naoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3


「能動的」

一瞬でも頭を休めたらついていけなくなる展開は、観る側の思考力を絶え間なく刺激し、活性化させる


順行と逆行が1つの時間時に存在するという非常に複雑なものを見たことのない映像で映し出し
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0


まさに体感する映画

最初から最後まで自分が、兵士と一緒に戦場にいるかの様な感覚を覚えるほどリアルな映像と音響

ストーリーは、伝令というシンプルなものだけなので、余計なものは一切無く、1人の兵士の
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

3.8


図書室の中での1日の出来事

この1日の出来事は、大きく自分の考え方を変える

話の大体が図書室の中で進んでいき、登場人物も多くはありません
これだけみると退屈な物語のようにも思えますが、これが凄く
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マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

3.8


「人生における幸せとは何か」

幸せとは個人によって大きく異なるもの

家族や恋人など、人との良好な関係は、時として足枷となり人生の自由を奪う時もあるけど、孤独に陥らない深い安心をくれる

そして、
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おとなの事情(2016年製作の映画)

3.9


人は誰しも秘密を持って生きている

この作品は3組の夫婦と1人の独身男性、計7名でディナーを囲み、ゲームと称してそれぞれのスマホに来た電話やメールをすべて見せ合う話

会話を中心とし、話は進むのです
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π(1997年製作の映画)

3.4


盲信的になった人間の末路

数字の魔力に憑りつかれた神経質な男が現実と妄想の狭間を彷徨う様子をモノクロの映像とアバンギャルドな映像手法で悪夢的に映し出す

羅列された216桁の数字によって次第に精神
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ランダム 存在の確率(2013年製作の映画)

3.7


低予算ながら、シンプルで秀逸なアイデアが設定の面白味を引き出し、それを作品の魅力へと昇華させた良作SFスリラー

冒頭から日常の中に潜む捻じれや、何気ないところに見え隠れする非現実感が、なんとも言え
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CUBE(1997年製作の映画)

3.8


斬新で奇抜なアイデア

キューブに閉じ込められるというアイデアを膨らませるだけで、ここまで話を面白く出来るんだなと驚きました!

出口への脱出路、そして安全な部屋へと続く暗号の解読方法を数少ない手が
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.6


ルールの下に蔓延る狂気

淡々と流れる映像、そして一貫して乾燥している清々しい空気感
その乾いた空気感の中で描かれるのは、箱庭世界の虚構と現実

子供達の心を操作し、自分の意のままに何かを信じ込ませ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.1


面白い!

バランスのとれた面白さ
豪華俳優の個性の中で、先の読めなさや、どこを切り取っても絵として決まった撮影は、とてもリッチでずっと観ていたくなる映画です

サスペンスとコメディを絶妙なバランス
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プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

3.9


内気な少年ダンカンの成長物語

少年の成長を描くストーリーは凄くシンプルで、伝えたい事もクリアに伝わってくる

何か行動を起こすこと
とりあえず歩いてみれば、自分の居場所を見つけられる
そう言われた
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エブリデイ(2018年製作の映画)

3.7


優しい登場人物が多くてストレスがなく、短くサクッと観れます

音楽とエキゾチックな映像の調和
そして、人の入れ替わりを通して恋愛における普遍的なテーマを描く良映画です!

夢幻的な雰囲気が漂うなんと
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ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

4.2


運命の交差

近づいては離れてを繰り返す

人生は信頼できない語り手
ただ一人でも、心から愛してくれる人がいるだけで、人生は違った物語になる

愛し合うこともあれば、ただひたすら受け止める愛もあり、
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.0


内側にある本質

人は一体何に恋をしているのか

そして、自分を定義するものは何なのか

それをこの作品は問いかけてくる


人は外見で判断されてしまう
残酷だけど、それもひとつの事実

もちろん中
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます


子どもだからこそ見えてくる本当のこと

今まで大人の言うことを鵜呑みにし、何も疑うことのなかった現実
それをユダヤ人の少女と交流を重ね、少しずつ世界を自分の目を見るようになっていく
自分の価値観で世
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.1


人間は自分とは違うものを恐れる

この作品は、現代社会ではおおよそ考えられないような宗教的価値観がとてつもない恐怖を生み出している

雄大な風景と伝統的な衣装、美しい花々などの自然あふれる村は、白み
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.7


適度に退廃的
それでいて独創的

ストーリーは三人の男女による複雑な三角関係を描いたもので、人に恋することのもどかしさと胸の苦しさ、そして、切れそうで切れない男女の風変りな友情の形を描く

3人の三
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.5



何が正しいか分からない


子供を産むということ
そこには様々な理由があると思う。産まれた子供に愛情を注ぎ、そこに自分の生きがいを見出すこともできるが、その両親や環境が子供の無限の可能性や将来を蝕
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ザ・セル(2000年製作の映画)

