グラビティボルトさんの映画レビュー・感想・評価

グラビティボルト

グラビティボルト

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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.2

問答無用の今年ベスト。
「一人一色」のカラーで彩られたアニメーションは本作の武器、個性である事は間違いないが、同時に小さな女の子の
「チキンが食べたい!」という願いが
親、親戚、友達、警官を巻き込んだ
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マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

3.9

ショーン・ダーキン、1作目にしてこの繊細な絶望感を撮ってしまうとは。
クライマックス、エリザベス・オルセンが河で泳いでいると見える向こう側にいる人物の恐ろしさは勿論、カルトから逃げ延びた彼女の内面の時
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.1

「インフィニティプール」が弩級の愚作だったので心配だったが
「別人の脳内に侵入して仕事をする殺し屋」という設定のケレンで最後まで走り切るので、意外と観れた。
主人公が殺し屋として危うくなってしまう理由
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

2.2

この手の映画作家、ルイス・ブニュエル好き過ぎて凡庸になる問題が発生している映画だった。

ブランドン・クローネンバーグ映画初鑑賞だけど、ゾッとするほど面白く無かった。
荒木飛呂彦なら30Pぐらいで処理
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.4

ショーン・ダーキン監督作は初めて観るが、一見非ホラー的な題材を恐ろしく撮れるセンスがあると思う。終盤に待っているある飛躍には驚き過ぎて涙腺が弛んだ。

前評判から、傑作では?と身構えて観たけど予想外の
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毒娘(2024年製作の映画)

3.8

ちょっと惜しいけどすげぇ好き。
モラハラ夫にどう向き合うか?という家庭内スリラーと家に寄生してくる謎の少女をどうするのか?をくっつけて105分にする豪腕、野心が好き。
しかもその野心を映画の蓄積が可能
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.9

良作。ファティ・アキンが根本に抱えているであろう生真面目さがきっとプラスに出ていつつ、ジャンル横断もしてて野心的。
冒頭、主人公のカターが産まれる前、
身重の母親が紛争地帯を疾走して蝙蝠が飛び回る洞窟
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

1.3

ノーランのワースト。
題材云々以前に役者や場面をどうやって撮るのかわからなくなってしまった監督が、とにかく画面を「原爆」という題材にこじつけて白飛びさせ、大袈裟なサウンドトラックを掻き鳴らして走り抜け
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ブリックレイヤー(2023年製作の映画)

2.8

元から「まぁまぁの映画」を期待して観に行ったんだけど、ギリギリそこに届かないのが惜しい。
特に、アーロン・エッカート演じる
「元CIAのレンガ職人」のレンガスキルが活かされ無いのは中々辛かった。
ド頭
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美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.5

これは傑作。間違い無く傑作。
ジプチのガランとした砂漠、海岸で若きフランス外人部隊の訓練生が鍛え、踊る。
でも、彼らを教育するのがカラックス映画で女に執着しまくったドニ・ラヴァンであるからには、何も起
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愛の勝利を ムッソリーニを愛した女(2009年製作の映画)

4.4

「夜よこんにちは」も凄い映画だったが、こちらもそんな馬鹿な!というレベルで面白い。
冒頭の人を鼓舞するだけの強烈な演説でムッソリーニに惹かれてから延々と愛した男に傷付けられた人の映画。
ムッソリーニが
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

1.9

IMAXで観ないと!ってみんな言うけど、役者のアップのニュアンスで「この人は蟠りを抱えてます」みたいな魅せ方をするシーンが沢山あるので、普通の画質で観てもあんまり変わらないと思います。

確かに1作目
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アルファ、殺しの権利(2018年製作の映画)

3.6

超クール。 
警察、麻薬の売人の両方とも行動が迅速で、いちいち迷わないんだけど
ドキュメンタリックなデジタルカメラがそんな彼らのアクションを見逃さないのが良い。
薬の入ったバックを大事に抱えてタクシー
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.4

まぁまぁ。
自分より下と感じた女に暴行し、あまつさえ殺してしまうホンカが汚部屋と場末のバーを彷徨い、最終的には逮捕されてしまうまでの映画。
すげぇ無愛想な作りだと思う。
ゴア描写にはあまり興味が無い印
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.4

まぁまぁ。大絶賛の「ウィンターソルジャー」からしてボーンシリーズのアクションを流用してアメコミを撮ったようにしか見えなかったルッソの名前が入っている映画の中では面白いほう。

ブラックホークダウンのイ
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スペースバンパイア(1985年製作の映画)

4.1

終始口アングリ。すげぇ映画だ。
惑星探査中の宇宙船クルーが巨大彗星の中に超セクシーな女体(?)を発見するが、彼女は人間の生命を吸い取る吸精鬼だった!
マチルダ・メイのおっぱい!
クライマックスの宇宙戦
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.5

初ファティ・アキン。
息子と夫を理不尽な爆弾テロで喪ったダイアン・クルーガーの内面がブレる、ブレる。
容疑者をジャッジする裁判シーンにおける、デ・パルマっぽい分割画面やシャローフォーカスは機能してるか
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.6

