DONさんの映画レビュー・感想・評価

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レポマン(1984年製作の映画)

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レポマンの事務所で編み物をしている同僚。誰もが身勝手に生き、身勝手に死に、身勝手に空を飛ぶ。

勝手に生きろ、とエステヴェスに別れを告げた後に見せたハリー・ディーン・スタントンの泣き顔を、やけっぱち田
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トッド・ソロンズの子犬物語(2015年製作の映画)

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老若男女、マイノリティにメジャリティ、人間に犬。トッド・ソロンズは変わらずに生きとし生けるものすべてを分け隔てなく黒い理不尽で塗りこめる。

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

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原作もテレビシリーズもまったくの未読未見ながら、びっくりするほど面白かった。

序盤の病院の場面で、聞き込みに来た刑事を案内する看護師が出てくるのだが、この関西弁のおばちゃんがまあよく喋る。滔々と、し
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エクスプロラーズ(1985年製作の映画)

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初期衝動=夢に理屈は要らない。いや、むしろ理屈が分からないからそれは初期衝動なのだ。
宇宙への探索を前に遺書を書くイーサン・ホーク。子どもにとって、夢を信じることは命がけなのだということ。後半の悪ノリ
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アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)

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祖母は同性愛の偏見とどのように闘い、片親である母は娘をどのように育て、娘はそのような祖母や母を見て何を思い、どう生きてきたのか。

「3世代」という原題を持ちながら、3人が辿ってきた過去が見えてこない
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THE PROMISE 君への誓い(2016年製作の映画)

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トルコによるアルメニア人虐殺という史実を題材にした物語だが、同監督の『ホテル・ルワンダ』ほどの完成度はない。
虐殺の史実を伝えようという志が先行するあまり、オスカー・アイザック、シャルロット・ルボン、
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リトル・ボーイ 小さなボクと戦争(2014年製作の映画)

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こういう戦争の描き方もあるんだなあと素直に感動。あざといという誹りを振り切って加速し、繋いでいくプロットと編集の潔さ。しかし何といっても、いつも泣き出しそうな表情をしている主役の少年が素晴らしい。

人魚姫(2016年製作の映画)

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本気が度を越すと狂気=笑いに昇華する。飽和状態にあるハリウッドのアメコミ原作ものは、そろそろチャウ・シンチーの熱量と作劇を見習うべきなのではないか。

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

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老人性痴呆という設定とアウシュヴィッツ=過去を見せないところがミソではあるのだが、それだけという気がしないでもない。マーティン・ランドーの素晴らしい存在感。

人生フルーツ(2016年製作の映画)

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時がためられた信念は生き方になる。修一さんの台湾訪問、英子さんはなぜじゃがいもが苦手なのかということ。このご夫婦の原点にある戦争というカタストロフがちゃんと映し出されている。そこが素晴らしい。

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

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これは『リアル 完全なる首長竜の日』でも感じたのだが、SFというジャンルは黒沢清にとって鬼門だと思う。

人間から概念を採取する宇宙人という設定。「所有」という概念を失った者は争いごとの無益を説き、「
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パディントン(2014年製作の映画)

5.0

まさかの号泣。英国文学伝統の孤児=熊という主題の変奏であり第一級のパロディ。ウェス・アンダーソンのポップでキュートな世界観を下地に、ミッション・インポッシブルばりの活劇が展開される(しかも演じるのはニ>>続きを読む

ボヤージュ・オブ・タイム(2016年製作の映画)

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エンドクレジットに「AMBASSADOR OF GOOD WILL : ALEXANDRA MALICK」という名前。

オン・エッジ 19歳のカルテ(2001年製作の映画)

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既成曲による音楽がことごとくうるさく、ドラマを陳腐で安っぽいものにしてしまっている。それは物語が主人公の回想=ナレーションという後付けられた視点から語られているためだろう。つまり、人物たちの感情の動き>>続きを読む

ぼくのおじさん(2016年製作の映画)

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ひとりの女性をめぐる男二人が「血闘」の前夜に杯を交わして与太を飛ばし合う。あるいは、頼りないおじさんが最後に見せる心意気と後ろ姿。

アメリカン・ニューシネマを愛する山下敦弘監督が好みそうな要素はいく
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Mr.&Mrs. スパイ(2016年製作の映画)

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この手のコメディはドメスティックなリアリティを下地にしているからこそ、そこからの飛躍が面白いのだけれど、スパイというある種のファンタジー的な要素が入ることで、その荒唐無稽な面白さは相殺されてしまった気>>続きを読む

シークレット・オブ・モンスター(2015年製作の映画)

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スコット・ウォーカーの音楽がドラマの空疎を糊塗しているようにしか聴こえない。かと言って、演出は現象の記録に徹しているわけでもない。だから、最後に匙を投げてしまう。

牝猫たち(2016年製作の映画)

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アフレコで得た自由によって池袋という街を徹底して記録し、社会と斬り結ぼうとしている姿勢は理解できる。リブートという企画の意図に最も沿った作品だと思う。

ホワイトリリー(2016年製作の映画)

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不完全燃焼。理屈だけで出来た図式的な脚本から炎は生まれない。

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)

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−☆☆☆☆☆
モノローグしかない。園子温のためのポルノ。

ダークタワー(2017年製作の映画)

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アクション描写が致命的に弱い。そして原作未読にも関わらずダイジェスト版の感が否めないというのはやはりいかがなものかと思う。

とはいえ、もし自分が10代の頃に観ていたら、きっとワクワクしながら楽しんだ
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ピートと秘密の友達(2016年製作の映画)

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野性の少年からエリオットと自転車を経て、ピートへと継がれるアメリカ映画最良の物語。それは迷い子、孤児=英雄たちの王国だということ。目に見えぬ夢と魔法を信じ、映画という物語を紡ぎだすのはいつだって彼らだ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

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すこぶる面白い。『ローズマリーの赤ちゃん』を基調に様々な映画の意匠を取り入れつつ、しっかりと批評性を持つ作品として昇華されている。

外面と内面の齟齬、眼差しの同一化=共感と差異化という人間の持つ二重
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ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命(2017年製作の映画)

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平板で起伏に欠ける脚本ではあるが、演出と俳優は力強い。とりわけ、熱心なナチス信奉者であるベルリン動物園園長を演じたダニエル・ブリュールの、残酷さと優しさがひとりの人間のなかに平然と両立していることは、>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

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草食動物が肉食動物ではないように、男性は女性ではなく、「動物」は「人間」ではない。これは身体的な性=セックスによる定義。だが、人間はアニメによって動物を「人間らしく」描くことができる。この「らしさ」と>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

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走行する列車と密室という状況とゾンビという設定を借り、大仰に情緒を煽り立てて手際よくまとめた薄弱なドラマ。

クロースアップと劇的な音楽の多用、即物的な殺人の描写が綺麗さっぱりと排除されている点が致命
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ヴィジット(2015年製作の映画)

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技巧や演出の多彩さとは対照的に、物語に憑かれた作家シャマランの主題はつねに一貫している。
各々が持つ物語同士の齟齬と衝突、和解と別離。

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