怒野デス郎さんの映画レビュー・感想・評価

怒野デス郎

怒野デス郎

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

5.0

北朝鮮が異常な国だということは誰でも知ってるけど、本当に知ってたか?
日本の報道ではミサイル実験、軍事パレード、マスゲーム……と、北が見せたいものしか見てなかった

見たことない貴重な映像の、そのあま
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0


「ベテルギウスは地球から500光年の距離にあるけど、見上げるとそこにある」
「周りに星が無いから寂しそう。でもそれ故目立つから船乗りの目標になっていた」
「夜明け前が一番暗い」

等々、劇中に散りば
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

3.0

本人は真剣なのに、観てるこっちはなんか笑っちゃう
そんなとこがシャマランの『サイン』を彷彿とさせる
『サイン』は来たる宇宙人に備える話だったけど、こちらはそれを逆にロードムービーにしたような作品だと思
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.2

卑しい身分の人間は、余計なことに巻き込まれたくなければ「見えないふり聞こえないふり」をするに限る
からの盲人設定
これだけで一本取ってる
そこからこの広がり
凄い

世の中「伏線回収」をやたら有難がる
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.5

韓国版ジョン・ウィックと聞いてたけど、そうでもあり、そうでもなかった

ただの会話シーンさえも手持ちカメラで細かくカットを割る演出は好みか分かれるところだと思うが、映像がとにかくカッコよく美しい
その
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

女性版『フランケンシュタインの怪物』
一応19世紀が舞台らしいけど、未来にも見える不思議な世界観が素敵
衣装や美術、撮影、音楽、演技、そのどれもが素晴らしく、映画が総合芸術だということを再認識

最近
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

大したことは起こらない寡黙な男の日常の繰り返しで、退屈に思える瞬間さえも、木漏れ日と同様、二度と同じ瞬間はないんやで
それって素敵やん

それにさ、平山の家は布団と照明があるだけの刑務所みたいな部屋で
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枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0

ラジオからはいつもウクライナ戦争の話題が流れてる
いつまで経っても戦争は無くならない
そんなクソったれな世界の片隅の、うだつが上がらない中年男女の小さな恋の寓話

ダメダメなのに可笑しくて可愛くて愛お
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.3

スローモーションの使い方とか過剰な演出に鼻じらむ
特に佐々木蔵之助の演技プランはあれで良かったのか?

ゴジラパートと人間パートが分離しないように、敷島とゴジラに因縁を作ったそうで、それはとても良い試
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市子(2023年製作の映画)

4.0

「なぜ市子は失踪したのか」「市子とは何者なのか」は劇場で確認した方が良いと思うので、これはネタバレなしで見たほうが良いタイプの作品だと思う

ただネタバレしたからと言って楽しさが半減するようなヤワな作
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.6

ギャスパー・ノエが、真正面からド直球で描く「老い」と「認知症」「死」

これまでも嫌ぁ〜な題材を扱ってきたノエ監督だけど、嫌だけど面白かったーなんて、どこか他人事として距離を置いて見れてた
でも今作は
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

超入念に準備して大失敗するオープニングから苦笑
これは笑っていいやつなのかな?

本人はスタイリッシュに仕事を熟してるつもりでも、なんかずっと詰めが甘い感じがだんだん愛おしくなってくる

ああ、そうか
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(2023年製作の映画)

3.6

本能寺の変 豊臣秀吉陰謀説を採用し、さらに独自の歴史解釈に男同士の愛憎劇(衆道)をプラスした戦国アウトレイジ
黒澤明+大島渚だけど、残酷描写になんとなくメル・ギブソン味

大河ドラマはキレイ過ぎるとい
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.5

主演の趣里さんをはじめ俳優陣の演技が本当にもう素晴らしく、セット等の美術もそりゃぁもう素晴らしくて、森山未來の手の爪まで黒く汚れているもんだから、マジで細部まで拘られているなぁと唸る出来栄えだった>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.1

『ル・アーヴルの靴みがき』に続き難民をテーマにした作品で、カメラワークや演技の抑揚を抑え、オフビートの笑いが散りばめられたいつものアキ節
無機質でありながら不思議と温かい

