ともぞうさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

3.4

第4次沖縄抗争をモデルにした実録もので、封切り公開時は未だに抗争が続いていたため、映画の終わりも綺麗な決着が付いた形ではない。また、沖縄県では興行されなかったそう。千葉真一の国頭正剛は仁義なき戦い2作>>続きを読む

人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

3.0

大作だとは思うが、時代背景もあり違和感が。主役の仲代達也が自分だけが正義の味方ぶって、空回りしてるようにしか見えず。もっと上手く立ち回る方法はいくらでもあっただろうに。また、あの時代に軍部に楯突けば、>>続きを読む

お茶漬の味(1952年製作の映画)

3.4

男が偉そうにしてるのも好きじゃないが、女が偉そうにしてるのも嫌だな。良家の妻が田舎者の夫を小馬鹿にするシーンは辟易とした。でも、女性が集まって旦那の悪口を言うのは今も昔も全く変わらないんだな(笑)最後>>続きを読む

利休(1989年製作の映画)

3.6

三國蓮太郎の千利休と山崎努の豊臣秀吉。名優の演技合戦。秀吉を立てながら、それでも必要なことは伝えなければという利休と天下人となり、自分より上に立つ者を許せない秀吉。それにしても山崎努の怪演は凄い。奢り>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「狂った野獣」と並び、日本映画でカーアクションは成立するか?という命題に立ち向かった作品。このため本作が、日本で最初のカーチェイス映画と評されるだけあって、何をやってるのか分からないくらい車を当てまく>>続きを読む

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)

3.2

淀川長治さんが邦画ベスト3(残菊物語、羅生門、戸田家の兄妹)にあげた1本。ストーリーはアメリカ映画「オーバー・ゼ・ヒル」の翻案とされているそうな。この映画の公開は1941年だから太平洋戦争が始まった年>>続きを読む

残菊物語(1939年製作の映画)

3.5

淀川長治さんが邦画ベスト3(残菊物語、羅生門、戸田家の兄妹)にあげた1本。ストーリーは分かりやすいが、いろんなテーマが盛り沢山。親の七光りでチヤホヤされるが、実は才能のない子の苦悩。家柄の違いで結婚を>>続きを読む

資金源強奪(1975年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

監督の深作欣二が東映とのトラブルで「ふかさくきんじ」という平仮名にクレジットをしたのが有名な作品。ヤクザものというよりも強盗もの。全員が自分のことしか考えていない人でなし。そして、北王子欣也以外はほぼ>>続きを読む

狂った野獣(1976年製作の映画)

3.3

'70s東映プログラムピクチャーの魅力が炸裂する「和モノB級パンク・ムービーの傑作」と評される作品。バスジャックアクションというかコント。警察とのカーチェイスになるとパトカーや白バイを盛大に破壊。CG>>続きを読む

長屋紳士録(1947年製作の映画)

3.4

時代とは言え、親と逸れて付いて来た子供を押し付け合うだけで、誰も警察に連絡しようとしない。物語はシンプル。最初は邪険に扱っていた子に愛情が湧き、だんだん可愛くなってくる。自分の子供として育てようとした>>続きを読む

野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

松田優作のイカれた目を堪能する作品。室田日出男とのリップヴァンウィンクルの話をしながらのロシアンルーレットは緊張感があって良かったけど、松田優作の演技は大仰過ぎて受け付けず。戦場カメラマンになり、精神>>続きを読む

拝啓天皇陛下様(1963年製作の映画)

3.1

ある男の戦中、戦後を通じた一代記。この時代の映画は過度に反戦を謳うものが多いイメージだが、天皇陛下に敬愛の情を抱く、かと言って右翼的でもないバランスの取れた作品。渥美清と藤山寛美のコメディアン共演もあ>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

3.6

小津作品には珍しい不倫と夫婦の再生がテーマ。時代というのもあるが、男の自分も淡路千景に同情してしまった。子供が小さいうちに病気で亡くし、それから夫婦仲に隙間風が。でも、死んだ息子の命日も忘れて飲み歩き>>続きを読む

下町の太陽(1963年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

下町が大好きな女性が、会社で出世して郊外の団地に住もうとする男を振り、下町で頑張る工場の兄ちゃんに乗り替えようとする話。清く貧しく美しくの思想が強過ぎて、少々ウザい。最後のバレーボールに被さる歌も全然>>続きを読む

薄化粧(1985年製作の映画)

3.0

劣化版「復讐するは我にあり」。実際の連続殺人犯の逃亡劇を描いているが、場面がバラバラと飛ぶので分かりにくいし、女にだらしない犯人の女性との絡みに焦点。有名女優の裸を出しとけば、ある程度は観客が入るだろ>>続きを読む

トラック野郎 御意見無用(1975年製作の映画)

3.2

ドリフのようなドタバタコメディ。そして、てんこ盛りのストーリー。マドンナに惚れるが、結局は失恋。でも、そのマドンナのために一肌脱ぐ。寅さんに通じる日本男児の純愛。昭和を感じさせる。最後の歌も良い感じ。>>続きを読む

伊豆の踊子(1963年製作の映画)

3.0

ストーリーとしては旅芸人の女の子に淡い恋心を抱き、別離の悲しさを表しただけなので、この作品は正しく18才の吉永小百合を堪能する映画。

〈あらすじ〉
若葉が美しい伊豆の街、修善寺を発った一高生の川崎(
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黒の奔流(1972年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

元々の原作がそうなのか、捻りのないストーリー。裁判で救った女が、やはり真犯人だった。男女の仲になったが、女に脅されたので、殺そうとしたら無理心中に。岡田茉莉子の場末のおばさん感が凄かった。

〈あらす
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事件(1978年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

