故ラチェットスタンクさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

3.6

オーウェン・ウィルソンの最後の方のくだりがちょっと白々しくないかと思ったけど、良かったと思う。見直したい。

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.1

しょうもない揉め合いが一大事件に発展していく様をこれでもかとしょうもなく見せる技量に感服した。それにしても、マセた子ども-ここに年齢は関係ない-を描くときほどこの人が輝く瞬間もないなと再確認した。愛ら>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.1

 XYZ軸にこれほどまでに囚われない映画は観たことがない。平面が立体となり立体が平面となる。平面の中に立体が顕現し、立体の中に平面が落とし込まれる。横が縦となり縦が横になる。壁も天井も空間を焼き付ける>>続きを読む

(2021年製作の映画)

3.8

制作総指揮にアリ・アスターの名前が上がっているので悪魔の儀式?的な要素がもう彼のシグネチャーにしか見えない。蘇生させる時の体の繋ぎ方のあべこべさが良かった。

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.4

『皆よ、聴いてくれ。』

とにかく所作・仕草の過剰なまでのリマインドが効きまくってる。怪談とかに惹かれちゃう人、自然とノレちゃう人は一気に呑み込まれると思う。レトロなツール、家に縛られた呪い、時間弄り
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.2

『ウインド・リバー』

少々お芝居は誇張しすぎですが、日本的自然美を使った映画的な画面と反芻により空間が奥行きを持つ面白さには目を見張るものがあります。ストーリーもプロットも正直軽すぎてどうかと思う部
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SAND LAND(2023年製作の映画)

3.1

すげー鳥山明って感じだ。
プロットがしっかりしてるので飽きずに見られる。キャラクターを常に動的な状態に置くにはどうすればいいかがよくよく検討されていると思うが、原作がそもそも一巻完結の漫画なのでそもそ
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ブギーマン(2023年製作の映画)

3.0

こういう光に弱いモンスターが出てくる系統の映画は『ライト・オフ(原題:Lights Out)』(2016)の別エンディングがマジで面白いのでオススメです。笑えます。

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

クローネンバーグの読み方まだ掴めてないので何だかよく分かりませんでしたが、めちゃくちゃナウい(ナウいって言葉はナウくない)映画だと思います。ロケーションなのか内容なのかよく分かりませんが『魂のゆくえ』>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.3

時代が変遷していくことの時間的な重みを体感させる人物の身体変化の描写の素晴らしさ、と言ったところです。それと、エキストラの多い映画は最高ですね。大立ち回りの密度が濃い。

バービー(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

グレタ・カーヴィグの読み方が全く分からないタイプの人間で、『レディ・バード』も『わたしの若草物語』も楽しみにして観に行って、手も足も出ず何も理解できずに帰るのがオチだったけど、今回かなり良い線行ったと>>続きを読む

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.1

どんなに下らないアイデアでも生きたがるものだ。我々の深層が感知する限り、そういうものは-脳の大半と言わずともその一寸ぐらいをいつの間にやら占領して-思考や認知を歪めていく。加害欲や性欲と紐付けばそれは>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.9

『めろめろ』

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① いくじなく、たやすく泣くさまを表わす語。

② 炎を上げてたやすく燃えるさまを表わす語。

[2] 〘形動〙 (相手にゾッコンに
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.1

相変わらずポール・シュレイダーは静謐で密度が分厚い。背景についてもうちょっと勉強しないといけないのでスコアは一旦これで。
定点映写がムーディー。偏執的なまでに清潔で几帳面な画作り。ともすれば潔癖。神経
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ニモーナ(2023年製作の映画)

3.0

あまり感心しなかった。展開一つ一つが性急だしとても作為的に目に映った。同性愛の話であり、情報制御の話であり、悪しき伝承の話であり…と詰め込み過ぎてフォーカスがどこにもあってない。人物の情緒の移り変わり>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.4

『OUT OF CONTEXT STUDIO GHIBLI』

 冒頭の火事の中を眞人が走るシークエンスのアニメーション、歪み曲がりうねる人々の輪郭が本作の朧げで夢心地な感触を全て物語っている。「警報
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.3

『黒鉄の魚影(サブマリン)』

 しがみつくだけでは飽き足らず乗り込んで操作し始める前作の行くとこまで行った感じの方が好きでしたが、今回も一定の楽しさがあって良かった。

 「乗り物はサイズが小さいほ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.6

『Dancer in the Farm』

 テクニカラーな画面設計。ドレスの鮮烈な赤、ベッタリと塗られた空の水色、モロコシ畑の黄と朱と緑のなんと眼福なことか。時間の遡及が畑に牛舎に家に、見違えるほど
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X エックス(2022年製作の映画)

3.0

『A Star is Born』

フィルムのようなザラついた手触りの画面とカサカサに枯れたロケーションに若者の張りのある肌が映える。一方、殺人大喜利がかなり盛り上がらない。アッサリというよりほとんど
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オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

3.8

『KA☆TA☆NA \フィーン/』

 毒を持ってしまった男がそこから脱却しようと足掻き続けているが、毒それ自体も愛してしまっている(そしてそれが気持ち悪いという葛藤)みたいな話なのかな?となんとなく
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.9

シスターフッドものとしては面白かったのですがカタコト日本語が多すぎて集中が削がれてしまいました。

食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

4.1

『ゲロの出る映画は傑作だ。』

と、人々は口を揃えて言う。実際それはそうである。以上は他愛のないジョークであるが、実のところ私はいくつかのゲロの出る映画に少し腹を立てている。一口にまとめると「安易にゲ
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

3.2

「トロールいる・いない議論」見た後だと尚更笑えます。

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.2

『This Is the Way.』

イマジナリーフレンドの彼が大仰にミドルネーム(ではないが)を歌い上げる姿が示す通り、とにかくその存在へのリスペクト、パッションを当人と肩を並べて語り明かす行為に
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.9

『Far From Home』

 "Let’s do things differently…like...so differently.“(今回はやり方を変えよう。それも、かなり大きく。)

 彼は
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.3

『創造しろ。越えていけ。』

 アニメーション革命、異次元の映像体験、なんて言葉で今作を語ることはもう大分今更でしかないだろうが、まあ、もうこれは切っても切れない話だ。仕方ない。

"Alright,
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

『Across the Snyder verse』

 大前提よく出来ていたと思います。面白いです。ラフに話すのでネタバレあり。

 フラッシュの能力大喜利は素直に観ていて楽しかった。アバンのアクショ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

「ラ・ジュテっぽい」ってこんな感じのことを言うのか、とぼんやり。静止画だけで奥行きができてしまうのは、構図の良さか、それともSF元来の持つ不思議な魅力のせいか。わりかしのめり込んで観てしまった。SFっ>>続きを読む

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)

3.0

レフンがこれを作った意図がからっきしわからなかったのですが、高校時代、2年間担任までしてくれた世界史の先生に謝らないといけないことだけはハッキリとわかりました。知識曖昧過ぎた。

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

4.0

『Rock’n Roll is a risk』

 頭のツッパリとか、やたらに使われている小難しく画数の多い漢字とか、意味なくかかるロックとか、そういった空虚なあけすけさが良いんだと思う。タイトルの"
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.2

終盤、画作りがとことんリッチで良いです。雪の中に車が止まってるのとか、痺れました。

変な言い方ですが、レイアウトがバッチリ決まっているのと、久石譲さんのスコアが徹頭徹尾完璧です。画面の強度は色と音の
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