QTが監督を務めていればまた違ったストーリーだったのかもしれない。ボニー&クライドを元ネタにした作品はどうにも好きになれないんだが、それ以上にオシャレ映画仕立てにして殺戮者をヒーローにする感じがダメ。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
下品だとかやりすぎだとか言われるけど、わりと嫌いじゃない。途中までのストーリーの運びはよかったのに、ラストがああやっぱり、この作品に多くを求めるんじゃなかったな、という印象。
テッドは元に戻らずただの>>続きを読む
カンヌは政治に敗北した。これは断じてパルムドールに値するフィルムでない。
私がこよなく愛する「ライフ・イズ・ミラクル」も同年のカンヌコンペティションに出品されていたが、どちらが映画作品として価値が高い>>続きを読む
何とも苦手な作品。独特の空気感やナイマンの音楽はとても素晴らしいのに、ストーリーにも登場人物にも違和感や不快感しか感じられなかった。ピアノの扱いも雑で不愉快。フェミニスト気取りで粗野な男に惹かれていく>>続きを読む
あまり得意でないポランスキー作品。そしてまたあまり得意でないナチスもの。かなり最初からビハインド背負い気味ですが、ピアノの美しい音色が印象的だった。緊迫した息詰まる静寂の中で奏でられるショパンの美しさ>>続きを読む
ある漫画家が「タイ人にとっては人間よりも象が大切」と言っていたが、あながち間違ってはいないのかも。ちょっとイヤーな感じのストーリー背景ではあるが、この作品の見どころはひたすらアクションにある。CGやス>>続きを読む
カンヌ映画祭で審査委員長のティム・バートンが本作を激賞したと聞く。欧米人にとっては、この物語はアジア的で新鮮なものに映るのであろう。しかし、同じアジアの日本人にはそのセンサーがついていないのか鈍ってい>>続きを読む
イランという国の実情を最も等身大で描いた作品の一つではなかろうか。1979年の革命は過去のものとなり、今どきの若い世代は社会の窮屈さに辟易している。イラン人が言っていたが、アメリカは情報が遮断されてい>>続きを読む
子どもが主役の映画が多いのは、検閲が厳しいイランならでは。この子どもたちがピュアな演技をするのだ。現代の日本ではこのレベルの貧困は考えにくいが、そういう世界もあるのだなあ。
閉じ込め症候群、考えただけで恐ろしい。絶望の中のわずかな希望。感動的なストーリーに仕上がってはいるものの、主人公に自身を重ねるといたたまれなくなってしまうのである。
ともすれば偽善めいた設定になりそうなのに、まったくそんな感じにならず、テンポよいヒューマンドラマに仕上がっている。
本音で応酬しあい、心から笑える関係って素晴らしい。
ソマリア内戦への関心から視聴。申し訳ないが、視点が偏りすぎで内容もショボかった。戦争を描くなら、フルメタル・ジャケットを見習ってほしい。
主人公が老人で、しかもそれを若い人の目から見たり、批判的に捉えるのでない映画があってもいいじゃないですか。
冗長なおしゃべりは観る人によって捉え方が違うと思いますが、老人になっても女は女、何とも微笑ま>>続きを読む
何ともじめっとした感じのお変態映画。
着眼点はいいのだが、変態性がまったく描き切れていないのが残念。情欲、情念、そういうものが弱くて世界観が中途半端になってしまう。ポーランド映画特有の寒々しい映像はよ>>続きを読む
ルーマニア映画ってどうしてこんなに重苦しいのだろう。他を知らないだけなのかもしれないが。
ルーマニアの格差社会、拝金主義、そういうテーマが重くのしかかる。このエンディングは果たして救済なのだろうか?>>続きを読む
デ・ニーロの演技力でかろうじて作品としては成立しているが、冗長で空虚で荒唐無稽な印象。アメリカ側の視点で描くベトナム戦争ものの作品との相性はあまりよくないようだ。
キリスト教を信仰していない者にとって、少々この作品の持つ意味は理解し難いのかもしれない。