クソみたいな時代で悪人もい
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.0

ポスターのビジュアルとタイトルのイメージで、なんとなく勝手にテンポの良いポップな作品を想像してたけど、スローなテンポでじっくりなタイプだった

ケイト・ハドソンとチョン・ジョンソさんは二人共良かったし
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.6

エンドゲームから4年経ったが、やっと新しいフェーズが動き出したと思えるストーリーだった

マーベル史上最強のヒーローであるキャプテン・マーベル
チート級に強いヒーローの場合、そいつが登場すると敵を倒し
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

2.0

オリジナルのCUBEは確か当時のレートで800万円ぐらいで作られた低予算の作品なので、予算的にリメイクしやすいのは分かるんだけど、やるならちゃんとして欲しかった

オリジナルに忠実に作っても意味がない
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

4.1

太った容姿のイジメられっ子の前に、白馬…ではないけど白いバンに乗った王子様がやって来た

あんな奴らみんな死ねばいいのに…!とは思ってたけど、実際そうなるとめっちゃビビる

現代風にアップデートされた
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ドミノ(2023年製作の映画)

4.0

予告のビジュアルから誰もがインセプションを想起せずにはいられなかったと思うが、ノーランと違い眉間にしわ寄せて無駄に深刻ぶった感じがなく、軽い口当たりが逆に好印象

マトリョーシカみたいな構造で工夫がい
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.3

ブレードランナー以降、テクノロジーと融合した雑多な未来のアジアのビジュアルは散々擦り倒されたものだけど、人権問題を無視できない欧米に対し、そこを余裕で無視しちゃう中国はAI開発に関しては優位、という現>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

4.2

「茶番劇」ってネガティブな印象を与える言葉だけど、これはとても愉快で楽しい茶番劇

フェミニズムの映画だし、少しずつ良くなってるとはいえ、90年前と今と本質はあまり変わってないかもなぁな話だけど、物語
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.1

よくあるジャンル映画だが、ジャンルを嘲笑することなく真摯に向き合って作られているから好感が持てる
熱い!

もっと真面目なロバート・ロドリゲスがマッドマックスとジョン・ウィックにナチスを皆殺しにさせて
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シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

3.1

まずストーリー、世界観など緻密な設定の数々から、キャラや建造物、乗り物のデザインまで、この原作が米国のような分業制ではなく、一人の人間から生み出されたという事実が脅威

で、色々あったけど、最終SF版
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

思想が濃すぎて若干のプロパガンダ映画っぽさに気が散ったけど、そこを突付くのは野暮な気がする

コロナ禍で恐怖に駆られ科学的根拠ゼロで突っ走る国民の皆さんは記憶に新しく、マスコミも「ここがクラスターを発
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.2

マイケル・キートンのバットマンにスーパーガール!と派手なアクション!これは面白いに決まってる!と思い早速鑑賞したけど、結果は「うーん…」って感じだった

マーベルみたいになりたい感じがスゴイのが痛々し
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EROSION(2022年製作の映画)

4.0

モノクロ一歩前まで彩度を落とした印象的な映像で、森の民と文明の未知との遭遇を全編セリフ無しで描く野心作。

如何様にも解釈できる抽象的な世界観が心地良い。
ラストがハッピーエンドかバッドエンドかすら見
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.1

亡くなったチャドウィック・ボーズマンへの追悼を込めて作られた作品だが、現実の人の死さえ商売にしてしまう姿勢が少し、ほんの少しだけ嫌だなと思った

しかし一方ではもともと続編が製作されることは決まってい
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.9

今作のタイトルはシン・ウルトラマンだけど、言うほど「シン」でもなかったかなという印象

僕は子供の頃に再放送のウルトラマンは見てたけど、ただ見てただけだったので何も覚えてないし、特にファンでもない
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

オープニングが36年前の前作とまったく同じだったり、シチュエーションが変わっただけで前作をなぞるシーンが多々あり、ファンはブチ上がるだろうな

36年前と同じ革ジャン着てさ、どんだけ物持ちいいんだ
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トップガン(1986年製作の映画)

3.0

子供の頃に見たけど1mmも覚えてなかったんで再鑑賞

トム以外の全ての人物はトムを引き立てる為のモブでしかなく、ライバルも女性教官も仲間の死でさえも、自信家のトム、口説くトム、悲しむトムとそれを乗り越
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