ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 54ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

男と女、モントーク岬で(2017年製作の映画)

3.9

嘗て愛し合った男女が、数十年ぶりに再会して焼け木杭に火がつく。
ただ、その意味は二人の間で全く違っている。
ドイツ人小説家のマックスは、訪れたNYで元恋人のレベッカを探し当てるのだが、彼女は彼を二人の
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修羅の華(2017年製作の映画)

3.1

ヤクザ組織をビッグにした秋元康似の会長と、ナンバー2の美人秘書、汚れ仕事専門の殺し屋。
美人秘書に惚れていた殺し屋は、検事の言葉に踊らされて、会長と彼女の秘密を知り、愛しの彼女を奪おうと血みどろの殺し
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.5

行方不明の少女たちを救出する仕事で生計を立てている、元捜査官の男が政治家の娘を巡る陰謀に巻き込まれる。
ホアキン・フェニックスが素晴らしい。
この人、幼少期の父親のDVはじめ、戦争や凄惨な事件の記憶な
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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年製作の映画)

4.2

山田洋次のダメ男啓蒙シリーズ、日本の縮図としての平田ファミリーの物語も、早くも第三弾。
前回俎上に載せられたのは、車をぶつけても高齢運転をやめないダメ爺さんの橋爪功だったが、今回は良妻の夏川結衣に家出
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OVER DRIVE(2018年製作の映画)

4.2

モータースポーツものでも珍しいラリー映画、しかもオリジナル。
まるでバブル期の様な代理店主導の企画だなあと思っていたが、これがなかなか良く出来ている。
物語の軸をありがちなライバル対決でなく、同じチー
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.9

是枝裕和は「そして父になる」で、家族は血か?共に過ごした時間か?と問うた。
そして本作では、さらに複雑な問いを観客に投げかける。
これはまさに、デビュー作の「幻の光」から「三度目の殺人」までを内包する
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50回目のファーストキス(2018年製作の映画)

3.3

プレイボーイの主人公が、1日しか記憶を保てない美女に恋をする。
オリジナとの差は、ファーストとキスの間に点がない・・・だけじゃなく15分ほど長い。
元々とても良く出来た話だから、面白いことは面白いのだ
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.7

いやー笑かしてもらった。
軽々と前作を超えてきたな。
色んな映画のパロディを組み合わせて、全然とっ散らかり感無しに、ここまでちゃんとした話が作れるのが凄い。
ぶっちゃけ、いい話過ぎてちょっとウルっと来
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.7

20世紀のイギリスのオートクチュールデザイナー、チャールズ・ジェイムズをモデルとしたレイノルズ・ウッドコックと、彼のミューズとなるアルマの、奇妙で狂おしいサスペンスフルな愛の物語。
ファッションには全
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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章 煉獄篇(2018年製作の映画)

3.9

シリーズも後半に入って、そろそろたたみにかかってきた。
序盤から中盤にかけては、デスラー家の過去を描く描写が多くを占める。
決してつまらない訳ではないが、今まで快調に展開してきた分、初めて物語の停滞を
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海を駆ける(2018年製作の映画)

3.4

津波と戦争の記憶が残る、インドネシア、アチェを舞台にした異色の寓話。
ディーン・フジオカ演じる海からやってきた謎の男が、日本とインドネシアの若者たちの間に小さな波乱を起こす。
閉塞した日常に、突然異物
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ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

4.5

金持ちのメンタルってめんどくせぇ。
石油王ゲティ家の孫がイタリアで誘拐され、巨額の身代金要求に、世界一の大富豪でありながら当主のジャン・ポール・ゲティが支払いを拒否。
見返りのない支出である税金と身代
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.4

ここしばらくの漫画原作の恋愛系映画の中で、ダントツに面白い。
これはやはり坂口理子の脚本力。
怪我で挫折した陸上選手の女子高生と、冴えないファミレス店長のおっさんの恋というから、もっとベタベタのファン
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友罪(2017年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ重い・・・。
元雑誌記者の生田斗真と元少年Aの瑛太が友達で、佐藤浩市と富田靖子がAの両親なのかと思ってたら違った。
これ酒鬼薔薇事件の他にもいくつかモデルになっている事件があって、それらを
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.2

なんちゅうケッタイな映画だw
近未来の日本、反犬派の小林市長に独裁支配されたメガ崎市は、全ての犬を沖合のゴミの島に幽閉。
愛犬スポッツを連れ去られた小林市長の養子の少年アタリが島に潜入、犬たちの協力
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

4.4

昭和の画家・熊谷守一夫婦の1日を描く物語。
まるで小さな森の様な庭から数十年出ず、ミニマムな生態系を眺めて暮らす守一の家には、色々な人が訪ねてくる。
守一を撮り続けるカメラマン、看板を描いて欲しいと依
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.3

三年前に亡くなった恋人から届いた手紙が、止まっていた彼女の時間を動かし始める。
手紙そのものがドラマを推進する訳ではなく、主人公の心にずっと引っかかっていた、ある想いに向き合うきっかけを与えるだけ。
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

4.5

作家のジェイムズ・ボールドウィンが1979年に書いた未完成原稿をもとに、アフロ・アメリカン史の視点から、アメリカの過去と未来を考察したドキュメンタリー。
フィーチャーされるのは、ボールドウィン自身とマ
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メイズ・ランナー:最期の迷宮(2018年製作の映画)