登場人物2名のワンシチュエーション作品。描きたいテーマが何なのか、よく理解できないまま。雰囲気を楽しむ作品なのか。ポランスキーとはあまり相性良くないかも。
悪夢的で神経症的な、禍々しい管理社会の描写。クリストフ・ヴァルツはやはり天才。
役所広司という俳優は、何を考えているのかわからない人間を演じるのが抜群に上手である。結局、彼は本当の犯人なのか、だとすれば動機は何なのか、そういった観客が知りたいことに対してヒントさえ出さないような、>>続きを読む
実際に起きた列車テロ事件を再現したドラマ。緊張感がリアルに伝わってくる。そして、そういうことだったのかという種明かし。
人物と映像が魅力的。教条臭い部分は置いといて、イライザが半魚人に魅せられてしまった、いわゆるフリークス映画として観るという楽しみ方もあると思う。
タイトルに惹かれて視聴。若い頃のジュリエット・ビノシュが実に愛らしい。暗雲立ち込める時代に翻弄されながら生きる若い男女の物語であるが、不思議と洒落た感じに仕上がっているのだ。
タイトルに惹かれて視聴。カンヌでパルムドールを獲った作品ということで期待したが、個人的には期待はずれ。インテリ好みを装い、哲学や精神分析を題材にしているのに、人間観察の底が浅すぎて白けるのである。
ほぼワンシチュエーションで構成される謎解き(と呼ぶのが適切なのかわからないが)劇である。俎上に上げられる被告人の姿や事件の再現シーンは一切描かれないのに、飽きることなく惹きつけられていく。登場人物も多>>続きを読む
クイーンについては楽曲は知っていても、メンバーの人となりについてはほとんど知らなかった。事実とフィクションのミックスではあるが、あの名曲がこういう経緯で誕生したのか、と知ることができて興味深い。
いわゆる映画ではないので採点は保留。
稀代のディーバ、ホイットニーの栄光と転落の生涯を貴重な映像資料で紹介。彼女の一ファンとしてはたいへん興味深かった。
ソ連時代の作品であり、設定や情景はかなり日本とは異なる世界のストーリーなのだが、物語としてはとても日本人のメンタリティと親和性が高いのだ。連続ドラマなどにあってもおかしくない感じ。登場人物たちを見守り>>続きを読む
チェブラーシカのカチャーノフ監督が製作したアニメ。心温まるファンタジーである。カチャーノフって人はきっと、とても優しい人だったのだろう。不気味で恐怖の対象であった往年のソ連に、このような人物がいてこん>>続きを読む
これを映画とみなしていいのかわからないので、点数をつけるべきか悩んだのだが暫定的に評価しておきます。
ソ連の国民的なキャラクターであるチェブラーシカ、日本のアニメとは違い、年を空けて制作されたたった4>>続きを読む
カフカやシュヴァンクマイエルの名前を出さずとも、チェコという国はシュールレアリスムとの親和性が高いのだろう。1960年代の作品とは思えない前衛性。しかも女性監督が撮るガーリームービーなのだ。
彼女たち>>続きを読む
まだロシアではなくソ連だった頃の、実にソ連らしい作品。シュールな設定も見慣れてくると実に面白い。日本も含めたいわゆる西側先進国の映画には見られない演出も多くて興味深かった。これは純粋なエンタメなのか、>>続きを読む
いかにもアメリカ的な設定。キャッチーかつ計算された構成。最初は推理サスペンスだと思っていたのだが、いい意味で裏切られた。母は強し。キーワードは「赦し」か。
おそらく欧米人とアジア人で評価の分かれる作品であろう。後半のカーツ大佐に関する部分は、欧米人のアジアに対する「訳わからない感じ」がうまくストーリー化されているのだと察するが、正直なところあまり面白くも>>続きを読む
設定、脚本、俳優、音楽、すべてにおいて完璧な作品である。男性の本能を刺激する渋いカッコよさ。非の打ち所がないぶん、個人的には愛すべきところが少ない作品だ、なんて贅沢言ったらいけないのでしょうね。