似太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

桜の代紋(1973年製作の映画)

4.5

【運命の逆転?😅】

若山兄貴のマッチョな活躍ぶりが堪能できる三隅研次監督によるニューシネマ風のアクション映画で和製『ダーティハリー』と言うべき作品。

誰がどう見たって主役の若山富三郎の方が遥かに極
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怪談お岩の亡霊(1961年製作の映画)

4.6

【恨めしいッ!】

加藤泰監督らしく虐げられた女の情念が強く押し出されたホラー作品。中川信夫監督の『東海道四谷怪談』と双璧のお岩さんモノの秀作。👻

主演の若山富三郎のふてぶてしい存在感も一見に値する
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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

4.6

【大正探偵】

驚異の大正ロマンmeetsフリークスによる猟奇&お色気+ギャグ世界。石井輝男のヘンテコ趣味が炸裂した現在もカルト的人気を誇る謎解きホラー作品。🔑

江戸川乱歩の原作小説(『パノラマ島綺
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やさぐれ姐御伝 総括リンチ(1973年製作の映画)

4.8

【股間で体感する】

🌺女博徒、猪の鹿お蝶の活躍を描く東映ピンキーやくざ映画の第二弾。監督は鈴木則文から石井輝男に交代。冒頭の対決シーン(おっぱい丸出し)からテンション上がりまくり。🔥

⛴異国情緒感
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不良姐御伝 猪の鹿お蝶(1973年製作の映画)

4.8

【SEX!SEX!SEX!】

凡天太郎原作の劇画をお下劣映画の巨匠、鈴木則文監督が堂々映画化。🌺

女博徒、猪の鹿お蝶を演じる池玲子のダイナマイト・ボディが全編に炸裂する東映ピンキー路線の任侠もの。
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新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

4.7

【ニンゲンって、何?】

駄目になる前の三池崇史作品は、ホント〜に勢いがあった。どちらかと言えばVシネ枠なのに画面構成が的確で、細部に渡りとことん映画的。

深作欣二『仁義の墓場』のリメイク(なのか?
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仁義の墓場(1975年製作の映画)

4.6

どーしよーもない不器用な男の生き様…。主演の渡哲也演じる凶暴&哀愁漂うヤクザ=石川力男の破滅していく姿にシンパシーを覚える昭和の劇。

孤独な男の一生+カタストロフを綴った任侠映画史上に残る名編でもあ
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.3

【可能性としての戦後史】

深作欣二監督✖️笠原和夫脚本による全く異なったアプローチから描くもう一つの『仁義なき戦い』。県警とヤクザの癒着・軋轢などが濃厚に繰り広げられる、昭和のバイオレンス巨編。
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.6

【名声】

よっしゃ〜!!とうとうレビュー1600本目突入だ〜!!!。😹記念に『サンセット大通り』の感想を書こうかな?🎥

むかーし、東京12チャンネルでやっていたのをVHSに録画して観た一作。グロリ
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フライト(2012年製作の映画)

4.3

✈️ロバート・ゼメキス監督はトム・ハンクスとのコンビも良いが、デンゼルも…!といった非常に男っぽい趣向のヒューマン・ドラマの快作となっている。

👨‍✈️イーストウッドの『ハドソン川の奇跡』とは全くベ
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

4.3

BTTF三部作同様に「時間に間に合わせる事」をテーマとしたロバート・ゼメキス監督お得意のサバイバル映画。孤独や精神的疲労との闘い…。

主演トム・ハンクスによるもう一つの『ロビンソン漂流記』と言うべき
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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

5.0

💡BTTFの完結篇。ドク(エメット)と恋に落ちるヒロイン、クララを演じたメアリー・スティーンバージェンが可愛い。😍

🌵今回の舞台は西部開拓時代。マーティは相変わらず腑抜けのままだが、悪役ビフの先祖と
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.5

💡BTTFの二作目。今回は未来へ行ったり過去に戻ったり何かと忙しない展開。ディストピアものみたいな趣向も見られる異色編。

💸悪役ビフ・タネンがとにかく憎たらしい存在感を発揮している。セルジオ・レオー
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

5.0

💡子供の頃から何度もVHS(日本語吹き替え版)で繰り返し観たタイム・スリップ青春コメディ。おっちょこちょいな主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)がかわええ。

💡よく考えてみれば『フォレスト・ガ
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アメージング・ハイウェイ60(2002年製作の映画)

3.7

【ドラえもん】

🇺🇸🍔『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の脚本家ボブ・ゲイルが単独で監督したアメリカン・ドリーム体現もの。

何も考えずひたすらにポジティブな夢追い人を描く某シリーズとほとんど同じよ
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

4.3

🤖怪しくもスピルバーグの『宇宙戦争』と同年に公開された三部作の完結編。アナキンがダークサイドに堕ちてダース・ベイダーになるまでを描くジメジメした暗い雰囲気が特徴でもある。

🌋とにかくCGの濫用が良く
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

4.2

🤖おれが『スターウォーズ』三部作を劇場で鑑賞するのは本作が最後、この二作目まで。前作より宇宙で大暴れするシーンが増えて青年アナキンとパドメとの恋愛模様も楽しめる好編。

悪役ジャバ・ザ・フェットの父親
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

4.0

🤖小学5年生のとき、田舎の実家に帰り家族みんなで観た『スターウォーズ』第一作目。公開当時は賛否両論あったが私は好きだった。

🚀なぜかコロコロコミック誌上でコミカライズされて子供向けの漫画にもなった記
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ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

4.5

相米慎二の十八番である超長回しが冴えるダーク・ジュブナイルもの。

現実感がほぼ皆無でファンタジックな雰囲気が強く押し出されており『台風クラブ』ほど陰惨ではないが、やはり若者のイライラや暴力衝動を扱っ
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

4.6

🔪長谷川和彦=ゴジのデビュー作で中上健次の小説『蛇淫』を映画化したもの。親殺しをテーマに取った、タブー描写がもの凄いインパクトのある作品。

🔥母親役の市原悦子の体をバラバラに解体して浴槽に放り込む凄
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犬死にせしもの(1986年製作の映画)

4.5

あら?皆さん随分評価低いようですけど、これメチャクチャ面白くなかったですか?

