ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

4.1

意外、と言っては失礼ながら面白かった。
TVアニメ版の第一期と同じ話を、ピッタリ2時間で描いているので、若干のダイジェスト感はあるものの、よくまとまっている。
しかし、この映画の最大の魅力は北川景子と
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Away(2019年製作の映画)

4.4

これは素晴らしい。
ラトビアのアニメーション作家、ギンツ・ジルバロディスが一人で作り上げた長編アニメーション映画。
飛行機事故で空から落ちて来た少年は、飛べない黄色い鳥をパートナーに、遺されていたオー
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アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)

4.0

ナチス占領下の南仏で、ピレネー山脈を超えてスペインに逃れるユダヤ人を助けた羊飼いの少年の寓話。
村にはドイツ占領軍もいるんだが、主人公と仲良くなる下士官がいて、自分の任務について葛藤を深めていたり、な
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BOLT(2019年製作の映画)

4.3

久しぶりの林海象作品は、やはり挑戦的な意欲作だった。
自身が教授を務める東北芸工大とコラボし、数年かけて原発事故をモチーフにした短編を三本作り、それを一本にまとめた作品。
第一部「BOLT」は原子炉か
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夏、至るころ(2020年製作の映画)

4.1

福岡県の田川を舞台に、幸せの意味を探す男子高校生の話。
池田エライザ監督のデビュー作なんだけど、これがなかなかよく考えられた一本だった。
高校三年の夏、皆は幸せを求めて進路を決めるが、おおらかな家族に
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ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢(2020年製作の映画)

4.3

愛すべき作品。
ダコタ・ジョンソン演じる音楽プロデューサー志望の主人公が、伝説的な歌手の付き人になって奮闘しつつも、いろいろやらかす。
フワフワしたサクセスストーリーかと思いきや、業界の内幕ものとして
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天外者(2020年製作の映画)

3.5

幕末から明治初期に活躍した薩摩出身の志士、五代友厚の物語。
故・三浦春馬が好演するこの人物は、幕末を描いた物語にたまに脇役として出てくるくらいにしか知らなかったので、彼の人生そのものはなかなか興味深か
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アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)

4.7

「100円の恋」コンビによる、ボクシング映画の新たな金字塔。
一発のパンチで日本チャンピオンを逃し、輝けなくなった森山未来と、過去の罪を引きずる北村匠海、番組企画でプロライセンスを取得した、笑えないお
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アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)

4.7

「100円の恋」コンビによる、ボクシング映画の新たな金字塔。
一発のパンチで日本チャンピオンを逃し、輝けなくなった森山未来と、過去の罪を引きずる北村匠海、番組企画でプロライセンスを取得した、笑えないお
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NETFLIX 世界征服の野望(2019年製作の映画)

3.9

1997年に、たった2台のPCと3000枚のDVDから始まったネットレンタルのスタートアップは、いかにして世界最大の“映画会社”になったのか。
最初の”Netflixオリジナル作品”が、宣伝のために配
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.3

東京に住む売れない俳優の主人公が、同郷の友人と再会したことで、共通の友人で高校時代にクラスの人気者だった佐々木を思い出す。
たぶん誰の記憶にもある、青春時代を象徴する“友だち”を描く「横道世之介」を思
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ベター・ウォッチ・アウト: クリスマスの侵略者(2016年製作の映画)

4.0

ダクトテープ万能論な映画がまたしてもw
12歳の少年が、18歳のベビーシッターに恋心を募らせる。
彼女の進学が決まり、一緒に過ごせる最後のクリスマスに、何者かが二人きりの家に侵入し、恐怖の一夜が幕を
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

2.7

クリスマスの東京を狙う爆弾テロとの戦い。
うーむ・・・佐藤浩市が犯人なのは予告でも見せてたし、最初から分かってるんだが、最後まで観ても登場人物の誰にも感情移入出来ないのに加えて、恐ろしくリアリティライ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.6

写真技術が無く、女性の長距離移動が良しとされなかった時代、お見合い成立の決め手は肖像画だった。
とある島の館に住む娘の肖像画を描くため、女性画家が身元を隠してやってくる。
画家は結婚を拒む娘には散歩の
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

4.8

びっくり!傑作じゃないか。
落ち目の作家とその家族が越してきたマンションの隣室には、朝早くから盛大に布団を叩くおばさんが。
てっきり、昔話題になった騒音おばさんの話かと思った。
実際映画の前半は、ひた
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

4.1

事故で両親を失った少年と、アン・ハサウェイが怪演する、子どもを動物に変えちゃう魔女団のボスとの戦いを描く。
ロアルド・ダールの児童文学をロバート・ゼメキスが映画化した作品なんだけど、かなりのダークモー
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完全なる飼育 etude(2020年製作の映画)

3.9

今度は女が男を飼育する。
月船さらら演じる落ち目の天才舞台演出家が、時代劇「完全なる飼育」を上演しようとするのだが、パワハラ体質すぎて主演俳優が逃げ出す。
そこへ謎めいた若い役者が代役に名乗り出て、演
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ボルケーノ・パーク(2019年製作の映画)

4.0

オヤジ強すぎだろw
職人サイモン・ウェストが撮った、中国製パニックスペクタクル。
よせばいいのに活火山の島にテーマパーク作っちゃって、案の定大噴火が起きてパニックに。
要は科学を過信する人間の傲慢さ
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.3

