残酷な囚人長、ナチスが混在する空間は暴>>続きを読む
聾唖の寄宿舎の族たちを舞台にした音はあるけど言葉のない映画。それでも、環境音と身振り手振り、表情がすべて意味をなしているから、世界に言葉はいらないじゃないかという気がしてくる。
トルチョックとセックス>>続きを読む
どこにも居場所のない連中がふわふわとしたままライ麦畑から落っこちる話。ヒッピーみたいに大地と精霊に根付いたフリもできず、保守的な街にもいられない。デカすぎる孤独を疎外と呼ぶのだね。ラリってる瞬間だけが>>続きを読む
一人一人の小さなドラマは戦争の下ではなんと無意味なものだろう。
残るのは死体と半分におられたドックタグだけ。
人民を踏みつけている社会との戦いをやる男たちも女を踏みつけている。フェミニズムは闘いの歴史なんだな。
自然科学は政治や社会と違って嘘がないが、それを操る人はそういった中に存在している。