スプリットスクリーンのくだりは、綾瀬はるかの方はワンカットで、長谷川博己の方はいわば切り返しのようにカットが割られていて、さらにそこに綾瀬はるかのフラッシュバックが入ってきてしまうという非対称性を考慮>>続きを読む
映画は、ある偽装工作のシーンで始まり、それがさらなる偽装によって上塗りされて終わる。断続的に大地へ降り注ぐ砲弾は、誰が、何処から、何を標的に発射したものかもわからない。ウクライナ東部を占拠し、見えない>>続きを読む
船の中心にぽっかり空いた、四角い、巨大な空洞に黒々とした砂利が注ぎ込まれる。砂利は対岸まで運ばれ、クレーン式のバケツによって掻き出される。作業が終わると、船は元の港に舞い戻り、からっぽとなった空洞に再>>続きを読む
0.1ずつ上昇していくデジタル数字によって達成しなければいけない速度が示され、作戦成功の必要条件であるタイムリミットも同様にカウントダウンされ、越えてはいけない高度の線には目印のように地対空ミサイルが>>続きを読む
第75回カンヌ国際映画祭報告(6)カンヌ国際映画祭受賞結果を巡ってーー「映画」は抹殺された
槻舘南>>続きを読む
佐向大×足立智充インタビュー「レボリューションする身体」
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2022/0525_1922.php
ーー足立さんが演>>続きを読む
併行部門の一つである批評家週間は、今年、アーティスティックディレクターが、シャルル・テッソンからアヴァ・カーエンに移行した最初の年となった。その開幕を飾ったのは、数年前に主演作品『ビバリウム』が同部門>>続きを読む
開幕上映作品に華やかさが求められるのは周知の通りだが、今年はその裏に作家性を微塵も感じない作品ばかりが並んだ。公式部門の開幕作品『Coupez!』の監督であるミシェル・アザナヴィシウスは、『OSS 私>>続きを読む
チャン・イーモウ映画の主人公たちはいつも必死だ。『初恋の来た道』のチャン・ツィイーは酷寒の村道で恋焦がれる相手の帰りを待ち続けるし、『妻への家路』のチェン・ダオミンは認知症で記憶を喪いつつある妻に自身>>続きを読む
些細なことがきっかけとなり、ひとり、またひとり、アコ(加藤紗希)とサン(豊島晴香)の住む家に人々が訪れる。例えばそれは鹿児島から上京した不動産屋の新卒社員である田所(釜口恵太)だったり、宛先を間違えて>>続きを読む
かつて、片目に映った恋人ともう一方の目に映った名も知らぬ市民たちのどちらかではなく、どちらも救って見せた、あのスパイダーマン─そのように選択をしないという選択をし続けるがゆえに苦しむピーター・パーカー>>続きを読む
1948年の公開以来、74年ぶりの上映とされる『明日は日本晴れ』は、『蜂の巣の子供たち』に続く、清水宏の戦後第二作である。国立映画アーカイブ研究員の大澤浄さんが、集まった人たちにおそるおそる聞く。
「>>続きを読む
揺らぐ波形が画面いっぱいに広がる。波を切って進む客船が青い海に白い泡を立てているのだ。客船の甲板にはベージュのコートに身を包み、薄いブルーのスカーフを巻いた人物がいる。海の向こうを見るその人物は、サン>>続きを読む
戦後の状況下を説明する冒頭のフッテージに引き続き、どこからともなく「彼らにとっての幸せな時代が いつか訪れると思っていた」という女性の声が聴こえてくる。この「幸せな時代」とは、レンガを無骨に積み上げて>>続きを読む
黒い夜の川の水面に、どこか向こうから来る光が反射して、波紋だけが白く浮かび上がる。それは動く船の後方に過ぎ去っていく水面のようにも見えるし、光源である船が到着するのを桟橋で待っているようにも見える。>>続きを読む
バルザックの『ランジェ公爵夫人』を原作に、タイトルロールにジャンヌ・バリバール、恋人のモンリヴォーにギヨーム・ドゥパルディユ。最近のリヴェットの中ではもっともすばらしい作品。『ランジェ公爵夫人』がなぜ>>続きを読む
35mmフィルムで投射された映像がなんだかやけにぼんやりとして見える。粗い粒子のひとつひとつにはピントが合っているのに、それらが構成する映像全体のどこに焦点があるべきなのかがわからない。画面中央に置か>>続きを読む
主人公がフィルムに映った若い女性たちの一団を眺め、その中のひとりに何度も愛を呟く場面から始まるこの映画は、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中の同名の一章が映画化された作品だ。この冒頭>>続きを読む
