江口賢次郎さんの映画レビュー・感想・評価

江口賢次郎

江口賢次郎

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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.5

こないだ目黒の単館で観ました。酒飲み 身につまされ感覚がはち切れる。カートのおばさんの笑顔、共感が、美しい映像とアートに包まれつつも悲しさに負けてました。すごく淋しい。でも我々は一生酒はやめられんと思>>続きを読む

金持を喰いちぎれ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.2

痛快につぐ痛快と適当の連続、たまの暑苦しさに翻弄されました。何だかんだ同志が計4人なのもいい。弓の殺傷力もぐっとくる。悔しい気持ちも滲んだけど、極端な元気をもらいました。

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.9

ハードルを上げ過ぎたのもあるけどラストまでの追い込みはスンナリで自然、普通というのか。でも道程はさくさくスマートだったので楽しめました。変な映画を見過ぎて普通の作品に対応できない。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.0

言葉が少ないけど繰り返しは多くて虚無感が好きです。何と言っても社会から疎外されたあのオヤジ。すさまじい孤独と悲しみ。映画悲しみ界の旗手。単調だけど良い時間でした。

少年と犬(1975年製作の映画)

4.2

怯え優しい爺さんのような声色の犬が温かさを放って、狂気と無説明で終わりかねない所を救ってて良かった。顔面を白く塗ってる理由が無さそうなのが好き。最後も適当で大好きです。

オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

4.1

クリスマスみたいなファニー旅行感と楽しげ探偵、王道にワクワクする映画でした。でもコメディでなくて辛く重たい。最後の面々の乾杯シーンが夢みたいにかっこよくて家でやってみたい。

酔いどれ天使(1948年製作の映画)

4.1

志村喬の投げるような言葉の吐き方、たまらない。汚泥と闇の中に愛情がたくさんあって、雨の中すねて帰る三船敏郎が愛おしかった。笠置シヅ子は華やか過ぎて脱帽。

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

4.0

情熱的にお下劣を争う姿勢。曲がりなくて格好いい映画でした。本当に汚いけど楽しい。肛門上等の誕生日パーティーを楽しみ続ける皆の顔に幸せを見る。

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.2

著名な作品にトライしようと思い観ました。レクター博士の爆裂色気、のたうって痺れました。先生のように親身で優しい人。ワクワクして興奮しながらも殺人犯達の哀愁も後味に残り、おしゃれタイトル回収話。

殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)

4.3

始めから人を不安にさせる意気込みが漲っていて翻弄されました。おかしなカットと不協和音、鶏に熱いフラメンコ?を聴かせるお洒落さ。節々に品を感じました。卵関連の気持ち悪さを映画に取り入れてみよう!と考えた>>続きを読む

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

4.2

つらい。イールが彼女に対して前向きになったり奥手になったりを繰り返すのが健気で可愛く、あんなに酷い裏切りで終わってもその可愛さが1ミリも減らずに話をシメたのが救いでした。
思いを告げた後背中に刺青を彫
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ジャズ大名(1986年製作の映画)

4.0

この後古谷一行はどうなるのだろう、ジャズは江戸にどう来るのだろう等と思う内、皆がはしゃぎ出し、果てはタモリさんが出てきて笑いました。ふざけてて気さくなお話。かわいい。

麦秋(1951年製作の映画)

4.0

いつもの面子に安心し、穏やかで幸福な日常を見られました。平穏で笑い声の弾ける瞬間が続くので、後半の緩急でズンと沈む。さびしい。杉村春子が遺憾なく、早口兼涙もろい役で、やっぱりもの凄く素敵な女優さんだと>>続きを読む

素晴らしき日曜日(1947年製作の映画)

4.1

自分の貧乏を不必要に凝視し続けて生活し、不満を余さず吐き出す姿が、もはや無邪気に感じました。孤児の佇まいにも負けるかわいい大人。音楽堂のシーンで流れる曲の激情の凄さ。優しい日曜日になって良かった。

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

4.7

新宿シネマートで観て興奮。説明しようのない映像だけど、説得力があり、音も画も変だし凄い良かった。妙な所で仲間に責められたり称えたりする人々。無気力の人種にも惹かれました。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

キメキメのシーンが盛り沢山で気のいい連中でした。トイレの洗面所で「すっきりした!」と絶叫するユマ・サーマンが格好よかった。ジョン・トラボルタも色気のこもった無駄な動きの多さ。素敵。

エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.4

辛い人生を送る人間の内面を、深々と明らかに見せて、凄く悲しい映画でした。陽気な箇所もあるけど涙が出続ける。更に、皆と同じように寝てみて終わる…だなんて。彼の悲しくない顔をもっと見ないと釣りが合わないと>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.3

MOTHER2という大好きなゲームに「トンズラブラザーズ」という大変陽気な連中が出てくるのだけど、いつか元ネタになった映画を観たいと思っていたら叶った。
くちびるのブ厚い可愛い兄弟に痺れる。全てがご機
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

