似太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

未知への飛行(1964年製作の映画)

4.6

『博士の異常な愛情』のキューブリックの人間性を小馬鹿にしたような終末的ビジョンとは違ってシドニー・ルメットの視点は少し固めですな。

主演の大統領役のヘンリー・フォンダが『十二人の怒れる男』以上に切迫
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

無能な国連🇺🇳の連中を皮肉タップリに描き出したキューブリック流の終末映画。いま観ても水爆の恐怖でハラハラドキドキ💓な恐怖感を煽る。

主演のピーター・セラーズが一人三役演じているのに注目されたし。🙄彼
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エボリューション(2001年製作の映画)

4.2

【進化?】

さすが、アイヴァン・ライトマン監督。同じ異星人ネタのコメディ『メン・イン・ブラック』より遥かに上出来のエンターテイメント。全体的に田舎っぽくほのぼのしていて名作『トレマーズ』に近い能天気
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

4.5

【地球を守れ!】

岡本喜八監督の中でもカルト的な人気がある作品。冒頭の久里洋二によるアニメパートから始まり、主演の仲代達矢が007やルパン三世みたいに冒険しまくる痛快スパイ・アクション。東宝らしいバ
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ROCK YOU! [ロック・ユー!](2001年製作の映画)

3.8

【厨二の発想】

うーん…❓決してつまらなくはないんだが全体的に幼稚な印象。主演のヒース・レジャーに大して魅力を感じないし手抜きっぽい演出だと思った。アクションの臨場感はまずまず。

ティーン向けを想
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ロビン・フッド(2010年製作の映画)

4.3

リドリー・スコット監督の新作『ナポレオン』評判悪いですねぇ。昔から史劇と言ったらリドリー・スコット、という定評が以前ならあった筈なのに。😓

個人的にはスピルバーグの模倣に走った『グラディエーター』よ
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なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.6

【シャルロットたんハァハァ…😍】

安っぽい角川アイドル映画みたいな雰囲気であまり好きではない。主演のシャルロット・ゲンスブールLOVE❤️な観客以外は強引なストーリー展開についていけず肩透かしを喰ら
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ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.3

【ダンサー・イン・ザ・ダークなんて糞食らえ】

🇫🇷フランス製ミュージカル作品。可愛らしいファッションやキュートな女優陣が練りなす恋愛模様のエトセトラ。主演のカトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドル
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ノー・マンズ・ランド(2001年製作の映画)

4.0

【地雷の上で💤】

ユーゴに於ける内戦をカフカ的な不条理ユーモアで綴った戦争映画。演出以上にシナリオの完成度が高くグイグイ見入ってしまう出来栄えとなっている。

やや演劇的で狭っ苦しい台詞の応酬が観て
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.6

【下町奮闘記】

アメリカ社会に於ける人種差別や対立を主軸とした構成はかの『ウエストサイド物語』を彷彿とさせるが、スパイク・リーならではのエネルギッシュな演出力と「民衆の怒り」の描写が凄まじく独特な映
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サマー・オブ・サム(1999年製作の映画)

4.3

デヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』やリチャード・フライシャーの『絞殺魔』と同趣向の犯人探し系スリラーで、黒人監督スパイク・リーならではの闊達な切り口に魅せられる作品。

切羽詰まった人間のある
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緑の光線(1986年製作の映画)

4.9

おフランス映画ざんすシェ〜ッ!!🇫🇷

…といった、全編エスプリの効いた会話と女性ならではの心もようを繊細に綴った名匠エリック・ロメール監督の代表作。隠し撮りのリアルな映像が如何にもヌーヴェルヴァーグ
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.6

【男性と女性】

毎回金太郎飴みたいな話ばっか撮るウディ・アレンお得意のラブコメなのだが、ゴードン・ウィリスによる撮影が美しく絵画的なNYの風景が心に染み渡る一級の女性讃歌になっている。

全編ウィッ
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

5.0

昔、子供の頃にテレ東で観たときはあまりの切り株&グロ描写にビビったものだがスピルバーグの映画的な【見せ方】の素晴らしさはかのヒッチコック作品に比肩しよう。

主演のロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、
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(1963年製作の映画)

5.0

【HUNT🦅】

私が小6のときNHK名画劇場でヒッチコックの『めまい』が放映されていた当時は「古めかしい映像だなぁ」と思っていた。

ジェームズ・スチュワートの如何にもアメリカ人的なマスクといい、テ
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ミザリー(1990年製作の映画)

4.5

【怖い看護婦さん】

スティーヴン・キング原作のブラックユーモア風ホラー映画。粘着質のキャシー・ベイツが怖すぎで、アカデミー賞主演女優賞受賞も納得のインパクトがある。

山荘に閉じ込められた作家役のジ
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ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ(1997年製作の映画)

4.2

中学生のとき『LAコンフィデンシャル』と一緒にVHSで借りて観た風刺コメディ。

自分としてはホフマン✖️デ・ニーロの意外な組み合わせが楽しくアメリカ陰謀論の元祖みたいなヒネリの効いたストーリー展開が
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ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

4.2

実際にイタリアン・レストランのオーナーでもあるボブ・ジラルディ監督が手堅く纏めたマフィア映画の佳作。出てくるイタリア料理のフルコースでお腹いっぱい。😋

舞台はNYのトライベッカ。マフィアが出入りする
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夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)