3.5


芸術的な内面世界

グロテスクかつ性的で、サデスティックなサイコパスの内面世界を斬新な発想と美しい映像で表現していました

でも、印象に残るのがその圧倒的な映像美だけで、全体的にストーリーが漠然とし
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21グラム(2003年製作の映画)

3.7


時系列バラバラの冒頭から大いに脳を刺激される
そして物語が進むにつれ、徐々にほぐれてきた糸がパズルのピースのように整理されてきて、3人を中心に各々の人生が、リアルに描き出されていく

生き方や哲学を
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サラブレッド(2017年製作の映画)

3.5


女友達2人が、継父を殺そうとする物語

ジャンル的にはサスペンスなのでサイコパス、殺人、ドラッグなど不穏な雰囲気を漂わせる一方で、ブラックコメディ的な要素も入っていて、主人公二人の会話劇がシニカルで
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ヒート(1995年製作の映画)

4.3


一瞬たりとも見逃せない内容の濃さ、圧倒される抜群の演技力とリアル感で、あっという間の3時間
単なるアクション映画ではなく、それぞれのキャラクターの人間味のある物語もしっかり描かれ、それでいてアウトロ
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.2


「夢」

空を横切るロシアの衛星スプートニクの光跡
その1つのきっかけから"夢"を見つける主人公
「ロケットを作りたい」という自分の内側の声に正直になれる主人公の真っ直ぐさ、自分で決めて自分で責任を
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.6


戦いの中でいつしか利害関係を忘れ信頼し合うようになる、2人のドラマ

内容は人質救出しての脱出劇で、ストーリー的に目新しさは、あまり感じませんが、銃、格闘、カーアクションやワンカット撮影に近い視点移
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メランコリア(2011年製作の映画)

4.3


冒頭の8分間のプロローグ

この8分間にすべてを奪われる

観る者を完全に陶酔させる美しさ
この後に始まる物語の象徴的なイメージが歴史的な名画のような映像で綴られていく

手持ちカメラによる不安定な
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

4.0


Vol.2

快楽とは、性とは、欲望とは何かその真理を描くのかと思っていたら、それらはある一つのことを表すだけの道具に過ぎませんでした…

終盤、セリグマンが語るもの
それはこの作品で、ラース・フォ
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

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最初はもっとハードコアなものを想像していたんですが、プロローグからは意外にも静かな滑り出しで、セックスに纏わるトリビア的な雑学と妙な哲学に満ちていました

性をいろんな要素になぞらえながら、随所にユ
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.5


思ってたよりコメディタッチで、クスッとする様なちょっとした笑いやA24的な音楽の入れ方や雰囲気などは、結構良かったです
ただ、それが無ければ"ありのままの自分"とそれをさらけ出すことの難しさを伝える
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.8


不思議な映画

ずっと気になってはいたんですけど見れていませんでした

結果、
なんで早く観なかったんだろう....と思わせられるほど魅力的な作品でした!

冒頭の7と1/2階に会社があるところから
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奇跡の海(1996年製作の映画)

3.9


スローペースでじわじわ責め、ラスト直前までは救いようのない話で、やっぱりラース・フォントリアーだなと思わせられたんですが、意外にもラストは優しさがあり、後味はなんとなく清々しい気分になりました

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グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.1


一瞬で過ぎ去る100分間

息つく暇もないまま、一気に引き込まれる

街の闇を躍動的に映しだす映像の呼吸感と音楽のビート感がピッタリで、不安や希望、緊張と緩和といった心象を音楽と映像だけで、とてつも
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.6


「性と嫉妬」

人間は愛するが故にパートナーへの信頼と疑念を複雑に交錯させながら生きているんだと思う
この映画の二人もそんな複雑な性の心理状態の中、ある結論に辿り着く

ラストシーンのニコール・キッ
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.3


アメリカの乾燥地帯の小さな村に暮らす偏屈な老人ラッキーの人生模様をそのまま映画にした作品です

ラッキーはいつだってやることは変わらない
序盤はそのルーティンの単調さから少し退屈を感じてしまいます
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.3


楽しかった!

タイヤの軋む音、エンジンの轟音、衝突の衝撃とバラバラになった車体が目の前に降ってくる恐怖が直に伝わってくる

オスカーで音響編集賞を取るだけあります!


巨大自動車会社フォードが、
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.6


単に実際の事件を忠実に再現するだけでなくて、4人の犯人たちが実際に登場して自ら当時の状況を回想・証言し、それによって作品が変わっていく演出は現実と虚構の境界線を曖昧にしながら、彼らを犯罪へと走らせた
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