のりさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ブリーダー(1999年製作の映画)

4.0

程良い厨二映画。オープニングの人物紹介からカッコいい。

人物の移動を後ろから撮影し、躍動感を出したり、場面の切り替えに赤い画面やテレビのノイズ画面を使ったりとスタイリッシュ。なんだけど話も映像も全体
>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.2

ディズニーらしいワクワクする設定とビジュアル、笑って感動する王道ストーリーと子供から大人まで楽しめる傑作。

ディズニーは主人公の成長が軸となる作品が多いがこれはちょっと変わった成長物語だった。
ウサ
>>続きを読む

見えざる敵(1912年製作の映画)

3.2

これがデビュー作であるギッシュ姉妹が若いけど美しい。

サイレントでサスペンスは多分初めて?見たかな。銃が壁に開いた穴からニュルッと出てくる演出など、不気味な個性が出ている。これが『見えざる敵』の意味
>>続きを読む

キートンの囚人13号/ゴルフ狂の夢(1917年製作の映画)

3.2

何回も撮り直しが必要なほど器用なシーンが多い。痛そうなのにコミカルに動く役者たちの演技というかもはや気合が凄い。囚人服着たキートンが何人もの刑務官を引き連れるとこがシュールでおもしろい。

あと存在感
>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

『メメント』の再来。認知症という設定が序盤はかったるいがそれを上手く活かした上でのラスト。後味は良くはないけど見事に騙された。

老人ののほほんとしたロードムービーが一転してミステリーに。謎が深まって
>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.6

パリを舞台にした恋愛オムニバス。個人的には1話目が好み。

他愛も無い会話劇の最中にひねりを加えた出来事があり、余韻がいっそう残る。乙女心ってのをこの監督は熟知してるんだろうなぁ。

水の精 マーメイド(1996年製作の映画)

3.6

短編アニメ。今まで見たことのない油絵の絵柄。繊細な色を表すことができるのが長所で特に水の描き方が凄まじくリアル。ロシアアニメ恐るべし。10分だけど儚い。

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.2

少女が体験した大人の世界。バカンス先で複数の男女が絡み合う恋模様。

他愛も無い愛の駆け引きが展開していくが、少女であるポーリーヌが1番正気を保ってるように見える。他は正直似たり寄ったりの恋の奴隷たち
>>続きを読む

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

4.0

寡黙な青年がスリに魅せられ、のめり込んでいく一方で、次第に人間らしい感情を失っていく様を描く。

登場人物たちの動きもセリフも最小限で、青年の淡々としたモノローグさえもごくごくシンプル。そのため背景を
>>続きを読む

ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)

3.8

虚飾に満ちた演出を悉く削ぎ落とすことが特徴であるこの監督は、史実物と大変相性が良い。史実を偏見無く、ありのままに伝えられるからである。冒頭でも実際のジャンヌダルクの裁判を基に作成しているとテロップが流>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

3.8

実話が基になっていて、リアリズムが徹底されている。音楽、俳優、ドラマ性をなるたけ削ぎ落とし、〝脱獄〟という行為のみに焦点を当てている。さらに作業する手など行為の描写が多く、まるで自分が行なっているよう>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.8

よく出来てるなという印象。色々詰め込まれれながらも、宮沢りえ演じる母・双葉の優しさ、偉大さに帰結する。ラストは正直ぶっ飛んでる。これがやりたかった故の設定だったとかやらしいことを考えてしまった笑。>>続きを読む

地下室の怪(1966年製作の映画)

3.2

ヤン・シュバンクマイエル…
この監督に現代ホラー撮らせたら超絶怖い作品にできそうな気がする。
少女が地下室で体験した不思議な出来事でしかないんだが、怖い。少なくともユニークではない。

近すぎるカメラ
>>続きを読む

おなかすいた、寒い(1984年製作の映画)

3.4

女子2人の家出劇。テンポというかリズムがいい。コントのように息ぴったりな2人。

年頃の女の子が求める恋愛、友情、絆というベタなものは否定し、欲求のみに焦点を当てる。本作より前には数本名作を生み出した
>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.0

少女が部屋の中で意味わからん行動を取る。言葉にし難い思春期特有の感情なのだろうか。

彼女の力強い鼻歌が不気味に聞こえる。
彼女の行動にシンクロするような乱暴なカメラワーク、鏡、真っ暗な画面と音。この
>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.8

戦争、銃の恐怖を戦場での直接的な表現だけでなく、人間の心や家庭をじわじわと蝕んでいく描き方によって表現している。

戦争映画としての激しさについてのリアリティも申し分なし。しかし1人の軍人の人生を実話
>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.8

教会の児童虐待隠蔽というスキャンダルを新聞社チーム「スポットライト」が追う。

あくまで実話が基になっていて、新聞社の社員たちが黙々と仕事に没頭する姿が淡々と描かれているので、地味な作品ではある。
>>続きを読む

バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.0

ここまで広げた風呂敷を無理やりながらもよく畳んでくれた。

冒頭で今までのおさらいをしてくれたのは良かった。
あと相変わらずアリスがカッコいい。振る舞いもアクションも。だからこそカット割りが多くて見辛
>>続きを読む

グレート・ウォリアーズ/欲望の剣(1985年製作の映画)