4.2

“有終の美”と言っても良いのではないか。
主演俳優の怪我で現場が一旦バラしになったらしく、一年遅れての完成。
もう2作目の記憶がちょっと怪しかったのだが、観てると直ぐに思い出してきた。
前作のラスト直
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のみとり侍(2018年製作の映画)

3.2

ちょっとしたことで殿の逆鱗に触れた阿部寛の侍が、“猫の蚤取り”と呼ばれる男娼を生業にすることに。
江戸庶民の暮らしの描写は楽しく、まあまあ面白くみられるのだけど、色々やりたいことを突っ込んだ結果、何が
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仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判(2018年製作の映画)

4.0

シーズン2観終わってなかったけど、多少の脳内補完で問題なし。
自ら作ったアマゾンたちを、都合よく扱う人間のエゴはさらに加速。
「わたしを離さないで」的な舞台装置を背景に、オメガとアルファ、さらにネオア
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GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)

4.5

むっちゃ面白いやんか!
ただし、コレはもはやぼくらの知ってるゴジラ映画ではない。
ゴジラをモチーフにしてバリバリのハードSFをやってるのだから、原理主義的ゴジラファンは泣くしかないわな。
なにしろ散々
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ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)

4.1

いやーおバカ全開で実に楽しかったよ。
悪の企業が開発した薬のせいで、ゴリラ、オオカミ、クロコダイルが巨大化。
色んな動物のDNAが混じりあいミューテーションして、巨獣というかもはや怪獣なんだが、悪の企
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.8

予告編の印象があまりにもハリウッド然としていて、正直コレジャナイ感が拭えなかったのだが、実際に観るとまあこれはこれで。
原作者のビアトリクス・ポターっぽいヒロインを挟んで、ピーターとマグレガーさんの甥
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デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」(2018年製作の映画)

2.8

終盤、世界のリブートのカウントダウンが始まってからは、結構面白い。
永遠に選ばれし子供のままではいられない、自らの意志で未来を選びとるというテーマは分かりやすい。
しかし、そこに至るまでの展開は、相変
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レザーフェイス―悪魔のいけにえ(2017年製作の映画)

3.1

トビー・フーパーのオリジナルに繋がる前日譚。
あの一家にあって、心優しい少年だったジェディが、いかにして殺人鬼レザーフェイスになったかが描かれる。
マイケル・ベイ版では既にビギニングがあったので、同じ
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ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~(2018年製作の映画)

4.1

小泉徳宏監督の出世作となった純愛映画、ハリウッドリメイク版。
お母さんが死んでたり、オリジナルとは細かいところは変わっているのだけど、基本的には同じ話。
XPという奇病で太陽に一切当たれない少女の、切
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.8

魔法の国の隣、御伽噺の裏側で。
ショーン・ベイカーは、前作「タンジェリン」を軽々と超えてきた。
ディズニーワールドをはじめとするテーマパークが集中する、フロリダ州オーランドの安モーテル、その名も“マジ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.7

こりゃあ面白い!
東映が昭和の実録犯罪映画にディープなセルフオマージュを捧げた、快作ピカレスクムービー。
さすがに手ブレする手持ちカメラは真似なかったが、冒頭の三角マークから厳つい顔の男たち、ナレーシ
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ボックストロール(2014年製作の映画)

4.5

なぜかヤドカリの様にダンボール箱を着る、ボックストロールに育てられた人間の少年の物語。
ライカ作品としては、パラノーマンの系譜に連なる作品で、前作同様に異形の者へのいわれなき偏見と差別がモチーフ。
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ラブ×ドック(2017年製作の映画)

3.0

吉田羊のアラフォー独身女性が、5年間の三つの恋愛を通して、自分中心の恋愛観からの成長を遂げる物語。
基本プロットそのものはシンプルで、共感できるものなんだが、大量に突っ込まれてる賑やかし要素が無駄に多
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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた(2017年製作の映画)

4.3

今ダメ人間を演じさせたらアメリカNo. 1、ジェイク・ギレンホールが、ボストンマラソン爆弾テロ事件で両足を失った青年を演じる。
彼は生き残っただけでなく、逮捕に繋がった犯人の目撃情報をFBIに伝えたこ
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となりの怪物くん(2018年製作の映画)

3.2

うーむ「キミスイ」が良かったから期待値高めだったんだが。
土屋太鳳のガリ勉少女が、菅田将暉演じる破天荒な同級生に懐かれて、平凡な日常が刺激的に。
しかし、登場人物はそう多いわけではないが、全体的にまと
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オー・ルーシー!(2017年製作の映画)

4.2

てっきりコメディだと思ってたのに、こんな痛い話だったとは。
寺島しのぶ演じる汚部屋暮らしの中年独身OLが、ひょんなことから怪しい英語学校のジョッシュ・ハートネット先生に一目惚れならぬ一ハグ惚れ。
彼を
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.4

むっちゃ面白い。
例の事件に至るトーニャ・ハーディングの半生をインタビューと再現ドラマで構成してるのだが、インタビュー含めて役者が演じ直して世界観統一してるのがユニーク。
彼女の悲劇は周りに極端な人し
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.6

ああ、これは切ない。
一生忘れられない、青春の通過儀礼としてのファーストラブストーリー。
ネットもスマホも無い1983年、陽光降り注ぐ北イタリアのロケーションがいい。
17歳の少年エリオが、大学教授の
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