moobyooさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

本作においてギャレス・エドワーズ監督はSFアクション映画の担い手としての地位を確立させた言っちゃって良いと思います。

それにしても本編の至るところに散りばめられる日本語フォントのみならず、タイトルは
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(2023年製作の映画)

3.3

本作は感想を書くのに至極厳しい作品です。ユーモアを完全に排除した石井裕也監督作品としては、『生きちゃった』を超える針の筵映画です。

衝撃が半端なかった実際に起こった障害者施設殺傷事件を題材に、ホラー
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.8

『リップヴァンウィンクルの花嫁』より2分だけ短いけど岩井俊二監督作品としては大長編となる178分の長尺で、それぞれの場面をじっくり描いているので、どうしてもテンポが良いとはならない部分で好き嫌いが分か>>続きを読む

ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

2.8

下世話さ満載の宮藤官九郎の脚本による過激な台詞の応酬を、豪華な出演陣でこねくり混ぜて笑いを引き出す感じは、松坂桃李さんからの提言による『ハングオーバー!』シリーズから着想を得た映画ブローアップ作品だと>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

3.2

春画に魅せられてしまった変な人(←つまり変人)達に纏わる艶噺しを原作と脚本も兼ねて塩田明彦監督が撮ったと云うのが実に興味深いです。

内野聖陽さん演じる変わり者の春画研究者芳賀一郎に浮世絵春画の奥深さ
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.9

"死霊館ユニバース"の6作目で『死霊館のシスター』の5年ぶりの続編であり、正直前作はどんなだったか記憶が曖昧だったので当時書いた感想を辿っみたらイマイチな感じでしたが、本作は其れなりに面白かったです。>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

言わずと知れたデンゼル・ワシントンの当たり役である仕事人ロバート・マッコール=イコライザーの三作目にして安住の最終章です。

絶対に死なない最強の闇ヒーローながら、不意打ちにより負傷しながら辿り着いた
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アナログ(2023年製作の映画)

4.1

こんなにも優しい物語りをもビートたけしさんが書くという事実が、意外でもあり納得でもある感覚を上手くメジャー映画に落とし込んだ恋愛映画です。

今時スマホを持たないヒロインと運命的に出逢い恋をした主人公
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.3

いつもの今泉力哉監督作品の緩やかな展開にサスペンス色が混じる、今までになかった物珍しいテイストになっています。

間違いなく消えゆく途上の日本文化の一端にある銭湯が舞台と云う、不安定な土台に謂わばしが
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.5

犯罪映画の主役に安藤サクラさんを使うと云う裏をかいた配役が功を奏し、クライムストーリー枠の原田眞人監督作としても、近年では出色の完成度です。

強面、異質なクセ強過ぎるキャラクター達が終始動き回る特殊
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沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

4.5

とにかく観ていて嬉しい思いが溢れる映画でした。Amazonスタジオ製作による初めての日本映画という外資与件は、この際置いておいて、やっと日本映画で特撮アクションとしてIMAXで観なければなるまいという>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.3

どちらかと言うと小品な作品ながら、改めてケイト・ブランシェットの凄さを思い知る一編です。伝説の建築家なのに今は隣家のママ友といがみ合う主婦と云う役柄を躊躇なく依存体質で見事に演じ切ります。

思ってい
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.1

やけに重たい空気が常に漂い、何とも息苦しい閉塞感が全編を通して継続される中で展開される、日本の風土に寄せた変則ジュブナイル風ファンタジーとして斬新な作品です。

製鉄所と共に歩んで来た町の住人達が、そ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

〔午前十時の映画祭13〕にて鑑賞。今まで観る機会がなかったので初鑑賞です。

50年前のスペイン映画。少女アナの目線と体験から、当時のスペイン内戦終結直後の社会不安を比喩的に描き出す、装いは静かだけど
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コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

4.0

前作『コンフィデンシャル/共助』は未鑑賞のまま観てしまいましたが、物語は続いてておらず、メインキャラの関わりが分からない位で、特に問題なく面白く観られました。

007、M:I、ワイスピなどをいいとこ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

5.0

まさかの2時間49分‼︎ 怒濤の死闘が止まりません。

嗚呼...NYコンチネンタルホテルがぁ...