4.4

ポール・ヴァーホーヴェン監督初期の傑作。
領主に捨てられた傭兵たちの復讐劇。

本作では領主側と傭兵側どちらの視点で鑑賞すればいいか分からないところが面白い。ルドガー・ハウワー演じる傭兵たちのリーダー
>>続きを読む

月世界旅行(1902年製作の映画)

3.2

世界初のSF映画。発想自体画期的だっただろうけど、映画というよりかは演劇の延長って感じ。
セットは絵の中に人間が紛れ込んでるように見えて逆に新鮮だった。
ストーリーは今題材にしても十分面白いと思う。S
>>続きを読む

チャップリンの冒険(1917年製作の映画)

2.8

チャップリンに追いかけっこやらせたら超一流の笑いを提供してくれる。チャップリンのコミカルな動きに他の役者さんも合わせるの大変だったろうな。逃走劇以外にもクスッとなるところもちらほら。

約20分で詰め
>>続きを読む

宇宙人ポール(2011年製作の映画)

3.0

サイモン・ペッグとニック・フロストのコンビは安定して笑えるから好きだけど、今回はあまり彼らの掛け合いが見られず残念。全体的に笑いが弱いかな。好みの問題もあるけど。

あとポールに出会うまでが長かったり
>>続きを読む

黒い罠(1958年製作の映画)

5.0

冒頭のロング・テイクに圧倒され、その後は無意識に彼のカメラワークに目を追い続けることになる。物語を忘れてしまいそうになるほどのウェルズの卓越した演出は語り尽くせないほど。

ストーリーは正義感溢れる捜
>>続きを読む

血と砂(1965年製作の映画)

4.2

明るくユーモアに溢れる戦争映画。テンポもよく、笑いどころも多い。
軍楽隊が奏でる〝聖者の行進〟は戦争の重い雰囲気を吹っ飛ばす。ミュージカルとはまた違うけども、戦争と音楽が見事に融合。

戦闘のせの字も
>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.8

シュールの極み。

ある豪邸でパーティが開かれるわけだが客人たちは一向に帰らない、いや帰れない。

ツッコんだら負けな世界観。しかしめちゃくちゃだけども極限状態の人間の愚かさはしっかりと描かれている。
>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

3.8

子供たちが画面いっぱいに動き回ったり、走り回るのを見ているだけで面白い。
その要因としては自在なカメラワークだと思う。
俯瞰中心で子供たちを映し出していたのにラストで彼らを仰視させたことは彼らの決意を
>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

4.4

映像は評判通りの美しさ。画面の構成やロケーション選びにも目を引くものがあった。窓やガラス張りのドア越しの背景を映し、奥行きを出したり、同じロケーションでも人物の感情は対比的であったりと素人目でもわかる>>続きを読む

ラッシュアワー3(2007年製作の映画)

2.8

コメディ刑事モノ。1、2を観ずにたまたま本作を観たけどストーリーに支障はなし。

良くも悪くも王道。にしてはアクションの見所が足りない。コメディとしては及第点。吹き替えで観たけどジャッキーとクリス・タ
>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.4

ルークやアナキン、レイ達英雄とは違い、影にいる者達の物語。フォースこそ出てこないがド迫力なシーンの連続で、シリーズではあまり感じられなかった感動がありと個人的にはスピンオフながら最高傑作かもしれない。>>続きを読む

プラトーン(1986年製作の映画)

3.6

ベトナム戦争の胸糞悪さを全面に出してくれた映画。
雨、虫、泥、夜…
人間のモチベーションを下げる要素ばっかりでこの環境が他の戦争と決定的に違う。蒸し暑さがこっちにも伝わってくるよう。

あと大テーマで
>>続きを読む

レボリューション めぐり逢い(1985年製作の映画)

2.8

米独立戦争に参加した父と息子の物語。アル・パチーノ、ナスターシャ・キンスキー、ドナルド・サザーランドとキャストは地味に豪華。

イギリス側の残忍性が結構出てるんだけど、中途半端だった気がする。その中途
>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.2

スピルバーグの汎用性の高さには舌を巻くばかり。戦争映画も高クオリティ。

1番語られるべきはやはり、冒頭のノルマンディ上陸作戦。最新のSFX技術を駆使したリアルな映像に衝撃を受けた。手足の破裂や内臓露
>>続きを読む

シビル・ガン/楽園をください(1999年製作の映画)

3.0

南北戦争を南部ゲリラの視点から描く。主演は旧スパイダーマンのトビー・マグワイア。

邦題はなかなかにダサいが、南北戦争を知るために見て損は無い作品。高校で習うくらいの南北戦争の知識くらいあれば、より深
>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.6

懐かしい!という気持ちはあまり湧かず。でもそれは悪い意味では無くてハリポタシリーズとはまた別物のファンタジーとしてこれからの期待が高まる出発点だった。

オープニングBGMや魔法なんかはキター!って感
>>続きを読む

ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年製作の映画)

3.8

マイケル・ムーア監督がアメリカに蔓延る銃問題を追求していくドキュメンタリー。

中心となる題材は高校と小学校で起きた銃乱射事件でその関係者へのインタビューを軸に話が進む。実際の事件の監視カメラからの映
>>続きを読む

白熱(1949年製作の映画)

3.6

ジェームズ・ギャグニー演じるマザコンで精神病持ちのギャングが大暴れする映画。

〝悪の美学〟がギャグニーによって体現されている。冒頭から最後まで悪を貫き通す。精神病という設定も功を奏したと思う。刑務所
>>続きを読む