冒頭のスーツが破れてしまう書記官のギャグが妙にユルくておまけに活劇が始動するまでのタメが長いので心配したが、
一度走り出すとラストまで止まらないのは見事。
マッドマックスばりの改造車両で紛争地帯を離脱
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レインメーカー(1997年製作の映画)

3.8

理想と現実の狭間で揺れたり段々適応して狡くなったりするマット・デイモンが素敵だし、動きの少ない法廷空間で印象的なアクションを積み重ねていく渋い良作。

ミッキー・ローク演じるヤクザ紛いの上司も、ただ柄
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タッカー(1988年製作の映画)

4.2

「ゴッドファーザー」で爆睡して以降
コッポラは勝手にニガテだったんだけど、すげぇ面白かった。
ジェフ・ブリッジス演じるタッカーは
笑顔が貼り付いた、思い付くと止まれない子供みたいな男なんだけど、そこに
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ブレーキ・ダウン(1997年製作の映画)

4.2

え、こんなに面白くてバチ当たらないですか?ってぐらい面白いんだが、ジョナサン・モストゥはここ最近影が薄いので、マジにバチが当たったか?

冒頭、車の故障をきっかけに妻と離れたカート・ラッセルが、そのま
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夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

3.9

マルコ・ベロッキオ初鑑賞。
イタリアの極左「赤い旅団」に所属する女性が、1973年当時のモロ首相を監禁し、闘争を試みる革命映画。
首相と共に過ごすうちに段々内面がブレていく静かな映画なんだけど、監禁部
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許された子どもたち(2019年製作の映画)

4.0

巧い時の内藤瑛亮映画は、瞬間最大風速が何度も出る。
疾走シーン、ボウガン周りの魅せ方、
実は強い女子小学生、突然走り出す母親、どれも身体的な要素が強いショットで勝負してる。

重苦しい題材なのに、魅せ
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.5

潜水艦映画であるにも関わらず、ロシアの過激なクーデター派から穏健派の大統領を救出する陸上での銃撃戦を足し算する見せ場足し算への照れの無さが潔い。 
ケレンのあるショットは少ないものの、異国の同業者に敬
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

2.0

以下URLのpodcastで感想話してます。
よろしく!
https://open.spotify.com/episode/0E4EXLlrFQVdftV98DY8iq?si=s43ew0Q1RaOd
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

以下URLでも感想話してます。
よろしく!
https://open.spotify.com/episode/2tD8UQZeSwO3xh5R4lLd0o?si=7qSKFL-0R66oY_55nMx
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FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

3.5

終始気持ち悪い映画。
夫を轢き殺された妻が轢き殺した家族の使用人になるという粗筋から連想される、格差やら何やらへの
「攻撃」には一切振り切れず、被害者が加害者家族の同一フレームに埋没してしまう。
何故
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荒野にて(2017年製作の映画)

3.6

浮気性、ブラブラしてる父親に放任され育てられてきた
少年が父親の呆気ない死によって正に荒野に投げ出される。
父の死の寸前に始めた馬の調教師補助のバイトをきっかけに、走れなかった競走馬と共に放浪する事に
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ザ・ホール(2009年製作の映画)

4.1

超面白かった!まさかのジョー・ダンテのベストじゃないか?
見入る者の恐れているモノを表出させる「穴」周りの演出はきっちりJホラーで、子供達が穴を発見してしまう流れも視線誘導が自然で頭に入り易い。
少女
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彼方からの手紙(2008年製作の映画)

3.8

主人公の元に父親ゆかりの建物を探しに来たと少女が訪ねてくる流れは後の「PARKS」へモロに繋がる語り口な訳だが、本作は大林宣彦もかくやと言わんばかりのスクリーンプロセスや編集を駆使した、時空を超えるS>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

親友とのpodcast「オーサムギャラクシー」で詳しく感想話してます!
文章読むの面倒な人は、ジョギング、筋トレ、家事育児、移動中に以下のURLから聴いてね!
https://open.spotify
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.3

久々に「自分にはセンスがあると思って欲しい、狂っていると思って欲しい」作家の映画を観た。
狂っているだろう!最悪だろう!と提示されるイメージが尽く凡庸で、醜い。
こういう話をすると「監督の狙い通り最悪
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.9

友達とpodcastで感想を話してるので、
文章読むの面倒臭い人は、ドライブしながらでも、家事しながらでも、
以下URLから聴いて下さい!
https://open.spotify.com/episo
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.5

友達とpodcastで感想を話してるので、 
マブリー大好きな方は文章読むの面倒臭い時はドライブしながらでも、家事しながらでも、気晴らしに以下URLから聴いて下さい!
https://open.spo
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.8

超攻撃型の烏野ではなく、粘る音駒にフォーカスして、しかもセッターである孤爪研磨をメインに据えた、ジャンプアニメの劇場版では随一に渋い秀作。
全員息も絶え絶え、それでも空に上がったボールが落下する刹那を
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さざなみ(2015年製作の映画)

3.7

アンドリュー・ヘイの映画、初めて観たけどコレは秀逸。

シャーロット・ランプリンが、結婚45周年パーティ寸前、色々準備に追われていると、トム・コートネイ演じる朴訥な夫の元に「元恋人の遺体が発見された」
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