4.5

同じレッドフォード主演の『明日に向って撃て!』がナヨナヨしてて嫌いな私としてはこっちの方がB級ウエスタンっぽくて好き。バリバリの左翼が作った映画という気がする。

監督は50年代に赤狩りのブラックリス
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グライド・イン・ブルー(1973年製作の映画)

4.5

犯罪者を取り締まる警官を主人公に据えた【逆イージー・ライダー】と言える作品。知名度は低いがアリゾナ州に聳え立つモニュメント・バレーの広大な景観とバイク野郎が激突する見せ場たっぷりのポリス・アクション巨>>続きを読む

カラーズ 天使の消えた街(1988年製作の映画)

3.8

【チェケラッチョ!】

当時(80年代後半)一世を風靡した西海岸ラッパー集団のN.W.Aが出てたやつだっけ?🤔

随分昔に観たけどあんま記憶にないや…。

ロバート・デュバルとショーン・ペンの警官コン
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夜と霧(1955年製作の映画)

4.6

【戦中と戦後】

アラン・レネによる映像イメージの連なりが悪夢的光景を甦らせる【ホロコーストの日常】。カラーとモノクロが交錯しおぞましいナレーションと共にナチスの残虐行為を白日の元に晒していく。

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黒いオルフェ(1959年製作の映画)

4.6

【踊り子へ】

ギリシャ神話とブラジルのサンバを重ね合わせる構成がユニークな悲恋映画であり、カラフルな映像美も素晴らしいロマンチックな名画と言える。

同時代の『ウエストサイド物語』とやってる事はほぼ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

3.5

【Air=からっぽ】

まず本作はテレビ版からして「?」みたいな展開の連続で使徒がエヴァ食ったりエヴァが使徒食ったりと悪趣味表現しか印象に残らないハードコアな作品だと思う。

90年代のアニメらしい暴
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莫逆家族 バクギャクファミーリア(2012年製作の映画)

3.5

ヤンキー漫画の映画化。熊切和嘉による井筒和幸『ガキ帝国』『ヒーローショー』の模倣。主演のチュートリアル徳井が全く魅力がなく、画面が重厚な割にストーリーが支離滅裂。

実を言うと前作『海炭市叙景』でも若
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蟲師(2006年製作の映画)

3.5

【蟲師だけに無視し?】

アフタヌーンに連載されていた人気漫画『蟲師』を大友克洋が自分勝手な解釈で映像化。主演のオダジョーと蒼井優の無駄遣い。

特に江角マキコの棒読み台詞が酷く、何故これを実写に??
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.6

主演の蒼井優はさすがの名演技。しかし、青春の痛みがそこまで伝わってこないのは如何なモノかな?🙄
タナダユキ監督は才人だと思うが、ちょっと構成がイマイチだと感じる。

最近の『愛がなんだ』とか『勝手にふ
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恋する幼虫(2003年製作の映画)

5.0

ルサンチマン青年の心の傷や青春の痛々しさをクローネンバーグ的なホラー映画仕立てにする着想がユニーク。井口昇監督の屈折したホラー映画愛を感じるファンシーな一作。

主演の荒川良々が傲慢ながらも憎めない三
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月光の囁き(1999年製作の映画)

5.0

【どこまでもいこう】

駄目になる前の塩田明彦監督作品。これがデビュー作。ヒロインのつぐみにコテンパンにしごかれる変態主人公の少年が滑稽ながらも哀愁ある名演技を披露している。

ある意味、ブラック・コ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

4.7

イザベル・ユペール演じる変態ストーカー女のエリカのキャラ造形が強烈だった一作。高慢ちきな女ピアニストのエゴを冷徹に描いたハネケらしい粘着質タイプの映画。

よく考えたら『ファニーゲーム』も『隠された記
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

5.0

【夢見る力🌈】

『素晴らしき哉、人生!』と並んでフランク・キャプラの「愛は勝つ」「人間万歳🙌」といった前向きなメッセージ性をひしひしと感じる稀代の名作。

主演のクラーク・ゲーブルとクローデッド・コ
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.7

このように芸術色を装った007映画というのは果てしてアリか?。ハビエル・バルデムの役割が『ダークナイト』の二番煎じではないのか…と色々ツッコミ所が満載‼️

ボンドガールのお粗末な描写が、この監督の「
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インセプション(2010年製作の映画)

3.7

【君はドリーマー】

『惑星ソラリス』+『ミッション・インポッシブル』というコンセプトが果たして成功しているかは別として、ハリウッド映画らしい活劇としてのカタルシスがあまりにも皆無。

基本的にこの監
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ならず者(1943年製作の映画)

4.3

【お色気💋】

スコセッシの『アビエイター』観ても単なるおっぱい好きのマザコンとしか思えないハワード・ヒューズ氏なのだが、公開当時酷評された映画の割には奇妙な魅力のある作品。決してサイテーではない。
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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

4.3

【すべての花🌼に懺悔しな!】

フランク・オズ監督のリメイク版から観ていたので、ちょっと古めかしさを感じたがロジャー・コーマンらしいチープな手作り感覚が愛しい【教訓話】。若き日のジャック・ニコルソン演
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最終絶叫計画(2000年製作の映画)

4.0

【すべての映画に懺悔しな!】

大量射精で空を飛ぶシーンには驚いたが、このような超低級パロディ映画にも何らかの「矜恃」があり監督のホラー映画愛が炸裂したコメディとして一件に値する出来栄え。

これが本
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