まさか大阪コンチネンタルホテルがあったとは‼︎
しかも支配人役は真田広之さん‼︎

そして『ロ
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.1

試写会にて鑑賞。

Jホラーと韓国ホラーが混在しているのは確かなのですが、残念ながら上手く相乗効果とはならず期待した濃厚さには至っていませんでした。

題名そのままに、オクス駅に子供のお化けが出没して
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.5

企業も行政も教育現場でも、それを司る大人達は自らの保身を前提とした利益の確保のためなら未来ある少女の命すら顧みない怠慢さが、心底恐ろしく救いが微塵もない状況においては途轍もない虚しさしか残りません。>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.0

今年の8月に逝去されたウィリアム・フリードキン監督追悼上映(@シネマート新宿)にて『恐怖の報酬〔オリジナル完全版〕』ブーストサウンド上映にて鑑賞。恥ずかしながら初鑑賞です。

本作の日本初公開は197
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.8

何やら面白いと云う声がソワソワ聞こえて来るので、過去作は一切未見のまま観てしまいました。なるほど白石晃士監督の真骨頂であるフェイクドキュメンタリーを主軸にして、大胆に開き直ったホラーの姿を借りた笑い満>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.0

レーシングシミュレーションゲームのグランツーリスモのプレイヤーが本物のレーシングドライバーになり、ル・マン24時間レースをも制してしまったサクセスストーリーをニール・ブロムカンプ監督が撮ったことが意外>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

関東大震災直後に現在の千葉県野田市付近で起きた集団暴行殺人事件の実話を元にフィクションを交えて描く、見てはいけないものを見てしまったけれども見なければいけないものでもあるとの思いに強く駆られる社会派作>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.1

斎藤工さんが齋藤工名義で監督した1作目の『blank13』の時と不本意ながら同じ観賞後感となりました。

自他共に認める筋金入りの映画通である斎藤工さんなので、映画の良し悪しに関しては嫌というほど精通
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.0

名実ともに菅田将暉さんの当たり役となった頭脳明晰だけど類い稀なる変人である天パの曲者大学生久能整のキャラクターの面白さだけで、映画になってもある程度は勢いで物語りを引っ張ってしまえる与件を差し引いても>>続きを読む

禁じられた遊び(2023年製作の映画)

3.5

中田秀夫監督作品は『L change the WorLd』以降については、失礼ながら粗探しを楽しみ…に観に行っているというのが近年の自己流儀なのですが、何と本作は粗がなかったのです。何時もの辻褄が合わ>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

2.8

スタンダードサイズの画角で展開される人間ドラマを落ち着いた演出で構成し、一見は芸術作品の趣きではあります。

ヒロインの門脇麦さんと染谷将太さんが演じる共に既婚者設定の二人が不倫旅行に行く場面から始ま
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.9

寅さん映画が止まって28年。それ以降の山田洋次監督作の中で最も『男はつらいよ』に寄せた作品になっていると思います。

下町の風情が残る向島にある老舗の足袋屋が舞台で、その母屋の居間の傍らに2階へ上がる
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バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

4.4

堀田真由さんの俳優としての存在意義を改めて明確に示すことになり、娘役として名優小林薫さんとの得難い共演がもたらすものが途轍もなく大きいです。

青森の伝統工芸である漆の津軽塗りをモチーフに、職人の後継
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.1

冒頭シネマスコープで始まったので、えっ?ウェス・アンダーソンなのに⁇と思っていたら、すぐさま白黒スタンダードサイズになりエドワード・ノートンが出て来たので何気にホッとしました。

この白黒スタンダード
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

また日本のボクシング映画に新たな良作が生まれました。瀬々敬久監督の腰を据えた演出ぶりが非凡です。

何より実際にボクサーのプロテストに合格してしまったと云う横浜流星さんと才人窪田正孝さん、それに意外に
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

2.7

製作費を出している与件を差し引いても、前作より更にパワーアップした中国スゴイダロウ感が、より鼻に憑ます。

名前すら覚えてませんが 1作目のヒロインだった中国の方、公開当時ゴリ押し的にハリウッド作品に
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.0

予告編の感じで楽しそうと思ったので観てみました。予想通り面白かったです。

王道の冒険活劇で、多様なキャラを動かし善悪をかき混ぜながら最終的に本当の悪を明確に示し安住な結論に着地します。

悪魔だから
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Gメン(2023年製作の映画)

3.1

東映娯楽路線の破天荒さを継承している感じは悪くありません。

ヒロインの恒松祐里さんの何とも言えない粗雑さの中にある可愛げや、吉岡里帆嬢のドSなコメディエンヌぶり全開加減や、竜星涼さんの確信的むりくり
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.5

『テルマ』『わたしは最悪。』の脚本家であるエスキル・フォクト監督作品なので、なるほど一筋縄ではいかないスリラーになっています。

日本で云うところの団地に住む其々に事情を抱える特異な家庭環境で暮らす子
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⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

3.9

地方の有名地を舞台にメジャーな俳優を主役に、日本の伝統を含めた家族と関わる市井の人々の生活を描く大作でない日本映画が、年に数本コンスタントに撮られていますが、本作もまたド派手な展開の映画の狭間に観ると>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.5

気色悪く、異様にエロくて、ワケわからん?だってクローネンバーグ映画なのでソレでいいのです。

イャ〜80歳にして満を持してグチョグニャヌルネチャ映画の集大成を出して来るとは恐れ入りました。でもね『ヴィ
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