大怪作。
ブラジル奥地の小さな村、バクラウに異変が起こる。
ウェブ上の地図から村が消え、携帯電波が止まり、ミニUFOが目撃され、謎のバイク乗りがやって来る。
前半1時間くらいは細かな異変が起こるだけで
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MORTAL モータル(2020年製作の映画)

4.0

ノルウェー系アメリカ人の青年が、祖先の地に戻ってみたら、なんか覚醒しちゃう。
世界樹の夢を見て、雷を操り、嵐を呼ぶって・・・もう完全にアレちゃうんw
暴走する力のコントロールが出来ない超人は、図らず
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.3

EC会社に勤める不眠症のレミーと、過眠症に悩む癌研究者のメラニー。
共にアラサーで、駅近の隣り合わせのアパートに住み、親との関係に確執を抱え、同じ店で買い物をして、同じ時期にマッチングアプリを始める。
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君は彼方(2020年製作の映画)

2.5

事故にあって、現世とあの世の境界の世界に飛ばされた女子高生が、幼馴染に想いを伝えるため、現世に帰れるように頑張る。
要するに女子高生版「大霊界」なのだが、全体の雰囲気がすごく宗教映画っぽい。
クレジッ
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.8

Netflix。
やっと観たが、さすがアーロン・ソーキン先生だ。
もの凄く面白いじゃん。
ベトナム戦争下の1968年、大統領候補を決める民主党大会が開かれていたシカゴで起こった暴動事件で、暴動を扇動し
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滑走路(2020年製作の映画)

4.2

若くして自死した歌人・萩原慎一郎の歌集が原作。
非正規雇用の自殺者のリストに、気になる名前を見つけ調べ始める厚労省の官僚。
子どもを妊娠した途端、夫婦仲に問題を抱えた切り絵作家の女性。
いじめられてい
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THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

4.0

そうか、香港人は雪を知らないんだな。
深圳に住み、香港の学校に通っている女子高生が、親友との憧れの北海道旅行のお金を貯めるため、iPhoneの密輸といういけないバイトに手を染める。
深圳と香港ではiP
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.9

こりゃ傑作だ!
デヴィッド・フィンチャーが、「市民ケーン」の脚本家として知られるハーマン・“マンク”マンキーウィッツを描いた作品。
映画は「市民ケーン」執筆中のマンクと、なぜ彼がこの作品を着想したのか
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.5

痴話喧嘩から戦争まで、時代も国も異なる人々の生活を定点観測したような作品。
1〜3分程度の1シーンが1エピソードとなり、複数回描かれる人々もいるし、一回しか出てこない人々も。
全てフィックスのカメラで
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記憶の技法(2020年製作の映画)

3.3

ひょんなことから、自分が両親の実子でないことを知った石井杏奈が、自らの出自を見つける旅に出る。
しかし、物語で過去が隠されてる時は、たいてい相応の理由があり、真実を知ることが幸せとは限らない。
物語の
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#生きている(2020年製作の映画)

4.0

Netflix。
ちょっと変わり種の韓国産ゾンビ映画。
ある日突然、ゾンビウィルスのパンデミックが起こる。
ユ・アイン演じる引きこもりゲーマーの主人公は、マンションの一室に取り残されてしまうが、向か
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STAND BY ME ドラえもん2(2020年製作の映画)

4.2

これはドラえもん世界版の「BTTF2」だな。
前作は言わば究極のファンメイドムービーで、原作の人気エピソードを上手く繋ぎ合わせた、“ドラえもん全部入り”の幕の内弁当だった。
しかも綺麗に完結したので、
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イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019年製作の映画)

3.9

Netflix。
アメリカの片田舎、背の高い草むらから聞こえる“声”に導かれ、緑の迷宮から出られなくなってしまった人々の物語。
スティーヴン・キングの原作をヴィンチェンゾ・ナタリが映画化した作品なんだ
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

4.3

故郷の秋田のなまはげ祭りで壮大に恥をさらし、東京に逃げた仲野太賀が、離婚した妻子とよりを戻そうと悪あがきする。
この主人公、別に悪い奴ではないのだが、どこか浮ついていて、子どもの気分が抜けてない。
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

4.7

これは強烈。
まだまだ傑作快作が出てくるぞ、今年の日本映画。
都内のデリヘルに勤めている、女と男の群像劇。
舞台となるのはほとんどデリヘル店内とその周辺で、非常に演劇的な作りだと思ったら、なるほど元は
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461個のおべんとう(2020年製作の映画)

4.1

ほっこりおいしい映画。
妻と離婚後に、高校生の一人息子のために3年間お弁当を毎日作り続けたミュージシャンのパパの話。
井ノ原快彦が好演する、超ポジティブ人間のパパがいい。
彼と道枝駿祐演じる息子を、な
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

3.3

北海道の湿原に建つラブホテルを舞台に、跡継ぎ娘の波瑠の10年間を描く。
たぶん、主人公をホテルと同じくなるべく空っぽの“入れ物”にして、ホテルの客や従業員のドラマで見せようとしたのだろうと思う。
例え
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.5

これはディープでワイドなアニメーション文化を持つ、日本以外では生まれない作品かも。
年齢も境遇も住むところも違う三人の女性が、ひょんなことから友だちになる。
彼女らに共通するのは、人生に躓いてるところ
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