監督・青山真治 追悼特集 第二回
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2022/0420_2304.php
映画について考えられるいくつかの言辞。た>>続きを読む
監督・青山真治 追悼特集 第二回
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『サッド ヴァケイション』には何人もの男>>続きを読む
監督・青山真治 追悼特集 第二回
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これを書いている今日、ずいぶんと都内を移>>続きを読む
Story1『あの日、この日、その日』(山本英監督)
前半は市役所の建物内。ユキと職員たちの間にデジカメを据えたインタビュー。そこには居ない「太田さん」との出会いについての質問を受け、職員たちが各々の>>続きを読む
ようやくこの映画を見て、ようやくタイトルの示す「20世紀の女性」が複数形であったことを知る。
スーパーマーケットの駐車場で派手に炎上するフォード・ギャラクシーに被さるようにしてはじまるドロシア(アネッ>>続きを読む
私が思春期を過ごしているとき、家の中には閉ざされた部屋があった。鬱病の父がそこで寝ていて、気軽に部屋に入れるような雰囲気ではなかった。父の病は次第に悪化し、自宅から遠く離れた病院に入院することになった>>続きを読む
主人公の少年がアポロ10号1/2で月面着陸するというエピソードは、それが本当なのか妄想なのかはさておきとして、大人になった彼(ジャック・ブラック)のノスタルジックで鮮明な1969年の記憶として、その他>>続きを読む
Amazonプライムビデオにて配信開始
この作品の主人公である14歳の少女ウニ。彼女の父親は、自分を誇示し、気に入らないことがあると家族に罵声を浴びせていた。兄は怒りにまかせて殴ってくるし、両親はそ>>続きを読む
【topics】
「アメリカ映画史上の女性先駆者たち」4/16〜5/13 atシネマヴェーラ渋谷
執筆者(敬称略)
https://www.nobodymag.com/special/vera/
・>>続きを読む
【topics】
「アメリカ映画史上の女性先駆者たち」4/16〜5/13 atシネマヴェーラ渋谷
執筆者(敬称略)
https://www.nobodymag.com/special/vera/
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「アメリカ映画史上の女性先駆者たち」4/16〜5/13 atシネマヴェーラ渋谷
執筆者(敬称略)
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執筆者(敬称略)
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【information】マティ・ディオップ特集 越境する夢
2022年4月23日(土)〜5月6日(金) 連日21:00〜atイメージフォーラム
https://www.nobodymag.com/>>続きを読む
【information】マティ・ディオップ特集 越境する夢
2022年4月23日(土)〜5月6日(金) 連日21:00〜atイメージフォーラム
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古書店のレジカウンターに腰掛け、くつろいだ表情でハードカバーに視線を落とす店主の多田浩司(瀬戸康史)を、斜めからウエストアップで捉えたファーストカットは、フレーム右方に不自然なスペースが空いている。程>>続きを読む
『柳川』は冒頭からスペクタクルに富んでいる。カメラは上から下へくぐるように動き、喫煙所で止まると、煙をくゆらせる老女を捉える。そこへ本作の主役の一人であるドン(チャン・ルーイー)が姿を見せ、自身の深刻>>続きを読む
3月21日に亡くなられた青山真治監督に哀悼の意をこめて、青山監督とNobodyの過去20年近くに渡る歴史を、寄せられた追悼文とともに全4回に渡って振り返ります。
・追悼文「教えてくれた人」アルノ>>続きを読む
もはや「韓国」というより「世界の」という枕詞で語るべきホン・サンスのプロリフィックな作品群の中で、近年目を引くのが死の匂いを感じさせるフィルムたちだ。老詩人がとあるホテルを死に場所として選び、人生を終>>続きを読む