単純な殺人事件に見えたものが、様々な証言で真相が明らかになっていく法廷もの。姉の松坂慶子は義父に犯され、ホステスになってからはチンピラのヒモにたかられ、男は妹に取られ、その男に殺されるという本当の被害>>続きを読む

影の車(1970年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冷め切った夫婦関係に嫌気し、隣町の幼馴染の未亡人と不倫(29才の岩下志麻が綺麗)ただ、その息子が自分になかなか懐かない。それどころか、自分のことを憎み、殺意を抱いているようにすら感じる。この子役が感情>>続きを読む

霧の旗(1965年製作の映画)

3.9

山田洋次監督と倍賞千恵子と言えば寅さん。そのイメージとは180度反対の作品。勧善懲悪とは程遠い、一筋縄では語れない物語。倍賞千恵子の兄も冤罪は可哀想だが、お金も払えず、忙しいし、九州の良い弁護士を薦め>>続きを読む

光の旅人 K-PAX(2001年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

自らを宇宙人だと名乗る男。最初はイカれてると思っていた医師がだんだん本当に宇宙人ではないか?と疑問を抱く。ラストは人間か宇宙人か分からない終わり方。でも、自分は宇宙人だと思う。紫外線が見える、一部の天>>続きを読む

ゼロの焦点(1961年製作の映画)

3.6

結婚したばかりの夫が失踪。それを妻が金沢まで追う。そこには悲しい女たちの人生があった…サスペンスの王道のようなストーリー。さすが松本清張。ただ、映画としては短い尺に圧縮しないといけないから、中盤からは>>続きを読む

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)

3.4

権力を握るため、親子や兄弟でも謀略を図り、殺し合う。まさに時代劇版「仁義なき戦い」。父親の汚いやり方に怒った千葉真一が家光の首を討ち、父親の野望を打ち砕く。家光の首を抱きながら、萬屋錦之介が「夢じゃ、>>続きを読む

海と毒薬(1986年製作の映画)

3.4

戦時中に九州大学で実際に会った事件を元にしているというのが恐ろしい。しかも、生体解剖で行った実験が以下。
・血管へ薄めた海水を注入する実験
・肺の切除実験
・心臓の停止実験
・その他の脳や肝臓などの臓
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女必殺拳(1974年製作の映画)

3.0

千葉真一の殺人拳を観たので、その流れでこちらも鑑賞。当時19才の志穂美悦子が主役。志穂美悦子は自分の中ではキカイダーでのビジンダー(このネーミングは今ならセクハラか、ルッキズムか?)。アクションは志穂>>続きを読む

黒部の太陽(1968年製作の映画)

3.5

今年は黒部ダム完成60周年。小4の夏休みに長野の知人宅に遊びに行き、そこから黒四ダムを観光した。子供だったこともあり、その大きさに圧倒されたのを覚えている。高度経済成長の前夜、電力不足が深刻になり、ど>>続きを読む

激突!殺人拳(1974年製作の映画)

3.1

殺人拳シリーズ第1作。前年の燃えよドラゴンが空前の大ヒットとなり、空前のカンフーブームが。その流れに乗って、日本も空手ものが多数作られたが、その中でも千葉真一の殺人拳シリーズはその代表格。アクションの>>続きを読む

里見八犬伝(1983年製作の映画)

3.0

JACの千葉真一、志穂美悦子、真田広之が大活躍。でも、一番インパクトがあったのは当時31才の夏木マリ。魔女感が凄い。最後は薬師丸ひろ子と真田広之が結ばれて、めでたし、めでたし。

〈あらすじ〉
館山城
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秋日和(1960年製作の映画)

3.6

「晩春」の父娘を母娘に設定変更し、コメディ風味にしたような作品。亡くなった友人の奥さんの再婚を勝手に進めようとしたり、今の感覚ではあり得ないおっさん連中の無茶苦茶ぶり。自分が男だからというのもあると思>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

3.2

小津監督、初めてのカラー作品。赤の発色が良いとのことでドイツのフィルムを採用したので、赤色の小物を多々使用している。今作では主役は笠智衆ではなく佐分利信。他人の娘には幸せが一番と言いながら、自分の娘の>>続きを読む

野性の証明(1978年製作の映画)

3.7

人間の証明がヒットし、証明シリーズ第2弾。14才の薬師丸ひろ子のデビュー作で「お父さん、怖いよ。何か来るよ。大勢でお父さんを殺しに来るよ」のキャッチコピーが有名。公開時、自分は小学生で、後半の特殊工作>>続きを読む

張込み(1958年製作の映画)

3.2

野村芳太郎による松本清澄原作の監督第一作。刑事ものだが大捕物という程のアクションもなく、人間の愛憎劇がメイン。何より高峰秀子の演技に見惚れる。駆け落ちを決意した男が逮捕される、それを聞かされた時の高峰>>続きを読む

飢餓海峡(1965年製作の映画)

3.0

名作と言われているが、良さが分からず。単調で長い。それで、最後は呆気なく飛び降りてお終い。

〈あらすじ〉
昭和22年9月20日、台風10号の最中、北海道岩内で質店一家3人が惨殺され、犯人は放火して姿
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お早よう(1959年製作の映画)

3.2

下町の新興住宅地で起こる出来事。自分の家にテレビがないから、テレビのある家に見に行く。奥さん達の噂話。家族の喧嘩。子供達の間では、おでこを押すとオナラを出す遊びが流行り、締まりの悪い子が中身まで出して>>続きを読む

白昼の死角(1979年製作の映画)

3.4

終戦直後の東大生ヤミ金融「光クラブ」事件を題材とした高木彬光の小説の映画化。原作を読んでいたから楽しめたが、原作未読だと金融詐欺のトリックが展開が早くてよく分からなかったように思う。夏八木勲がギラギラ>>続きを読む