井筒監督らしくバイオレントでアナーキーな青春群像劇。神代辰巳の『宵待草』とか藤田敏八の『赤い鳥逃げた?』みたいな疾走する
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ガキ帝国(1981年製作の映画)

4.6

【天下取ったるでェ〜!】

井筒和幸の真骨頂で『パッチギ!』の原点。関西地区に住む不良少年たちと在日コリアンによる喧嘩をエネルギッシュに描破したATG映画。

日本映画界の暴れん坊、井筒のおっちゃんの
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スローなブギにしてくれ(1981年製作の映画)

4.5

【お前が欲しい🍷】

浅野温子主演の角川映画。バイクに跨った古尾谷雅人さんもイイし、山崎努のオジ様もなかなかのダンディーである。出てくる男が皆、ジコチューで気持ち悪い。(笑)

こういう若い男女カップ
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ナンニ・モレッティのエイプリル(1998年製作の映画)

4.0

【映画というよりエッセー☕️】

🇮🇹98年に公開されたイタリア映画でロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』に負けた映画。まあ、それも無理はなかろう。(笑)

かと言って決してつまらない
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ファンシイダンス(1989年製作の映画)

3.7

【坊さん修行?😙】

昔レンタルで借りて観たのだが周防正行とあまりウマが合わない?演出のあざとさとクセの強いストーリー展開に辟易した青春コメディ。原作が岡野玲子って時点で終わってる。

主演の本木雅弘
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色暦女浮世絵師(1971年製作の映画)

4.7

曽根中生の本格デビュー作にして怪作。過激だが愛嬌のあるSEXシーンの連続で、女浮世絵師の孤独な復讐をネットリしたイタリア映画のような画面で綴ったロマンポルノ。

レイプ魔の人、怖すぎ…。でもなんか笑っ
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現代娼婦考 制服の下のうずき(1974年製作の映画)

4.7

原作は荒木一郎による漫画で、監督は曽根中生。日活ロマンポルノの異色作。徹頭徹尾ハードボイルドな作風。😎

同じ血が流れているのに全く別々な生き方をしている姉妹のドロドロした愛憎劇が展開され、当時の精神
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恋人たちの時刻(1987年製作の映画)

4.2

【貧困層の描写が…】

アイドル映画の巨匠澤井信一郎監督作。このサイトでの評価は低いが、丁寧に男女のワケあり話を綴っており好感の持てる演出。まさに職人技ですね。

個人的には同じ荒井晴彦脚本の『Wの悲
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浮草(1959年製作の映画)

4.7

【辛酸舐め郎】

小津さんの戦前作品『浮草物語』のセルフリメーク。大映配給。主演の中村鴈治郎がまさに適役。小津作品にしては熱情の迸ったドロリとした感触のある映画。女に向かって怒鳴り声を上げるシーンが「
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稲妻(1952年製作の映画)

4.7

【私の歩み方👩‍💼】

日本を代表する俳優陣総出演で贈る百花繚乱のダメダメ女日誌とも言うべき映画。ドロドロした人間の卑しさが描かれていてとても日本的。

綺麗事の多い小津安二郎には到底無理な表現である
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山の音(1954年製作の映画)

4.0

【日常の煌めき?】

原作川端康成か…。川端文学にそこまで思い入れは私であるが、まあまあ楽しめる家庭劇の佳作。主演の原節子がまるでフランスの女優みたいで華奢な雰囲気を醸し出している。脚本は『また逢う日
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めし(1951年製作の映画)

4.3

【じれったい夫婦の日常】

慎ましい庶民劇で成瀬巳喜男の真骨頂。上原謙と原節子の夫婦の共依存関係が、じれったくも愛しい日常を美しく彩る。

貧乏臭い戦後の風景なども一見に値する。(笑)

映画評論家の
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闇を横切れ(1959年製作の映画)

4.4

【まるでアメコミ】

共同脚本が菊島隆三なのでタイトな出来栄えの見応えある和製ノワール。増村保造初期の佳作。全編、無音で展開される街の権力者による陰謀を暴く新聞記者を主役に据えた骨太社会派サスペンス。
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

【自我の絶対化】

本作は私が16歳のとき、ユーロスペースで初めて観た増村保造作品だ。思った以上にB級映画的な雰囲気が強い。主演の若尾文子の怨念に満ちた眼差しが屈強で、鬼気迫るものがある。

驚愕の反
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刺青(1966年製作の映画)

4.4

【時計じかけの若尾文子🍊】

傲慢な性格とも思える若尾文子のファム・ファタル風芸者!🕷
体に刺青を入れることで抑圧する者を蹴散らしていく真の女の自立を描いた増村保造のバイオレントな文芸映画。原作は谷崎
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華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

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増村保造の傑作と謳われている作品らしいが、土地の権力者(伊藤雄之助)に抑圧される女(若尾文子)の踏んだり蹴ったりな様子を一貫して地味〜〜に描いており、新藤兼人のお堅いシナリオが映画全体のテンポを阻害し>>続きを読む