下高井戸シネマで観ました。一見気難しい先生も、漁場の仲間も、主人公も、みんなあの両親から湧き出る人柄の温かさに包まれている。決して後ろ向きにならない優しいお話でした。

スパルタカス(1960年製作の映画)

4.1

ローマの荒れた大地に力いっぱい生きる人々、一様に持つ復讐心と誇りが、終始猛々しい絵面となっていて良かったです。奴隷たちが牢をぶち壊して野に出る所の快感がすさまじい。強者への憎悪で涙が出ました。

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

3.9

とかく主人公の素行と口が悪いのでやれやれ慰めきれず愉快でした。レイヨンとの仲良し。蛾まみれのシーンの後レイヨンが化粧筆を落として死ぬのが良かった。

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

柳楽くんが少しずつたけしに似て行き、そう見えて行って、可愛げがありました。師匠の人柄も楽しく優しく悲しい。昭和の芸界にビュンビュン憧れます。

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

3.9

銀ちゃんとヤスの関係性、小夏というか松坂慶子のドラマ演技、たまらない。しかし、結局最後の終わり方で全て爆笑させられてしまう所に こりゃ映画エンタメにしてやられた感じかしら!と思いました。

東京暮色(1957年製作の映画)

4.1

鎮痛な空気がただよい細く悲しく、杉村春子と珍々軒のおやじの明るさになんとか保たれたけど、やっぱりいつも最後に独りにされてしまう父親役の笠さんに泣いた。
警察署で200°くらい頭からうなだれている謎の男
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お早よう(1959年製作の映画)

4.0

優しい子供達の無邪気さ、近所のごたごたを潤す。東野英治郎の笑顔も良かった。駐在さんが子供達の盗んだおひつと薬缶を持ち帰って、交番でひとり立って店屋物を食うシーン、妙に切なくて大好き。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.9

わちゃわちゃしてアメリカ!って感じで楽しい映画でした。みんな悪さより可愛げが先行して、ハーレイには憧れるばかり。

ナポレオン・ダイナマイト/バス男(2004年製作の映画)

4.1

子供にもブチ切れ、ファニーの盛りのナポレオンに夢中。皆んな変な子で大好きでした。最高にイカしてる。バス男 という邦題から敬遠してたのが大変勿体ない。

菊次郎の夏(1999年製作の映画)

3.9

昔暑い日にビール飲みながら観ました。母が余所の家から現れるシーンの苦しさには参るけど、笑ったりぼーっと考えさせられたり、気の要らない優しい映画。モノマネするにも最高。

ロリータ(1962年製作の映画)

4.0

勝手娘に不幸にされても、ずっと馬鹿タレで、最後の最後に「ずいぶん騙したけど、でも物事ってそんなものよ」などとも言われてしまう主人公。圧倒的ぶざまで見事。
ピーター・セラーズの一杯二杯食わせ度がコミカル
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.6

やっと観ました。モチャッとコメディものかと思いつつもテキパキ展開があり、役裏の感情が吹き出る感じもあって。
何より主人公に値する監督一家の全員が、強い志とエネルギーを全うして終わる所が情熱的で素敵。ド
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蘇える金狼(1979年製作の映画)

3.6

スーツに七三と黒縁眼鏡で、タバコ吸って足を組む松田優作の画パワー。痺れた。
不穏な時の「ビワン…」みたいな音も好き。
ハードボイルド映画はあまり観ないけどバタバタしてスパッ!と決まるので気持ちいいなと
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無宿 やどなし(1974年製作の映画)

3.7

勝新太郎のけたたましい顔表現、かわいかった。話はシュールだけど、かっこいい瞬間を沢山切り取り、切り取りながら渋くザッと終わる。好きでした。

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)

3.8

人生初の黒澤映画。暗澹した世界をマッドに走る三船敏郎をはじめ、皆のドロッとした人格が渋い。口笛とテーマ曲の重奏が狂ってる。
副総裁以外の人間は救われなかったけど、世の中が悪に手も足も出ない痛快ささえあ
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駅 STATION(1981年製作の映画)

4.1

直子という地名が北海道にあるのかと思いきや段々意味が分かり。1人1人の女性と何人かの骨太い刑事が丁寧に描かれ、切なくて胸がさわぎました。北海道の美しさ。
神社で、彼氏に振り向いた桐子に気付いた三上が「
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.7

1に続いて見ました。20年という時間に関わらず歳を取る悲劇、散り散りになる悲哀にグッときます。
もはやターミネーターのような悪人扱いのベグビーも、かっこいい背中して。
10年後もうワンパンチ「3」いけ
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.6

懲りない感じ!ピタピタとクスリをやって懲りない感じの連続で、やきもきしたけど次第に安心もしました。
全員がキュート。
特にベグビーの憎めなさは西洋一か。

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